企業情報
■会社名:
NPO法人 メディア・アクセス・サポートセンター
■ホームページ:
http://npo-masc.org/
■利用製品:
- サイボウズ Office on cybozu.com
■利用人数:
17名
NPO法人 メディア・アクセス・サポートセンター
理事 事務局長 川野 浩二氏
「カスタムアプリ」が選択の決め手に!
プロジェクトごとのユーザー数増減にクラウドで対応
NPO法人メディア・アクセスサポートセンターでは「耳が聞こえない」「目が見えない」といったハンデを持つ人にも、映画やアニメを楽しんでもらえるように、バリアフリー用の字幕や音声ガイドを制作している。2012年2月から「サイボウズ Office on cybozu.com」のプレミアムコースを活用している理由を聞いた。
「カスタムアプリ」の存在がサイボウズ選択の決め手に
NPO法人メディア・アクセスサポートセンターはデジタル映像制作拠点としてハイエンドな機材・施設を備えた「彩の国ビジュアルプラザ」にオフィスを構えている。
同法人では障害を持つ人にも映像が楽しめるように日本語字幕や音声ガイドデータを制作しアーカイブ配信事業を主体として活動している。
「事務局の人数は少数ですが、字幕や音声ガイドを作成するプロジェクトごとに、外部のスタッフが参加します。制作に要する期間は字幕ならば3週間、音声ガイドなら1〜2ヶ月が目安になります。その時その時でプロジェクトに携わる人が変わるのですが、サイボウズのクラウドサービスは1ユーザー単位で人を増やすことも減らすこともかんたんにできるので、ユーザー数の増減に柔軟に対応していて助かります。」と、事務局長の川野浩二氏は説明する。
川野氏と「サイボウズ Office」の出会いは、川野氏の前職である映像・音響メーカーにさかのぼる。数百名規模での情報共有で「サイボウズ Office」を活用していた際の使い勝手の良さを知っていたことは、メディア・アクセスサポートセンターでの導入の理由の1つではある。
しかし、無料のクラウドサービスもある中、同法人で有料(しかも、1ユーザー月額800円のプレミアムコースを選択したのには、別の決め手があった。それが「カスタムアプリ」の存在だ。
「前職でもサイボウズ デヂエ※を活用して、業務にあわせたアプリを作成していましたが、現在も『進捗管理』『売上管理』『クレーム管理』などをカスタムアプリで行っています。サイボウズ デヂエの機能が統合されたカスタムアプリがあるため、数あるクラウドサービスの中からサイボウズを選んだのです。」(川野氏)
※「サイボウズ デヂエ」は「サイボウズ Office」カスタムアプリの前身です。
プログラミングなどの知識がなくても、業務にあわせた簡易データベースを作成できるカスタムアプリにより、グループウェア上で業務に直結するアプリを動かせることが、1ユーザー月額800円であってもプレミアムコースを選択した理由というわけだ。
例えば、カスタムアプリでは特定の条件を付けて更新通知をメールで通知することができる。川野氏は「トラブル対応は初動が重要」との観点から、「クレーム管理」アプリを何か問題が発生した際に携帯電話に通知されるようにし設定し、外出先からでも迅速なアクションを起こせるような態勢を整えている。また、その後の対応履歴なども「クレーム管理」のカスタムアプリ上で行っているのだ。(図1参照)
図1
カスタムアプリまで含めた機能の充実に加え、サーバの運用の手間なども考慮すると「正直に言って安いと思う」と川野氏は評価している。
他の理事が「サイボウズ Office」上で報告書を確認
川野氏自身、様々な打合せなどで外出も多いことに加え、外部スタッフは自宅のPCなどを活用することも多いため、どこからでも活用できる「サイボウズ Office on cybozu.com」は、納品、校正、OAなどのスケジュールや、トラブルへの対応で蓄積したノウハウの共有には欠かせない存在になっているという。
また、NPO法人という性格上、どのようなミーティングを誰と行ったかの「報告書」の作成は重要なポジションを占める。
「実際に障害を持つ方に、いろいろと意見をいただいたりすることは、字幕や音声ガイドの作成に非常に役に立ちます。例えば、生まれたときから耳の聞こえない方にとっては『字幕は要約してあるのが良い。全文が入っていても読みきれない。』という声がある一方、途中からの疾患などで聴覚障害になられた方は『全文を入れてほしい。』との要望があります。現在、クラウドで字幕や音声ガイドを配信していますが、異なるパターンの字幕を用意することで、もっとも自分にあったデータを選択いただけるようになっています。」と説明するように、障害を持つ方との会合も頻繁にあり、それ以外にも啓蒙活動のためのイベントに参加するなど、川野氏は多忙を極めている。
こうした状況の中、「サイボウズ Office on cybozu.com」のスケジュールと連携させて報告書を作成できることは、業務効率の上で重要なポイントだ。さらに報告書を「サイボウズ Office」上で、他の理事に確認してもらえることも、業務の迅速化に貢献しているという。
「自分が書いた報告書に理事の方がコメントをくださるので、直接会わなくてもその中で話を進められるのもとても便利ですね。サイボウズ Officeの機能はパソコンの操作に慣れていない人でも簡単に使うことができるので、理事の方とのコミュニケーションもとてもとりやすいです。」(川野氏)
報告書はスケジュールと連携しているだけではなく、コメント機能もついているので、その中でコミュニケーションを取ることができる。外出が多い川野氏も報告書を使って理事や事務局の方との意思疎通ができるので事務所に戻ることなく安心して外出先から直帰できるという。
他のサービスに乗り換える理由は見当たらない
字幕や音声ガイドの実制作に携わる外部スタッフのほか、外部の理事などITリテラシーが異なるユーザーが多いものの、これまで「サイボウズ Office on cybozu.com」の使い勝手で「困った」という声は聞こえてこないという。
「カスタムアプリを多用しているため、他のサービスに乗り換えるという理由は見当たらない。」と川野氏は言い切る。
「この作品の字幕がほしい」といったリクエストは常に寄せられており、バリアフリー用のデータのアーカイブは今後も増え続けていく。また、1つの作品に対しても異なるパターンのデータを用意することも、多様なニーズに対応するためには重要だ。
「障害者の方が映像を楽しめるようになることは、映像業界にとってもビジネス拡大につながります。ビジネスベースに持っていけば、さらに多彩なニーズに対応できるようにもなります。」と川野氏が指摘するように、今後もメディア・アクセス・サポートセンターの持つ役割は重要度を増すことになる。
そのために、さらに多くのバリアフリー用データ制作者の養成も、同法人の重要な活動だ。同法人の活動に携わるスタッフが増えれば増えるほど、その情報共有を支える「サイボウズ Office on cybozu.com」の活用シーンも、ますます増えることになるはずだ。