導入製品 サイボウズ デヂエ | かんたんシリーズ
企業情報

■会社名:
医療法人社団三思会 東邦病院
■ホームページ:
医療法人社団三思会 東邦病院ホームページ
■利用製品:
- サイボウズ デヂエ
- サイボウズ Office パック EX 4
- サイボウズ プロジェクト管理 4
- サイボウズ ワークフロー 4
■業種:
病院・医療施設
■サーバー OS:
Windows 2000 Server
■管理者レベル:
専任管理者
医療法人社団三思会 東邦病院
財務部情報システム課課長補佐 下山 克典氏
常務理事院長 佐野 潔氏
看護部長 島崎 すえ子氏
理事事務長 林氏
群馬県新田郡にある医療法人社団三思会 東邦病院は昭和 52年 2月開院し、ベット数 466床、職員数 650人を超える。2002年 5月、財団法人日本医療機能評価機構の病院機能評価(複合病院種別 B)認定を取得。2003年 5~6月に日本経済新聞が調査した「患者にやさしい」病院ランキングで、635病院中 76位を獲得している。
2002年 5月に受けた病院機能評価をきっかけに、情報システム課を作り、院内の IT 化への本格的な取り組みを行っている。サイボウズ製品は、2000年 9月に「サイボウズ Office 3」を、2002年 3月に「サイボウズ デヂエ」を導入し、院内の様々な情報共有を推進している途中である。
導入背景
医療法人社団三思会 東邦病院では、数年後を目標に電子カルテの導入を検討しており、2000年から IT 化をスタートしている。サイボウズ製品との出会いは、2000年の 9月。ハードメーカーから「サイボウズ Office 3」を紹介され、『患者様を待たせないサービス』をするために各雑務の削減に貢献できるのではないかと考え、導入に至った。導入の決めては、安価であること、WEB 型で誰でも簡単に使えることであった。
「サイボウズ Office」では、会議スケジュールを共有し、回覧板やワークフローを活用している。「サイボウズ Office」を導入した当時、検査技師であった財務部情報システム課課長補佐の下山 克典氏が、1人で運用管理を行っていた。下山氏と一緒に、竹内副院長もサイボウズ製品の導入を検討された。その後、サイボウズのホームページで、「DBメーカー」(デヂエの前バージョン)を知り、早速ダウンロードして試した。竹内副院長は、東京で行われた「DBメーカー」の発表会にも参加したという。
「デヂエを導入したいと思ったのは、サイボウズ Officeでは共有しにくい情報や各種台帳を一元管理したかったからです。いろいろなシステムから漏れる情報はアクセスで管理していたんですが、作り込む手間と 150台程の PC にソフトをインストールする手間が大きかった。また、部門間で紙媒体による確認事項や電話による問い合わせを減らし、雑務を削減することによって、業務を効率させたかったからです。医療といっても、サービス業です。雑務を減らし、患者様によりよいサービスを提供できるようにしたいと考えています。デヂエの導入の決めては、サイボウズ Office とユーザー情報が連携できること、操作しやすいこと、クライアントのライセンスがフリーであることでした。当時は、私 1人で運用管理していたため、管理が簡単であるということは非常に魅力的でした。また、PC に向かうことが主業務ではない看護師さんが使いやすいものであったことも重要でした。サイボウズ Office を使っていたので、皆、操作には慣れてきていましたし、サイボウズ Officeのリンク集からワンクリックでデヂエに移動できることも魅力ですね。アクセスを使っていた時は、PC のどこにインストールされているか、など問い合わせも多かったんです。」(下山氏)
活用方法
東邦病院では、現在、9個の本運用ライブラリを運用している。その中で、下山氏が特に効果があったと感じているのは、「健診実施予定表」と「紹介返信状況」である。健診実施予定表は、企業などに赴き、巡回で行っている健康診断の予定を管理しているライブラリ。健診に同行する各担当者の割り当てを行っている。デヂエ化する前は、Excel で管理していたため、この日は健診できない、人数追加してほしい、といった変更があると、Excel を更新し、紙で各部署に再度配布し、各担当者の選定を調整、という繰り返しで大変だったという。デヂエ化してからは、健診の予定を入れた後は、各担当の調整は各部署にお任せできるようになり、大変便利になったと下山氏は語った。
