導入製品 サイボウズ デヂエ | かんたんシリーズ

企業情報

山印醸造株式会社

■会社名:
山印醸造株式会社

■ホームページ:
山印醸造株式会社ホームページ

■利用製品:

  • サイボウズ デヂエ

■業種:
製造業

■サーバー OS:
Windows 2000 Server

■管理者レベル:
専任管理者



山印醸造株式会社

業務システム部 森永 真氏

「健康は食にあり」という観点から、味噌醸造を中心に、醤(ジャン:中華、韓国調味料)、健康食品などの商品開発から販売までをトータルに行っている山印醸造株式会社は、昭和 30年に設立された。
同社では、設立以来、大豆他厳選した原材料を使うことにこだわり、「人に優しい商品づくり」を目指している。また昭和 50年にはアメリカに味噌生産工場を設立するなど、インターナショナルな事業展開も行っている。近年は、醤(ジャン)関係の売り上げが好調に推移し、全売り上げの 35% を占める勢いとなってきている。
全国に 6箇所の支店や工場があり、常に拠点間での連絡が必要な同社にとって、「サイボウズ デヂエ」はどのように活用されているのだろうか。
その詳しい活用法を、同社業務システム部 森永 真部長に聞いてみた。

導入背景

同社では社内での情報共有の必要性を感じ、2000年 7月、「サイボウズ Office 3」を導入した。スケジュール管理はもちろん、営業の日報管理をしたかったのだという。

「サイボウズ Office」導入後、「報告書」で日報管理をしていたが、蓄積された過去の情報を分析するのが難しく、何かいい手はないかと悩んでいたのだ、と森永氏は語った。

「サイボウズのグループウェアは使いやすかったのですが、サイボウズ Officeでは扱いにくい、蓄積系の情報を何かで管理したかったんです。そこで DBメーカー(※)はどうだろうか、と思って試してみたのがきっかけでした。」(森永氏)

デヂエでの日報管理の運用をイメージできていた訳ではないが、導入コストが安かったので、「ダメモト」で導入したのだという。次項では、実際の活用例に迫る。

※DBメーカー ・・・「サイボウズ デヂエ」の前バージョン。以降「デヂエ」と記す。

活用方法

同社では、味噌や醤のサンプルを、取引先の研究施設やメーカーに送ることがある。
本例は、このサンプル依頼時の連絡用ライブラリである。

サンプルの依頼は、営業から工場の受注オペレーターにサンプルの発注が出され、受注オペレーターが工場の担当者へ指示書と送付先を渡す。工場の担当者は、指示書どおりにサンプルを作り、送付先へ納品する、というフローだ。

「ウチでは、受発注システムとしてオフコンを使っているんですが、このオフコンでは、入力できる情報量や桁数が限られているんです。また、サンプルごとに指示も違ってきますから、必要な連絡事項も入れられない状況でした。内容量も規格値が決まっているため、規格値範囲外でのサンプル発注ですと、オフコンでは入力しきれない情報が出てきたんですよ。こういった規格外の情報を扱うのに、デヂエを使っています。」(森永氏)

サンプル依頼は正式な発注前の依頼である。要するに売上金が発生しないため、オフコンで管理しきれなかったということも、デヂエ活用の理由のひとつだ。

『サンプル発注依頼ライブラリ』のフィールドには、発注番号、送り先会社名、送り先住所、サンプルの品名、容量、個数、連絡事項、出荷希望日、着日などの項目がある。
連絡事項に書かれる内容は、特にオフコンでは入力できない項目なので、非常に役に立っているのだそうだ。

サンプル発注の業務フロー

  1. 営業担当者がサンプルを工場受注オペレーターにデヂエで依頼する。
  2. 工場受注オペレーターが発注内容を確認、送り先住所を CSV ファイルで書き出し、宅配伝票を作成する。
    デヂエに着予定日を入力し、入力画面を指示書として、宅配伝票とともに工場の現場担当者へ渡す。
  3. 工場の現場担当者は、指示書を見てサンプルを作り、指示納品先へ納品する。

このように 1依頼 1レコードにすることで、状況把握が容易となっている。

その他の活用例として、あってはならない事だが、万が一起きた場合の社内連絡を含め、得意先様へのスピーディな事後処理を目的とした『発送トラブル報告書ライブラリ』がある。これはその名のとおり、発送中に起きたトラブルを蓄積していくライブラリだ。

同社は、醸造から発送までをスムーズに行うため、配送会社と契約し、味噌であれば 200トンほども保冷可能な倉庫を確保している。
倉庫からは発送業務を委託している配送業者が、納品先へ直接納品する仕組みだ。

発送トラブルの業務フロー

  1. 発送に関するトラブルに関するクレームを電話などで社内の人が受ける。
  2. クレームを受けた人が、デヂエに登録する。
  3. 生産の担当者へメールで通知される。
  4. 3ヶ月に一度の発送委託業者との協議の際に、デヂエに蓄積されたトラブル報告を使用し、問題提起する。

