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導入事例

  アイコン 導入事例 戸塚建設株式会社  http://www.tozka.co.jp/

もう公共事業は先細り これからは民間分野を伸ばさないと
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「もう公共事業は先細り。これからは民間で食べていけるだけの競争力をつけないと」。

戸塚建設株式会社の戸塚健常務取締役(写真)はこう話す。いま建設業界で生きる者なら、誰もが感じている現状認識だろう。といっても、ほんの1年ほど前までは、この戸塚常務の言葉には、不安や焦りの影がつきまとっていた。

戸塚建設株式会社社内に「情報化システム委員会」が設置されたのは1997年のことだった。その直接のきっかけは、96年に建設省によって発表された公共事業支援統合情報システム(建設CALS/EC)である。
その内容を見ると、2001年4月からは、公共事業に関する図面、写真等の成果物を電子データによって提出する電子納品が始まる。さらに、2001年10月からは、一部の建設省直轄事業でインターネットを使った電子入札がスタートする。最終的に、2004年度までには、建設省直轄の公共事業すべてを、電子入札にするという計画である。
この動きはもちろん、建設省だけには止まらない。2000年度中には、全国の地方公共団体を対象にした基礎調査が行われ、関係公団、各地方公共団体で電子入札を実施するための全国版アクションプログラムが策定され、最終的に2010年までには、地方公共団体を含めたすべての公共発注機関で、電子入札を完全実施するという青写真が描かれている。この電子入札システムは、公共事業だけでなく、民間の受発注にも徐々に波及していくことも確実だ。
戸塚建設株式会社内で、「これに遅れちゃいかんな」という気運が生まれたのも当然のことだろう。

また一方では、ISO9001という聞き慣れない言葉も、県内の建設業者の間に定着しつつあった。
これは、ISO(国際標準化機構)によって定められた国際的な品質保証規格のことで、欧米では、この規格の認証を受けていることが、仕事の受発注の前提条件にさえなってきている。日本の建設業界はまだその段階ではないが、認証を受けていればイメージアップにつながるのは事実だ。
しかも、ライバルである県内の建設業者たちは、こぞってISO9001の審査登録(規格の認証を受けること)に取り組んでいた。やがて、このISO9001が、工事受注のための実質的な前提条件になるかもしれない。

「静岡県の建設業者はISO9001の取得にとりわけ熱心でしてね。取得率は全国の都道府県でもトップクラスでした。これはとにかく、やらにゃいかんと思いましたよ」。 と戸塚常務は当時を振り返る。ISO9001の認証を受けるためには、工事の受注、設計から契約内容、資材の購入、工程管理、検査・試験、納入といった仕事の流れの全体にわたって、ISOの様式にのっとった文書記録を残さなければならない。また認証のための審査では、経営トップ以下の管理職が、仕事の流れの細かい部分まで的確に把握しているかどうかが、インタビューによって厳しくチェックされる。
こうした審査をパスすればひとまずは審査登録されるが、その後も半年または1年ごとに再審査を受ける義務がある。この再審査にもしも不合格になれば、認証を取り消されてしまうのだ。こうした厳しい要件をクリアして初めて、その企業は、国際的に通用する品質の製品を提供していると認められるのである。
ISOの文書記録は、紙ベースで残しても問題はないが、電子化することのメリットは非常に大きい。一定の様式にのっとった膨大な文書を、定期的に作成するためには、一度パソコンで雛型を作って、それを再利用するのが最も効率が良いからだ。
さまざまな条件での検索も簡単だから、仕事の内容を電子化してその情報を社内で共有すること自体が、ISOの求める品質管理の教育・訓練にもつながってくる。しかも、管理職が現場の仕事をしっかり把握するためにも有効なのだ。