「また紹介返信状況ライブラリも活用されています。このライブラリは、他の医療機関から紹介で来られた方が持ってきた紹介状に返信しているか、というのを管理しています。実際には、各紹介先への返信状況を業務システムより抽出し、デヂエにインポ-トしています。集計画面で、日ごとの返信状況が把握できるとともに、各医師の返信状況が把握できるようになりました。将来的には、紹介率等も簡単に見れるようにしたいと思っています。」(下山氏)
何故、紹介率等を見たいかというと、厚生労働省が推進している他の医療機関との連携や医療機関の機能分化が行われているか、というのを見るための指針とするためだという。カゼなどの軽度なものであればかかりつけの医者に行き、検査や入院が必要なものは病院へ、特殊なものに関しては特定機能病院へと医療機関の機能を細分化することで、医療資源の有効活用化を狙っているということだ。
佐野 潔常務理事院長は、デヂエを一日数回見ているという。
「私はアナログな人間なのですが(苦笑)、サイボウズ製品については使っている範囲では操作がわからないってことはありませんね。活用させていただいております。デヂエでは、師長会議の議事録なんかが情報がオープンになったいい事例じゃないかと思っています。」(佐野氏)
師長会議議事録管理は、以前は Word で議事録を作成し、ネットワークの共有フォルダに保存していた。この運用では、目的の議事録を探し出すのが面倒で、ファイルを開くのも遅く、ファイルの改竄やアクセス権が甘いといった問題点があった。現在は、デヂエのレコードに直接、議事録を記入し、必要な情報は直ぐに閲覧できるので好評だという。またレコード登録者に許可するアクセス権機能を利用することにより、議事録登録者のみが編集可能にできるのがいい、と下山氏は評価している。主にこの議事録を活用している島崎 すえ子看護部長は、デヂエの利用について以下のように語った。
「以前の Word での運用とは違い、議事録の内容をすぐに開けるのがいいですね。変更も、書記の人がすぐにできるのがいいです。簡単にわかりやすく利用させてもらっています。350人いる看護師も、デヂエを利用しています。利用し始めたころは混乱した人もいましたが、下山さんたちシステム管理の方が IT 講習会を行ってくださっているのでトラブルもなく、スムーズに運用の切り替えができました。私達も、電子カルテ化にむけて、パソコンの基礎を勉強しているんですよ。」(島崎氏)
他に、看護師の方が利用しているのは、先ほどの健診実施予定表、それに栄養指導予約ライブラリである。栄養指導が必要な患者様には、栄養士の方に指導をお願いする訳だが、その指導をいつ行うかといった予約をこのライブラリで行っている。今までは、各病棟や外来部門から電話による予約を行っていたため、電話対応が増加していた。
「栄養指導予約をデヂエ化することによって、電話による予約が削減されました。削減された時間を栄養指導など、患者様のサービス向上に向けることができるようになりました。いま、毎日ある一定の時間以降は予約ができない、といった〆切時間を設定したいという要望が現場からあがってきています。今は運用で逃げていますが、予約〆切時間以降にも予約されると困りますので(苦笑)。」(下山氏)
一方、理事事務長の林氏がよく見るライブラリは、ME 機器貸出状況だという。
デヂエ化する前は、人工呼吸器や輸血ポンプといった ME 機器(医用電子機器)の使用状況は、担当者のみが把握していたため、問い合わせが発生していたのだ。これをデヂエ化することで、各医療機器の使用状況が一覧で確認できるようになったので、医療機器の使用効率が向上し、電話の問い合わせが削減できたという。
「デヂエは、1~2時間置きに見ています。私は ME 機器貸出状況を一番気にしているんです。医療機器をどこで今使用しているか、待機中のものが何台あるか、というのを見ています。」(林氏)
その他の活用としては、以下がある。
検査案内
- 導入前
採血項目の基準値、採取容器、結果所要日数等の問い合わせについて検査案内書又は電話で確認をしていた。 - 導入後
迅速に検索、検査法の変更や基準値の見直しが可能となった。
申し送り(透析用)※ドクターが一年おきに交代するため、ドクターの申し送りを行っている。
- 導入前
