「合格への道のり」
スペシャル対談記事

言われた通りに
システムを作ると、
結局使われないし
課題も解決されない

2022年2月に初めて実施されたkintone認定 エキスパート試験。
今回は初めてエキスパートとして認定された星野リゾート 小竹さんと
サイボウズ公式パートナーであるアールスリーインスティテュート 築山さんに
kintoneを使って業務の課題をどのように解決するのかお話を伺いました!
築山 春木さん
サイボウズ公式パートナー企業
築山 春木さん
  • kintone利用歴
    8年
  • 所属
    営業
  • kintoneとの関わり
    提案営業
小竹 潤子さん
kintone導入企業
星野リゾート
小竹 潤子さん
  • kintone利用歴
    2年8ヶ月
  • 所属
    情報システム
  • kintoneとの関わり
    社内での活用推進
CHECK!

業務課題を解決する時に
感じる課題感

冒頭からいきなりですが、
なぜ業務改善って
つまづきやすいのでしょうか?

築山 春木さん
築山さん

課題をあやふやなまま進めてしまうからでしょうか。私はお客様にkintoneのカスタマイズを容易に実装できる製品「カスタマイン」を提案しているのですが、日々「こういう課題があるから解決したい」と要望をいただきます。
ただ、業務をどうにか改善したいと思っているのに、お客様の方で課題を明確に言語化できていないことも多く、課題解決するための適切な機能を検討するのが難しいことが起きています。
そう言った場合は、カスタマインを契約いただいてもお客様の継続的な成長につながらないこともあるので、カスタマイン導入を再考いただくこともあります。
営業なので売上を伸ばすことが大事ではありますが、顧客と長期的に良い関係を構築するために目先の利益は追わないようにしています。

小竹 潤子さん
小竹さん

社内からの要望でも同様のケースがあります。
現場のスタッフからシステムを作ってほしい、改修してほしいと依頼はきますが、そもそも本当は何がしたいのだろう?と本質を読み解くところから始まることも多いです。
私が所属する情報システムからするとkintoneはシステム化の手段の一つなので、kintoneだけで業務を解決しようとするのではなく、まずは要望をしっかりと確認した上で、業務自体を見直すことも含めて適切な解決方法を検討するようにしています。

そのように考えるように
なったのは、どうしてですか?

小竹 潤子さん
小竹さん

本当に多くの失敗を経て、業務整理というものを意識するようになりました。
初めの頃は現場スタッフからの要望を言われた通りに構築していました。
業務やシステム化について深く理解できなかったこともあり、要望や実装方法について適切に判断できないまま、言われた通りにやることが正しいと思っていたんです。
社内からの依頼は全部やらなきゃいけないとも思っていたので業務量も大きくなってしまいましたし、業務課題を明確にできていないのでせっかく作ったシステムが結局使われなかった、、、ということもしばしばありました…。

CHECK!

kintone認定資格を取得するメリット

なぜkintone認定資格を
取得しようと考えたんですか?

築山 春木さん
築山さん

お客様の要望を整理できたら、それをどのように実現するかを考える必要があります。
その時、kintoneでデキることとデキないこと、kintoneでやった方がいいこととやらない方がいいこと、という切り分けができることが重要だと思います。
特にできないことを把握することは大事だと思っているのですが、できるか?できないか?ということを延々と考えるのって、すっごい時間の無駄じゃないですか?
資格取得のための学習をする過程で基本機能に関する知識が身につくので、kintoneで実装可能なのか、無理に使わなくても良いのかの検討ができるようになり、kintoneをうまく活用できるようになってくるんです。

小竹 潤子さん
小竹さん

社内からこういったことはできますかと依頼があった時に、情報システムの人間ができないって言ったら、みんなできないと思ってしまうじゃないか?と、気づいたことがきっかけでした。
「本当にできないんだろうか?」と深堀する人はあまりいないと思います。
情報システムとしての「できる/できないの判断」が星野リゾートとしての「できる/できないの判断」になるんだなと思い至りました。
だから、私が「できない」って言ってしまうことに恐怖がありました。私がわかっていないだけなのかもしれないのに。。

その時、kintoneを使った業務要件の実現可能性を正しく素早く判断するために、kintoneの正しい知識が必要だと思い、kintone認定資格を取得しようと考えました。ユーザー企業が資格取得する意義って、会社の業務改善の可能性を広げることなんだと思います。

築山 春木さん
築山さん

kintone認定資格を取得すると共通言語ができる、と言うのも大きいと思っています。
ユーザー企業でもパートナー企業でもアソシエイトを取得した人同士だと、すでにわかっていることに時間を割かずに、必要な議論に集中できるようになります。
デキないことを即座にお客さんに伝えることで、「ではその実現方法ではなく、こういうやり方なら実現できる?」といったことも引き出せるようになる。
その場で検討できずに持ち帰るとお客さんはできるかもって期待しちゃうので、確認してやっぱり駄目でしたと伝えるとがっかりしちゃうんですよね。
そうすると次の提案につながりにくい、、、営業現場の感覚的な話しなんですけどね。