建設CALS/ECとISO9001。この2つの差し迫ったテーマのために、社内の情報化は、一刻も早く進めなければならない全社的な課題になっていた。
とはいっても、「情報化システム委員会」を作っただけでは、どういう形で社内の情報化を進めるべきかという肝腎な結論は、一向に出てこなかった。
「最初の2年間は、模索しつつ、行きつ戻りつでしたね。当初の委員会は10名の社員で構成したんですが、みんな自分の仕事を持っていますから、委員会の出席率が悪かったりして、調査・検討がちっとも進まない。1年ほどたったところで、今度は委員を5〜6名に絞って再編成しました。講習会に行ったりして、もろもろの調査をしましたが、やはり前に進まなかったんですね」(戸塚常務)。  

ISO9001の準備は紙ベースで進めていたものの、建設CALS/ECへの対応に関しては、99年の夏頃まではほとんど白紙の状態だった。建設省の電子入札が始まる2001年まで、あと2年しかなかった。

(画像は、戸塚建設で構築されたサイボウズ Officeを利用したISO書式管理
  [クリックすると全画面を見ることができます。]


建設業情報化コンサルタントの話を聞いて決断
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決断の引き金になってくれたのは、情報システムコンサルタントの桃知利男氏(写真)との出会いだった。
桃知氏は、中小建設業の情報化のためのコンサルタントとして、全国にその名を知られる存在である。「桃知商店」なる看板を掲げ首都圏はもちろん、ノートパソコンを入れた鞄一つで全国を飛び回り、数多くの講演会、セミナーをこなす。ある時は北海道で公開コンサルテーションを開き、またある時は福岡の建設CALSフォーラムに参加する。
建設業界紙に寄稿し、「桃知商店」のホームページ「ももち どっと こむ」(http://www.momoti.com)に中小建設業情報化講座を連載する。

そんな桃知氏の存在を知った「情報化システム委員会」では、社内情報化に関する講演を依頼した。99年8月のことである。
「講演の後で社員全員にアンケートを取ったんですが、全体の8割近くが『ぜひやるべきだ』という結論になったんです。そこで10月には導入に踏み切りました」(戸塚常務)。 導入したのは、70台のノートパソコンとネットワーク機器、そしてサイボウズOffice3だった。

ここで、当時の戸塚建設株式会社のおおまかな社員構成を確認しておこう。全社員70人のうち、現場の営業は10人、本社にいる設計が8人、さらに現場の施工担当者が30人。残りが営業も兼任する管理職、役員という構成だ。
このうち設計はもちろん、施工の担当者も、従来からパソコンはある程度使いこなしていた。建設業界にはCADが普及しているから、現場の施工担当者も、CADで図面を書くことはできる。

といっても、社員たちは個々にスタンドアローンでパソコンを使っているだけで、社内で電子メールを交換したり、インターネットに接続したりする体制はまったく整備されていなかったという。 営業は当然、パソコンを一切使っていなかった。しかも営業担当の管理職、役員へと上に行くほど、パソコンには縁遠くなるという状態だった。


情報化投資には2000万円、でもサイボウズには38万円
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8月の講演の後で、戸塚建設株式会社の情報化コンサルティングを依頼された桃知氏がまず最初に主張したのは、パソコンは絶対に1人1台買い揃えるべきだということだった。
パソコン端末の機種やスペックがバラバラだと、それだけでシステム管理者に負担がかかる。システム管理者は、専門のSE経験はないし、従来通りに設計の仕事もこなしていかなくてはならない。管理者の負担はできるだけ軽くする必要があるのだ。

次に、保守運用の簡単なピアトゥピア方式で、現場重視のネットワークを構築した。そして、最後に、現状では最も使い勝手が簡単な上に、管理の手間がかからず、機能的にも必要十分なものが揃うサイボウズOffice3を推薦したのである。

