導入製品 サイボウズ デヂエ | かんたんシリーズ
企業情報
■会社名:
株式会社コムスクエア
■ホームページ:
株式会社コムスクエアホームページ
■利用製品:
- サイボウズ デヂエ
- サイボウズ Office パック EX 4
- サイボウズ プロジェクト管理 4
- サイボウズ ワークフロー 4
- サイボウズ ケータイ 4
- サイボウズ シンク 4
■業種:
ソフトウェア・情報サービス業
■サーバー OS:
Linuxサーバー
■管理者レベル:
兼任管理者
株式会社コムスクエア
取締役 向田 隆氏
株式会社コムスクエアは 1989年にテレフォニー・インテグレーターとして設立。以来、通信とコンピュータの融合をテーマに事業活動を推進している。テレフォニー及びインターネット技術のノウハウ蓄積により、モバイルソリューション分野でもパイオニア企業として活躍している同社は、システムコンサルティング、モバイル&テレフォニーの ASPサービス、IDC/MSP センターの運営等も行っている。インテグレーションの実績例として、日本信販の DigiCoin 、ローソンのチケットアンサーシステム、日本マクドナルドのモバイルキャンペーン等々があげられる。
株式会社コムスクエアでは、開発には欠かせない労務管理に「デヂエ」を使い、プロジェクトの状況把握や過去の分析に役立てている。今回は「デヂエ」の活用について、向田 隆取締役に伺った。
導入背景と決め手
デヂエを導入した向田 隆取締役が、「DBメーカー」(デヂエの前バージョン。以後デヂエと記す)を初めて知ったのはサイボウズのホームページだった。サイボウズ Office シリーズを使っていたこともあって、サイボウズのサイトは頻繁に見ていたのだという。
「サイボウズさんのソフトだからなんか面白そうだな、どんな使い方ができるのかな、とまずはダウンロードして試したんですよ。特に何かを改善したいから、というわけではなかったんです。
はじめは住所録かなんか作った覚えがあります。あるソフトを知るには、何か作ってみないとわからないじゃないですか。マニュアルを見るのはキライだから、見ないで作りましたね。試している内に、うちの労務管理に良いじゃないかと思い、労務管理ライブラリを作ったんです。一日くらいでできましたよ。」(向田氏)
開発を請け負っている会社では、月次損益を早期に明確化することが難しいと感じている。というのは、受託開発の場合、顧客の検収を受けてはじめてコストとして計上されるからだ。例えば 1月に受注し、3人月で 4月に検収がある場合、4月時点ではじめてコストとなる。1,2,3月にいくらコストが掛かったかがわかりにくく、4月で初めて損益が明確にわかるという状態なのだ。
これでは経営の見通しが立て難いし、どの案件がどれくらい儲かっているのか、損をしているのか、がわからない。そこで同社では、1,2,3月のような開発中の月は「仕掛品」勘定を設け、月々の総作業を案件(プロジェクト)別に金額評価し会計処理に組み入れているのだ。
ここで重要なのが、毎日の開発作業を何時間、何に使ったのか、という労務管理である。当然、毎日入れるデータになるため、登録者にとって使い易いソフトである必要がある。使いにくいと登録されなくなり、いい加減なデータが集まってしまい、経営の指標とならないからだ。
デヂエを見つけた当時、同社では労務管理ソフトは別にあった。しかし建設業向けの労務管理ソフトであったため使いづらく、ユーザー追加料や保守料が高いのが難点だった。その点デヂエなら、ユーザーライセンスの追加は必要ないし、入力しやすい。
「遊びで作ったデヂエのほうが入力しやすいんですよ。専用のアプリを起動する必要も無いし、過去に登録したデータを再利用して登録できるので登録の手間もかかりません。
世の中には受託開発業向けの時間と金額の管理ソフトというのはあまりないんです。受託開発系の会社では何かしらで運用しているとは思いますが、弊社以外にも建設業向けのソフトを使っている会社はあるんじゃないでしょうか。建設業向けなだけに、まず天気から入力するんですよ(笑)。
