導入製品 サイボウズ デヂエ | かんたんシリーズ

企業情報

株式会社セガ

■会社名:
株式会社セガ

■ホームページ:
株式会社セガホームページ

■利用製品:

  • サイボウズ デヂエ

■業種:
流通・サービス

■サーバー OS:
Windows 2000 Server

■管理者レベル:
兼任管理者



株式会社セガ

ネットワーク戦略統括局ネットシステム品質保証部ネットワークスペシャリスト 籔本 輝夫氏
ネットワーク戦略統括局ネットシステム品質保証部部長 ダン・ベイカー氏
ネットワーク戦略統括局ネットシステム品質保証部 服部 康之氏

1951年に創業、1960年に設立した株式会社セガは、アミューズメントマシンのメーカーとして発展。ビデオゲーム、メダル機、プライズ機などアミューズメントマシンでは、すべてのカテゴリーにおいて NO.1 のシェアを持っている。またセガのキャラクターでもあるソニックが活躍する『ソニックヒーローズ』を初めとしたコンシューマゲーム機(PlayStation2 / GameCube /Gameboy Advance /Xboxなど)へのソフト供給も豊富だ。常に新しい遊びを想像し、人々に驚きと感動を与えることをモットーに、アミューズメントを創造してきたセガ。2001年、i アプリの登場により爆発的に増加した携帯ゲームや着メロ、待受ツールといったWebサービスなど、ネットワークを使った新しい遊びの提供にも力を入れ、現在、ドコモ、au、TU-KA、Vodafone という携帯 4 キャリアを併せ、36サイト、360本以上のアプリを提供している。(※)
今回は、株式会社セガ ネットワーク戦略統括局で活躍する「サイボウズ デヂエ」の活用に迫った。
※2004年 2月 23日現在の情報。

導入背景

日本の携帯電話の普及率は年々上昇しており、今や電車の中で携帯電話を使っているという姿は日常となってきた。その中でも、携帯電話の進化により 『携帯電話でゲームをやる』 ということも日常的になってきたのではないだろうか。携帯アプリや着メロなどは、ユーザーから常に新しいコンテンツを求められており、月に 10コンテンツ以上を新規に提供しているセガでは、その品質チェックに「デヂエ」を活用している。ネットワーク戦略統括局ネットシステム品質保証部ネットワークスペシャリストの籔本 輝夫氏に、デヂエ導入の背景を聞いた。

「私たちネットシステム品質保証部では、ネットワークに関係するものに対して品質保証を行っています。中でもデヂエは、モバイルのコンテンツ提供における不具合の対応管理に活用しています。開発部−品質保証部−サポート部といった部を跨いだ情報共有に使っているのです。

元々こういった情報の共有と管理には、Excel を使っていました。不具合を書き込んだ Excel ファイルを毎日電子メールに添付して送信し、そのファイルに開発がコメントを書き入れ更新し、またメールに添付して送信、といった具合です。このやり方ではちょっとリアルタイム性に欠けますし、なおかつメールサーバーに負荷をかける、という大きな問題がありました。一つ一つはサイズの小さいファイルかもしれませんが、何人にも配信されるとそれこそ数 MB のサイズになってメールサーバーを圧迫してしまいます。」(籔本氏)

活用していた Excel ファイルは、元々テレビゲームの品質保証において使われていたフォーマットであった。携帯アプリの不具合管理でも、TV ゲームでの管理と同様に 1 つのファイルを 1 タイトル(※)にして管理していたが、2001年の i アプリの登場による携帯アプリの増加で、今では月に約 30タイトルにもなってきた。結果、月に 30個の Excel ファイルが飛び交うことになり、管理が難しくなってきたのだ。

※ 1タイトル=1サービスのこと。例えばゲーム 1アプリ。
同じ『ぷよぷよ』というゲームに対しても、キャリアや機種が異なると違う『タイトル』になる。

「もう一つ理由があったんです。今まで Excel で蓄積した場合、以前改修した不具合の情報をみたいと思っても検索するのが難しかった。過去のナレッジを活かすのが難しかったんです。データがオンラインで検索できるような方法が欲しいと、ずっと思っていたんですよ。そこで何かナレッジデータベースを探そうと、服部さんと籔本さんにお願いしたわけです。」(ベイカー氏)

両氏はコールセンターでお客様対応に使っているようなソフトを探していたが、専用のクライアントソフトを使って DB を操作する、というものが多かった。

「お客様相談室などで使われているようなソフトは、速く入力するという即時性には優れているですが、デヂエのようにじっくり蓄えていくということにむいていなかった。またそういったソフトは、海外から持ってきているのが多いためだとは思いますが、英語表記のものも多かったんですよ。そういう時にデヂエを見つけたんです。」(服部氏)