「実はシステム委員会ではロータスノーツも検討してはいたんですが、どう考えても予算が2倍以上違うんですよ(笑)」。

決定的だったのはコスト問題だが、システム運用の面を考えても、戸塚建設には荷が重かった。
ロータスノーツを導入するには、本社と営業所、現場のすべてのパソコン端末に、専用のソフトをインストールして、かなり複雑な設定をしなければならない。また、運用を開始した後も、管理者がこまめに端末をケアする必要がある。この点だけを考えても、兼任管理者では無理がある。
しかも、サーバーや端末が高性能で、ネットワーク回線も大容量でないと、動作が極端に遅くなる。大容量の専用線でネットワークを構築し、SE経験のある複数の専任管理者を置けるような大企業でない限り、本当の意味で、ロータスノーツのメリットを享受するのはなかなか難しいのである。

桃知氏のアドバイスを受けて、実際に戸塚建設株式会社が導入したシステム関連の費用は、全体で約2000万円だった。
その内訳では、ノートパソコン70台のハード費用が大半を占めていて、サイボウズOffice3(100ユーザー)のソフト費用は38万円。このコストパフォーマンスの良さも導入の要因だった。
もっとも、戸塚建設にとっては、2000万円という情報化コストもかなり重い投資だった。

「予算的には相当きつかったんですけど、どうせやるなら本気でやろう、思い切ってやろうと決断しました」(戸塚常務)。


全員でパソコンの箱を開けるところから・・・
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ネットワークの構築にメドがついたところで、桃知氏は、社員教育にとりかかった。
教育といっても完全な短期集中型だ。

社員を15人ずつ会議室に集めて、1日中かけて、パソコンの箱を開けるところからからグループウエアの使い方までを実習させた。5日間で、全社員の教育がひとまず終了した。 その後、実際に使いこなせるかどうかは、社員次第である。

いきなり、従来からあるデスクトップなどとは別に、1人1台のノートパソコンが会社から支給されたのだから社内には動揺の色も見えただろう。
建築部設計課に所属する社員の1人で、システムの管理を担当することになった竹下徹氏(写真)は、パソコンが社内に浸透するのかどうか、半信半疑の気持ちだったという。

「若い社員はともかく、中高年の社員はどうなるかと心配だったんです。ところが導入してみると、想像とは全然違いました。中堅どころの40代前後の課長クラスの社員が、一番熱心にパソコンを覚えてくれたんです」。  

とりわけ、社内全体のネットワーク化の牽引車になったのが、建築現場で働く施工担当者だった。
現場の仕事が終わった後で、自主的に現場事務所に居残って、勉強する人も多かった。
「各課のシステム担当者は一切決めずに、各自のやる気に任せました。ただ、各部署にはパソコンに詳しい人がいましたから、その人たちが皆に声をかけて、教えたりしてくれた。CADを使いこなせる人がある程度の人数いたのも、幸いしましたね」(竹下氏)。

その一方、本社では戸塚常務が「鬼コーチ」役を買って出ていた。
誰よりも最優先で「鬼コーチ」の洗礼を受けたのは、2代目社長の戸塚誠夫である。

「ポイントは無理やりやらせることです(笑)。社長は『俺はそのうちやる』というんですが、『そのうち』は絶対に許さなかった。とにかく、スケジュールだけは無理やり入れさせるようにしました」(戸塚常務)。


お金を稼いでいる部署を情報化せずに会社が情報化するわけがない!
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まず第1に現場主義である。コンサルタントの桃知氏が、そのホームページの中でも特に強調しているのが、建設業の情報化における現場の重要性だ。
「建設CALS/EC対応を考慮した社内情報化とは、現場の情報化を第一義とした情報化の取組みであり、ここにおいては、イントラネット、インターネットの活用は必要不可欠なものです。(中略)建設CALS/EC実践とは、技術的には現場で対応しなくてはならないものがほとんどです。わざわざ本社までいかなくてはメールの送受信ができないようではCALS(情報化)のメリットはありませんし、建設CALS/EC対応現場担当者というのが、特別に存在するような情報化は、根本的に情報化へのスタンスが間違っているのだと考えます」(「ももち どっと こむ基本姿勢」から)。

