導入製品 サイボウズ ガルーン 2 | ガルーンシリーズ

企業情報

浦添市役所 浦添市役所

■会社名:
浦添市役所

■ホームページ:
浦添市役所 ホームページ

■利用製品:

  • サイボウズ ガルーン 2
  • サイボウズ ガルーン 2 ケータイ

■利用人数:
1,400ユーザー

浦添市役所

企画部 情報政策係長 玉城 尚氏
主査 比嘉 敏明氏
與那 嶺翔氏

新型インフルエンザ対策を情報共有基盤でスピードアップ
「太陽とみどりにあふれる国際性豊かな文化都市」を市の理念とする沖縄県浦添市は、首里城に琉球王朝が移る以前には、浦添市内に王朝があったことでも知られる沖縄王権発祥の地である。人口は約11万人、平均年齢は35歳と若年層が多く、那覇市のベッドタウンとしても位置付けられる。
歴史と伝統ある市である一方、全国的にもIT先進都市として有名な浦添市。 現在の市長が平成13年に着任以降IT導入に積極的に取り組みシンクライアントシステム導入、新基幹行政システム開発を進めるなど積極的にIT投資を進めている。
このように行政サービスにおいてITを積極的に活用する浦添市が2009年「サイボウズ ガルーン 2」を導入した。今回は、同市の情報政策を担当する企画部 情報政策係長 玉城尚氏、比嘉氏、與那嶺氏に行政サービス向上に役立てる「ガルーン 2」活用と効果についてお伺いした。

導入の背景 利用率が上がらないグループウェアシステムの見直し

2002年、市役所内の情報共有を目的にグループウェアシステムを導入した浦添市であるが、利用率の低さが問題となっていた。この背景には同時アクセス数が150ユーザーまでというシステム仕様の制限があった。150アクセス値を超えて同時アクセスがあった場合、グループウェアシステムにログインすらできない状況になる。正規職員数約900名を擁する浦添市にとって、「市役所内の情報を集約したグループウェアシステムにアクセスできないことは深刻な問題であった」と比嘉氏は語る。

「始業時間前後はスケジュール確認や、告知情報確認のためほぼ全職員がアクセスするのですが、ログインできず順番待ちの状態。急かされるユーザーは確認すべき情報を見たらすぐログアウトするため、一人あたりの利用時間は1日10〜15分ほどでした。このような使い方だと情報を見落とすリスクが大きく、ユーザー側の利便性も確保できない。グループウェアシステムとしての役割を果たせていない状況でした。」(比嘉氏)

主査 比嘉 敏明氏

主査 比嘉 敏明氏

結局、市役所内の情報共有はグループウェアシステムでの告知情報を、庶務担当者が印刷して再度回覧するような状況で、システムの利用率は低い水準にとどまっていた。よりユーザー側の業務に即したシステム運用を目指すため、2007年にリプレイス検討プロジェクトが立ち上がる。

導入の決め手 機能とコストパフォーマンスの両立で評価

2007年に入り、新たなグループウェアシステム導入検討を開始した浦添市。選定の段階で、重視したポイントは職員の働き方に沿ったシステム基盤の構築である。市役所内は多くの部門で成り立っている。住民票発行など一日窓口業務に従事する職員もいれば、福祉部門は住民訪問、また都市建設の現場監督など外出の多い職員もいる。このため、クライアントPCを頻繁に見ない環境にある職員でも、短時間で効率的に市役所内情報を入手できる状態が望ましいと考えた。

「既存システムは例えるならば「帯に短し、たすきに長し」という感じで、ユーザーが我慢して使わなければいけない部分が多かった。新システム検討の際は、市役所のあらゆる職種のユーザーが、我慢せず素早く情報を取得できて、発信しやすいシステムであるべきと考えました。」(玉城氏)

実際に検証した製品群は数十種類にのぼる。主要グループウェア群を始め、無料版グループウェア、自治体向け専用ソフトなどありとあらゆる情報共有システムの調査を行った。またサイボウズ製品を含め試用期間のある製品は、すべてインストールし、実際にデータ入力しながら使い勝手や機能検証を行ったという。

係長 玉城 尚氏

係長 玉城 尚氏

「主要なグループウェアを含め約2年かけて検証を行いました。試せるものはすべて試して、実際データ入力しながら各社の良いところ良くないところを洗い出し、入札時の要件も固めていった形です。」(比嘉氏)

2008年12月、「新グループウェアシステム調達提案仕様書」を公開した浦添市。システム要件にはこれまで課題とされてきた、情報共有を推進するための機能要件をはじめ、適切なユーザーに適切な情報を配信するためのアクセス制御の強化、24時間障害サポートなどの条件が盛り込まれた。公募開始時より12社の提案があり、最終的な提案に至ったのは5社5製品。最終的に「サイボウズガルーン 2」が評価された点はどこにあったのだろうか。

「評価は点数制で、「ガルーン 2」は機能評価およびコストパフォーマンスの総合評価で1位でした。細かな機能要件において標準以上の有効な提案であり、1,985点満点で2位との点差は180点ほどです。我々としては、評価用の「サイボウズ Office」を活用する中で、サイボウズ製品の操作性や利便性を実感しておりましたので、安心して導入に踏み切ることができました。」(玉城氏)

2009年1月末には「ガルーン 2」に決定し、早急に構築作業を開始した。運用開始にあたってのユーザー向け操作講習会は1回開催のみでスムーズに使いこなせる状況だという。