項目名も『現場名』『出面(でづら)』など建築用語です。これを変えるには結構なお金がかかる。またユーザー数を増やすとライセンスがかかる。コストが高いし、使いづらい。仕組みも難しいし。要するに僕が使いづらくて嫌になったんです(苦笑)。デヂエだとちょっといじってみれば、直感的にわかるんですよ。」(向田氏)
2001年 8月にデヂエを購入し、同年 10月から本格的に労務管理を行いはじめた。デヂエ導入の決めては、一言で言うとコストパフォーマンスだと向田氏は言う。
「うちも開発会社ですから、作ろうと思えば作れます。オラクルや MySQL を使って、社内のリソースを使ってやればできますよ。ただ、何人月かけて作るのか?ということです。そう考えれば、手軽に作れるデヂエがいい。極端な話、プログラムのできない僕にでも作れる。それもみんなが使い勝手のいいものが作れる。
そういう意味でコストパフォーマンスがいい、と決断したんですよ。これは我々が請け負うインテグレーションにも言えることですが、「無理に作り込む」のではなく、その場面や規模にあった最適なソリューションを選択した結果なのです。」(向田氏)
活用方法
各案件(プロジェクト)は、プロジェクト番号で管理されている。このプロジェクト番号の発行は、このようなフローになっている。
- 案件が発生した段階で、営業担当者は「サイボウズ Office」のワークフローを使い、プロジェクト番号の発番を申請する。
- 関係各部門の責任者が案件内容を確認した後、プロジェクト番号が発番され、各担当者へはメール自動送信される。
ここから案件(プロジェクト)のスタートだ。 - 発行されたプロジェクト番号は、デヂエの『プロジェクトライブラリ』で管理する。
予定工数・予定コスト・予定納期・営業的な進捗状況が一覧表で管理されており、開発者からの閲覧も可能となっている。
各開発者は、デヂエの『労務管理ライブラリ』の中で発行されたプロジェクト番号を用い、日々の作業を登録する。管理職や営業担当者は、蓄積されるデータをデヂエの集計画面でプロジェクト別の労務時間や工種別の労務時間を見て、どれくらいコストが掛かっているかが確認できるのだ。
このライブラリのフィールドは、以下の通り。
年、月、日、氏名、職種 、プロジェクト番号、プロジェクト名、工種、労務時間、備考。
備考欄は、開発者がメモ変わりに使っている。今日の作業はここまで、といったメモが記入されていた。
ここで工夫されているのは、工種の入力だ。メニュー(文字列)フィールドが使われおり、メニュー項目を経費別(直接、間接、販売管理費)にわかるようにするために、記号を用いている。
例)●設計-0102
○社内開発打合せ-0202
△アフターサービス-0303
記号を付けて入力することで、検索が直感的にできるようにしているのだ。数字や文字を使うと狙ったもの以外でもヒットしてしまうので、これらの記号にしたという。またプロジェクト毎に工種で集計をすれば、●が多いと現在開発中であることがわかるなど、そのプロジェクトが今どのようなフェーズにあるのかも把握することができる。
「毎日必ず、何時間何をやっているのか、登録させます。そうすると何のプロジェクトに何時間かけているのかわかります。例えば 2月で絞り込んで、担当者別の労務時間集計をすると、○○君は 197時間仕事をしていて、その内訳もわかる。担当者別の工種で集計すると、資料作成が多いとか、打ち合わせが多いとかがわかる。私が良く使うのは、プロジェクト別の労務集計ですね。月に何のプロジェクトに何時間使ったのか把握したいんですよ。」(向田氏)
例えば、あるプロジェクトの受注が決まると開発リーダーは開発スケジュールをたてて、使っていい労務費を考えながら各開発者のアサインを決めていく。各プロジェクトが必ずしも予算どおりにいくとも限らないが、仕掛り中のプロジェクトであっても、今までの状況を確認できるので、アサインしながら最終的な利益がどれくらいになるかは予想することができるということだ。