同じ建設業でも、本社のスタッフ部門だけを情報化して事足れりとしている会社が多いことに対する、痛烈な批判である。
建設業の現場は、仮設のプレハブ建築の中に置かれることが多い。だからといってその現場を軽視して、情報ネットワーク化するための投資を惜しんでいては、その会社の根本的な力の源泉である現場が、情報共有の外に置かれてしまう。最も肝腎な部分が抜け落ちてしまうのだ。

ちなみに、工事現場の作業が高度に機械化された現在でも、現場の施工担当者の熟練度によって、出来上がる建築物のレベルは微妙に違ってくるという。 「同じ図面を元にして作っても、30年いる人と5年の人とは、出来上がりがはっきり違いますからね」(戸塚常務)。
こうした「腕」の部分を全社的にレベルアップしていくためにも、現場を含めたネットワーク化は必要なのだ。一般の会社で最近よく言われるナレッジマネジメントという最新のビジネスモデルも、結局は社内のナレッジ(経験から生まれる知識力)を全社で共有しようとするシステムなのである。

戸塚建設株式会社では、常時20〜30カ所もの現場が同時進行している。短くて数ヶ月、長くても1年ほどで解体され、移動していくのが現場だが、桃知氏の助言によって、その中で回線を引ける現場すべてにISDN回線を引き込むことになった。 移動するごとに多少の工事費はかかるが、その都度わずか数万円の投資ならば全体から見れば安いものだ。

サイボウズOffice3が、Webベースのソフトウエアだからこそ実現したシステムである。
現場のパソコン端末には何の設定をする必要もないし、パソコンの通常のブラウザーを立ち上げて、自社サイボウズ用のURLを打ち込み、名前とパスワードを入力すれば、すべての社員と情報を共有することができるのだ。

しかも、こうしたいわば現場主義が、現場の施工担当者を鼓舞することになった。彼らは、小さいながらも一国一城の主のようなものだ。腕に自信のあるベテランほど、プライドが高く責任感も強いから、パソコンごときに尻込みしてはいられない。逆にそこで尻込みしていては、現場の仕事自体が先細りになっていくという危機感も強かった。
おかげで、残業してでも、早く使い方を覚えようという自主的な取組みが生まれ、それが全社の情報化を活性化していったのだ。実際、そうした課長クラス、中堅どころの熱心さに引っ張られるような形で、若手の社員たちも徐々にパソコンを使うようになったという。

第2の普及のコツは、戸塚常務に促されて、経営トップ自身が当初から情報化に取り組んだことだ。  中小企業の社内の電子情報化では、経営トップが率先して情報の共有に参加することの重要性は、いくら強調しても強調し過ぎることはない。
情報化は、トップダウンでないと必ず失敗すると言われるほどだ。ましてや、社長をオヤジと呼ぶケースがあるように、トップダウンの気風の強い建設業界では、なおさらである。

しかし逆に言えば、トップ経営者が率先して参加するならば、建設業界ほど電子情報化が進めやすい業界はないとも言える。さらに、仕事場が数多くの現場に分散している分散型組織であるため、建設業界は情報化とは意外に相性がいいのだ。2重の意味で、建設業界は、電子情報化が進めやすい業界なのである。


管理職のスケジュールは社員に連れ回されるためにある
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サイボウズOffice3の機能の中で、最もよく活用されているのは『スケジュール』である。
トップ画面で、スケジュールのアイコンをクリックすると、『スケジュール』画面が立ち上がる。ここでは、グループ分けされたグループごとに、各人の週間、月間のスケジュールが一覧できるようになっている。

戸塚建設株式会社の場合、『スケジュール』は社員が管理職のスケジュールをチェックするための場としても機能している。
「社長以下の役員が、一番きっちりと自分のスケジュールを書き込んであります。親戚の法事とか、友人宅への訪問とか、休日も含めて、個人的なスケジュールまですべて書き込むようにしています」(戸塚常務)。
おかげで、役員にも出席してもらいたい会議、打ち合わせや、営業の日程調整が非常にやりやすくなった。

