インタビュー

INTERVIEW / 04

長尾 洋也 (2015年 新卒入社)

東京工業大学大学院 情報理工学研究科卒業
グローバル開発本部 東京第2開発部 
kintone(東京開発) プロダクトマーケティング部 PM
大学院博士課程を修了しサイボウズに入社。 入社後1年間はkintoneのプログラマとして新機能の開発に従事。 2年目には、異例の早さでkintoneのプロダクトマネージャー(PM)に抜擢。 現在は各部署との連携を強めながら、データに基づくユーザー分析や、今後のkintoneに必要な機能の検討を行う。

入社2年目で一番成長している製品のプロダクトマネージャーに抜擢、「同じ理想に向かってモノをつくっている」という意識、製品を愛している人が多いんです

サイボウズの強みひとつは、グループウェアで国内のシェアナンバーワンを長年獲得している製品力にある。その製品中でも、今一番売上の伸びも大きく、IT業界で注目されている業務アプリケーション開発プラットフォームである「kintone」は、プロダクト自体が世界一に向けてどんどん成長している。それを支えているのが、kintoneを開発しているエンジニアだ。入社2年目にしてkintoneのプログラマからプロダクトマネージャーに抜擢された長尾。そして、同じkintone開発チームでプログラマとして働く入社5年目の小林。kintoneを担う若手2人に、エンジニアから見たサイボウズのいいところややりがい、大変なところ、どんな人が向いているかを聞いた。

会社が決定しユーザー自身が選択できないBtoB製品の使いやすさの追求は、一段チャレンジングな仕事ができる

中江:人事部の中江です。長尾さんは情報系の博士課程出身ですよね。就職先に、なぜサイボウズを選んだんですか?

長尾:もともとプログラマをやりたくて。じゃあどういうものをつくりたい? となった時に、「使いやすい製品」をつくりたいなと思ったんです。「使いやすい」にもいろいろありますけど、BtoCの製品だと、基本的にはみんな、自分が使いやすいと思うものを選んで使えるじゃないですか? だけど、サイボウズがつくっているようなBtoBの製品って、会社が勝手に導入するので、自分が使いやすいからと選べるわけじゃないですよね。そういう製品をより使いやすくするほうが、一段チャレンジングな仕事ができると思ったんです。

中江:なるほど。

長尾:特にグループウエアの場合、専門職の人だけが使うのではなく、老若男女、持っているスキルも異なるいろいろな人が使うものなので、そういう幅広さも面白いなと。BtoBで幅広い層に向けた製品をつくっている日本企業となると、かなり選択肢が限られてくると思います。サイボウズとあと数社くらいしかないんじゃないですかね。

中江:そうかもしれませんね。そもそもサイボウズはどこで知ったんですか?

長尾:大学の同じ学科の先輩が先に入社していたんです。それも大きかったですね。憧れというか尊敬している先輩だったので、「この人が働いているなら間違いないだろう」と。会社説明会に行って、ちょっとユルめな雰囲気のところもいいなと思いましたし(笑)

あ、あと、働き方の自由度が高いのもよかったですね。特に副業を公に認めている点。エンジニアだと、会社の仕事を離れてつくりたいものが出てきたりもしますし。無料じゃないとダメだとか、堂々とできないのもイヤですからね。

中江:一般企業に就職するのではなく、大学に残ろうとは考えなかったんですか?

長尾:もちろん少し考えましたが、研究よりも誰か具体的な人の問題を解決して、それが仕事として成り立つというほうが僕には合っていると思いました。

入社2年目でプロダクトマネージャーに大抜擢。機能を考えるのが楽しくて、プログラマの時もデザインやUIについて積極的に意見を出していた

中江:今はどんな仕事をしているんですか?

長尾:「kintone」の開発チームに所属していて、1年目の去年はプログラマ、2年目の今年からはプログラマに加えて、プロダクトマネージャー(PM)も兼任することになりました。「kintone」の次のアップデート版を開発するにあたり、どのような機能をつくるかを考え、まとめ上げていくのがプロダクトマネージャーの役割。その中でも僕は、「オンボーディング」といって、ユーザーが最初にログインして使い始めた際により興味を持ってもらい、お試しから実際の購入につなげるための機能をつくるのを担当しています。

営業やサポート、マーケティングなど社内のいろいろな部署の人に、つくろうとしている機能について「今こんなことを考えているんですけどどうですか?」とヒアリングをしたり、実際にデザインチームと一緒につくった画面を見せて感想を聞いたりしていますね。ユーザー企業にもヒアリングに伺って、どう使っているか、どういう機能があったらいいと思うかといったことを聞いています。そういうものを社内に持ち帰って、今後つくる画面や機能に反映させていくわけです。オンボーディングはマーケティングの出口とも言える部分なので、特にマーケティング部署とはよく話し合いますね。

中江:長尾さん自身もプログラミングをするんですか?

