導入製品 サイボウズ デヂエ | かんたんシリーズ

企業情報

株式会社五星

■会社名:
株式会社五星

■ホームページ:
株式会社五星ホームページ

■利用製品:

  • サイボウズ デヂエ
  • サイボウズ Office パック EX4

■利用人数:
150〜200人

■業種:
建設業

■サーバー OS:
Windows 2000 Server

■管理者レベル:
専任管理者



株式会社五星

取締役企画部部長 神原氏
企画部次長 岸上 幸生氏
水本 規代氏

株式会社五星は、建設コンサルタントを専業とする会社。
昭和 38年に五星工務店として創業し、昭和 47年に株式会社五星測研、昭和 60年に株式会社五星と社名を変更。
香川県の高瀬にある本社を中心に、関西・東京に支社を、高松・岡山・高知・松山に支店を、そして、観音寺営業所と新居浜・徳島・神戸・中部・奈良・和歌山・福井に事務所を構え、総合建設コンサルタントとしてのチャレンジを続けている。また、平成 6年から、自社開発した GIS(地理情報システム)ソフト(PentAngle)をベースに地理情報関連のデータ整備及びシステム構築を事業化し、自治体の各種施設管理や意思決定支援に貢献している。
同社では、「全員の参画」を経営コンセプトとし、積極的な情報共有と公開を推進し、ISO 関係、台帳、工程管理など 90%以上を「サイボウズ デヂエ」で構築、運用している。

導入背景と決め手

株式会社五星では、「全員参画するために、プライバシー情報以外はすべて公開していこう」という経営コンセプトに基づき、企画部が中心になって社内の情報化を推進している。1999年に 1994年版の ISO9001 を取得したときは、ロータスノーツで ISO の文書管理を、オラクルで台帳管理を行っていた。

「デヂエを導入する前のシステムでは、機能や仕組みが高度すぎて、我々のやりたい事にはオーバースペックでした。」

株式会社五星の取締役で企画部部長の神原氏は語った。

「うちは、元々電子認証という観点がなかったのです。認証しなければならない人に認証するものが見えて、順番に認証していくようなシステムだと思って使い始めましたが、結局は電話で『承認して、次の人に廻してもらえるか?』と頼む始末でした。承認だけのためにノーツを使うのは、もったいないと感じました。」

企画部の岸上幸生次長は説明する。

こういった方式では、手間に加え、情報の共有に時間差があるため、上位決裁者の手元に情報が来た時には情報の鮮度が落ちることがある。また、決裁後に文書や記録が手元に残らないので、印象のあった情報しか記憶に留まらない。それ以前の、紙書類や個別管理の電子ファイルでの管理では、作成・更新・維持に手間がかかり負担になるため、結果的に形骸化につながってしまう。

「このような問題があっても、現在の ISO の紙書類を審査する方式の監査では、監査の事前に書類を整備すれば不整合は発生せず、監査や審査のための管理になってしまう危険性がありました。」

デヂエの導入を検討した水本規代氏は語った。

上記の問題点を鑑み、ISO2000年規定の移行に向けて、企画部では文書や記録を全て Web 化し、Web 上で作成・更新・決裁・管理を行い、情報を全社に公開しようと考えた。業務管理の高度化・効率化に、社内サービスの充実を実現するためにも、Web で実現できる情報共有のシステムを探していたという。

「サイボウズ Office 4を使っているので、週に一回はサイボウズ社の HP を見ています。そこで DBメーカー(デヂエの前バージョン。以下、デヂエと書す)を知りました。ちょうどその時、ワークフロー・文書管理・台帳管理・プロジェクト管理ができるツールを探していたので、いいタイミングでした。 サイボウズ ワークフロー 4、サイボウズ AG 基本セット、AG ワークフロー、AGプロジェクト、デヂエ、WebCell という工事台帳開発ツールを調査対象としました。」(水本氏)

2002年 4月 15日からの約 1ヶ月間の調査期間で、ソフト毎に担当者を振り分け、サイボウズ製品は試用期間を利用しての調査、WebCell は講習会での調査を行った。デヂエの主な利用目的と調査内容について、水本氏は以下のように説明する。

