インタビュー

INTERVIEW / 05

木戸 裕一郎 (2012年新卒入社)

University of South Alabama Mitchell College of Business卒
ソリューション営業部業種3グループ 兼 アジアグループ
高校卒業後渡米し、大学時代をアメリカで過ごす。
入社後はサイボウズOfficeやGaroon、kintoneなどサイボウズの全製品の提案活動を経験。現在は主に製造業・建設業・情報通信業の大規模な案件を担当している。入社1年半程から自身の語学力を活かしアジア営業部を兼任。2016年からは業務の25%をアジア営業、75%を国内営業として活動を行っている。

日本から世界を目指す喜び

国内ではグループウェアシェアNo.1を11年連続獲得し、その地位を確かなものにしてきたサイボウズ。そんな私たちが次に目指すのは世界。海外におけるサイボウズの知名度は0に近い。国内のソリューション営業と兼任しながらタイをはじめとするアジア営業を担当しているのが木戸だ。今回木戸に海外ならではの営業の難しさややりがい、また今後サイボウズが世界で成功していくために考えている事を聞いた。1か国に縛られる事なく自由に働く彼が見据える今後のサイボウズとは?

※ノークリサーチ社「2017年版中堅・中小企業のITアプリケーション利用実態と評価レポート」グループウェア部門(サイボウズ Officeおよびガルーン)

日本一の製品を世界に広げる仕事は楽しそう、と入社を決意

中江:人事部の中江です。まずは木戸さんがサイボウズに入社した理由から聞かせてください。木戸さんはアメリカの大学出身なんですよね?

木戸:ええ。アメリカの大学のビジネス学部で、ファイナンスを専攻していました。就職活動の際は、もともとIT・通信系の会社に興味があったので、そういう会社ばかり受けていたんです。その中で、サイボウズは「グループウェア日本一」という冠を掲げていて、そういうものを世界に広げる仕事は楽しそうだな、と思って入社を決めました。外資系などもっと大きな会社に行くという選択肢もありましたが、そういうところは担当する国や仕事の範囲が決まっているケースが多い。サイボウズならもっと幅広い仕事ができるのでは、とも考えました。

中江:大学卒業後、そのままアメリカに残って就職することは考えませんでしたか? また、専攻していたファイナンスに関係する仕事に就こうとは?

木戸:アメリカで現地のIT企業に入ってやっていくだけの自信はまだありませんでしたね。いったん日本に戻り、英語力を強みにできる環境で働いたほうがいいかなと。金融・ファイナンス系の企業は、当初少し考えましたが、テクノロジーが好きなので、やはり好きなものに関われる仕事をしようと思いました。
あ、それと、面接の際に、サイボウズでグローバルビジネスに関わっている方に会って、面白そうだな、と感じたのも入社の決め手のひとつでしたね。

中江:どういうところが面白そうと思ったんですか?

木戸:堅くない、自由な雰囲気が感じられたんですよね。形式張っていないというか。それは入社してからもそのとおりでした。

75%国内ソリューション営業、25%アジア営業で業務を兼務

中江:新卒ですぐに配属されたのはソリューション営業部でした。これまでどういう仕事をしてきたんですか?

木戸:営業部には大きく、パートナー営業部とソリューション営業部があります。パートナー営業部が代理店などのパートナー支援を行うのに対し、私が所属するソリューション営業部のミッションは、お客様に直接、「kintone」をはじめとするサイボウズ製品を導入し、活用していただくこと。どういうパートナーと組んで提案するかまで営業担当者自身が考えて案件を進めていきます。その中で私は製造業・建設業・情報通信業を担当するグループに所属し、大手広告企業や通信企業などのお客様への導入プロジェクトに携わってきました。

中江:ソリューション営業部への配属は希望どおりだったんですか?

木戸:希望というより、私の特性を見て配属してもらえたのではないでしょうか。ソリューション営業部はお客様の課題を見つけて、解決策を立案していくのがメインの業務で、私は自分でも、比較的そういうことが得意だと思っているので。

中江:なるほど。木戸さんは現在、アジア営業担当も兼務していて、業務時間の25%をそちらに振り分ける形になっているんですよね? そうなった経緯を教えてもらえますか?

木戸:兼務になったのは入社後1年半たった頃からですかね。海外にいたことがあり、英語ができるからということで。当初はそんなに深く関わっていたわけでなく、海外とのメール対応などを中心として行う程度だったのですが、その後、サイボウズが会社としてもアジア展開に力を入れるようになって。2年くらい前から本格的に関わるようになりました。

中江:もともと海外の仕事にも関わりたいという希望は出していたんですか?

