はい。うちはスタッフがパートタイム中心で、毎日出勤するスタッフもいれば、週2回の人もいますし、在宅で働いている方もいます。勤務時間もバラバラです。定時は一応あるのですが、1人1人働き方が異なるので、全員が同時に集まることがないんです。

こんな背景から、様々な情報を共有する手段をずっと模索していました。また限られた時間の中なので、いかに業務をスムーズにできるかというのも課題でした。

はい。出勤の頻度が低い方だと業務の進捗状況を把握するのがとても大変でしたね。休みの人に謝りながら確認の電話をするなんてこともありました。

毎日同じオフィスに出勤できていれば、人の話し声で状況がなんとなく把握できるかもしれないですし、朝礼等で意識合わせができるのかもしれないですよね。ただうちは全員が必ず集まっているわけではないので、それができない。やったとしてもどこまで伝わっているのか分からなかったんです。言った言わない問題が常にありました。

はい、特にWebページ制作スケジュールの進捗管理ですかね。以前はExcelで管理していたんですが、途中で止まってしまうという現象がありました。この商品を販売しようと進めているのに、メーカーに確認を入れている途中で、うちもメーカーもその確認作業を忘れていて止まったままになり、そのまま販売せずに1ヶ月後に「あれ、これって今どうなってる…？」というやり取りがあったり（笑）今思い出すと笑えちゃうくらいなのですが、ここでの機会損失もすごく多かったです。

社外のお付き合いのある方からkintoneいいよっていうお話をお聞きしたことをきっかけにネットでなんとなく調べてはいたのですが、どんなものか理解できていなかったので次の行動には移すことがありませんでした。

それと時を同じくして制作スケジュールの進捗管理共有だけでも解決したいということで、まずはその時に使用していたスケジュールのツールだけでも変えてみようと思い、合うものを探していたらサイボウズOfficeが出てきたのでお試しを始めてみたんです。そしたらサイボウズの鈴木さんがお試しのフォローに来てくれて・・・。

そうでしたね。kintoneってなんでもできちゃうじゃないですか。そうなると「うちらだけでアプリ作れるの？」という点が気になっちゃったんですよね。そんな想いの中、熊谷さんにいろいろ教えていただくことで、私たちにもできるかもという自信に変わっていきました。

初回の相談の時は、「みなさんはどうなりたいの」という理想から聞かれたんです。その際に「残業をすることなく、早く全員が帰れるようになりたい」と話しました。「何をやりたいの」も大切だけど、システムの話から始まるのではなく、自分たちの理想を引き出すことで本質的な業務改善に導いてくれた気がします。「kintoneでやる」ではなく、「業務を改善するためにたまたまkintoneが最適だった」という形になった。制作進捗のスケジュール管理を実現できることはご紹介いただけた時点で分かっていたので、そのままkintoneの導入と熊谷さんの支援サービスの契約を決めました。

この初回相談の時、実はスタッフ全員に参加してもらったのですが、この機会があったおかげで、改めてみんなで同じ理想の共通認識を持てたと思っています。それまでも常日頃みんなで業務課題とか様々話してはいるけれども、改めてそれを口に出して共有ができたのが良かったのかな。

最初からkintoneからではないと業務にアクセスできないようにしたりという力技が効いたんだと思います（笑）例えば、タイムカードのリンクとかもトップページにURLを貼ることで出勤したらまずkintoneにアクセスすることから始めるようにしました。更に「私からの連絡や情報はkintoneにしか載せません。」って言って、kintoneがないと回らないような環境作りとかも行いました。

みんな戸惑いとかもあったと思うんですけど、使わざるを得ない環境にすることで、使い方も覚える気になる。そうでもしなかったら時間のある時に後からやろうとなっていたと思います。後回しにしちゃうと結局やらないのに（笑） 知見が多い熊谷さんの助けもあって、導入当初は混乱もあまりなかったですね。