「社内の各種の台帳を一覧形式で管理できるかどうかが、主な利用目的でした。併せて、台帳に記載した事項に対する承認ができるか、規定書類関係の文章管理は可能かなどの調査を行いました。」

調査の結果、デヂエの設計や運用を工夫することによって、台帳の管理だけではなく、ワークフローやプロジェクト管理のような業務にも適応できる可能性があると判断して、全社的な導入を決めたという。サイボウズ AG にもワークフロー機能があるが、ISO での利用はデヂエで運用できると判断し、出金が伴うワークフローの電子化においては、AG 基本セットに移行するタイミングで良いと判断し、現在は紙で承認処理を行っているということだ。

導入を決めてから実際にデヂエで情報を公開するまでは、わずか 2ヶ月という短期間で、ISO2000 対応用に社内規定の改訂からシステム構築まで行ったという。

「デヂエの導入を決めてから、企画部のメンバーで、台帳関係のものを約 2週間で 100個ほど、ライブラリを作成しました。そして、『さあこれで動かせ。(笑)』と。」

構築の様子を神原氏は語った。

100個のライブラリ作成を短期間で行うのに苦労はなかったのだろうか?

「数に関しては、業務命令ですから(苦笑)。ライブラリの作成は簡単だったのですが、各部からの要望に対応するのが大変でした。」

水本氏は運用開始当時の様子を説明してくれた。

「使い始めの頃は、使う人を制限していたのですが、いまは全員が使えるようになっています。全員が便利に使えるようになってからは、レコード一覧ビューの変更やデザインの変更などの依頼が来ています。以前ならば、自分のパソコンで修正して結果を相手のパソコンで見てもらわなければならなかったのですが、デヂエなら相手の部署まで行ってその場で修正しながら確認してもらえるので、運用がとても楽になりました。」

津川氏は語る。

社内の情報化に積極的に取り組んできた同社では、10年ほど前からキーボードに慣れる、ということを企画部で推進してきた。独自の OA チェックリストを作成して、電子メールが使えるか、かな漢字変換ができるか、などを社長も含め自己チェックを行ってきたという。

「その後、全員にメールアドレスを割り当て、メールを一日一回見ることを徹底し、月一回の社長からの朝礼メッセージもメールで流し始めました。デヂエの運用を開始するにあたっては、操作が簡単なので講習しなくても使えるとは思ったのですが、データの入力や更新などの基本的な使い方を覚えてもらうために、全員に講習会を開きました。支店にも出向いていって、デヂエの使い方を覚えてもらいました。」(津川氏)

社内での講習会に加えて、オンラインマニュアルをリンクさせたり、よくある質問などはデヂエのライブラリとして登録することで、使うための利便性を向上させていった。

「全社的なネットワークはブロードバンドとインターネットVPNを組み合わせて、低コストで快適な環境を構築しました。デヂエは、社内のイントラネットとして全支店や営業所からも利用できるようになったので、支店からもスイスイです。」(岸上氏)

活用方法

「デヂエを使うようになってからは、今までならばデータベースにしようと思わなかったことも、手軽にできるようになりました。例えば、個人が Excel のファイルとして保管していたデータでも、デヂエで管理するようになれば全社で共有できるようになります。共有することで新しい価値や目的が生まれています。」(神原氏)

デヂエを導入した最初の取り組みは、ISO2000 版取得に向けた文書情報の電子化だった。だが、実際に導入を推進していくうちに、様々な情報をデヂエに登録することによって、現場での情報活用が促進されていくことがわかった。実際に総務部からの依頼で、資産台帳の情報も登録して一元的な管理と全社的な閲覧を実現した。すでに、過去 3年分の書類をイメージスキャナで取り込んで、デヂエで閲覧できるようにしているという。

「以前はオラクルで台帳の管理を行っていました。しかし、全員分のライセンスがないことと、支店から見るのが重いのでもっと軽く使えるようにしたいと考えていました。 Web 型にして登録も閲覧も簡単で軽くなれば、全社的に情報共有スピードが速くなり、もっと全社的に活用してもらえると思っていたのです。そこで、試しにいくつかの台帳をデヂエに登録してみたところ、現場からあれもデヂエ化したい、これも検索したい、という要求が出てきて、それならばできるだけ登録しようということで、短期間でオラクルからデヂエに移行したのです。」(神原氏)