『発送トラブル報告書ライブラリ』のフィールドには、出荷日、出荷先名、トラブルの詳細内容、要請(工場→運送会社)、要請(営業→運送会社)といった項目がある。

「以前はこういったやりとりは電話やFAXで行っていました。しかし FAX でクレームを受け取っても、結局担当者の机の中に入って終わりでした。その後は集約されたデータになるわけでもなく、何も利用価値がなかったんです。今はデヂエで発生したクレームが蓄積、確認できています。このデータを使って、発送委託業者との協議で問題提起するんですよ。問題の把握や、トラブル数の減少に大いに役立っています。」(森永氏)

3つ目の活用例として、外部企業とのやりとりがあげられる。

このデヂエはレンタルサーバー上にあり、社内で運用されているデヂエとは一線を画すものだ。
すべてのフォルダにアクセス権を付与し、ログインしなければ何も閲覧できない設定にする、といった工夫が施されている。

味噌メーカーである山印醸造株式会社は、一部商品に限り原料を取引先の業者に送り、パックを依頼している部分がある。そこから発送業者に集荷を依頼、山印醸造からの納品指図(オフコン)により、発注元への納品が行われる。つまり、3拠点でのやりとりが生じることになるのだ。

3拠点間の業務フロー

3拠点間の業務フロー

『製造依頼ライブラリ』 には、発注番号、発注年月日、商品名、規格など様々なフィールドが設定されている。
レコード一覧ビュー画面では、製造報告、集荷報告、最終確認のフィールドをチェックボックスに設定してあり、依頼から製造、納品が確実に行われるよう、ひと目で進捗がわかるように工夫してある。

また、同社が編集すべきフィールドは背景を黄色に、パック製造する会社が編集すべきフィールドは背景を赤色に、配送会社が編集すべきフィールドは背景を緑色にするなど、直感的にわかりやすいビュー作りがなされている。加えて、集計機能を使うと、日別の「製造引受数量」が一目瞭然だ。

「拠点間のやりとりは、他社とも今後もっと発展させていきたいですね。今はインターネットに繋がっている会社さんが多いですから。デヂエならアクセス権も細かく設定できるし、連絡が本当に必要な担当者には必ずメール通知できるのでいいですね。」(森永氏)

その他にも、同社では多くのライブラリが活用されており、その多くは、社内での業務フローの中で活用されている。
下は、その中の抜粋である。

儀礼名簿ライブラリ

読んで字のごとく、お中元やお歳暮のリストになる情報が蓄積されたライブラリである。
「サイボウズ Office」 にて部署ごとに送って欲しい先のリストをデヂエに登録するよう募り、総務担当者が CSV ファイルへ書き出し、工場へ送る。工場担当者が CSV ファイルのデータを元に伝票を作成し、発送する仕組みである。

PC の社内研修ライブラリ

社内向けの PC 研修の内容を蓄積していくライブラリである。レコード登録者に許可するアクセス権をつけて、登録した自分のレコードだけを閲覧できるように設定してある。

導入の結果と今後の展望

前項で紹介してきた活用例は、どの例も以前は電話やFAXでやりとりをしていたという。

「 『言った、言わない』『受け取った、受け取らない』というくだらないやりとりが頻発していました。今はほとんどなくなりましたね。これがデヂエを導入した最大の効果です。あとは、実際にデヂエを利用する社員達が、業務フローについていろいろ考えるようになりました。業務がフロー化できるということは、企業にとっての大きなメリットですよ。」(森永氏)

同社では、業務担当者がライブラリを作成することもあるという。操作が易しいデヂエだが、レコード一覧画面で Excel のように枠を固定して見ることが出来ないので不便であるという声も上がっているのだ、とデヂエへの要望を森永氏は語ってくれた。

今後取り組みたい運用として、前述の『発送トラブル報告書ライブラリ』の拡大がある。
三社間の情報共有のように、このライブラリを配送会社と共有したいのだ、と森永氏は語る。

「配送業者との情報共有を進めていけば、得意先様への対応がさらに迅速化できるのではないかと考えております。」(森永氏)

もう一つは、営業の進捗管理だ。
中でも、全国のスーパーマーケットをターゲットに、「どこに」、「いつ」営業をかけているのか、そういった生きた情報を、50名の営業マンに伝えるための営業進捗管理をデヂエで行いたいという。

「デヂエのいいところは、『知らなくてはいけない情報を、知るべき人が確実に知れる』というところだと思います。」(森永氏)

現場からの要望を吸い上げ、デヂエで共有する。これからの業務フロー定着に、ますます デヂエは活用されていくだろう。

システム概要

サーバー OS Windows 2000 Server
クライアント Windows クライアントマシン
ネットワーク 社内用のサーバーは本社にあり、各支店はインターネット経由でアクセスする。社外との共有「デヂエ」は、ファーストサーバーのレンタルサーバーサービスを利用。

システム概要図

システム概要図

製品情報

サイボウズ デヂエ

営業進捗やアンケート、備品管理など幅広く業務に使えるデータベース

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山印醸造株式会社 導入事例 PDF (157kb)

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