導入製品 サイボウズ ガルーン 2 | ガルーンシリーズ
企業情報
■会社名:
愛媛県
■ホームページ:
愛媛県ホームページ
■利用製品:
- サイボウズ ガルーン 2
■利用人数:
5,000名
■業種:
政府・公共教育機関
- 会社概要
- 導入の背景 部局単位から全庁規模へ、大規模情報基盤を確立
- 導入の決め手 パフォーマンスと実用性のバランスが決め手
- 導入効果 全庁規模で業務効率を上げることが県民サービス向上へとつながる
- 今後の展望
- システム概要
- 関連リンク
- ダウンロード
愛媛県
企画情報部 管理局 情報政策課 課長 大西氏
企画情報部 管理局 情報政策課 課長補佐 濱松氏
企画情報部 管理局 情報政策課 ネットワーク運営係長 戒能氏
企画情報部 管理局 情報政策課 担当係長 平田氏
県庁内の職員5,000人の連絡手段から電子メールが消えた
働き方までも変革したグループウェアの活用〜愛媛県の場合〜
四国の北西部に位置する愛媛県は、瀬戸内海、宇和海の海に面する都市である。おだやかな気候で豊かな特産品に恵まれ、みかんは全国2位・いよかんは全国1位の出荷量を誇る。また、正岡子規ゆかりの地、『坂の上の雲』『坊ちゃん』の舞台としても知られるなど、文豪を魅了する文化都市としての側面も持つ。
豊かな資源を生かした都市づくりを推進する一方、地域情報化に向けた取り組みにも積極的だ。「共に創ろうネットワーク愛ランド」という基本目標を元に、民・産・学・官のノウハウを活かしながら、災害対策を始め、電子行政サービス提供の分野等でITを活用した施策の実施も進めている。
愛媛県では、2001年よりサイボウズグループウェアを活用し、庁内業務の効率化を進めてきた。そして2006年には「サイボウズ ガルーン 2」を中心とした全庁業務システムの運用を開始。10年にも及ぶ活用は、全庁職員の働き方までも変えた。その活用法と効果について、企画情報部 管理局 情報政策課 課長大西氏、課長補佐濱松氏、ネットワーク運営係長 戒能氏、担当係長平田氏にお話を伺った。
導入の背景 部局単位から全庁規模へ、大規模情報基盤を確立
愛媛県では2000年(平成13年度)に策定した「愛媛県高度情報化計画」に基づき、県民の立場から効率的・効果的な情報化施策を推進している。
- 県民主体・生活者重視の高度情報化
- 誰もが利活用できるITを目指した高度情報化
- ユビキタスネット社会実現に向けての高度情報化
これらを基本理念とし、住民サービスや通信ネットワーク、産業支援、庁内業務運営など、多方面において情報化についての評価と見直しを行っている。この中で、職員間の情報共有を支える庁内システム基盤についても整備を進めており、2001年には庁内の電話やメールを中心とした従来の個別間連絡から、組織横断的な情報共有基盤としてポータルシステムへの切り替えを実施した。
このとき、全庁規模で運用可能なグループウェアシステムの検討を考えていたというが、当時、延べ職員5000名規模で運用できて、愛媛県庁が要件とする構築や運用管理の容易さを兼ね備えたシステムが見当たらなかったという。そこで、最大300名規模での活用を推奨とする「サイボウズ
Office 4」を部局ごとに、合計24システム導入する形で運用を開始した。
「当時、全職員数をカバーできて導入も簡単なグループウェアがまだありませんでした。このため、まず部局単位の300〜500名規模がカバーできて、構築の手間もかからない「Office 4」を一律導入することで、情報共有基盤を整えることにしました。」(大西氏)
部局ごとの情報共有基盤として「Office 4」を運用開始した愛媛県庁。しかし、部局内に限定されたグループウェアのため、部門横断的な連絡や調整が出来ない点は不便に感じることも多かったという。部局外メンバーも含めたスケジュール調整や連絡は、メーリングリストや内線電話を利用するケースが多く、グループウェアの運用が庁内で根付いているとは言い難い状況にあったと平田氏は語る。
「庁内業務の半分以上は他部局との連携で成り立っています。このため、部局外連絡はメールが中心になり、「Office 4」の活用頻度は部局によってばらつきがあるのが実情でした。またグループウェア、メール、全庁掲示板はそれぞれ別システムを採用していたこともあり、管理するサーバーは合計30台以上に膨れ上がっていました。システム全体で管理工数もかかり、全庁で情報が分散した状態を見直す必要があると判断しました。」(平田氏)
企画情報部 管理局 情報政策課
課長 大西氏
企画情報部 管理局 情報政策課
課長補佐 濱松氏
導入の決め手 パフォーマンスと実用性のバランスが決め手
2005年に入り、リース期限に合わせて既存システム全体の見直しに着手した愛媛県。情報系システムについては庁内で分散した掲示板、メール、スケジュールアプリケーションを統一し、ひとつの業務ポータルとして集約する方向性で要件を固めた。中でもこだわった点は、分散した「Office 4」データを移行し、5000名規模がひとつのシステムに収まる点である。
「グループウェアは職員全員が日々使う情報インフラで全庁ポータルの中でも要となるシステムです。要件を満たす機能性はもちろん、限られた予算内で最大限の効果が期待できるものにしたかった。結果的に「ガルーン 2」は5000名規模での稼動を実現するパフォーマンスを備え、実用性、コストパフォーマンスのバランスに優れていたと言えます。またユーザーは多岐に渡るのですが、どんな職種のユーザーでも使いこなせる点も評価しました。」(大西氏)
