導入製品 サイボウズ デヂエ | かんたんシリーズ
企業情報
■会社名:
株式会社紀文本店
■ホームページ:
株式会社紀文本店ホームページ
■利用製品:
- サイボウズ デヂエ
- サイボウズ AG 基本セット
- サイボウズ AG 報告書
■利用人数:
11〜50人
■業種:
製造業
■サーバー OS:
Windows 2000 Server
■管理者レベル:
兼任管理者
株式会社紀文本店
業務部部長 上野 勝氏
かまぼこ、はんぺん、おでん種など魚肉練製品の製造・販売等でよく知られる紀文グループは、親会社で食品メーカー大手である紀文食品を中心に、20 前後のグループ企業で構成されている。
株式会社紀文本店は、そのグループ企業の1つ。紀文食品の中で百貨店、駅ビルなどに「紀文」という直営店を出店していた販売事業部が 1997年に分離、独立したフードベンチャー企業である。
約 5年間で豆腐の「豆味庵」、洋総菜の「東京きゃべつ」「Deli東京」、鶏総菜の「フラワーバード」、中華総菜の「白楽天」、カフェの「カボロカフェ」といった新業態を次々と開発し、店舗展開している。さらに、最近話題のシュークリーム店「ビアードパパ」のフランチャイジーとなったり、ベーグルの製造メーカーとコラボレートするなど、いまやデパ地下を舞台にしたフードベンチャー企業としても注目を集めている。現在は新業態の経営も軌道に乗り、大幅な増益を達成している。
導入背景と決め手
紀文本店では、百貨店や駅ビルなどに出店している店舗で使う食品の製造・加工販売、新商品・新業態の開拓、出店店舗の管理などを行っている。紀文本店の営業組織は、食品グループ、洋菓子グループ、洋総菜グループ、中華総菜グループと各グループに分かれている。例えば、洋総菜グループは『東京きゃべつ』 『Deli東京』という業態を担当し、グループ内に店舗企画、新商品企画から店舗を巡回する営業担当マネージャーまでが揃っているという。グループが、一種の社内カンパニーのようになっているため、業務はグループの中でほぼ完結しているということだ。
関東を中心に各地の百貨店、駅ビルに 76店の店舗を出店している紀文本店の業績も、このところ非常に好調であり、2003年度 3月期の経常利益は前年比で 200% を達成した。利益が 2倍になったのである。
「もともとの利益額が小さかったので、2倍といっても、あまり大したことはなくて(笑)。ただ、新しい業態の店舗が 20店以上に増えてきましたから、もう親会社の紀文という名前に頼る必要はなくなってきましたね」(上野氏)
と、紀文本店でシステム管理を担当する業務部の上野 勝部長は語った。この背景には、デパ地下人気も大きく影響しているようだ。もはやデパ地下は、情報誌の特集の定番となり、ファッショナブルなインテリアが目を引く場所が増えてきた。フレンチ、イタリアンの高級総菜店やお洒落なイートインカフェなどの新業態も続々と登場し、いまや新商品、新業態のマーケティングにも欠かせない存在である。
「最近はデパ地下という言葉もすっかり浸透し、若い女性を含めた高感度な人たちが買い物を楽しむための場所になってきました。店舗もショーアップが必要です。幸いなことに、当社は、ここ数年で多くの新業態店舗を作って、このブームの中に入り込むことができました」(上野氏)
同社は、紀文食品より分離・独立して約 5年で、新しいフードベンチャー企業としてのしっかりした基礎を築きあげた。情報システム面でも、1999年 5月には紀文食品のサーバーマシンを借りて、サイボウズ Office 2を導入していた。2002年春になって、いよいよ独自のサーバーを立て、夏に「サイボウズ AG」を、冬に「サイボウズ デヂエ」の導入を行ったという。上野氏は、デヂエを導入しようと思った背景について、次のように説明してくれた。
「デヂエを使おうと思いついたのは、営業の仕事を見ていてです。弊社の各グループの営業担当マネージャーは、百貨店や専門店に出店している店を巡回し、問題点がないか、売れ行きはどうか、新商品・新業態の可能性を探すなどの役割を担っています。 定期的に各店舗を廻るわけですが、そこで店舗の売り上げの進捗が月の目標に比べてどうであるか把握し、報告しなくてはなりません。また、売り上げが芳しくない場合には、どのような対策を行うか、考える必要があります。