ISO9001の準備のために、かなり頻繁に役員の打ち合わせを設定せざるをえなかった戸塚常務にとっても、『行き先案内板』と連動した行き先案内板機能は、日頃からどうしても欠かせないツールになっていった。
『ToDoリスト』機能では、やるべき仕事の優先度、締切期日などを、カテゴリー分けして表示できる。個人のToDoを登録できるほか、グループ単位の共有ToDoも登録することができる。 「この機能は、主に私たち設計の部署が便利に使っています。設計には積算、設計、監理という仕事がありますが、積算は1週間スパン、設計は1〜2カ月スパン、監理は工期のスパンと、それぞれ締切までのスパンが違います。その要請が、現場ごとに錯綜して入ってきますし、設計などは数人で分担して仕事を進めることも多い。これをスッキリと整理するのに非常に便利なんです」(竹下氏)。

 『文書管理』の機能は、各種の文書フォーマットを保存しておき、それを引き出して使うという形で活用されている。日報や積算、報告書、契約書などのフォーマットのほか、当面の懸案になっていたISO9001の書式も、ここに保管されている。
ちなみに、準備に1年半かけたISO9001は、2000年5月に審査登録が完了した。半年ごとに設定した再審査の第1回目も、問題なくパスしたという。

通常は会議室の予約などに使われる『施設予約』は、備品管理のためにも活躍している。現場用のプリンターやルーター、機械、工具類、デジタルカメラ、インスタントカメラ、書籍、さらにはソフトウエアまでここに登録してある。雨漏りチェックのための双眼鏡まで登録する細かさだ。
『掲示板』は、会社からの通達や社員の自由な意見などを全社で共有する機能だが、戸塚建設株式会社の場合、この機能は仕事というより社員の息抜き的に使われている。
「ここは、何でもありが原則の場所です。誰それがどこで飲んで、どうなったみたいな馬鹿馬鹿しいことが、意外にウケて投稿が集まるみたいです。私も活性化のために(笑)、たまに投稿したりしますよ」(戸塚常務)。
そのほか、『Webメール』機能も、さまざまな連絡事項に使われている。『スケジュール』機能ともあいまって、電話による通信費が明らかに削減できたという。

(画像は、週間表示させた役員グループのスケジュール
  [クリックすると全画面を見ることができます。]


ISO9001で規定された会議を電子会議室で行い大幅な経費低減に貢献!
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戸塚建設株式会社のサイボウズOffice3利用法の中で、最もオリジナリティーあふれる形で使われているのが「電子会議室」である。
この機能は、サイボウズOffice3ユーザーはあまり使っていないケースがあるのだが、戸塚建設株式会社の場合は、添付の機能をフルに使いながら、仕事上のデータベースとして活用している。桃知氏は、この使い方を「イマジネーション豊かだ」と絶賛しつつ、こう説明を加えてくれた。
「サイボウズOffice3が面白いのは、使っているうちに、各社がみんな独自の使い方をするようになることです。その会社の組織と仕事のニーズに合わせて、イマジネーションを働かせるんですね。戸塚建設株式会社では、『電子会議室』を『掲示板』に近い形で、独自にカスタマイズして使っています」。  

具体的に、その使い方を紹介しよう。『電子会議室』は本来、実際の会議室に集まることなく、オンライン上で会議をするための機能である。議題にそって参加者が入力した発言を、時間を追って一覧表示することができるし、各自の発言にはファイルを添付することもできる。
戸塚建設株式会社では、これを現場ごとの工程の推移を監理・記録・報告するために使っているのだ。  まずその現場の名を、議題として登録し、工程の節目ごとに、進行の状態とそこでの問題点や対処法などを施工管理者が書き込んでいく。その記事ごとに、デジカメで現場を撮った写真が添付されるわけだ。