企画情報部 管理局 情報政策課
ネットワーク運営係長 戒能氏
企画情報部 管理局 情報政策課
担当係長 平田氏
導入効果 全庁規模で業務効率を上げることが県民サービス向上へとつながる
2006年のシステムリプレースでは「ガルーン 2」を含めた文書管理・電子決裁システム、会議室予約システムなど、庁内の複数システムの認証連携を実現する認証基盤が導入された。ユーザー側は一度ログインすれば、意識せずとも庁内複数システムにアクセスすることができる仕組みだ。集約されたシステムの中で、「ガルーン 2」は全庁における情報基盤として中心的な位置づけにあるという。その結果、どのような効果が得られたのだろうか。
「庁内連絡を「ガルーン 2」の回覧版機能(「社内メール」)に置き換えることで、業務スタイルそのものが変わったように思います。これは役所特有なのですが、職員の活動は庁内で共有される文書に基づいています。それは県レベルのものから国レベルのものまで様々です。これまで文書の共有は紙が主で、「ガルーン2」の運用によりその多くが電子化されました。文書を共有した職員の状況も一目で確認できますので重宝していますね。また、部局を超えた業務でも、素早く確実に情報共有できるので、あっという間に全庁運用アプリケーションとして広まりました。」(戒能氏)
回覧板運用は紙の量だけでなく、メール量の大幅削減にも貢献している。現在では国・市町・関係団体を除く庁内連絡にメールを使うことはなくなったという。当時他の部局で、ユーザーとして「ガルーン 2」を利用してきた濱松氏はこう語る。
「メーリングリストで運用していたときは、とにかく情報整理が大変でした。また、紙の回覧でもそうですが、関係者間で調整や確認をしていると時間も手間もかかります。回覧板運用は、フォロー欄に書き込み、その場で議論を進めることができます。正式な起案事項は別途電子決裁システムを設けていますが、出先機関含めて、事前調整すべて回覧版を活用しています。プロジェクト進捗管理といった感覚が近いのですが、正式なフローに乗せるその前段階での事前調整は「ガルーン 2」で完結できています。起案から決裁プロセスの時間も短縮でき、全庁的に業務効率も確実に上がっていると感じます。」(濱松氏)
「ガルーン2」は愛媛県庁職員5,000名規模が常にアクセスし、現在では一日で回覧板の飛び交う数は数千にのぼる日もあるという。掲示板、スケジュールを含め、まさに県行政を支える業務インフラとしての役割を果たしている。職員の業務効率化を上げることが、県政を支え地域の活性化、より良いサービス提供につながっていると言えるだろう。
▼庁内情報が集約されるポータル画面
▼一日の「社内メール」流通量は数百〜数千通に及ぶ
▼全庁内情報を告知する掲示板の活用も活発だ
今後の展望
全庁の情報インフラとして愛媛県の業務を支える「ガルーン 2」。同庁におけるサイボウズ製品の活用は10年目を迎えた。その間、愛媛県は情報化投資を積極的に実施し、よりよい県政づくりを目指してきた。そして、グループウェアに始まった「連携」は庁内にとどまらない。2006年に発表された声明によると、愛媛県は愛媛大学や松山市と連携することで情報通信技術者を育成し、企業への採用支援を強化する取り組みを進めてきた。現在では松山市内に40名規模の開発拠点が設けられている。
「地方分権の流れが強まる中、県行政も独自の強みや特色を出して行く必要があります。まさに「産」「官」「学」連携で、地域の技術者育成にも弾みがつきました。サイボウズさんのベンチャー精神を愛媛県の活性化にもつなげていきたいですね。」(大西氏)
限られた財政状況の中で一層のコストパフォーマンスが求められる状況だからこそ、各方面との連携が欠かせないと語る。
最後に、サイボウズへの要望を伺った。
「利用頻度が高いからこその課題になりますが、データ蓄積の結果、ストレージの容量が逼迫しており、運用側でも活用ルールの策定やデータ容量の制限をかけるなど工夫をしているのですが、随時、ユーザーに不要なファイル、メール、回覧板データを削除してもらっているのが現状です。とはいえ、中長期的に活用したい情報もありますので、掲示板以外のデータも掲載期限を設定できるなど製品側での改善を期待したいところですね。」(平田氏)
「組織管理機能の強化要望もあります。年度が変わるタイミングで職員の3分の1にあたる1500名規模の人事異動が発生しています。今はリアルタイムな組織変更になっていますが、予め人事情報の変更予約ができると管理側の負担もより軽減できるのではないかと思います。」(戒能氏)
今後も、地域行政を支えるシステム運営を目指していく。
システム概要
ご利用環境
WebAPサーバ | 6台 |
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サーバOS | RHEL4 |
CPU | Xeon 3.8GHz×2 |
メモリ | 4GB |
HDD | 146.5GB(RAID5) |
DBサーバ | 3台 |
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サーバOS | RHEL4 |
CPU | Xeon 3.8GHz×2 |
メモリ | 4GB |
HDD | 146.5GB(RAID5) |
関連リンク
製品情報