株式会社ABC

アミューズメント事業
ご利用規模:320ユーザー
http://www.abc-p.jp/pc/

店舗でのサービスレベルを向上することができました。


「ガルーン」活用で実現する顧客サービスの向上

概要

株式会社ABCは、静岡県を中心にアミューズメント施設40店舗を展開している。競争が激しい業界にあって、顧客サービスを向上することで競合店の差別化を図り、店舗数や出店エリアを順調に拡大している。それだけに留まらず「すべては お客様の笑顔 社員の笑顔 お取引先 地域の笑顔 のために」というビジョンを掲げ、業界全体のイメージ向上に向けたチャレンジを続けている。そのビジョンの実現のため、顧客満足向上と品質マネジメントの国際規格ISO9001を取得。ITにも関心が深く、システムを活用した業務の見直しに積極的に取り組んでいる。

そんな同社で、情報共有の中心を担っている「サイボウズ ガルーン」について、経営管理部部長の山梨裕氏、企画統括課課長鈴木啓仁氏、情報システム課課長川嶋江児氏、営業本部副本部長兼営業統括部長の庄村隆氏、営業統括部担当部長中田和良氏、そして静岡寿町店店長の金刺義則氏にお話をうかがった。

導入・バージョンアップの経緯

サイボウズのメリットは、コストを掛けずに社内の業務改革を推進できること

同社では、2000年頃から「Exchange」を導入していたが、あまり利用されていなかった。スケジュールやToDoが全てメール中心のやり取りで、煩雑になってしまっていたせいだ。
そこで2004年、役員からの要望で使い勝手のよいグループウェアを探すこととなった。検討段階では、「サイボウズ Office」と「Lotus Notes」と「StarOffice」が候補に上がり、試用版の使い勝手が良かったことと、システム管理コストなども含めた導入コストが低い点を評価し、サイボウズの導入が決まった。

導入当初は、本社のみでグループウェアを利用していたがその活用効果が認められ、一年後、利用範囲を広げて店舗でもグループウェアを利用することになった。その際、中小企業向けの「Office」から大企業向けの「ガルーン」に乗り換え、同じタイミングでかんたんデータベース「サイボウズ デヂエ」も導入した。

「導入して10年近くたった今考えても、あのときサイボウズを選んでいて良かったと思っています。今まで、社内のユーザーからサイボウズ製品に対しての不満は聞いたことがないんです。また、管理のしやすさという点でも、担当部門として評価できます。」(企画統括課 鈴木氏)

サイボウズを導入するまでは、社内でシステム化の要望があればその都度新しいシステムを探して購入するか、自社でシステムを作るというステップだった。そのシステム部門の業務フローが、「ガルーン」と「デヂエ」の導入後に変わった。 「『ガルーン』のポータルや『デヂエ』があれば、新たに他のシステムを入れなくても解決できてしまうことがほとんどでした。そのため、社内から相談があるとまずサイボウズで何かできないかという発想で業務改革に取り組んでいました。新しいシステムを導入する必要がないので、追加のコストがかかりません。各部からの要望があるたびに、経営や業務に必要な情報をポータルに追加してきました。」(企画統括課 鈴木氏)

また、社内でのスマートフォンの普及に伴い「サイボウズ リモートサービス」とスマートフォン専用アプリケーション「サイボウズ KUNAI」を導入するなど、バージョンアップで追加された新機能を取り込むことで、さらに活用の幅を広げている。
「以前は別売りだった『ガルーン』のワークフローが『ガルーン 3』へのバージョンアップで追加費用なしで利用できるようになりました。バージョンアップを機に、それまで使っていた別のワークフローシステムから『ガルーン』のワークフローに乗り換え、システムにかかるコストを削減できました。リプレイス後も使用感に不満はなく、順調に運用できています。」(情報システム課 川嶋氏)


経営管理部 企画統括課課長
鈴木 啓仁 氏

経営管理部 情報システム課長
川嶋 江児 氏

導入効果

その@
業務効率の向上で、顧客サービスに掛ける時間を最大化

同社では、電話やメールだけだった社内のコミュニケーションに「ガルーン」が加わったことで、業務効率が向上した。特に店舗ではその成果が目覚ましく、静岡寿町店店長の金刺氏は「業務効率を向上できたおかげで、サービスに掛けられる時間が格段に増えた」と語る。

「ガルーン」導入前、店舗のマネージャー層はメールやFAX、郵送で一日に何十件と送られてくる通達事項のキャッチアップに苦慮していたという。重要度も内容も異なる通達が入り交じっていたため、情報を整理しづらかったのだ。

「ガルーン」導入後は、"新着文書"のポータルに、予め本部側で内容や重要度別に分類された情報が掲示されるようになった。この方法で本社からの通達を受け取るようになってから、限られた時間の中で重要な連絡から優先的に対応することが容易になった。