長尾:プログラマを兼任しているのでしないことはないですが、今はプロダクトマネージャーの立場で、どういうものをつくろうか考えたり、プログラマから細かい仕様について聞かれた時に「じゃあこうしよう」と決めたりするのがメインです。

中江:「kintone」のプロダクトマネージャーって何人いるんですか?

長尾:現在は4人いて、PMリーダーが全体のロードマップを考え、あとは機能をそれぞれ分担して受け持つ感じです。

中江:長尾さんは入社まだ2年目なのにプロダクトマネージャーということで、大抜擢ですよね。

長尾:もともと「kintone」のプロダクトマネージャーを強化しようという話は上のほうであったようですし、僕自身、機能を考えるのが楽しくて、プログラマをやっている間も、デザインやUIについて議論する際に積極的に意見を出していたので、向いていると思われたのではないですかね。

今までサイボウズが力を入れていなかったことに、決定権あるプロダクトマネージャーとしてチャレンジできるのが面白い

中江:プロダクトマネージャーの仕事で面白いのはどんなところですか?

長尾:いろいろな人の話を聞きながら、社内を幅広く動き回れるのがいいですね。また、今、僕が担当しているオンボーディングは、従来サイボウズがあまり力を入れてなかった部分なんです。特に、ユーザーのアクセスログを分析して、「こういうところに問題があるんじゃないか」と考えて機能を入れ、その効果がどう表れるか計測する、といったことは、今までやっていなかった。そういうことを自分で考えてガッツリやれるのはやはり面白いですよね。

プログラマも機能について意見を出すこともありますが、最終的に決定権があるのはプロダクトマネージャーなんです。プロダクトマネージャーなら、やりたいと思ったことが本当に製品の機能として入る。多くの方に使っていただいている製品なのでプレッシャーもありますが、その分、やりがいも大きいです。

中江:逆に難しいと感じているところは?

長尾:やりたいことをやる上で、きちんと周りの人を説得しなくてはいけないことですね。いろいろな部署の人に話を聞いたり、データを集めたりして説得材料を集めて。機能にしても、どうしてこういうものを入れるのかを、細かいところまで筋道立てて説明できるようにしなくてはいけません。

売上や利益に関して、もう少しギラギラ・ガツガツした人がいてもいいかもしれない

中江:エンジニアから見て、サイボウズの環境って正直どう感じますか?

長尾:働きやすさはもちろんありますけど、正直、給料が他の企業と比べて特別高いということもないでしょうし(笑)。福利厚生も食事や飲み物が提供されたり、最新機器が使い放題、みたいな外から見てわかりやすい部分があるわけではないかなとは思います。

中江:では長尾さんはなぜサイボウズにいるんですか?

長尾:居心地がいいからですね。入社何年目とかに関係なく、仕事を任せてもらえて好きなことが言えますし、言ったことを尊重してもらえる。自分の中で抱え込まなくていいというか。

中江:人が魅力、ということでしょうか。いいな、と思える人が多いんですか?

長尾:そうですね。僕は入社以来ずっと「kintone」の開発チームにいるので、その中でという話になりますが、みんなやさしいし、認めてくれるし、感情論になることがなくしっかり議論する。感情的にぶつかることはめったにないですね。 一方でサイボウズ全体として、ワイルドさは足りないような気もします。もう少し、売上や利益に関してギラギラ・ガツガツした人がいてもいいんじゃないですかね。ただ、そういう人が集まっていないから居心地がいい、というところはあるんでしょうけれど(笑)

中江:今後、長尾さん自身は、エンジニアとしてどのようなキャリアを積んでいきたいですか? 目指すところはありますか?