株式会社五星のイントラネットでは、GIOS DB(Gosei Information Open System DataBase)という名前でデヂエを使っている。

「デヂエは DBメーカーの頃から使い始めたので、そのまま DB を継承して統一した名前にしています。」(岸上氏)

また、DBメーカーからデヂエへのバージョンアップで搭載された「各ライブラリのロゴが変更可能」機能を利用し、ロゴ部分に「GIOS DB」と記載するなど、工夫を凝らしている。

デヂエ導入の検討課題の一つにあげられていたワークフロー型の業務において、同社ではフィールドとレコード登録者に許可するアクセス権を活用することで、承認作業を実現している。

「フィールドのアクセス権を利用して、電子化した印影を使って承認の仕組みを作りました。デヂエになってからは、レコード登録者に許可するアクセス権の設定ができたので、登録者は自分の登録したものを編集できるが、他人の登録レコードは編集できない。削除は管理者だけが可能、という使い方が可能となりました。」(岸上氏)

このライブラリでは、確認フィールドは ISO 承認者グループに閲覧・編集権限を与え、それ以外のユーザーは閲覧のみ可能としている。承認フィールドは、社長のみに閲覧・編集権限を与え、それ以外のユーザーには閲覧権限のみ与えている。ライブラリ自体のアクセス権としては、全員に閲覧権限を、全登録ユーザーに追加権限を、編集権限は登録者本人と編集許可者に、削除権限はライブラリ管理者のみに与えている。運用は、各人が承認を必要とする書類をレコード登録した後、確認用・承認用のレコードに確認者・承認者が電子印影の GIF ファイルを追加する。この一連のプロセスによって、承認作業を行うようにした。

「レコードを再登録することで、承認印影のコピーが可能となってしまいますが、再利用できるレコードは自分のだけにしていることと、ほとんどが新規作成になるので問題はありません。ただ、今後、再利用を禁止する機能があるといいと思います。」

と水本氏は、デヂエに対する要望を語ってくれた。

総合建設コンサルタントとして幅広い事業を展開している同社では、GIS(地理情報システム)も事業の大きな柱となっている。

「平成 6年に GIS を事業化しました。ここにいる岸上が GIS エンジンを開発したんですよ。平成 7年の阪神・淡路大震災の教訓をきっかけに、政府において GIS に関する本格的な取組が始まり、各自治体で地理情報(地図やそれに付随する台帳)のデジタル化を行うようになりました。弊社のGIS構築では、実際に測量・調査を行う側と、その結果をデジタル化し、システムを構築する側に分かれて作業しています。この作業行程の進捗管理もデヂエのライブラリで実現しています」(神原氏)

以前は Excel のワークシートで行っていたという工程管理をデヂエのライブラリで実現したことによって、プロジェクト全体の見通しがよくなっただけではなく、進捗情況の把握や相互のチーム間での確認などが円滑に進むようになったという。

「従来ならば、作業依頼伝票を手で書いて担当チームに渡していましたが、依頼した側ではデータがいつ入力されるのか、どこまで進んでいるのかを把握するのが困難でした。しかし、デヂエで管理するようになってから、誰に依頼した作業がどこまで進んでいるのか、全体的な進行の状況や予測が立てやすくなりました。」(神原氏)

「今後は、各自治体の情報公開が益々促進されると思います。地理情報関連事業を通じて、それらを支援することができればと考えています。」

と神原氏は、今後の GIS 事業の展望を聞かせてくれた。

他にも企画部や総務部によくある質問や問い合わせをライブラリにしておくことで、情報共有を促進している。

「本社だけではなく、各部署・各支店・事務所には必ず『キーマン』と呼んでいる担当者を置いてもらっています。そこで、パソコンやデヂエについてわからないことがあれば、まずはキーマンに聞いてもらって、それでも解決できない内容はデヂエのライブラリに質問を登録してもらい、それを見て、わかる人が答えを入力しています。部署の移動や、入社された方でもすぐにキーマンがわかるように、キーマンの一覧表もライブラリで作成しています。Word、Excel、AutoCAD LT などのフィールドを作成し、各キーマンの得意なものにチェックを入れています。これを見れば、誰が何に詳しいかわかるわけです。」(津川氏)