この種の記録は、完全にオープンにすると、全社員に見られるのを慮って、現場の社員が書き込みをためらうかもしれないという心配があった。そのため、半年間ほどは仲間内だけのクローズな形にしたという。半年後に、皆が慣れてきた頃を見計らって完全オープンにしたが、現場の抵抗もなく、スムーズにオープンな形が受け入れられた。こうして、現場の詳細な記録になるばかりでなく、全社員が自由に閲覧して、仕事のノウハウを学ぶこともできる記事がずらりと並ぶことになった。
「建設業では、効率の良い手順とか、細かいノウハウの部分は、個人の技量に負うところが大きい。 この『電子会議室』の記事を閲覧すれば、若い社員でも、そのノウハウを疑似体験できるわけです」(戸塚常務)。  

営業マンにとっても、この記事は有益なものになっている。数多くの現場が同時進行しながら不定期に交代していくのだから、営業マン1人1人がすべての現場の内容を把握するのはなかなか難しい。それが『電子会議室』のおかげで、現場に行かなくても写真付きで詳細に状況を把握できるのだ。
施主さんから「あの現場の工法がいいのかな?」などと言われた時に、これまでなら冷や汗を流す場面もあった。現在では、「あそこはこういうやり方です」と即答できるようになったというわけだ。営業力アップである。

もちろん電子会議室の有用性は、営業マンだけに限った話ではない。同じ工務に携わっている技術者同士や現場間、そして何より部門を越えた意見交流ができるようになった。
これは、単に会議室上の話だけではなく、これまでは顔を合わせる機会がない営業部門と技術部門の交流に極めて役立っている。営業と技術の間はお施主さんからの重要な伝達事項が含まれているだけに、ほんの些細な行き違いが後々大変な結果を生んでしまう。当事者間のみならず周囲の人のアドバイスも得られる電子会議の場は、社内の情報を流通させるとともにお互いの技術力向上や社内のチェック機能としても機能しはじめているようだ。

もっとも、『電子会議室』本来のオンラインによる会議という使い方も、ISOのために有効に活用している。
「ISO9001の準備を始めてから、しまったなと思ったのは、会議の数がやたらと増えたことでした。例えば、その仕事単位で、施工検討会議、工事完成報告会議は必ず開かなければなりませんし、記録に残して審査してもらわなければならない。実際の会議をすると、スタッフの日程を調整するだけでも大変です。これを『電子会議室』でやることにしたら、非常に楽になった。ISO9001の再審査では、その『電子会議室』の記録を提出しましたが、これがあればまったく問題ないと言われましたよ」(戸塚常務)。  

わずか1年足らずの期間で、これだけしっかりグループウエアを使いこなしているのだから、戸塚建設株式会社の社内情報化は、完全に軌道に乗ったと言っていいだろう。

(画像は、電子会議室での施工計画検討の様子。時間や場所の制限無しにじっくりと計画検討できる。)
  [クリックすると全画面を見ることができます。]

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営業のサービス向上と現場ノウハウの共有化をもっと進めたい
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当初は半信半疑だった社員たちも、「もうこれがないと仕事ができない」と口を揃えるほどになった。
社員の中で10人ほどは、自宅にまでノートパソコンを持ち帰って、スケジュール管理に役立てている。

顧客や協力業者との間の連絡でも、相手にその環境さえあれば、電子メールを活用するのが当たり前になった。建設CALS/ECに対応するための第一歩をしっかりクリアした上に、ISO9001の審査登録を維持していく強い自信も得ている。1年前を考えると、まさに夢のような進歩である。
しかも、営業の面でも、目に見える波及効果を実感している。

「施主さんとのメールのやり取りでは、チェックの対応が早くなってありがたいというお話をいただいています。また、ファブリケーターという組み立て業者からの依頼も、最近は電子メールによる分離発注でスピード第一なんですが、自信を持って対応できるようになりました。当社は数年前から、民間のマンション、住宅建築にも乗り出しています。営業のサービス向上と現場ノウハウの共有化で、この分野でも、競争に勝てるだけの実力をもっともっと蓄えていきたいですね」

これが、時には「鬼コーチ」になり、時には『掲示板』や『電子会議室』に出没して陣頭指揮をとってきた戸塚常務の結論だった。





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