「異なる製品への乗換えですがユーザーもすんなり使いこなせています。問い合わせ窓口への問い合わせでは「機能そのものの使い方」というより、「より便利に使うための運用はどうしたら良いか」という運用面での工夫に関する問い合わせが多い状況ですね。」(與那嶺翔氏)

新しいシステム導入における教育コストも少ない状況であったようだ。

與那 嶺翔氏

與那 嶺翔氏

導入効果 計画と対策の素早いサイクルが、住民サービス向上につながっている

まず取り組んだのは、全職員が市役所内の情報を即時に確認できるポータル基盤の確立である。全職員向け、内部事務関連、各職員が所属する部門向けポータルと目的別に情報開示ポリシーを策定した。重視したのは全職員がまずアクセスする「浦添市職員ポータル」の運用である。

「職員が朝出勤してログイン後、最初に確認する場を設けました。全職員が確認しなければいけない更新情報を素早く見えるよう配置し、現場業務に従事しているメンバーでも一目で情報を確認できます。」(玉城氏)

ほとんどの地方自治体と同様にして、浦添市においても新型インフルエンザ対策は重要な課題となっている。新型インフルエンザは、人が免疫をもっていないことから、ひとたび流行すると多くの人が感染し、重症化する傾向にある。そこで浦添市では「浦添市新型インフルエンザ対策本部」を設置し、感染予防と感染拡大の防止に向けた取り組みを行っている。このとき重要なのは正確な状況把握と、取り組むべき対策の策定、実施である。
浦添市では「ガルーン 2」を活用した「全庁職員掲示板」で、インフルエンザ対策関連専用の掲示板を設けた。県・政府や地元医療関係者との連携により日々更新される情報や、発令された内容は早急に共有する仕組みだ。毎日全職員が確認する場に情報発信することで、新型インフルエンザに関する情報は、遅くとも翌日には全職員が状況把握している状態だという。
このことは各部局の情報を集め、予防や感染防止に関する行動計画を策定し、実施検証に至るまでの一連のPDCAサイクルのスピードを上げるインフラ基盤としての役割を果たす。「ガルーン 2」を基盤とした素早い情報共有が組織横断的な計画策定と対策実施を促し、感染拡大防止につながっている。

「緊急性の高いインフルエンザ対策だけでなく、例えば選挙や定額給付金の給付など、時期が限定されるような取り組みについても、即時に情報共有する基盤を整えることができます。状況の変化にも柔軟に対応できる点は「ガルーン 2」のメリットですね。」(玉城氏)

市民からの問い合わせに対して、よりスピーディーに適切に対応する体制にも活用される。俗に「たらい回し」とも言われる市役所内への問い合わせでは、関係担当者に辿りつくまで何人も取次ぎが起こり、問い合わせまでに何十分も待たされるケースもあるという。そこで、浦添市ではどの部門に来た要望・質問でも適切な担当者に素早く取り次げるよう「ガルーン 2」のユーザー名簿欄に所属部署情報に内線番号を追記しているところだという。

「全庁としてしっかりした情報共有基盤を整えることが、住民からの問い合わせにおける素早い対応につながります。職員ひとりひとりが意識し少しでもロスタイムを減らすことは、結果的に市民サービス向上になると考えています。」(比嘉氏)

この他、緊急時の業務継続の仕組みづくりにも取り組んでいる。自宅からのアクセスや、携帯電話から「ガルーン 2」を活用する取り組みも一部職員向けに始まったところだ。外出先や、自宅など場所や時間を選ばず情報収集と発信が可能になり、緊急時の即時対応においても効果が期待される。仮に、特定の職員が新型インフルエンザに感染した場合の想定でも業務継続の仕組みを確立し、市民サービスの質が維持されることが期待される。

今後の展望 活用ポリシーの整備で市役所内の情報共有文化を根付かせたい

情報流通基盤で市民サービス向上に向けた取り組みを続ける浦添市。だが、現状の運用に満足している訳ではない、と玉城氏は語る。

「以前のグループウェアシステムに比べ、利便性は飛躍的に向上したと感じています。しかしながら、活用ポリシーなど整備はこれからの部分も多い。直近では「ガルーン 2」ポータル以前から活用されている「浦添市ナレッジポータル」を「ガルーン 2」とどう統合していくかが課題ですね。」(玉城氏)

ポータル基盤の整備でより即時性のあるシステムに改善し、情報共有文化を根付かせたいと意気込む。現在は、部門における議事録管理としてウェブデータベース「サイボウズ デヂエ 8」や、市民からの問い合わせ対応に「サイボウズ メールワイズ 4」を活用することも検討中だという。「ガルーン 2」を中心とした情報共有基盤確立に向けての取り組みは始まったばかりだ。

最後にサイボウズへの要望をお伺いした。

「システムを使い続けていくためには、職員であるユーザーの利便性を追及していかなくてはいけません。今後はSaaS環境でシステムを利用できると良いですね。ユーザーや管理者ひとりひとりの利便性や、コストパフォーマンスを重視したものづくりを期待しています。」(玉城氏)

より質の高い市民サービスを提供するための浦添市の取り組みは続く。

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製品情報

サイボウズ ガルーン 2

高いスケーラビリティと使いやすさを両立。経営のPDCAサイクルを加速するエンタープライズ グループウェア

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