一番使っているのはWebページの制作管理アプリです。商品を販売したいと思ってから、ECサイトに掲載するまで様々な工程があるんですが、その商品が今どこまで進捗しているのかという状況が把握できるアプリです。

ここで工夫しているのは、進捗のテーブル項目は商品の分類によって項目や業務の流れが異なるため、予めテンプレートで管理しておくことで入力を楽にしている点です。

テーブル項目は日々アップデートしています。業務の変化に合わせて必要になってきたら、テンプレートを変更して保存します。

最近だとインスタグラムを始めたのでインスタ登録って項目とかを追加したよね

商品マスタで管理してますよ。その商品に関する必要な情報は全部入っています。ここから必要な情報を絞り込んだものが「販売確認書」アプリと連動していて「販売確認書」を出力することができます。これが、ECサイトに入力する基本情報になったりもします。

商品マスタに溜まっているデータを活用している例として販売管理書というアプリがあります。これは生産者さんに「この卸価格・売価で売ります」というのを販売確認書として書面で提示する業務があります。

商品の販売価格が決まったら、卸価格、販売価格、発送時期等を記載した確認書を作って先方からサインをもらうようにしています。ただそれも以前は全てExcelで作っていたので大変だったんです…。

今は商品コードを入力するとさっきの商品マスタから商品の必要情報を取得できるようになっていて、あとはベンダーコードを入力するとベンダーマスタから生産者さんの情報を取得できるようになっています。ここはルックアップ※を使っています。これだけで確認書作成は終わりです。あとは出力するだけ。

うちはふるさと納税の返礼品を発送する業務もやっているのですが、そのふるさと納税用のものと、普通のECサイト用のものは確認する内容が異なるので、アプリを別にして書式を変えて管理しています。ふるさと納税の場合はより厳格で、卸価格と売価だけではなく、発送開始時期と発送終了時期、登録している数量、受付終了日等、自治体側に申請登録する内容をすべて記載し、この内容で自治体に申請して登録していますよっていう確認書を生産者さんに送っています。この情報も全て商品マスタ側に入っているんですよ。

うちは毎日全員が出勤するわけではないので、今日は誰が来て、今日は誰が休みかっていうのがわかんなくなっちゃうことがあります。それをトップページでパッと分かるようにしています。

それこそ皆さん様々な事情で突然っていうことがあるので、申請とか堅苦しい感じではないけど、簡単に「ちょっと遅れます」とか「こんなことがあったので今日は休みます」とかあった際には、備考欄に記入してもらう。みんなはトップページで他の人の出勤状況がわかればいいのでこんなシンプルな感じでも十分なんです。

当初、熊谷さんに話していた理想としては「残業をすることなく、早く全員が帰れるようになる」という姿でしたが、徐々に実現できてきているように感じます。まだ完全ではないですが、早く帰るという理想のためにkintoneをメインに皆が業務をいかに効率化するかという意識になってきていますね。チーム全体での意識が統一化された感じ。

特にさくらんぼの出荷にあたる6月から7月中旬くらいの期間などは繁忙期にあたるのですが、今年は昨年よりも明らかに１時間以上帰るのが早かったです。

当初課題として挙げていたリアルタイムな情報共有についても、今までは出勤時にいくらコミュニケーション取っても、どうしても毎日出勤している人とそうでない人では情報格差ができてしまい、例えば「私その在庫情報聞いてませんけど」という、言った言わない問題が発生していました。それがkintone上で在庫情報のコミュニケーションを取ることができるようになりましたし、それ以外の情報もデータを残すことができるようになったので、そのような言った言わない問題がなくなったと思います。

今はkintoneが無いとうちの会社自体が回らないというくらい頼ってます！今後は引き続き「全員が早く帰れるようになる」という理想を掲げて、今あるアプリの改善もですが、他にもkintoneで改善できる業務があるのではないかという頭で活用を広げていきたいと思います。