導入製品 サイボウズ ガルーン 3 | ガルーンシリーズ
名古屋鉄道株式会社
6000名規模のグループ全社最適化を実現!名鉄ブランドを支える情報共有基盤
名古屋市を中心とする愛知・岐阜の地域交通を支え、地域の暮らしに密着したサービスを提供する名古屋鉄道株式会社(以下、名古屋鉄道)。
鉄道事業を基幹とし、不動産、レジャー・サービス、流通事業など多岐にわたる事業を展開し約140社以上のグループ会社を擁する同社では、グループ一体化を目指す「新・中期経営企画」を掲げ経営体制のさらなる強化に力を注いでいる。この一環でグループ全体の効率的な情報共有基盤の強化のために導入されたのが、「サイボウズ ガルーン」だ。グループ各社の情報基盤を統合することで各社の強みをより生かし、連携の強化をはかる名古屋鉄道。情報基盤の一体化による導入効果について経営企画部IT推進担当課長 藤田氏、同部課長補佐 鈴木氏、株式会社 メイテツコム(以下、メイテツコム)ITサービス事業部 山田氏、高木氏、長尾氏にお話をお伺いした。
導入の背景 グループ一体化の情報基盤整理
名古屋鉄道を中心とする名鉄グループの経営ビジョンは2005年に策定された「名鉄グループ経営ビジョン」に記されている。そのビジョンは、『使命』『経営理念』『経営方針』『行動規範』の4つで構成されており、会社が内外へ発信するメッセージから各従業員の心構えに至るまで網羅されている。このビジョンに基づき、社内のIT情報基盤もグループ連携をより強化する重要性が高まってきたという。鉄道事業を取り巻く市場環境は、少子高齢化、顧客ニーズの多様化など年々厳しさを増しており、グループ各社の連携を強化することで、多様なサービスをスピーディーに展開する体制を強化する必要があった。
当時の名鉄グループでは連結企業の共通基盤として「名鉄グループWANセンター」と呼ばれるグループウェアを運用しており、名古屋鉄道グループ会社では各々個別にグループウェアが導入されるなど複数システムが稼働している状況にあった。当時の運用課題について藤田氏はこう語る。
名鉄グループの統制を進めていく中で、WANセンターの利用頻度が高まる傾向にありましたが、その役割は連絡・報告などにとどまっており、グループ間のコミュニケーションツールとしては定着していませんでした。操作面では、名古屋鉄道では自社内のグループウェアと併用しており、名鉄グループWANセンターへは別々にログオンする必要がありました。システム運用面では、自社用と名鉄グループWANセンターとサーバやミドルウェアも別々となっているため、運用業務もそれぞれで行う必要がありました。 」(藤田氏)
グループ全体で利用できる情報基盤の見直しを始めた名古屋鉄道。2007年には、各社で導入されたグループウェアと「名鉄グループWANセンター」を統合し、グループ総勢6000名規模で情報基盤を新たに構築するプロジェクトが立ち上がった。
経営企画部 IT推進担当課長
藤田氏
経営企画部 IT推進担当 課長補佐
鈴木氏
導入の決め手 グループとしての一体感と各社の業務にマッチする汎用性
新たな情報基盤は、ポータルを基盤とする1システムでグループ全体の情報共有の場として活用できること、また各グループ企業内で独立した情報共有基盤としても運用できることが要件として盛り込まれた。さらに鉄道をはじめ運輸、不動産、レジャー・サービス等約140にのぼるグループ内の複雑で多岐にわたる職種のユーザーが、迷いなく使いこなせることを重視したという。それぞれの企業規模や働き方、運用形態もばらばらだからこそ、幅広いユーザーが皆使いこなせる操作性と機能性にこだわったという。最終的に「ガルーン」の導入の決め手について鈴木氏はこう語る。
「本社で管理すべきこと、各グループで運用を任せたいことを切り分けて運用できる機能性は勿論のこと、パッケージ製品ならではの汎用性と、どこを触れば何ができるか直観的にわかる操作性を評価しました。また、選定段階でいくつかのグループ会社にヒアリングしたのですが「サイボウズ Office」の導入実績が多数あり、利用頻度も高い傾向にあることがわかりました。規模や、業種もまちまちなグループ会社における支持率が高い点もまた決め手のひとつでしたね。システムの切り替え段階では、教育コストもほぼかからずスムーズにスタートをきることができました。」(鈴木氏)