この対策(現場レベルでの作戦)は、部の営業目標に沿って、どういうテーマの営業活動でどれくらいの売上アップを図るかというものを現場レベルであれこれ考えたものです。この作戦を練るために、業態別の営業グループ単位で週に何回も会議をやっていました。何度も作戦を練り直して、その結果を営業本部長レベルの作戦決定会議に上げ、来月はこれでいきましょうという計画が決まって、ようやく営業が動きだすのです。こういった進捗を管理する会議を『ギャップ対策進捗管理会議』と呼んでおり、2週間に 1回行っています。
この会議に欠かせないのが、『ギャップ対策進捗管理表』です。『ギャップ対策進捗管理表』は、Excel で作られていました。会議のために、Excel の進捗表を作ることは大変な仕事でした。進捗表作りのために、毎回徹夜する営業担当マネージャーも珍しくなかったんです。」(上野氏)
ここで言う『ギャップ』とは、営業の目標数値と実際の達成数値との間のギャップを指し、営業の進捗管理の効率化を狙いとしている。
「営業の進捗管理会議は、本来は営業の進捗についてアドバイスやフォローをする会議の場であるはずですが、月のはじめの進捗を報告した時点ではすでに月の半分が終わっている、という状況で、的確なアドバイスやフォローが実質的に不可能に近いものでした。結局は進捗管理というよりも、結果報告会のようになっていました。 それでいて、会議のために資料を作ることそのものが営業の仕事になってしまっているなと感じました。これをどうにかできないものかと思ったんです。」(上野氏)
資料を作るのがメインの仕事ではない営業担当者に負担なく情報を登録させ、情報を一つに集められれば会議の資料準備に掛ける時間が減らせるし、営業本部長がいつでも進捗を見ることができるのではないか?と上野氏は考え、「DBメーカー」(デヂエの前身)時代から興味を持っていた「デヂエ」を、2002年 10月にホームページからダウンロードし、試用を開始した。初めに作ったライブラリが、この営業進捗管理表、通称『ギャップ対策進捗管理』である。
「サイボウズ デヂエ」の『ギャップ対策進捗管理』の登場は、会議の状況を一新したという。
活用方法
上野氏は、わずか 1日で『ギャップ対策進捗管理』のライブラリを作成し、運用に入ったという。これは、従来から営業担当マネージャーが Excel で作っていた進捗管理表のレコードとフィールドの項目を、ほとんどそのままデヂエでも採用したため、短期間での運用開始が可能だったと言える。社員は Excel 時代とまったく同じ感覚で使えるし、実際に社内にもあっという間に浸透したという。逆に言うと、Excel 時代の苦労があったからこそ、導入効果も絶大だったのだ。
「営業担当者達には、もともと考え方のスキルがあったので、使い方を教える必要はありませんでした。もう画面を見て、入力するだけです。しかも従来より入力はずっと簡単だし、気が付いた時に少しずつ直しを入れていけば毎日でも更新できる。その結果は、社長を始めとして社内の誰もがいつでも見られますから、適切なアドバイスもフォローも入れられる。まさに進捗管理になりました。」(上野氏)
この『ギャップ進捗管理表』のキーワードは計画、取組、着地である。計画とは、グループ単位、部署単位、店舗単位の売上目標数値を指す。この計画の数値を足し算すれば、全社的な目標数値になる。部署ごとの数値を足しても、全社的な目標数値に足りなければ、部署ごとの目標数値をプラスするという調整作業が必要になる。Excel で管理していた時代には、やり直し、やり直しの面倒な作業を生んでいた。
数値をプラスするためには、営業担当マネージャーは、「対象」となる店舗で「催事の実施」「新商品の投入」「フェイス(売場レイアウト)の改善」といった「テーマ(作戦)」を新しく掲げなければならない。この「テーマ」の追加を考えるのが大変である。
面白いのは、進捗表には「ランク」という欄があること。ここには、数値の達成に自信のある順番で ABC のランクが書き込まれる。後から無理やり追加した「テーマ」にはやはり C が多くなる。逆に考えると、A ランクの「テーマ」をどれだけ用意しているかが、営業担当マネージャーの実力だとも言える。