担当医ごとに、ファイルメーカーや Access 等で作成していたため、フォーマットがまちまちであり、見れないマシンもあった。 - 導入後
デヂエ化することによってフォーマットを統一化。どのフロア及びどのクライアントからでも入力・閲覧が可能になった。
当直表
- 導入前
Excel で管理。レスポンスが悪かった。 - 導入後
部門ごとに当直者を入力にし、当番医も反映させた。レスポンスも早い。
栄養基準表
- 導入前
各食種別の栄養基準表を帳票で配布していた。多くの帳票が各部門にあり、閲覧しづらかった。 - 導入後
職種や病名区分による分類により、検索の迅速化。
導入の結果と今後の展望
デヂエの運用については、まだまだ発展途上の状態であるが、散らばっていた情報を WEB で一元化することで、電話でのやりとりや紙のやりとりが減ってきており、無駄な業務を削減できていると下山氏は言った。また、島崎看護部長は、デヂエの効果について、以下のように語った。
「サイボウズ製品を使うようになって、350人以上いる看護スタッフに伝えなければならないことが迅速に伝達できるようになったと思います。人工呼吸器の使用状況など、今までは電話で問い合わせしていたことが簡単に確認できるようになったので、業務の省力化にもなっています。効果は徐々にですが、将来のシステムにつながっていくと感じています。」
東邦病院では、将来の電子カルテ化にむけて、インフラの整備も行っている途中である。デヂエは、電子カルテや業務ソフトではカバーできない情報を扱うために使いたいと下山氏は考えている。
「現段階は、デヂエの活用というよりは、『なんのために情報共有をするのか?IT 化するのか?』といった意識の共有の段階です。
と林理事事務長は言った。
チーム医療だから自分たちの仕事がどの位置にあって、どの仕事をやっているのかわからないとだめです。チーム医療のパスの中で、自分がどうやれば、最終的に患者様へのサービスにつながるのか、という認識づけが、まず必要です。その後に、デヂエのようなツールを使いこなす、という段階になると思います。まだまだ発展途上の病院なんですよ(笑)。
日本病院機構の評価が一つの火付けとなり、少しずつ改善されてきて、方向性も出せて、ベーシックな部分では認識ができてきました。来年 4月からは、職員に目標管理制度を設けて、意識の向上をはかっていく予定です。」(林氏)
下山氏に、デヂエで今後運用したいものについて、聞いてみた。
「将来的に電子カルテなど業務システムが順次導入されていくと思いますが、業務システムに含まれない情報の共有に、デヂエを役立てたいと思っています。今考えているのは、病床や薬剤リスト、院内図書、インシデントレポートです。このように直ぐにみたい情報はデヂエにしていきたいですね。」(下山氏)
「実は下山さんに、スタッフリストを今お願いしているところなんです。
私は管理業務をやっているので、様々な書類を利用します。あちこちに同じようなデータがあるので、今はまだ整理している状態です。その中で、共有できそうなものがあれば、下山さんにお願いしようと思っています。
デヂエでできるかはわかりませんが、例えば、患者様とのやりとりもデータ化したいです。アナムネーゼ(患者情報)を、再入院の度に確認するのですが、生年月日など変わらない情報はシステムに入れて、変わった部分だけを確認し、変更すれば、患者様にもスタッフにとっても幸せです。『病棟も違うし、看護師も違うのでもう一回教えてください』って言われるより 『これこれは存じているので、変わっているところだけ教えてもらえますか?』って言われるほうがいいでしょ。早く看護支援システムを導入して、常に患者様の立場に立った質の高い看護サービスを提供していきたいですね(笑)。」(島崎氏)
患者様によりよいサービス、をキャッチフレーズに、ここ東邦病院では、サイボウズ製品の利用をはじめ、システムの IT 化がまさに今進んでいる。
システム概要
サーバー OS | Windows 2000 Server |
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クライアント | Windows クライアント × 186 |
ネットワーク | インターネットへは、院内 LAN によって専用線接続。 |
システム概要図

関連リンク
製品情報
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