導入製品 サイボウズ ガルーン 2 | ガルーンシリーズ

国立大学法人九州大学

情報統括本部情報システム部 部長 久志昇氏
情報統括本部情報システム部 課長補佐 先立英喜氏
情報統括本部情報システム部 主任 宮口忠幸氏

グループウェアの乗り換えにより、
情報伝達の漏れ解消と、システム運用の権限委譲を実現

九州福岡に本部を置く国立大学法人九州大学は、間もなく創立100周年を迎える総合大学。「世界に誇りえる先進的な知的成果を産み出してゆくことを使命とする」という学術憲章を掲げ、有数の教育・研究機関を擁する。全国の大学に先駆けて大学院により重点をおいた体制「学府・研究院」制度を設けるなど、また、組織運営の独自再編にも積極的で、その取り組みは、多数分野での質の高い研究・教育につながっている。
学術情報基盤の分野においても高度化と利便性の向上を推進する同大学は、2007年には情報通信の最先端技術を活用して学内に基幹情報サービスを提供する「情報統括本部」を設立した。「学内IT投資および統治の一元化・効率化を図り、教職員・学生および学内外のユーザーに対して国内トップクラスの安全・安心かつ快適な情報環境」という方針の元、学内の情報システム部門にもその技術が活かされている。このように先進的な同大学が、情報共有基盤として選んだシステムが「サイボウズ ガルーン 2」だった。拠点の異なる複数キャンパスをまたいだ情報共有基盤の活用効果について、情報統括本部情報システム部長久志氏、同部課長補佐先立氏、主任宮口氏にお伺いした。


導入の背景 :ノーツマイグレーションで管理コストの削減を狙う

九州大学がグループウェアを初めて導入したのは1999年。部局ごとに設置された端末数、約300のアカウントで運用が始まった。当時はクライアントPCが部局ごとに数台ずつの配置で、ワープロ専用機も平行して活用されていた。端末活用が限られた環境で、活用頻度もそう高くない状況であったという。その後、2004年に一人一台のクライアントPC導入に合わせ本格導入されたのが「Lotus Notes/Domino」だった。当時の話を知る先立氏は当時の選定基準についてこう語る。

「「サイボウズ ガルーン」を含めた複数グループウェア製品を検討したのですが、当時の「ガルーン」は2,000名規模をWindows OSのサーバーで運用することが難しく、全職員が利用するには厳しい状況でした。部局レベルで「サイボウズ Office 」が運用されている実績はあったのですが、全職員が利用できる環境をまず優先することにしました。」(先立氏)

全職員で「Lotus Notes/Domino」運用を開始した九州大学であるが、運用に関しては課題も多かったという。例えば全職員に向けて掲示板に告知が出されたとしても、各ユーザーが更新情報を得るには掲示板アプリケーションの詳細画面まで遷移して確認しなければならない。ユーザーインターフェイスの複雑さも相まって、職員の何割かは全校掲示情報を見落とすといった事態が発生していた。また、「Lotus Notes/Domino」には個人スケジュール機能がなく、メールや内線等でスケジュールを調整する必要があり、十分な機能を備えているとは言い難い状況であった。

ユーザー側の使い勝手だけでなく、システム運用面においても課題が見られた。例えば、拠点が異なるキャンパスの施設管理など、本来なら現場に任せたい業務もすべてシステム管理側で面倒を見なければならず、運用側の負担が想像以上に大きかったと宮口氏は語る。

「「Lotus Notes/Domino」を選択した理由のひとつに、開発次第でいろいろなことができるという点もあったのですが、実際のところは特殊な技術が必要で、システム側の負担も大きくなるため、ほとんど活用されていませんでした。とにかく、管理するために覚えることが多く、コストが高かったのです。また、不具合も多くあり改善要望を出してはいたのですが、ほとんど対応してくれない。米国製品をローカライズしたこともあるのでしょうが、運用側からすればクリティカルな要件の改善が見られないことにも不満がありましたね。」(宮口氏)

部長 久志 昇氏

部長 久志昇氏

課長補佐 先立氏

課長補佐 先立英喜氏

導入の決め手:あらゆる方面からの検証、そして使い勝手が決め手

「Lotus Notes/Domino」のサポート期限も近づいた2009年、改めてグループウェアの見直しを始めた九州大学。既存ソフトのバージョンアップ版、「ガルーン 2」を含めた複数製品が候補として絞られた。このとき、こだわったのはユーザー、管理者にとって使いやすい環境を実現できる点にあったという。選定段階では、比較表を作成し、導入実績・コスト・機能・保守・運用を総合的に検証したという。最終的に「ガルーン 2」を選んだ決め手はどこにあったのだろうか。

