導入製品 サイボウズ ガルーン 2 | ガルーンシリーズ

株式会社日立アドバンストデジタル

情報システム部 グループリーダー主任技師 山本 和広氏
情報システム部 技師 松村 敏弘氏

IT企業における大規模グループウェアの活用。
カスタマイズによる情報周知の徹底を図る。

日立グループ、業界大手メーカーの車載機器・携帯電話・デジタル家電機器などの組込みシステムの設計・開発を行う株式会社 日立アドバンストデジタル(以下、日立アドバンストデジタル)は、社員の多くがソフトウェアの開発技術者であり、エンドユーザーリテラシーが高いのが特徴だ。
とはいえ、「サイボウズ ガルーン 2」 は、社員1,000名と関連スタッフ1,500名の合計2,500名が登録される大規模なエンタープライズ情報プラットフォームとして機能しており、放っておいても活用が進む、という状態ではなかった。
IT技術者が多い先進企業におけるグループウェアの普及や活用の工夫、今後の展望などについて、情報システム部 グループリーダー主任技師 山本和広氏、技師 松村敏弘氏にお話を伺った。

導入の背景 構築2日、運用開始まで2週間 圧倒的なスピードで構築

「ガルーン Ver.1」時代からのユーザーである日立アドバンストデジタルでは、当初スケジュール確認のために経営管理、管理部門に限っての導入を行い、徐々にユーザーを増やすことで、社内展開を図ってきた。
やはり大企業においては、いきなり使い慣れたシステムからの全面的な変更は全員に使ってもらうという主旨が浸透しない可能性もあり、経営に近い層の理解が不可欠だった。

導入の決め手 将来を見越した運用ができる『ガルーン 2』へ

全社展開後、ガルーン 2の登場により、バージョンアップを行ったが、何が決め手となったのだろうか。

「ガルーン 2へのバージョンアップの決め手となったのは、Webサーバーと データベースサーバーを分離した構成で構築ができることでした。これにより、 将来的に利用ユーザー数の増加やアクセスが増加して処理が遅くなった場 合も、サーバーを追加することでパフォーマンスの改善が見込めるため、 懸念していた問題が大きく緩和されました。」 (松村氏)

そして、「ガルーン 2」 が登場し、データ移行を含めたバージョンアップを行った。

「構築は2日で終わりました。「ガルーン 1.5」から「ガルーン 2」へバージョンアップするときに一度だけトラブルがあって、バックアップデータの切り戻しを行いましたが、記憶にあるのはそれくらい。」(松村氏)

バージョンアップ作業の際には、移行前のユーザー情報の整理には時間を使ったとのこと。 最初にユーザー情報やアクセス権周りの移行設計をしっかりと行うことが、実際の移行での時間短縮とトラブルの減少に役立つコツだ。

その後、「ガルーン 2」から最新版の「ガルーン 2.5」へバージョンアップするときはWebサーバーとデータベースサーバーの分散構成に変更し、現在は更に安定した運用ができている。

情報システム部 技師 松村 敏弘氏

情報システム部 技師
松村 敏弘氏

導入効果 グループウェア活用により生産性が向上

グループウェアは、仕事の中核。他の業務システムもあるが、事務・雑務などの日常業務は全てガルーンで行っている」と言い切るくらい、社内に浸透している「ガルーン 2」 。日立アドバンストデジタルではグループウェアをシステムとしてどのように位置づけているのだろうか。

「余計な事務処理をしないためにも電子化できるものは電子化して、雑務の時間を減らし社員の生産性をあげることですね。」(山本氏)

大企業になればなるほど、組織のピラミッドは複雑になり、手続きや通達の量も増える。当然のことながら部署同士のやり取りも増えて、調整にかかる 時間も増えてゆく。グループウェア導入に成功している会社に多く見られる、「予定が空いていればメンバーのスケジュールは、原則勝手に入れていい」などの原則的なポリシーは当然のように適用されており、スケジュール調整の利便性でグループウェアを日常的に使う習慣をつけて、掲示板での通達などを電子化し、確実な効果をあげている。

情報システム部 グループリーダー主任技師 山本 和広氏

情報システム部 グループリーダー
主任技師 山本 和広氏

一見、シンプルな使い方ではあるが、最小の労力で組織としての生産性の向上という最大の効果を得ようとする姿勢が見えてくる。

「ガルーン」の導入前も、電子メールによる通達は行われていたが、課長宛のメールでの通達から、スタッフへの伝達という経路を通っていた。掲示板の活用により、そのタイムラグが解消された背景には、「メールは読んでいないことも想定」だが、「ガルーン 2」は「読んでくれている」ことがわかることが大きい。