木戸:ええ。サイボウズには「Myキャリ」という、自分のやりたい仕事を登録して周りの人に見てもらえる社内アプリケーションがあるのですが、そこでもやりたい仕事としてアジア営業にチェックを入れていたんです。そういうのも見てもらえたんだと思いますね。

アジアではまだ知名度の低いサイボウズ製品を、セミナーを通じて提案していく

中江:アジア営業としては、具体的にどのような仕事をしているんですか?

木戸:私は東南アジア、なかでもタイをメインに担当しています。主な業務は、セミナー運営やプロモーションですね。日本だとサイボウズという会社や「kintone」という製品はある程度広く認知されていますが、東南アジアでは現状、そこまでの知名度はありません。そこで、業務改善やマネジメント改善のセミナーを現地の企業向けに開催するなどして、興味を持ってくださった企業に対して現地のパートナー企業と一緒に提案をする、という手法をとっているんです。セミナー開催のために、2ヶ月に1回はタイに行きますね。もちろん、実際にお客様企業にサイボウズ製品を導入するにあたり、現地パートナー企業と連携を取ったりもします。お客様は、今のところほとんどが現地に進出している日系企業です。

中江:国内のソリューション営業に比べて、業務の幅が広そうですね。

木戸:そうですね。セミナー開催に際しては、セミナーのコンテンツを考えるだけでなく、Webや現地の雑誌・フリーペーパー向けの広告制作や、会場手配なども行いますし。また、アジア営業は、現在3名でベトナム、ミャンマー、シンガポールなども含め、7〜8カ国で活動しているのですが、私はタイがメインとはいえ、他の国での活動も手伝っています。

中江:25%がアジア営業ということですが、きっちり25%アジア、75%国内と分けられるものなんですか?

木戸:いや、やはりきっちりというのは難しいですね(笑)。現地に行くのは2ヶ月に1回ぐらいでも、セミナーのコンテンツを作って、集客をして、セミナー開催後も必要であれば現地パートナーとお客様のところに同行したりしますので。現地にいない間も、アジア関連でやらなくてはならない仕事が次々と出てくる。実質はアジア・国内で半々というところですね。

中江:英語は結構使うんですか?

木戸:それほど多くはありませんが、やはり日常的に使うシーンは出てきます。現地に出張して、お客様やパートナー企業の現地スタッフとコミュニケーションを取るのはやはり英語ですし、セミナーのコンテンツを英語で作ることもあります。
また、これまではアジアに進出している日系企業が主なお客様でしたが、それだと各国とも、マーケットが限られてしまいます。今後は現地のローカル企業をターゲットにする活動が必要になってくるので、そうなると必然的に英語を使う機会も増えるでしょう。

「効率化」に対する意識が高くない東南アジアで、サイボウズのツールをいかに受け入れてもらうか

中江:アジア営業で、国内営業と違った難しさを感じるのはどんなところですか?

木戸:先ほど言った、国内と比べてのサイボウズやサイボウズ製品の知名度がまだ高くないことがひとつ。また、現地の文化や商習慣などの違いを理解しながら、現地でどのように拡販していくか考えるのは、やはり難しいところですね。
東南アジアの国では、一般的に、「効率化」に対する意識が日本ほど高くないんです。その中で、サイボウズの「仕事を効率化するツール」を、現地のお客様企業の日本人だけでなく、現地スタッフにも受け入れていただくことが必要。いろいろ試行錯誤しながらやってきて、最近は現地の方々にも響くセミナーのコンテンツを作れるようになってきたと手応えを感じています。

中江:なるほど。国内と海外だと、お客様から求められることもまた違うでしょうしね。

木戸:そうですね。日本だと、製品に認知がある中で、きっちり決まった要件を提案していきますし、実際に作るシステムもどんどん高度化しています。一方で、アジアの場合、簡単で安価なシステムを求められることが多い。なので、システム的に高度な提案をしていきたいという人にとっては、国内営業のほうが面白いかもしれませんね。

中江:これまでアジア営業で印象に残っている仕事はありますか?

木戸:ある製造業のお客様で、タイ1か所、中国1か所、ベトナム2か所の計4か所にかまえる工場で一斉にグループウェアや業務システムを導入するプロジェクトがあったんです。私はその統括を担当しました。具体的な導入作業は各国の現地パートナーが進めるのですが、全体として整合性を合わせるため、リモート会議などで密に情報を共有しながらプロジェクトを進めていかなくてはならない。かなり大変でしたが、その分、無事導入を終えた時には大きな達成感を得られました。

他社ではできない幅広い仕事に取り組めていることが成長につながっている

中江:木戸さんは入社6年目ですが、この間、どのような成長ができたと感じていますか?