長尾:「こうなりたい」、という具体的なものはまだ描けていません。ただ、プログラマからプロダクトマネージャーになったときもそうだったように、「やりたい」と思ったものにはきちんと手をあげて挑戦していきたいです。そして、普段から常に現状の延長だけではない選択肢も考えていたいと思っています。

年次が下のプロダクトマネージャーでも違和感はない、製品の仕様はプロダクトマネージャーもプログラマも一緒に考える

小林 大輔(2012年新卒入社)
早稲田大学大学院 基幹理工学研究科卒業
グローバル開発本部 東京第2開発部 kintone(東京開発)兼プロダクトマーケティング部 デザインG
大学院修士課程を修了しサイボウズに入社。
入社以来一貫してkintoneのプログラマとして新機能の開発に従事。
また社内外でアクセシビリティに関する取り組みも積極的に行い、2016年10月よりプロダクトマーケティング部デザイングループにも所属し、より一層情報発信に力を入れている。

中江:ここからは小林さんに加わっていただきます。よろしくお願いします。小林さんと長尾さんは、どのような役割分担で働いているんでしょう?

小林:同じ「kintone」の開発チームに所属し、オンボーディングを担当していて、長尾くんはプロダクトマネージャー、僕はプログラマという関係です。長尾くんが製品のコンセプトや要件を考えて、それに合わせて僕が実装するという立ち位置ですね。一緒に営業やマーケティングなどの部署にヒアリングに行ったりもします。

中江:小林さんは入社5年目、長尾さんは入社2年目で、小林さんのほうがサイボウズでは先輩になりますよね。後輩がプロダクトマネージャーというのはやりにくかったりしませんか?

小林:年次が下の人がプロダクトマネージャーというのは今回初めての試みですが、特に違和感はないですね。僕は修士卒、長尾くんは博士卒で入社していて、年齢も同じですし。

長尾:これまでの開発でも小林さんはずっと同じチームに先輩プログラマとしていましたからね。単にポジションが変わったというだけです。

中江:サイボウズでは、プログラマもただ単にプロダクトマネージャーの言うとおりにモノをつくるというのではなく、かなり仕様に口を出すと聞いているのですが。

小林:正しくは、仕様はプログラマが書いて、それをプロダクトマネージャーが承認したら実装する、という形ですね。まあ実際は一緒にやっているんで、仕様についてもプログラマが全部イチから考えるというわけではないんですが。

機能を考えるのが好きな人も粛々とプログラミングしている人も、「同じ理想に向かってモノをつくっている」という意識を共有しているのが、いいなと感じるところ

中江:サイボウズで働いていて、いいなと思うのはどんなところですか?

小林:「ちゃんと理由を考える」ところですね。機能にしても、誰かの鶴の一声でつくるのではなく、なぜその機能が必要か、チームのみんなで議論をしてつくる、といったように。

長尾:僕も小林さんも、プロダクトマネージャーに対して「これはちょっと違うのでは?」みたいに噛み付くタイプのプログラマですからね(笑)。そうじゃなく、粛々とプログラミングをしている人もいますが。プログラミングが大好きでそれを極めたいと思う人はそうやっていて、小林さんや僕みたいに機能を考えるのが好きな人はあれこれ口を出す、という感じです。それぞれの得意不得意の分野が入り混じっていて、うまくバランスが取れているのではと思います。

中江:プログラマにも多様性があるということですね。

長尾:ええ。ただ、いろいろな人がいるにせよ、「同じ目標や理想に向かってモノをつくっている」という意識はみんな共有していて、そこもいいなと感じるところですね。「『kintone』をこういうふうに使ってほしい」とか、「ユーザーの方々にもっと便利に使ってもらえるものにしたい」とか、そういう熱い想いを持っている人が多いです。

小林:製品愛が強い人は多いよね。他の会社だと、製品を愛しているというより、一度つくってリリースしちゃったからいまさら消せない、みたいな感じで開発をしているところもあると聞きますが、サイボウズではそういうことはない。 それは、自分たちも製品を業務の中で使っているから、というのが大きいのかもしれません。使っているうちにアラが見えてきて、直したくなっちゃうという面もあるんじゃないかと(笑)

長尾:実際、開発チームの中でも、「誰がこの機能をつくったんだ!」とか文句を言ったりしていますしね(笑)

中江:ははは。逆に大変だなと思うことは?