こうして作戦決定会議で決まった数値が、取組の数値である。その取組の結果として出てくるのが着地だ。着地の数値が取組の数値より低ければ「取組差」がマイナスとして出てくる。このマイナスのギャップを月末までに何とか埋めて、首尾よく目標通りの着地を達成できるかどうかが、営業担当マネージャーの腕の見せ所であり、その実績がやがて年俸制の年俸にも跳ね返ってくる。着地がうまく行きそうになければ、月の途中で新しい「テーマ」を設定するなどの対策をとらなければならない。
デヂエでは、計画と着地の数値ギャップがマイナスだった場合は「取組差」が赤字のマイナス表示で表示するように、レコード一覧ビューを設定している。これで、誰もがひと目で営業の進捗状況がわかる。
また、ワンクリックで集計を見ることもできる。計画達成が遅れている社員は、「まだ足りないじゃないか」と頻繁に上司から声をかけられる。一見して赤字の多い部署は肩身が狭い。逆に、早々と今月の目標をクリアした部署では、余裕を持って来月分のテーマ作りに取り組むことができる。テーマ作りのノウハウに優れた部署はそれだけ実績が上がるし、実績が低迷している部署は、常に公開されている優秀部署のテーマ作りを真似ることもできる。自然に、営業ノウハウを蓄積していることになるのである。
「毎日、さらし者になっているわけですから、プレッシャーはきつくなったでしょうね。ただ、以前のように徹夜で資料を作るといった無駄な仕事はしなくて良くなりましたし、その分の時間を実質的な仕事に費やせる。会議も変わりました。会議の数そのものが大幅に減りましたし、中身も変わりました。以前の会議はいわば報告のための会議でした。数値の中身を説明するだけでほとんど終わっていたんですね。いまは事前に数値を見られますから、担当者に説明してもらう必要はない。テーマや対応策に関して、本当はこうなんじゃないかとか、そこについてはどう考えているんだとか、かなり戦略的な突っ込んだ話が最初からできる。そういう目に見えない貢献度も非常に高いと思います」(上野氏)
『ギャップ対策進捗管理』のライブラリ運用を長く続けていけば、少しずつ貴重なナレッジも溜まっていくはずだ。昨年の同じ時期には、どういうテーマでどういうレベルの取組をしたが、結果はこうだったといった実績が具体的に記録に残り、誰もが気軽に参照できるようになる。そこから業態ごとの傾向などが分析できるようになれば、新業態の企画や運営にも役立てることができるだろう。
デヂエでは、計画と着地の数値ギャップがマイナスだった場合は「取組差」が赤字のマイナス表示で表示するように、レコード一覧ビューを設定している。これで、誰もがひと目で営業の進捗状況がわかる。
会議の数そのものが大幅に減りましたし、中身も変わりました。以前の会議はいわば報告のための会議でした。数値の中身を説明するだけでほとんど終わっていたんですね。いまは事前に数値を見られますから、担当者に説明してもらう必要はない。テーマや対応策に関して、本当はこうなんじゃないかとか、そこについてはどう考えているんだとか、かなり戦略的な突っ込んだ話が最初からできる。そういう目に見えない貢献度も非常に高いと思います」(上野氏)
上野氏は、2002年 12月に『ギャップ対策進捗管理』を本格的に運用し、サイボウズ デヂエを購入した。
「デヂエは使い勝手が非常にシンプルなので、ツールを操作する現場の人間に、いちいち教える手間がかからないところが大きな魅力です。また Web で使えて、クライアントライセンスフリーであることも魅力でしたね。実際に運用するライブラリの個数で年間プランを選ぶだけなので、利用者のライセンス数がどうのこうのと面倒なことを考えなくてもすむのです。」(上野氏)
同社では、プラン20を購入した。プラン20は、本運用するライブラリを 20個まで作れる年間ライセンスである。当然、まだまだ余裕がある。そんな状態のところに飛び込んできたのが「クレーム管理」をライブラリ化できないかという要望だった。
「当社の品質衛生管理部長から、これができるんだったらこっちもやってよという感じで要望が来ました。『クレーム管理』は、従来は品質衛生管理部でクレームを集約し、Excel で集計表を作って、月に一度は報告会議を開いていました。社長を始めとしたマネジメント層と営業本部長が、品質衛生管理部長からクレームに関する報告を受ける形の会議です。ところが、会議で取り上げられるのは、もう処理が終わって過去の話になったクレームなので、差し迫った改善のための議論にはなかなかならない。またここでも、会議のための Excel の集計表を作るのが重要な仕事のようになっていました。」(上野氏)