木戸:国内ソリューション営業では、かなり難しい案件でも任せてもらえるようになりました。それに加えて、海外営業も担当させてもらえているということで、他の企業ではできない経験が積めていると感じています。日本で大手企業の案件を担当しつつ、自分が企画したタイミングで海外に行き、セミナーを開催したり広告を打ったりと、広い範囲の仕事ができているのが、成長につながっていると思いますね。

中江:外資系ではなくサイボウズに入社したのは間違いではなかったと?

木戸:ええ。外資系のITベンダーに比べると、サイボウズを含めた日本のソフトウエア企業は、海外の販売網がまだまだ整っていないと思うんです。だからこそいろいろな仕事に取り組めています。

中江:逆に、入社してからの間に、大きな挫折は経験しましたか?

木戸:挫折というほどのものはないですね。ただ、今でもやはり、自分で仕事を抱えこみすぎてうまくマネジメントしきれず、業務に追われてしまうことはあって。もっといろいろな人に協力をお願いしたり、人を巻き込んだりしていけるようにならなければ、と感じています。さもないと、活動をさらに大きく展開できませんから。

「個人の自立には責任が伴う」という文化に共感している

中江:サイボウズの企業文化についてはどのように感じていますか?

木戸:「シェアNo.1のグループウェアサービスを提供している会社」という点については非常にいいなと思っていますね。高くて使いにくいサービスもある中、サイボウズの製品やサービスは使いやすいし、値段も良心的。ちゃんと良いものを売っている、という感覚があり、仕事がしやすいですね。

中江:青野さんが掲げるビジョンについては共感していますか?

木戸:「個人の自立には責任が伴う」、つまり、「自由に様々な活動はできるが、それには責任が伴う」みたいなところには共感しているし、良い文化だと思います。実際、新しい活動でも裁量が大きく自由度が高いので、頭ごなしに止められるということもないですし。

中江:「もっとこういうことをしたらいいのに」みたいな点はありますか?

木戸:サイボウズは「多様性」を掲げていますが、まだ日本のドメスティックな会社の部分もある。今後、よりいろんな人種や言語の人が働くようになった時に、多様性をどう尊重していけるかは、チャレンジしていかなくてはならないところだと思います。
あと、サイボウズの場合、利益追求を目標にする会社よりも、労働時間は短いし、いわゆる「ガツガツ感」は低いのは事実。今は結果がついてきていますが、それを継続していけるかどうかで、そのやり方が正解なのかわかると思います。

中江:木戸さん自身は、今はどんな感じで仕事をしているんですか? 毎日何時頃に帰りますか?

木戸:19時くらいには帰りますね。営業部全体として18時半か19時には帰り始める感じです。

中江:以前からそのくらいの時間には帰っていたんですか?

木戸:いや、入社したての頃は、22時や23時くらいまで残ったりしていましたね。2〜3年前、ちょうど今のオフィスに会社が移転した頃から、みんな早めに帰るように変わってきた気がします。

さまざまな国や地域の橋渡しになるような仕事がしたい

中江:今後のキャリアについてはどのように考えていますか?

木戸:今は海外営業については東南アジア、なかでもタイ中心ですが、もっと広い範囲で、自分のやってきたことにレバレッジをかけるような活動をしたいと考えています。日本や東南アジアで有効だった施策を、アメリカでも共有して使えるものにしたり、逆にアメリカでやっていることを日本やアジアに導入したり。さまざまな国や地域の橋渡しのような活動ができればいいですね。

中江:海外に駐在したい、みたいな思いもあるんですか?

木戸:今のところ、それはないですね。1カ国に縛られるより、横断的にやりたい思いが強いので。実際、今、国内営業とアジア営業を兼務していて、日本で提案したことを海外に持って行く、みたいにレバレッジをかけることができてきたと思っていますし。

中江:サイボウズが「グループウェア世界一」を目指す上では、どんな課題があると考えますか?

木戸:先ほども言いましたが、やはり海外で、現地の日系企業だけをターゲットにしているのではマーケットに限界があるので、世界一になるのは難しい。現地のローカル企業をどう攻略するかがポイントになると考えます。ローカル企業の攻略で、「これだ!」という確固たる正解を持っている日系のソフトウエア企業は、まだ存在しないと思うんです。そこにどのような答えを見出すかがポイントになるでしょう。

中江:なるほど。では今後、サイボウズの海外営業には、どのような人に来てほしいと思いますか? どんなスキルが必要になるでしょう?

木戸:語学力は当然、あったほうがいいですよね。それに加えて、厳しい環境に耐えていけるバイタリティや、日本のITテクノロジーを海外に広げたい、という熱い想いを持っていることが大事だと思います。ぜひそういう人と一緒に仕事がしたいですね。

中江:ありがとうございました!