導入製品 サイボウズ デヂエ | かんたんシリーズ
企業情報
■会社名:
TAC株式会社
■ホームページ:
TAC 株式会社ホームページ
■利用製品:
- サイボウズ デヂエ
- サイボウズ メールワイズ
■業種:
政府・公共教育機関
■サーバー OS:
Linux
■管理者レベル:
兼任管理者
TAC株式会社
情報システム部部長 若林敏春氏
資格の学校と言えば TAC。そのTAC株式会社の設立は、1980年。公認会計士講座の開講から始まった。2004年 3月 1日には、資格取得スクール専業として、初の東証 1部上場を果たした。今では、盛岡から沖縄まで 31校(提携校 16校含む)あり、受講者数は 16万人にのぼる(2004年 3月期見込)。
その合格実績を支えるのは、TAC でこだわって作られている教材と優秀な講師陣。教材においてはどの分野においても独自の教材を作り、法改正や税制改正にとどまらず常に教材を見直し、改良し続けている。
今回は、全国に約 800名いる講師間の情報共有として活躍しているデヂエの運用方法を、情報システム部 若林 敏春部長に伺った。
導入背景
ここ数年、不景気の影響か、社会人、学生に関係なく資格を取る人たちの数が増えてきているという。社会人は社内でのキャリアアップ、学生は就職活動で役立てるといった理由が多い。TACの受講生も年間伸び率 104% という状況だ。
資格を取る人が増えれば、必然的に教える講師の数も必要になってくる。難関資格の合格実績が高い TAC では、全国で約 800名の講師を抱えており、これら講師間の情報共有に活用されているのがデヂエだ。TAC株式会社情報システム部 若林 敏春部長に、デヂエ導入の背景を聞いた。
「もともとは教務担当者からの要望だったのです。講師に渡すテキスト原稿、試験の最新情報、掲示板といった情報交換の場が必要だということでした。非常勤講師も多いので、自宅から利用できるものが欲しい、というのが要望だったのです。また、TAC の社内ネットワークに入っていない提携校にも講師も利用できるように、インターネット経由での情報共有が必要でした。
そういう時にインターネット広告で DBメーカー(デヂエの旧バージョン。以下デヂエと記す)を知ったんです。もともと一部の部署で サイボウズ Officeを使用していた関係でサイボウズは知っていました。そこで早速デヂエをダウンロードして試したんですよ。」(若林氏)
デヂエを導入する前は、テキストや演習問題等の教材原稿、試験の最新情報といったものは、教務担当が各講師に FAX や郵送で送付していたという。多数の講師に送付するのには大変手間がかかっていた。また郵送では、遠方の講師への情報伝達が遅れるという問題もあった。一つの講座の情報のやりとりだけでも膨大な負担がかかる。受講者が増えれば増えるほど講座の規模も大きくなり、それだけ情報のやりとりも増えてくる。郵送や FAX での情報のやりとりには限界が来ていた。
「私は昔、ファイルメーカーを使っていましてね。デヂエは使い勝手が似ていたことと、Web に公開するのが簡単そうだったのですぐに試してみました。実際に試用してみると、操作が簡単であり、Web での公開も簡単であったこと、安かったことから導入を決めました。ユーザーアカウントに制限が無いのも良いですね。現在デヂエを使っているのは一部の資格講座だけなので、登録ユーザーは約 400名です。講師は入れ替わりが多いのですが、それに簡単に対応できるのがいい。特に非常勤の講師の方ですと、約 1年の期間で入れ替わる場合もある。通常のソフトウェアのライセンスだと、ユーザーの追加の度にアカウントライセンスの事を考えなくてはならないんですけど、デヂエの場合はユーザー単位の料金システムではなく、使用するライブラリの数で料金プランが決められるので助かっています。」(若林氏)
活用方法
TAC で運用されているデヂエのライブラリ数は 25ライブラリ。システム管理者、ライブラリ作成、は情報システム部のメンバーと、各部署の担当者が行っている。ライブラリの管理自体は、各講座の講師に任せているということだ。
1講座につき、教材の原稿、試験の最新情報、掲示板という 3つライブラリが 1セットになっている。例えば税理士講座の 11科目中、7科目(簿記論、財務諸表論、法人税法、所得税法、相続税法、固定資産税、消費税法)がデヂエを使用している。科目ごとにフォルダが作成され、その下にライブラリが 3つある、という運用である。各フォルダにはアクセス権がかけられており、講師は担当科目の情報のみ参照できるようにされている。