新着文書ポータル。重要度や内容ごとに「掲示板」のカテゴリを分けている。


店舗では全員分の端末がないため、
マネージャーが新着文書ポータルに掲載された指示通達を印刷して休憩スペースに掲示している。


右 営業本部 副本部長兼営業統括部長 庄村 隆 氏
左 営業統括部 担当部長 中田 和良 氏

この他にも、「ガルーン」導入以後スケジュール共有やワークフロー活用による申請書の電子化など、多方面に渡って店舗業務が効率的になった。
「業界の特性として営業手法による競合店との差別化は難しいです。それでも、選ばれるサービスを提供し、『パチンコをやるならABCで』と思ってもらいたい。そこで当社では一つの差別化の方針として、顧客サービスに力を入れています。『ガルーン』を活用した業務効率アップを実現してから、従業員一人ひとりの時間が空くようになりました。その時間を店舗での接客やサービスに還元することで、以前よりサービスレベルが向上していると感じています。」(営業本部副本部長 庄村氏)

そのA
分析力の向上で、サービスを的確に改善

同社では、経営判断や営業に必要な様々なデータを「ガルーン」のポータルに集約している。中でも、各店の入客状況や売上情報をリアルタイムで表示するBIシステムへのリンクや、競合店の動向をまとめたポータルは、店舗経営に欠かせない存在となっている。

営業統括部担当部長の中田氏は、「今まではバラバラだったシステムを『ガルーン』にまとめることができるようになりました。利便性が向上しただけではなく、気軽に見られるということでアクセス頻度も向上しました。また競合店のデータは、専用のポータルに情報を入手した社員が直接記入していますが、本社と店舗双方で更新できるため利便性にも優れています。」と語る。


他社情報

その他、顧客サービスに直接関わる報告を一元管理する"新着報告"ポータルもサービスの改善に欠かせない存在となっている。クレーム対応や事故の報告などはそれぞれ「デヂエ」を利用しており、"新着報告"ポータル"は複数の「デヂエ」をまとめている。対応のステータスがすぐに確認できることに加え、経営層にもお客様の声が直接届く仕組みだ。そして、この集約された情報は店舗レベルでのサービス改善にも一役買っている。


新着報告ポータル。「デヂエ」ポートレットを使用し、重要度や対応ステータスが確認できる。

「『ガルーン』や『デヂエ』を導入する前は、感覚的な判断によりPDCAを回しているところがあったように思います。各店で報告書をFAXで本部に送信していたときは、他店の情報をリアルタイムで見ることが難しかった。本社で何らかの方針が決まったものについて連絡が来ますし、月に一回ある店長会議では他店の情報を知れるものの、どうしてもタイムラグが発生してしまっていました。今は、リアルタイムでデータがグループウェアに集約されているので、自店だけではなく全店での傾向を鑑みた上で、より客観的で正確な判断が可能になりました。以前、お客様の出玉を誤って数えてしまうという事故が起こったときに、他店でも同じ事故が起こっているのを見つけました。ちょうど全店的に新人が多い時期で、どちらの事故も新人が起こしていた。そのことに気づいて、新人教育を徹底するように指示を出しました。」(静岡寿町店店長 金刺氏)


静岡寿町店 店長
金刺 義則 氏

そのB
従業員一人ひとりが取り組むサービスレベルの向上

同社では、顧客サービスの向上のため、「クレド」という取り組みを行っている。「クレド」とは、直接お客様と接している従業員が自分の判断で良いサービスが提供できるようになることを目指して制定する信条・行動指針のことだ。

「お客様や同僚、家族から感謝されたり感謝したこと、素晴らしい行動をしていた同僚のことなどの報告を、"サンクスボイス"デヂエで募集しています。平均して1日2〜3件×40店舗+本社分の件数が登録されるのですが、そのデータをコンサルティング会社に渡し、良い事例のピックアップと解説をお願いしています。戻ってきたデータは、プログラムを組んで日替わりでポータルに反映されるようになっています。毎日の朝礼では、クレドの唱和とその日のピックアップ事例の紹介を欠かさず行っています。」(経営管理部部長の山梨裕氏)

このように行動指針を定めただけではなく、日々の業務の成功体験を共有することで全従業員が継続的にクレドを意識して行動することができている。


経営管理部 部長
山梨 裕 氏


本社が休みの日も自動的にデイリークレドが更新される仕組みになっている。


全体ポータル

今後の展望

情報発信から情報交換のステップへ

「ガルーン」を活用した情報発信で効果を出すことができた株式会社ABC。本社からの一方通行の情報発信だけではなく、社員同士の情報交換に移ることが、さらなるサービス向上につながる次のステップと考えている。
「情報交換は、一対一でのEメールのやり取りが一般的。今後はプロジェクトチームや部署単位、店舗単位での情報交換を活性化したいと考えています。それを実現するため、「ガルーン」のスペース機能の活用を予定しています。」(情報システム課 川嶋氏)

徹底したサービス向上の取り組みに、組織を越えた情報共有から生まれるイノベーションが加われば、同社が目指す業界イメージの変革を実現できる日が近づくのではないだろうか。

掲載日 2013年7月31日