早速、服部氏は自分のパソコンにデヂエをダウンロードした。ネットワークの知識がなくてもインストールが一発で終了できたという。使っていた Excel のフォーマットを見ながらデヂエでライブラリを作成したところ、1〜2日くらいで出来た。Excel から CSV ファイルでインポート、アウトプットできたのがすごくいい、と服部氏は言う。

お試し期間中に何タイトルか試して運用をし、問題点を潰した上で導入を決定した。試しはじめてから 1ヶ月後の 2003年 9月のことだった。

「デヂエは、見た目のインターフェースが過去の Excel とあまり変わらないことと、検索によって直ぐに情報を絞り込めることで評判は上々でした。また弊社は、Windows、UNIX、Macintosh と環境がバラバラのため、ブラウザさえあれば使えるというデヂエは良かったんです。

またサイボウズのサポートが良かった(笑)。非常にコアな質問をしていると思うのですが、24時間以内に回答をしてもらっているので満足しています。」(服部氏)

「一番大きかったのは、今までとフォーマットが変わらないということだと思う。開発のように、この Excel ファイルをかなり使い慣れている人に対して、今日から全く新しいものを使ってくれと言うのは易しいが、負担をかけることになってしまう。結局使われないかもしれない。デヂエを導入する前は、Bugzilla(バグジラ)を使うことも考えたのですが、今のフォーマットをそのまま吸収できなかったんですよ。」(ベイカー氏)

過去の情報を簡単に WEB 化できたこと、見栄えを今までのものに近づけられたこと、過去の情報を容易に検索できたこと、プラットフォームを選ばす使えるところがデヂエ導入の決めてとなった。

活用方法

セガでは、月に 10タイトル以上が新規公開されている。セガで言うタイトルとは、一つのキャリアの一つの機種におけるゲームや WEB サービスを指す。全く新しいタイトルもあれば、既に公開されているタイトルだが新機種での動作確認が必要な場合も 1タイトルとなる。月に 10タイトル以上も提供しているのは、セガの提供サイトの多さもあるが、新しい携帯電話端末にも関係している。古い端末で動いていたゲームを新しい機種でも楽しめるようにするためである。また月々の提供コンテンツ数の多さは、お客様に継続して加入してもらうためでもある。というのは、携帯ゲームの場合、単発でダウンロード料金が発生するものだけではなく、月額のものもあるからだ。

「月額のサイトの場合、新しいコンテンツを提供し続けないとお客様は飽きてしまう。継続して加入していただくためにも、いつ行っても新しいコンテンツがあるようにしたい。そうするとお客様が楽しいでしょ(笑)。」(籔本氏)

不具合対応を管理しているライブラリは、品質保証部−開発−お客様対応のサポート担当者の 20〜30名で共有している。開発部門は、自社内だけではなく、株式会社ソニックチーム・株式会社スマイルビット・株式会社セガワウといったグループ企業にもあるため、離れた拠点での情報共有を行っているのだ。

「こういったグループ企業とは、VPN でつながっています。ファイヤーウォールがあるので HTTP でのアクセスはできない、という所もありますが、そういうところでも HTTP ポート 80番といった一般的なポートを開けてもらうだけでいいので、デヂエはいいですね。またデヂエのソフト自体も重くないので、古いパソコンでも充分に動くのはいい。」(籔本氏)

活用されているライブラリだが、開発中のソフトと開発終了のソフトとでライブラリを分けて運用している。開発中のソフトは、各開発元にライブラリを分けている。開発中ソフトの不具合管理フローは以下のようになっている。

開発中ソフトの不具合管理フロー

  1. 不具合を登録する(品質保証部 or お客様相談室)
  2. 一日が終了した時点で、何番は新規追加、何番は更新したものという情報をメールで報告する(品質保証部)
  3. メールを見た開発担当者が回答日などを記入する(開発)
    ※デヂエを見て、直したとかこれは仕様だといった返事を書く
  4. 開発の更新内容を確認し、確認欄に記入する(品質保証部)

このライブラリの項目は、以下の 19項目。
番号/確認欄/キャリア/サイト名/タイトル/チェック日(不具合報告日)/報告内容/依頼事項/参考用ファイル(画像など)/修正重要度/報告者/使用端末/検証バージョン/対応/回答者/回答日/対応後バージョン/確認者/確認日