「例えば税理士試験は 11科目の中から 5科目とれば合格できる、という試験です。科目間での横のつながりはあまり必要ではなく、一科目、一科目が独立しているイメージが強いのです。そのためデヂエのライブラリも科目ごとに分けています。教材原稿を管理するライブラリと試験の最新情報のライブラリには主にPDFなどを添付し、各講師にダウンロードしてもらうようにしています。弊社のデヂエ使用方法は基本的に文書管理系と連絡系の 2つになりますね。」(若林氏)
正誤表ライブラリ
試験の最新情報や教材・各種資料の印刷後気付いた誤植、受講生からの問合せや講師が気付いたものを元に定期的に更新され、レコード追加のタイミングで担当講師にメール通知がされる。
以前は、紙か FAX で共有していたため、非常に手間がかかっていたそうだ。
原稿ライブラリ
全国共通の質の高い講義を実施するため、講師は決められた教材の内容に沿って教えていく必要がある。原稿は本部で作成したものを PDF 化し、ライブラリに登録される。講師はそれをダウンロードし、予習用として閲覧する。
教材を作成するのは本部の講師。その教材を使って全講師が講義を行うため、これらの情報共有のスピードは必須だった。郵送では限界が来ていたそうだ。
掲示板ライブラリ
講師間でのやりとりをここで行う。
教材内容についてのやりとりや、「○○さんへ」といった書き出しで特定の講師への連絡なども記載されている。情報共有のため、レコード追加のタイミングで講座に関係する講師宛にメール通知が設定されている。
講座担当、講師は、問題なくデヂエを使っているという。ただ、簡単な操作マニュアルは、情報システム部で用意したということだった。
その他の活用法として、ビデオ講座での資料印刷にもデヂエが一役買っているということだ。ビデオ講座は、時間が取れない受講生のために用意された講座で、多い校舎では一回 100席も用意されており、これが一日に 3,4回転する。土日はほとんど埋まってしまう、という人気の講座だ。
「ビデオ講座は、各校舎の専用の個別ビデオブースで、ビデオ見ながら勉強するという講座です。ビデオの画面では黒板の文字が読み取りにくいということもありまして、講師がビデオの中で板書きした内容をプリントにして生徒の方々にお渡ししています。そのプリントをスキャナで読み込みファイル化し、『VTR講義録』ライブラリに登録しています。各校の担当者は、ビデオ講座の予約が入ると『VTR講義録』ライブラリから該当の講義禄(板書)をダウンロードし、プリントアウトして受講生に渡すようになっています。」(若林氏)
以前は、講義禄の原本を各校に郵送していた。ビデオ講座の予約が入ると、各校の担当者が、原本がファイルされているバインダから該当の講座を探し出し、コピーしてまたしまう、と非常に手間が掛かっていた。それを 100席分、多いところだと一日に 400席分用意しなくてはならなかったのだ。原本の管理をデヂエですることにより、各校に原本を送付する手間が無くなり、原本を探すスピードがあがり、複数人が同時に原本を印刷することも可能になり、業務効率の多大な向上が図れたという。
導入の結果と今後の展望
講師との情報共有にデヂエを使ったこと、VTR 議事録をデヂエで共有していることで、どのような効果があったか、若林氏に尋ねた。
「教務担当がしていた作業が、格段に短い時間でできるようになりました。何よりも、情報流通のスピードが格段に速くなったことが効果としてあげられます。
講師への連絡事項ですら非常に時間がかかっていたものが、デヂエ化することによって、今までは瞬時に連絡することができるようになりましたから。メール通知機能が、非常に役に立っています。ただ講師によっては、見なかったりする人もいますけどね(笑)。デヂエのおかげでずいぶん便利になりましたよ。」(若林氏)
今後は、提携校との情報共有にデヂエを役立てたい、と若林氏は語る。
「弊社の教材を使用して講座を行って頂いている提携校が平成 16年 4月現在、16校あるんですが、いろんな講座情報などの連絡用としてデヂエを使用しようと考えています。提携校は、セキュリティ問題等があり、TAC の社内ネットワークに入れないことにしています。そのため、提携校との情報共有や連絡用として、講座情報をデヂエ化し公開したいと思っているんですよ。他にも社内用として何か使える用途があれば、使いたいと思っています。」(若林氏)
より質のよい授業を行うことを目指し続ける TAC。その授業の隠れたサポートとして、デヂエは今後も活躍していくだろう。
システム概要
サーバー OS | Linux |
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クライアントOS | Windowsクライアント |
ネットワーク | 各校舎は広域イーサネットで結ばれている。ファイヤーウォールを通じて、インターネット網へとアクセスする。 |
システム概要図
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