企業情報

明和海運株式会社

■会社名:
明和海運株式会社

■ホームページ:
http://www.meiwakaiun.com/

■利用製品:

  • サイボウズ Office on cybozu.com

■利用人数:20名

■業種:運輸業



明和海運株式会社

代表取締役社長 中田 篤氏
取締役 総務部長 佐々木 晃氏

プラスチックや合成繊維、タイヤなど、毎日の暮らしには欠かせない製品の原材料になるのが、原油を精製・分解する過程で生成されるケミカル製品。日本の東西に広がるコンビナートを中心とした航路で、ケミカル製品の海上輸送を手がけているのが明和海運株式会社だ。

現社長の中田篤氏の就任後、急速に進めているIT化の一環として導入したのが「サイボウズ Office」。2009年9月に社内サーバにて運用を開始した「サイボウズ Office」から、2012年2月にはクラウド版の「サイボウズ Office on cybozu.com」へ移行した理由として、BCPへの強い意識が挙げられる。

業務の"指針"となる配船表を外出先からも共有

100種類以上もの特殊な製品を運ぶケミカル船が、日本国内の工業地帯な どを盛んに行き来している明和海運株式会社にとって、いかに効率的に積荷を運ぶかは最重要課題の1つだ。

海外からの便が天候不良で遅れ、本来予定されていた荷物が変更になるといった外的要因だけでなく、場合によっては、同業者間で積荷を交換することで効率化することもあるなど、常にどの船に何を載せて、どこへ運ぶか…という情報は変化している。

こうした情報を記載した「配船表」は、同社の業務を進める上での"指針"ともなるものだ。

「この配船表を将来的には何らかの形でデジタル化したいが、現在は紙ベースで行っています。毎日夕方にいったん締めて作成した配船表は、紙のままでは外出先にいる社員は見ることができません。そこでPDF化して「サイボウズ Office」上で共有できるようにしたのです。」

こう語るのは、同社の代表取締役社長の中田篤氏だ。実は、2009年に中田氏が社長に就任するまで、同社ではITを活用した情報共有は行われていなかった。そのため、業務を大きく左右する配船表は、社内にいなければ見ることができなかったのだ。

中田氏の社長就任を機にIT化を推進した同社では、グループウェア導入の際にパッケージ版の「サイボウズ Office 8」を社内にサーバを設置して運用し、「サイボウズ リモートサービス」を連携させた。これにより、外出先や出張先からでも、日々更新され続ける配船表の最新版を社外から確認できる体制となったのだ。

もちろん、「サイボウズ Office」で行っているのは配船表の共有だけではない。

クラウド上でのファイル一元管理へ

総務部長の佐々木晃氏によれば、現在、「サイボウズ Office」で活用している機能で、最も有効活用されているのは「ファイル管理」だという。実は同社が2012年2月に、パッケージ版の「サイボウズ Office」からクラウド版へと移行した最大のポイントは、社内資料をクラウド上で一元管理できることであった。

その背景を中田氏は、こう語る。

「事業継続の観点から、文書を紙で所有しているというのは危ういと考えています。電子化されたファイルで共有すべきものは、「サイボウズ Office」上で『全員』フォルダに入れるといったルールを作り、一元管理できるようにしました。
また、既に紙文書として存在するものは、必要か否かの判断を行い、時間をかけてようやく一段落したところです。必要という文書は電子化し、これらをすべてクラウド上で管理することが、クラウド版の「サイボウズ Office」へ移行した大きな理由です。」(中田氏)

しかし、クラウド上で重要なファイルを一元管理することに、不安を感じなかったのだろうか?この点を、「サイボウズ Office」の実運用にあたっている総務部長の佐々木晃氏は、こう説明する。

「パッケージ版の「サイボウズ Office」を運用していたときには、自社のオフィスにサーバを設置していました。バックアップサーバをどこで持つかという考えからすれば、地上で複数持つのと、クラウド上で複数持つのと、大きな相違は感じていません。逆にクラウド上へデータを移行したことで、データ破損のリスクは低くなったと思っています。」(佐々木氏)

また、同社ではファイル共有以外に、もう1つ別の視点からクラウド版の「サイボウズ Office」によるBCPを考慮している。

「仮に災害などで本社が機能しなくなっても、ケミカル船は稼動し続けています。いかに効率的に稼動させるかのコントロールを、クラウドサービスならば自宅からでも可能になるのも視野に入れています。」(中田氏)

実際に、中田氏は外出先からiPad、自宅では私用PCで「サイボウズ Office」へとアクセスし様々な情報を入手している。普段からオフィスにいなくても情報を共有化し業務を行うことができるのは、いざというときの業務継続の実現にも役立つはずだ。

クラウド版への移行でランニングコストは約5割減

事業継続性の確保が、クラウド移行への重要なポイントであった同社だが、コストメリットの面でも効果は大きかった。

具体的には「固定サーバ撤去に伴うリース料、保守管理費用の削減により約5割コストダウン」というもの。

同社では1ユーザー月額500円の料金以外に、前述のファイル共有一元化のためにディスク増設も行っている。その上で、ランニングコストの約5割の削減を実現していることは大きな効果と言えるだろう。

また、当初から配船表を外出先でも閲覧できるようにするなど、社外からの活用が前提であったため、パッケージ版では「サイボウズ リモートサービス」もあわせて契約していた。しかし、クラウド版では、回線にアクセスできれば場所を問わないことから、「サイボウズ リモートサービス」が不要になったこともコスト削減につながっている。

しかし、数あるクラウドサービスの中には無料のものも存在する。費用対効果を考慮すれば、無料のサービスを選択する手段もあったはずだ。この点については、佐々木氏が、こう説明する。

「社員にパッケージ版の「サイボウズ Office」の使い勝手が浸透していたため、変えたくなかったというのが大きいです。また、既に多くの機能を使っていましたが、無料のサービスには電話メモや報告書など、必要な機能がないということも理由に挙げられます。
もう1つには、いつサービスが停止するかわからないなど、無料サービスは怖い…というイメージもありました。その点、サイボウズならば大丈夫だと思っていましたし、月額料金も妥当だと感じました。」(佐々木氏)

現在は、本社での活用に止まっている「サイボウズ Office」だが、船上からの活用は視野に入れていないのだろうか?

「船の運航上では、天候など様々な情報が必要です。こうしたことから、船上でもパソコンの活用は広めていきたいものの、必ずしも全船員がパソコンの操作ができるというわけではないのが実状。

そこで当社では保有する船舶(4隻)の船員個室に1台ずつパソコンを設置し、船内IT環境の整備を促進しています。来年(2013年)中には全船への設置を完了する予定です。まずは、プライベートも含めて利用することでパソコンに慣れてもらった上で、業務への活用を図っていきたいと考えています。」(中田氏)

同社では、次なるステップとして、ワークフロー機能を使って、外部での稟議決裁や各種承認手続きができるように検討を進めている。業務効率化、迅速化、そして事業継続の確保に「サイボウズ Office」はますます大きく貢献していくことになるはずだ。

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明和海運株式会社 導入事例 PDF (30.9MB)

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