小竹 潤子さん
小竹さん

私自身、資格取得をする前は自信がなかったです。
以前は星野リゾートの旅館で働いていたのでシステム開発の経験がなかったということもあり、周りの情シスメンバーの背中を追いかけるだけでした。
情報システムとして、kintone以外のシステムも担当しているので、kintone認定資格を取得する必要があるのか?という思いもありましたが、説得力を持ってシステム開発を行いたいという気持ちから受験を決めました。
資格を取得したことによって、確かな知識を得ることができたので、自信を持ってkintoneを活用できるようになりました。

お仕事をする上で業務課題は千差万別ではありますが、まずは課題を正しく理解すること、
kintoneで解決するためにkintoneの機能を正確に把握し構築すること、が重要なんですね。

CHECK!

エキスパート試験に向けた学習

学習にどのように取り組みましたか?

築山 春木さん
築山さん

まずは試験要項を読み込んだことで、kintone SIGNPOSTの内容をそのまま記憶するのではなく、発想のきっかけにした上で自分達の言葉で語ることが大事そうだとわかりました。
その後、自分で問題をいくつか作成してみたのですが、回答例が客観的に見て正しいのかわからなかった。
そこで自分で作った問題を小竹さんに回答してもらったんですが、立場によってkintone SIGNPOSTの解釈が結構違うな〜と気づきました。
自分としては間違いなくこうだろう、ということに対して小竹さんはまったく別の回答をすることが多かった。
そうやってお互いの回答をシェアすることで、異なる立場の多角的な回答をインプットできました。
これはユーザー企業とパートナー企業の違いから出るものだったと思います。

小竹 潤子さん
小竹さん

私の場合、まずはkintone SIGNPOSTの内容を読み込みました。
kintone SIGNPOSTの冊子を持ち歩いてスキマ時間で読んだり、読んだ内容を自分の言葉でサマリして付箋に書いたりしました。
エキスパート試験の勉強をする前は、kintone開発において自分たちで何とかしようと、ギリギリまで自社の力のみで頑張らなきゃと考えていました。
ただkintone SIGNPOSTの内容をじっくり読み込み、築山さんと勉強をした後では、継続的な業務改善をする際にはパートナー企業さんともうまく協力したり、困ったらすぐに相談するほうが良い場合もあるんだなと新たな学びにもつながりました。

築山 春木さん
築山さん

kintoneを活用した開発を学ぶためには、「絶対的な正解を先生から教えてもらう」というやり方ではなく、「様々な立場の視点を理解し、自ら学ぶ」というやり方しかないかなと思います。

CHECK!

合格者からのメッセージ

これからkintone認定資格に取り組む人に向けて、メッセージをお願いします。

小竹 潤子さん
小竹さん

kintoneを使った業務改善に不安だったり、迷うことがある人はkintone認定資格を受けた方が良いと思います!
私もはじめは何にもわからない状態で手探りで使っていましたが、アソシエイトを取得したことで「知識が固まった」と感じます。
それによって利用者からの要望に対しても、適切な業務システムを提案し作成することができるようになりました。
私なんかがこのままkintone構築を進めて良いのだろうか、、みたいな自信がない人ほど受けてみるのが良いと思います!

築山 春木さん
築山さん

kintoneを利用されている方は勉強熱心な方が多いんですが、どうやって勉強したら良いのかわからないとも聞きます。
そういう人にとって良き学習のツールになると思います。
アプリを作成することがある人は、全員アソシエイトをとった方がいいと思っていて、さらにプラグインや連携サービスなどでよりkintoneを活用したいと考えている方はカスタマイズスペシャリストを取得することをオススメします。
簡単なカスタマイズは自分でやってしまおうという方にはもちろん、カスタマイズは外注するんだ!という方であっても、無茶な構築など「やるべきではない開発を検討してしまう」ということを避けることができます。
パートナー企業から提案されたカスタマイズに無理がないかな?と整理できるようになるのでメリットが大きいですよ。

認定資格チームから

今回は小竹さん、築山さんにエキスパート試験の合格への道のりの対談企画としてインタビューをさせていただきました。
エキスパート試験に関するインタビューではありましたが、kintoneを使った業務改善への取り組み方、kintoneを学習することのメリット、そしてオススメのkintone認定資格までたくさんのお話を聞くことができました。
この記事を読んでkintone認定資格への興味を持っていただき、その先にある業務改善のモチベーションにつながると嬉しいです。
改めて小竹さん、築山さん、インタビューにご協力いただきありがとうございました!