ただ守るだけのセキュリティではなく周知徹底までベンチマーク

掲示板が「読まれている」ことを前提にして運用されていることについては、きちんとした裏づけがある。
IT先進企業ならではだが、日立アドバンストデジタルではIPA(独立行政法人情報処理推進機構)の情報セキュリティ対策ベンチマークに参加しており、これに関連して掲示板にカスタマイズがされているのだ。

内部統制でも話題になっている通り、情報セキュリティに対しては組織的な取り組みが大切である。システムが単に強固であるとか認証がしっかりしているとか、外部とは遮断されているというような技術的なポイントだけが情報セキュリティのポイントではなく、企業として必要な通達がきちんと届いて、組織として統制が取れている状態にあることが、全体最適につながる。
情報セキュリティ対策ベンチマークに、単にセキュリティの強固さを問うだけではなく、必要な情報が全員に共有されているかを調査する項目が入っている理由は明確だ。

グループとロールを用いてアクセス権コントロールが容易な「ガルーン 2」 の掲示板は、通達に使われることが多く、これを見ているかどうかを把握するために、サイボウズのグループ会社により、「ガルーン 2」 カスタマイズが行われた。

カスタマイズ要件は、掲示板を閲覧したかどうかのログを監査用のシステムに送れるようにすること。
実際には、掲示板に「確認した」ボタンをつけることで、そのボタンを押した際のログをユーザーIDまで含めて他のシステムに送る簡単なもので、プログラム自身には手を入れることなく、テンプレートのカスタマイズで完了しており、大掛かりなカスタマイズにはならなかった。

情報共有の次は実務レベルの効率化に活用

スケジュールを核に、全員が利用する状況を作り、掲示板で確実に通達を行き渡せることに成功した日立アドバンストデジタルが次に取り組んだのは、ファイル管理とポータルの活用による実務レベルの業務の効率化だ。

ファイル管理については、ISO9001の改善プロセスの迅速化に役立てている。
従来は、各部で行った改善事項の報告が記載されたエクセルファイルを添付したメールで行っていたが、事務局が集約する際に、タイムラグの発生やファイルの未更新によるデグレードが起こっていた。しかし、これを「ガルーン 2」 のファイル管理に直接登録することにより履歴管理と最新情報の集約状況の確認を一気に行えるようになった。


また、サーバー内に散在していた各種のポータルについても、ガルーンのポータル機能を使って集中管理。社員向けのポータルは5つで、契約社員が見られない情報も含まれているが、ポータルのアクセス権管理を有効に使うことで、見せる情報をコントロールしている。

今後の展望 今後は、ワークフローの活用を

派手ではないが、着実に従業員の生産性向上という効果を上げてきている日立アドバンストデジタル。同社の今後の課題は「ワークフロー for ガルーン 2」の活用だという。当初の導入がそうであったように、ここでもスモールスタートで徐々に浸透を図っている。

「今は、情報システム部だけでの活用です。現状ではまだまだ紙が多いが、電子化できるもの(軽いもの)はワークフローを使って申請するようにしています。」(山本氏)

運用管理権限を持つ管理部門の担当者がWeb画面上でフォームの作成や経路の設計、実装が直接できることが、サイボウズのワークフローの強みである。この使い勝手を社内に定着させ、将来的には、監査やISO管理にかかわるものは、ワークフローで審査ができるようにしたいと目論んでいる。
そのときには、今よりも一歩進んだ大企業の全社最適が行えて、業務スピードのアップと監査・管理の効率化という相反した課題の解決が出来るに違いない。

システム概要

ご利用環境

・サーバースペック(Webサーバー)
サーバー OS Red Hat Enterprise Linux AS release 3
Web サーバー Apache
CPU Intel(R) Xeon(TM) 3.00GHz
メモリ 2GB
HDD 73G × 2 (RAID1)
・サーバースペック(DBサーバー)
サーバー OS Red Hat Enterprise Linux AS release 3
Web サーバー Apache
CPU Intel(R) Xeon(TM) 5110(1.6GHz) × 2
メモリ 4GB
HDD システム 80G * 3 (Raid5)
データ FiberChannel 2T(RAID5)

関連リンク

製品情報

サイボウズ ガルーン 2

高いスケーラビリティと使いやすさを両立。経営のPDCAサイクルを加速するエンタープライズ グループウェア

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