理研コランダム株式会社
営業本部 営業企画室 課長 原田 題豪 氏 / 課長代理 藤田 清志 氏
この事例の概要
工業用の研磨紙布、研磨材、研磨用品などを製造・販売している同社では、営業マンが外出先などで収集してきた情報を、上司による承認・公開プロセスを経て社内へ伝達するのに「デヂエ」を活用。以前は電子メールに情報を記載したファイルを添付して、上司に報告するというスタイルだったのだが、この場合だと情報の伝達に時間がかかり、また情報が社内に行き渡らず、従業員によって入手できる情報に格差が生じていた。これらを是正するのに成功した事例を紹介。また、業務を IT 化することにより新しい課題も生まれてきた。
デヂエ導入以前
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営業マンが外出先から様々な情報を収集。
(他社の値引き情報や需要予測など) - 収集した情報は表計算ソフトなどに入力し、電子メールに添付して営業所長へ送る。
- 営業所長は、送られてきた情報の中身を吟味。内容によっては営業担当者へ差し戻したり、その場でお蔵入りなどの処理をする。
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営業所長から、生産現場や社内他部署など、その情報に関係しそうな人を選んで転送。
(転送は電子メールにファイルを添付する形)
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営業担当から生産現場まで、情報伝達がリレー方式なので遅延や停滞が頻発していた。
(長いときで1ヶ月以上もかかっていた) -
情報の伝達ルートが限定されるので、各所で問題が発生。
(情報が伝わらない、行き違い、認識不足、「オレ、聞いてねぇ!」など) - 社内で情報の格差が発生。
- 同じ社内でありながら、別プロジェクトに関しては全く知らないという状況。
デヂエ導入後
- 営業担当が外出先などで入手した情報を「情報カード」デヂエに登録。
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登録と同時に営業所長へメールにて通知が飛び、すぐに内容を確認。
情報についての過不足や表現方法など、気になる点があれば担当営業へ差し戻す。
また、内容によってはお蔵入りにすることもある。
内容に問題が無ければステータスを「公開」へと変更し、社内公開される。 -
営業所長によって公開された情報は生産現場や社内関係者など、全社員から閲覧できるようになっている。
また、「コメント欄」には自由にコメントを登録できるように 解放されている。 -
メール通知は営業本部長や社長にも届けられ、必要に応じてコメントを残す。
特に重要な案件については社長からの指示もあり、最優先で処理が実施される。
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担当営業から生産現場まで、情報の伝達速度が飛躍的に向上した。
(30%〜40%の向上!) - 情報が、社長を始め全社員へ均等に伝達するようになり、社内の情報格差が解消された。
- 重要案件がトップダウンで実施されることにより、クローズまでの時間が短縮した。
- 案件に対する関係有り無しにかかわらず、社内から様々なコメントが登録され、情報や知恵を出し合い、共有する風潮が生まれた。
新しい課題
同社における「デヂエ」の導入効果は明らかで、社内情報の流れにスピード感が生まれている。その結果、以下のようなエピソードも伺った。ある日、顧客から依頼を受けた担当営業がその内容を「情報カード」に登録。それを見た生産の担当者がすぐに改善案を出し、顧客に喜んでもらえたという。また、登録された情報に対して全社からコメントできるようになっているので、案件に関係無い社員からも、過去の経験談などを踏まえたアイデアやアドバイスなどが登録されることもあり、ナレッジの共有や、社内コミュニケーションの活性化に一役買っているという。
しかし、新しい課題も生まれてきた。今までなら、担当営業が持ってきた情報は限られた人にだけ流通されていた。情報を承認する営業所長も、情報提供者のことをよく知っているので、例え文章の書き方が苦手だったとしても、人物評価に影響を与えることは無かった。ところが、「デヂエ」によって情報が全社で共有されるようになると、情報提供者のことを知らない従業員もその情報を見ることができる。その情報が例えば少し読みにくい文章だったりすると、情報提供者に対して悪い見方をしてしまうこともある。確かに、全く人物像を知らない従業員については、その人が書き込んだ文章から、その人のことを判断しなければない。今後の課題としては従業員の文章表現力を均一化することが挙げられる。
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