開発が終了したタイトルについては、承認の意味を込めて、ベイカー氏を含めた役職者が開発後ライブラリへと移行する。開発中ライブラリからそのタイトルを絞り込み、レコードを CSV ファイルで書き出し、開発後ライブラリへ CSV ファイルで登録する。その後、開発中ライブラリからそのタイトルのレコードを一括削除する、という手順だ。

「ISO9000 を取っているので、承認が必要なんです。僕かキーマネージャーがレコードを異動します。終了ライブラリのライブラリ管理者、及び追加権限は、役職者に限定しています。開発中のライブラリからレコードを削除できるのも役職者に限定しています。ただこの運用では、承認されたというのがはっきりわからないため、デヂエで承認がわかるようにできればいいなと思います。ISO の運用は、いちいち印刷して判子を押してファイリング、というのは必要がなく、きっちりとした手順があればいいのですが、今の運用だと効力がないんですよ。」(ベイカー氏)

また不具合発生の画像などを登録している場合、CSV ファイルでの移行では添付ファイルが付かないため、ゆくゆくは CSV ファイルの移行時にも添付ファイルを簡単に移行できるようになればいいのに、とベイカー氏は語った。

導入の結果と今後の展望

Excel で管理していた不具合対応管理をデヂエ化した結果を聞いた。

「導入を開始して 5ヶ月ですが、元に戻してくれ、という声はないですね。とにかくやりやすくなったんです。毎日 Excel がメールで何通も来て、OUTLOOK で振り分けをして整理はしていたものの、振り分けられたものを後で引き出すというのは人間じゃまくさいもんです(苦笑)。デヂエなら日付でソートすればその日の情報を簡単に見れるので楽ですね。」(服部氏)

「自分たちで Excel シートを管理しなくてもいい、というのが一番楽になったところではないでしょうか。デヂエを使っていて要望があったりもしますが、運用側としては非常に楽です。」(籔本氏)

デヂエに蓄積された情報は、品質保証部・開発・サポートでの月次報告会でも活用されている。何件不具合があり、修正が何件あったというのを報告している。以前は Excel でやっていたため、大変だったと服部氏は言う。

「デヂエにしてからは、月次報告もやりやすくなりました。以前だと Excel を全部印刷して、『次は 2ページ飛ばして見てください』という感じだったんですよ。デヂエだったら、絞り込んで印刷すればいいだけですからね。欲を言えば、ブラウザベースだから難しいとは思うんですが、なんとか 1ページ以内で印刷できるようにして欲しいですね。

とにかく日本という、世界一速い携帯サイクルに追いつくためにデヂエを活用しているわけです。デヂエは『週刊ケータイレポート』という感じです(笑)。」(服部氏)

今後は、現在 Excel で作成しているアプリ毎のチェック項目もデヂエで作れないか、検討しているという。

「とにかく過去のナレッジの蓄積によって培ったチェック項目があるわけです。それをチェックすることによって、基本的に動作確認できるようにしています。これはインターフェースを揃えて、お客様が操作しやすいようにする、という意味もあるのです。」(籔本氏)

「チェック項目は例えば、ネットワークを使う使わない、WEB を使う使わないというパターンによって異なってきます。例えば、ゲーム中に電話に出られるか、電話からゲームに復帰できるか、などを見るわけです。ユーザー登録の確認時に『接続します。いいですか?』といったアラートが出るかといった、携帯キャリアから依頼されている決まった動作がされているかも確認する必要があるんですよ。」(ベイカー氏)

その他には、動作確認を行う携帯端末の管理もデヂエで行いたいと考えているという。現在は、数人で使っているため特に問題はないが、開発会社へ貸すこともあるので管理ができるといい、ということだ。

「あと、セガは海外にどんどん携帯コンテンツを提供していきたいと思っているので、海外との情報共有にもデヂエを使いたい。だからせめて英語表記には対応して欲しいんです。」(籔本氏)

常に新しいものを開発し、世界中に提供しているセガ。そのセガのゲーム開発をスムーズに行うナレッジデータツールとしてデヂエが今後とも進化していく。

システム概要

サーバー OS Windows 2000 Server
クライアント Windows、Macintosh、UNIX クライアントの混在
ネットワーク 国内外の各拠点およびグループ会社間は VPN で結ばれている。

システム概要図

システム概要図

製品情報

サイボウズ デヂエ

営業進捗やアンケート、備品管理など幅広く業務に使えるデータベース

ダウンロード 製品サイトへ

ダウンロード

株式会社セガ 導入事例 PDF (181kb)

get adobe reader

上記の文章をご覧になるには「アドビリーダー」のプラグインが必要です。