小林:「どういうエンジニアになりたいか」を、自分で決めなくちゃいけないのが大変といえば大変ですね。誰かが決めてくれるわけじゃないし、何かコースがあるわけでもないし。しかも、特にkintoneは新しい製品ですし前例がないことをやっていたりすると、参考にする人もいないですしね。

長尾:リリースに関する制限が強いところですかね。B to Bの製品なので、頻繁に仕様が変わるとユーザーやパートナー企業に迷惑がかかってしまう面が強くて、最近では年4回のリリースタイミングに、機能の追加や変更は大小関わらず、まとめています。他にもBtoBゆえに一度提供した機能を取りやめるということに慎重になったり、A/Bテストもなかなか難しかったりと、このあたりは少しずつ改善していきたいポイントです。

働き方の選択が自らできるから、「何で自分はいつも遅くまで働いているのに、あの人は早く帰るんだ?」とはならない

中江:開発チームの働き方についても聞きたいです。みなさん、残業は多いんですか?

長尾:それは人によりますね。

小林:そもそも働き方の選択ができるので。18時ぴったりに必ず帰る人もいれば、遅くまで残って仕事をする人もいる。僕は結構遅くまでやってしまうほうなんですが、それはコミットしているほうが精神的に楽だからそうしているだけで(笑)。 ただ、最近はエンジニアのフロアも20時くらいにはガランとなっていることが多いですね。遅くまで仕事をしている人はだいたい決まっています。

中江:「何で自分はいつも遅くまで働いているのに、あの人は早く帰るんだ?」みたいになることはないんですか?

小林:それはないですね。その人の働き方に応じてタスクが振り分けられているので。さすがに任されたタスクが全く終わっていない、というのはマズいでしょうが(笑)

中江:長尾さんはいつも何時くらいに帰るんですか?

長尾:最近は20時から21時の間くらいですね。プロダクトマネージャーになってから2時間くらい遅くなりました。プログラマの時は18時か19時には帰っていましたから。

中江:それは仕事量が増えたからですか?

長尾:それもありますが、仕事が楽しいからという部分が大きいですね。いろいろやっているうちにハマってしまって「もうちょっとやろうかな」となってしまう。

中江:お二人は自宅では仕事はしないんですか?

長尾:僕はほとんどしないです。とはいえ最近は、家にいる時も頭の中に仕事のことが浮かんできちゃいますが。

小林:僕もしないですね。でも、在宅で仕事をするという人も結構いますよ。用事があるとか、家族が病気とかいった理由で。ただ、「仕事が終わらないから家でやる」という人はほとんどいないんじゃないかな。

中江:サイボウズのカルチャーや、青野さんが掲げるビジョンについて、お二人はどの程度共感しているんでしょう?

長尾:僕は自分の考えが強いほうなんで(笑)、完全にぴったりと一致しているわけではないですね。もちろん「世界一を目指す」という部分や核となる理念などは共感しています。コアの部分は社内全体が共感しているところなので、「世界一になるためにはこういうことが必要でしょう?」という製品を作る上での前提にも繋がってますよね。

小林:けっこう共感しています。ただ、ビジョンの中でも、興味の強弱はありますけど。僕は「世界一を目指す」ことよりむしろ、多様性や障がい者雇用についての考え方のほうに惹かれています。仕事の効率を上げることよりも、そもそも仕事をするのが難しい人がいる、その人たちに貢献したい、という思いが強いからです。

『kintone』のダメなところ」ならチームで何時間でも話せる、改善精神と製品愛を持てる人に来てほしい

中江:今後、「kintone」開発チームにどんな人に来てほしいですか?

小林:もちろんスキルはあるに越したことはありません。でも、それよりむしろ、「自分の働き方に責任が持てる人」に来てほしいですね。「こういうふうに働いてください」とは僕らは言いません。どのように働くか、自分で考えて、決められる人がいいです。

長尾:自分がプログラミングしてつくったものに愛着が持てることが大事だと思います。「kintone」開発チームではそれが当たり前なので。「『kintone』のダメなところを挙げて」というと、みんな何時間でも話せますからね(笑)。プログラマ同士でコミュニケーションを取って、「もっとこうしたらいい」と意見を出せるような、改善精神が強い人であってほしい。現状維持でいい、という人に入ってもらっても困ります。

中江:開発チームの皆さんは、「kintone」を本当に愛しているんですね。ありがとうございました。