グループ全体の取り組みを支える基盤は要件を満たすだけでなく、各社の幅広く多様なニーズに対応できる汎用性にあったようだ。
導入効果 1システムでグループ全体の情報共有と統制を確立
2008年稼働を開始した「ガルーン」は、名鉄グループ(Group)内で情報共有する場(Room)の意味を込めた造語でGROOM(グルーム)と呼ばれている。その由来通り、名鉄グループが一体感をもって業務に取り組むための情報基盤として、またグループ各社の業務基盤として活用されている。ログインすると表示されるポータル画面には、グループ全社で共有される更新情報が一目で確認できる仕組みだ。ポータルを基軸に、全体で共有する慶弔や人事情報・各種契約書の雛型まで様々な情報をコンパクトに集約し、これまで各グループ内で閉じられていた情報も幅広く共有することができる。
さらに、各グループ会社の独立した情報基盤としても活用されている「ガルーン」は、一企業内で共有する情報については他グループ会社からは見えないようアクセス権で制御されている。例えば、「掲示板」や「文書管理」など主なアプリケーションはグループ会社ごとにカテゴリを作成しているが、他グループ会社からはそのカテゴリの存在自体が見えない。ひとつのシステムでありながら、グループ各社が独立して運用管理できる体制はシステム部門における管理負担の軽減に貢献していると鈴木氏は語る。
「アクセス権はきめ細かな設定ができるので、各社が独立したシステムを持つ感覚で運用することができます。ポータルをはじめ主なアプリケーションの運用管理権限も委譲している状況です。グループ各社の運用状況や要望は定期的に共有する形をとっていますが、統制やセキュリティといったポイントは押さえながら、任せるところは任せるというスタンスですね。」(鈴木氏)
グループの情報基盤を強固にしながらも、運用管理のコストは効率化を推進する名古屋鉄道。メンテナンスコストが高いユーザー情報の管理においても、大幅な工数削減を実現している。グループ会社であるメイテツコムとベンダーの協力のもと「ガルーン」の連携APIを活用し効率化する独自のシステムを構築した。名鉄グループ各社のIT担当者は、自社での人事異動や入社・退社情報を専用のユーザー管理システムに登録すると、利用開始日に「ガルーン」のユーザー情報に自動的に登録される仕組みだ。(申請フローイメージ参照)このシステムの構築およびメンテナンスに関わるメイテツコム高木氏はこう語る。
「「ガルーン」のシステム画面を見ることなくユーザーメンテナンスが完結できる体制で、転記や重複作業がないので毎月の何百〜何千人単位の人事異動の作業もスムーズです。また事前登録し、指定の期日にユーザー情報変更を反映するということもできるので、年度が変わるタイミングなどは前もって準備することができます。「ガルーン」の情報は常に最新のマスタという状況なので、グループ共通の名簿としての役割を果たしていますね。」(高木氏)
▼申請フローイメージ
▼メイテツコム 長尾様、高木様、山田様
今後の展望 グループ各社の幅広いニーズに対応した環境作りを推進
「ガルーン」によりグループ全体の情報共有と統制を確立する名古屋鉄道。活用の促進は、一体的なグループ運営を支え、ひいては名鉄グループとしてのブランド確立と地域社会を支える基盤としての役割を果たしていると言えるだろう。現在は、社外から「ガルーン」にアクセスできるモバイル対応を検討中だ。
「特に営業メンバーの多いグループ企業からの要望が多いです。スマートフォンを含めたモバイル環境を充実させたいですね。場所を選ばず業務対応できれば、より効率的に時間を使うことができると考えられます。」(鈴木氏)
多様な働き方に対応する環境は、グループの成長を支える上でも重要な役割を果たしていくだろう。最後にサイボウズへの要望をお伺いした。
「導入から2年近く経ちますが、使ってみてわかることや、こうしてほしいという要望もやはり出てきますので、定期的にサイボウズ社に要望を伝えています。グループ企業の多様なニーズにも応えられる、改善・改良を期待していきたいですね。」(藤田氏)
さらなる成長を促す環境を整える名古屋鉄道の取り組みは続いていく。