「またプロジェクト別の担当者別で集計したデータは、CSV ファイルに書き出して、会計ソフトに取り込み使っています。これでプロジェクトの利益率がわかるわけですよ。極点な話、営業担当者は 『オレのプロジェクトに労務入れるな、利益が減る』 という感じです(苦笑)。」(向田氏)
さらにこのライブラリは評価の対象にもなるし、部下の進捗を把握し声をかけることもできる。
労務管理以外の使い方は、以下のようなものがある。
障害報告ライブラリ
納品済みの案件にて障害が発生した場合、このライブラリに登録される。登録されると、全スタッフにメール通知される。発見時刻、内容、終了時間、アラート(どこからの発見か)、重要度、怒り度といったフィールドがある。幹部スタッフには、携帯アドレスへメール通知されるので、夜中であっても障害を把握しているとのこと。
プレゼンテーションライブラリ
各ソリューションなどの資料を PDF 形式で保存。書類によって NDA(秘密保持契約)が必要といったことがわかるようにしている。
売り込み管理ライブラリ
SOHO や外注開発者を管理しているライブラリ。いざという時、ここに入っている情報を使われる。
契約ライブラリ
契約が切れる日、契約した人、契約が切れる条件、押さえたいポイントなどを記入。契約書のポイント、意思決定がいつまでに必要かというリミット情報を書き出して、一覧で見れるように工夫されている。契約書は、PDF 形式や TIFF 形式にしてこのライブラリに添付されている。
導入の結果と今後の展望
デヂエ導入の効果は、現場サイドでは情報の登録が楽になったことがあげられる。
管理者サイドでは、今までは登録しにくいことで正しいデータが集まらなかったのが、比較的早いタイミングで精度の高いデータが集まるようになったことが効果としてあげられるだろう。精度が高い情報が集まれば、過去のプロジェクトの反省材料にも使える。赤字になったプロジェクトだったら、何が赤字となった要素だったのか、今後はそこを膨らませないようにしよう、というように、過去のデータをナレッジとして活用できるようになったのだ。
「デヂエを導入した効果は、一言で言うと『コストが下がった』ですね。同じ事を違う方法でやろうとしたら時間やお金が掛かったと思います。あとは世界中どこからでも情報を見れるという利点があります。WEBアプリならではの利点ですが、時間場所関係なく、こういった必要な情報が見れるというのはいいですね。
弊社と同じような受託開発をやっている会社には、デヂエは絶対便利だと思うんですよ。僕でも簡単に管理できるくらいだから、すごくよくできている。いろんな使い方をしても不具合がでないし。本当にシンプルですね。登録するのは簡単だし、後は開発者が入れるように指導することだけが必要になるだけです(笑)。」(向田氏)
同社では、月次報告を翌月の 6営業日で出すようにしているが、労務管理をデヂエ化したことで、月次報告をまとめることも随分楽になったという。
「労務管理のライブラリは、月次決算に一役かっていますね。入力さえしてもらえれば、集計結果を CSV ファイルに出力して、基幹システムに移動できる。簡単にね。デヂエを使うまでは結構大変だったんですよ。間違いがあれば目で見て修正するという作業に 3日くらい掛かっていましたから。」(向田氏)
今後のデヂエ活用について、聞いた。
「今はようやく労務管理が軌道にのったという所です。今後は、週報もデヂエでやりたいと思っています。今は Excel で週報を管理しているんですよ。
またスケジュールに対する進捗管理も行いたいですね。労務管理は結果に対する管理ですから、予定に対する管理がしたいんですよ。予定に対する結果が見えて、差異はどうだったのか、原因は何だったのか、ということまでデヂエ上で分析できると、よりパーフェクトに近いかなと思います。」(向田氏)
サイボウズファンと言ってくれた向田氏のアイデアにより、今後もプロジェクト管理や経営の指針にもデヂエは活躍していくだろう。
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