「「Lotus Notes/Domino」で課題だった権限委譲、更新情報の通知、スケジュールなど機能不足な点を補えることはもちろん、ひとつのシステムで全てのグループウェア機能を有している点を重視しました。「ガルーン 2」は、前バージョンでは対応できていなかった大規模環境での実績も増えてきており、実際に試用版で検証した際は全体的な使い勝手も良かった。特にスケジュール機能の直感的な操作性は秀逸だと思います。国産ベンダーで、日本企業の考え方や要望を取り入れる対応にも好感が持てました。コストやシステムとしての安定性も含めた比較の結果、総合的な判断で「ガルーン 2」が一番優れていると判断しました。」(久志氏)

導入効果:学内全体での活用頻度が高まり、業務スピード向上へ

2010年3月九州大学に導入された「ガルーン 2」。これまで課題とされていた使い勝手が改善されただけでなく、学内全体での活用頻度が高まったという。

「ユーザーにとってもシステム管理側にとっても、これまでの運用に比べてとにかく簡単で使いやすいですね。スケジュール登録だけでも楽になりましたし、何よりポータルが出来たことで更新情報の取得が容易にでき、情報を見落とすことなく業務を進められています。至急の手続きや、システムメンテナンス時には、メールや電話のリマインド連絡で手間がかかることもあったのですが、今は情報の流れがスムーズなのでポータルでの告知のみです。情報の行き違いも減り、業務スピードが上がりましたね。」(宮口氏)

また、現場に運用を任せる権限委譲も、業務効率向上に貢献している。例えば、附属図書館、病院など拠点ごとの施設の管理権限は現場状況を知るメンバーに切り替え、細かなメンテナンスは任せる体制とした。状況に応じて、現場に任せる運用が、ユーザー、管理者にとってより使いやすいシステム基盤につながっている。

さらに、「ガルーン 2」は既存の仮想環境上で構築した点も見逃せない。九州大学は、学内で稼動している様々なシステムを仮想環境上で運用している。「ガルーン 2」についても構築前には、導入ベンダーとともに仮想環境で性能検証を実施し、システム構成を設計した。この結果、新たなサーバー機器の導入なく、「ガルーン 2」稼動を実現した。現在は「ガルーン 2」も仮想環境上で運用しているが、サーバーのレスポンスなどについては全く気にならないとのこと。

「ガルーン2」は九州大学が推進する、全学共通認証基盤にも柔軟に対応している。教職員すべてが持つ全学共通IDは認証にLDAPサーバーを採用しており、複数システムが認証できるようになっている。システム間のスムーズな連携は、学内業務における安全性と効率性の両立を実現している。 またユーザー管理面についても「ガルーン 2連携API」を活用し、人事システム情報のマスタデータを定期的に「ガルーン 2」に取り込むことで人力による作業工程を減らし、効率的な運用環境が実現できている。

「毎日変更情報の差分を書き出し、新規採用や人事異動などがあると自動的にユーザー情報が変更される仕組みです。自動化のメンテナンスについても負担を感じることはありません。」(宮口氏)

今後の展望:外部アクセス環境の整備と全学包括情報基盤の整備

拠点の異なる複数キャンパスでの運用で、業務連携を実現する九州大学。今後は、学外アクセスの仕組みを充実させたいという。

「学外からのアクセスについてはセキュアな環境で実現する必要があるため、現在マトリックスパスワードを利用した認証方式を採用することが検討されています。」(先立氏)

最後にサイボウズへの要望をお伺いした。

「スケジュールの印刷機能をより充実させていただきたいですね。利用頻度が高いこともあり、紙ベースでも確認したいというニーズが高いです。週間や月間分を一覧で持ち歩ける環境が整えば、より利便性も高まると思います。」(久志氏)

先進技術の活用を推進しながらも、ユーザーの利便性にもこだわる九州大学。将来的には事務職員だけでなく、教員による活用も視野に入れているという。情報基盤の充実と使いやすさの両立が研究・教育機関の発展を支えていく。

システム概要

■サーバースペック

(1) Web サーバ 2 台

OS RHEL 5.3 (64 bit)
CPU Intel Xeon L5410 (2.33GHz) の 2 コアを仮想マシンに割り当て
メモリ 4GB
ディスク 42GB (RAID1)

(2) DB サーバ 1 台

OS RHEL 5.3 (64 bit)
CPU Intel Xeon L5410 (2.33GHz) の 4 コアを仮想マシンに割り当て
メモリ 8GB
ディスク 270GB (RAID1)

なお、いずれも、サーバはブレードサーバ上の仮想マシン(VMware)上での運用

関連リンク

製品情報

サイボウズ ガルーン 2

高いスケーラビリティと使いやすさを両立。経営のPDCAサイクルを加速するエンタープライズ グループウェア

ダウンロード 製品サイトへ

ダウンロード

九州大学 導入事例 PDF (4.5mb)

get adobe reader

上記の文章をご覧になるには「アドビリーダー」のプラグインが必要です。