「こういった FAQ は、見る側も便利ですが、書く方にとてもいいんですね。人にわかるように書く、ということは頭の整理に非常によい、と考えています。」(神原氏)

導入の結果と今後の展望

企画部では、今後新しいシステムをリリースした時の社員の満足度についてアンケート調査を実施することにしているという。企画部にとってのお客様は、社員の皆さんにあたる。

「先日、台帳管理や品質管理をデヂエ化したことに対するアンケートを社内でとりました。 デヂエの運用について、『便利になった』『どちらかというと便利になった』と評価した人は 62%、『GIOS-DBの使用頻度がほぼ毎日』という人が 41% でした。デヂエについて『わかりやすい』と『とてもわかりやすい』と評価した人は 60% でした。『わかりにくい』と答えた 6% の人は、デヂエの評価というよりは、Excel で管理していた品質管理台帳を管理していた人でした。今後はそうした人たちが早くデヂエの画面や使い方に慣れてもらえるようにすることが課題です。」(津川氏)

社内アンケートの内容では、他にも、『必要な情報が探しやすくなった』や『どのマシンからでも使えるのが便利』とか『社内の見通しがよくなった』などの評価が得られたという。全社員に使い方を教えてきた企画部では、デヂエは一度知ったらみんなが使うようになるとの印象を持っている。

「2ヶ月間で半ば強引にデヂエ化したのと、ISO の審査がある忙しい時期であったのに、この評価は高いと感じています。」

と神原氏はアンケート結果の印象を語る。

「以前は、オラクルを使ってソフトをすべて自社で開発していました。しかし今では、ソフトを一から作るという方針は転換しました。クライアント/サーバー・システムでソフトを構築してしまうと、本社以外は蚊帳の外になってしまいます。デヂエのような Web ベースのシステムが導入されて、ほんとうによかったと思っています」(神原氏)

ISO 関連の効果では、事例取材後に ISO の審査結果が来て、「品質目標の達成過程と結果、クレーム発生時の是正処置の定着などの継続的改善の結果は、イントラネット上(デヂエ)に記録されて、経過を常に監視できるのはすばらしいことである。今回の審査の大半をネット上で行うことができたのは特記すべきことだ」との評価を受けたそうだ。

取材当時の同社の本運用ライブラリ数は、112個。うち、約 70% が ISO 関係、あとの 30% が台帳や行程管理・FAQ・掲示板・議事録・クレーム管理などだ。

「本運用の数は、どんどん増えると思います。今の倍くらいにはなるのではないでしょうか。DBメーカーからデヂエへとライセンス体系が、ポイント制(従量課金)から年間ライセンスになったので、ホッとしました(笑)。」(水本氏)

「今後は、より個人に近づいたライブラリが欲しいと考えています。今まで共有できていない様々な情報を、デヂエで共有できれば、と思っています。」(神原氏)

全社的に書類の管理を電子化するために、サイボウズ デヂエを導入した株式会社五星では、経営に関わる情報はできるだけ公開するという方針で、これからも積極的なライブラリの作成と情報の共有化に取り組んでいく考えだ。

システム概要

サーバー OS Windows 2000 Server × 1
クライアント Windows クライアント
ネットワーク 本社と支店や事務所は、インターネット VPN で結ばれている。サイボウズ デヂエ のサーバーは、本社の企画部が管理している。サイボウズ Office 4 も利用しているので、一台のサーバーで両方のシステムを運用している。ネットワークのインフラは、拠点によって Bフレッツか ADSL を導入している。

システム概要図

システム概要図

製品情報

サイボウズ デヂエ

営業進捗やアンケート、備品管理など幅広く業務に使えるデータベース

ダウンロード 製品サイトへ

サイボウズ Office

ユーザビリティを第一に考えたユーザーインタフェース搭載で誰でもすぐに使えるグループウェア

ダウンロード 製品サイトへ

ダウンロード

株式会社五星 導入事例 PDF (374kb)

get adobe reader

上記の文章をご覧になるには「アドビリーダー」のプラグインが必要です。