全国から集まってくるクレームの内容は、商品の品質に関するものを中心に、店舗の接客への不満などさまざまだ。店舗の店長から電話やメールが入ったり、お客様から直接の電話、メールが入ったりするが、その窓口になっているのが品質衛生管理部である。こうしたクレーム案件は、品質衛生管理部からすぐに担当部署に伝えられる。担当部署では、できるだけ速く必要な対応をし、その結果を品質衛生管理部にフィードバックする。従来は、そのクレーム処理の結果を品質衛生管理部が記録し、Excel で集計してマネジメント層に報告していたのである。
集計表は、紙に刷りだして品質衛生管理部に置いてあり、社員の閲覧自由になっていたので一応は公開されていたのだが、忙しい仕事の合間にこうした紙の台帳を閲覧に行く社員は、まずいない。そのため、社員は、自分の部署に関連したクレームについては知っていても、全社的にどういうクレームが入ってきているか、まったく知らない状態だった。別の言い方をすれば、ほとんどの社員が、クレームに基づいた改善のチャンスの大部分を逃していたことになる。
デヂエで作った『クレーム管理』によって、こうしたクレーム関連の情報を蓄積し、全社員がいつでも見ること・検索することができるようになった。また、この 『クレーム管理』 は、同時に、クレーム案件処理の進捗管理にも使っている。
レコード一覧ビューでは、一番目立つ左側のフィールドに「処理済」か判断するチェックボックスを設定し、そのクレームに関する処理が終わったかどうかがひと目でわかるようにしてある。そのほか、受付日、受付者、区分、対象、内容、供給元、発生場所、責任区分、対応、終了日、処理代金、報告書、回収日といったフィールドがある。
「入力は、電話のメモを取るよりも簡単になっていると思います。また、品質衛生管理部が月に 1回 Excel で行っていた集計も、いつでも好きな時にボタン 1つで可能です。どんな商品へのクレームが多いか、どこの工場のものが多いか、どの店が多いか、そんなのがすぐに集計できますから、適切な対策も素早くとれます。処理が終わったという意味の「処理済」チェックボックスに関しては、アクセス権限を掛けてチェックを入れられるのは品質衛生管理部長だけとしています。全社員に公開しながらも、品質衛生管理部がクレーム処理の進捗を責任を持って管理するという体制です。」(上野氏)
この『クレーム管理』は、サイボウズ AG の『掲示板』と同様に、すべての社員が頻繁に見ていて当たり前という感じになっているという。自分が商品企画なり、営業なりを担当している店舗へのクレームが入っているのに、それを見ていない、認識していないのは社員として論外だという考え方だ。おかげで、社員は毎日、頻繁に『クレーム管理』をチェックしている。自分の担当していない業態や店舗関連のクレームが自然に目に入る。こうした一見関係のないクレームが、自分の担当する店舗の改善ヒントになることも多いということだ。
導入の結果と今後の展望
同社では、元々 Excel で管理していた2つの情報、『ギャップ進捗管理表』『クレーム管理』、をデヂエ化することで、鮮度の高い情報が、常に皆がみれる場所に置くことができたのが、一番の導入効果であろう。
『ギャップ進捗管理表』に関しては、会議そのもののあり方を変えることができ、的確なタイミングで的確なアドバイスができるようになった。『クレーム管理』は、WEB 化することで、関連部署以外の人でも簡単に情報にたどり着けるようになった。
「おせっかいの度合いが高まりましたね。それも、的を射たお節介(笑)。本来、連絡網に入っていなかった人が、今まで見えていなかった情報が見えてくると、自分の知識やノウハウの中からアドバイスをする人もでてきました。こういった的を得たお節介がどんどん増えるといいと思っています。」(上野氏)
こうした『お節介』を生み出しているのは、分離・独立後に紀文本店が作った成果主義的な給与体系と流動的な組織原理だろう。
紀文本店の社員の給与は、すべて年俸制である。その年俸は、例えば営業部門ならば、担当する業態の店舗の業績によって決まってくる。また、すべての部署の社員が、新業態を提案し、その担当になることもできる。いまは中華総菜の担当でも、自分のアイデアで洋総菜の新業態を企画開発し、その担当になって大幅な年俸アップを勝ち取ることも夢ではない。さらには、社外のフードベンチャーと協業して新業態を立ち上げたり、既存の業態を組み合わせて複合的な店舗を提案していくことも可能だ。
実にさまざまな可能性があるし、それが年俸アップに結びつく。当然、社員はお互いの現状の業務内容やナレッジに敏感になる。業態の枠を超えて、日常的に、活発に意見を交換するようになっている、ということだ。
紀文本店では、この 4月から全国の店舗の店長向けに、無線で本社とコミュニケーション可能な PDA 端末を配布するという。この PDA 端末向けに検討されているのが 「新商品販売カタログ」 というライブラリである。
同社では、年間に数百種類の新商品を開発している。新商品を開発する各グループの商品担当は、その新商品に関する情報をまとめた案内を作成し、紙の形で全国の店舗に配布している。これを受け取った店舗側では、専用のバインダーなどにこれを綴じ込んで、店舗の品揃えの参考にする。注文して店頭に並べる場合は、その販売マニュアル的な内容を参考にして、お客様へのセールストークを考えていく。こうした紙ベースの案内は月に 10回程度は本社から各店舗に配送されているという。この案内をデヂエにライブラリ化して PDA 端末から見られれば、と検討しているという。
「この案内は紙ですから、無くなることもありますし、破れたりもします。ああいう商品が確かあったなと思っても、バインダーに入っている紙をめくって捜すのも大変ですしね。そもそも、限られたスペースの店舗では置く場所にも困ります。
また紙の案内は、すべての業態の店舗に出しているわけではなくて、この店舗ならこの商品のニーズがあるだろうと予測される店舗にしか出していない。和食系の新商品の案内は主に和食系の店舗にのみ出します。だから、どうしても本社からの押しつけの形になって、現場のニーズと食い違うケースも出てくるんです。
PDA 端末からいつでも見られるようにライブラリ化して、検索もできるようにすれば、現場の店長さんが自主的に、自分で本当に欲しい商品を選べるようになるのではないかと考えています。また、お客様からこんな商品ないのと聞かれても、その場で検索できるし、同じ端末からすぐに注文もできるようにすれば、と検討しています。」(上野氏)
※注:「デヂエ」は PDA 端末への対応は未対応だが、Web ページをブラウジングできる PDA であれば、アクセスすることは可能だ。
同社には、基幹系の商品管理用データベースはすでにある。ただ、それは商品の容量は何グラムで、どういう原料を使って、値段はこれでというメーカー的なデータベースとなっている。
これに対して、デヂエで作る予定の「新商品販売マニュアル」は、すべての商品に写真が付き、販売ノウハウをあれこれ載せた、人に近い情報を載せた親しみやすいものになる予定だ。マニュアルのコンテンツそのものは、サイボウズ AG の『掲示板』での告知や、紙ベースで配布されている案内から流用すれば良い。商品担当の側では、いままでと同じ手間をかけて、より広い範囲の店舗に新商品を告知できるメリットがある。洋総菜の業態の店でも、条件によっては意外に豆腐や和食系総菜のニーズがあるかもしれない。デヂエを使うことで、こうした埋もれているニーズの発掘という波及効果も期待できそうだ。
システム概要
サーバー OS | Windows 2000 Server × 1 他、基幹系のサーバー × 2 |
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クライアント | Windows 2000 Professional ×40 |
ネットワーク | インターネットへは専用線接続。現状では、VPN 回線によって名古屋の営業所とだけ結ばれている。今年 4月には、全国に76ある直営店舗をすべてネットワークし、店長の持つ PDA 端末から無線で本社サーバーにアクセスできるシステムを構築、運用していく予定だ。同時に、PDA 端末、携帯電話からサイボウズサーバーへのアクセスも検討していくという。 |
システム概要図
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