導入製品 サイボウズ デヂエ | かんたんシリーズ
企業情報

■会社名:
株式会社学生援護会
■ホームページ:
株式会社学生援護会ホームページ
■利用製品:
- サイボウズ デヂエ
- サイボウズ Office 4
■業種:
政府・公共教育機関
■サーバー OS:
Windows 2000 Server
■管理者レベル:
兼任管理者
株式会社学生援護会
情報システム担当 渡辺 健太郎氏
情報システム担当課長代理 黒仁田 栄子氏
株式会社学生援護会は 1956年 3月に創業し、1967年 2月に日本で初めてのアルバイト情報誌『アルバイトニュース速報』を創刊している。現在も求人情報誌『an(アン)』、『DODA(デューダ)』、『salida(サリダ)』の発行、さらにインターネットを活用した『weban(ウェブアン)』、『転職サイト U2B(ユーツービー)』の提供と、雇用情報の提供サービスを中心に事業を行っている。
近年は、企業と人材に対して出来るだけよい出会いを提供したい気持ちから、情報の提供だけにとどまらず、採用支援・人材開発事業や就職支援事業、人材派遣事業、人材紹介事業を行うなど、より幅広く企業と人材を結ぶ手助けを行っている。
今回は、全国に拠点がある学生援護会グループの中でも首都圏の拠点中心に(市ヶ谷本社・学生援護会東日本/学生援護会神奈川各拠点)活用されている「サイボウズ デヂエ」について話を伺った。
導入背景と決め手
学生援護会グループの中心となる求人情報事業の中で首都圏地区にて活動を行っているのが、学生援護会東日本(以降東日本と記す)である。東日本の中心業務は、an、Weban、DODA、salida 等の求人情報サービスに掲載を希望する企業に対する営業だ。東日本には現在約 420名の社員がいるが、営業担当者は約 300名だという。
「営業担当者は顧客より掲載依頼があると、自らヒアリングし、写真撮影から原稿の作成まで全てを引き受けることになっています。営業のアシスタントはいるものの、営業担当者の仕事量は常に膨大です。多い人だと 1週間に 20〜30 の原稿を抱えている場合もあります(苦笑)。」(渡辺氏)
営業担当者の業務の繁忙さを語ってくれたのは、元営業担当者で現在は情報システムを担当している渡辺 健太郎氏である。
問題だったのは、そんな営業担当者のデスクの上が常に大量の紙で埋もれていたことである。その埋もれた紙の中には、企画部や総務部からの回覧も含まれているのだ。
「回覧によって通達されていたのは営業担当者に必須である各媒体の記事内容や〆切情報、また、総務の通達が主です。多いときは 1日 10通以上も回覧が流れていた為、回覧用紙が営業担当者のデスクの上で散乱し、回覧内容が正確に伝わっていないことも多かったんです。紙が散乱したデスクの上から過去の情報を探しだすのは至難の業だったと思います。」(黒仁田氏)
と、紙で回覧していた時の苦労を語ってくれたのは、同じく情報システム担当の黒仁田 栄子課長代理である。
2000年から営業担当者 1人に 1台のノートパソコンが支給され、同年 6月に「サイボウズ Office 3」を導入していた同社では、この通達事項の回覧をスムーズに行うため、グループウェアを利用して通達事項の回覧を行うことを検討した。
そして、同年 12月にバージョンアップを行った「サイボウズ Office 4」の回覧板機能(※ 1)を利用することを決めたのである。具体的な運用は、PDF ファイル形式にした通達事項を回覧板に添付するというものだった。ただし、営業担当者に新しい運用を定着させる為には苦労があったようだ。
※ 1 通達メンバーに[読みました]ボタンの付いたメッセージを送ることで、回覧を誰が読んで、誰が読んでないかが一目瞭然となる機能である。
「正直、Office 3 の社内認知は低かったです。さらに、Office 4 にバージョンアップされた時はアクセスするURLも変更になったので、営業の人間で Office 4 の存在を知っている人はほとんどいませんでした。」(渡辺氏)
その後 2001年に、渡辺氏が営業からシステム担当に着任した。さらに、1ヶ月後に着任した黒仁田氏と二人で Office 4 の啓蒙を始めることにしたのだ。啓蒙と言っても、1人もしくは 2人で東日本の各営業所を回って、スケジュールの登録方法、回覧板の閲覧方法を教えて回ったのだ。
2人の啓蒙活動の結果、回覧板では取りあえず全員が[読みました]ボタンだけは押してくれるようになったという。しかし利用者が増え、通達が全て Office 4 で流れるようになると、動作が重くなってきたのだ。それもそのはず、同社では Office 4 に 700名(※ 2)ものユーザーを登録して活用していたのだ。
※ 2 Office 4 の推奨最大利用人数は、300名 となっている。
実際に Office 4 で行われていた通達事項の回覧フローを見てみよう。
通達事項の回覧フロー Office 4 のみ
- 回覧が必要な書類は、複合機でスキャニングして PDF ファイルに変換
- ファイルを Office 4 の文書管理(※ 3)に保存
- 回覧板に、告知内容の概要と文書管理の URL を貼る
- ユーザーは回覧版の読みましたボタンを押し、文書管理のURL をクリックする
- 文書管理からファイルをダウンロードし、内容を確認する
※3 文書管理;サイボウズ Office 6 のファイル管理に相当する機能。
Office 4 の啓蒙活動によって、ユーザー数は増加し、利用状況も密になった。しかし、非常に多くのユーザーによる利用をしていた為、動作が重くなりストレスを感じるようになってきたのだ。
「当時は通達されたファイル全てを文書管理に保存していたんですけど、かなり重くなってしまったので、どうにかしたいと考えていたんです。
また総務通達は、文書管理の総務のフォルダに落とし込んでもらう形なんですが、営業担当者への通知事項は an だったり DODA だったりで通達の内容が違ってきます。an に関する通達事項だったら an のここのフォルダに、DODA だったら DODA のここのフォルダにっていう形をとっていました。この方法だと、営業担当者は過去の物を探すのが結構面倒だったんです。これもどうにかしたいと思っていました。やはり営業担当者が簡単に必要な情報にたどり着けないと意味がないですからね。」(渡辺氏)
文書管理を多用していた同社では、その解決策として文書管理を軽量化することを検討した。そこで、渡辺氏は精力的に EIP 関連のセミナーに参加していたという。そんな時、サイボウズのセミナーに参加し、DB メーカー(デヂエの前身、以降デヂエと記す)の存在を知ったという。
「サイボウズのセミナーでデヂエの紹介を受けてから、自分でオンラインデモを触ってみたところ、Office 4 ともユーザーインターフェイスのテイストが変わらないし、営業担当者に対しても印象が良いと思いました。
検索性に非常に優れている点も、重要な要素でした。デヂエなら営業担当者は自分の見たい媒体を絞り込みから選択するだけで情報が一覧できるので、過去の情報も非常にスムーズに探せると思いました。導入時に関しては、他のソフトを考えることなく、黒仁田と導入を決定しました。」(渡辺氏)
「やはり簡単というのが一番ですね。資料をアップする人たちにも特に大げさな研修をする必要はない、というのは大きな利点でした。」(黒仁田氏)
こうして業務に必要な情報は、デヂエから提供されるようになったのだ。
活用方法
では導入後どのようにデヂエを利用しているのだろうか?ここで、デヂエの導入目的でもある「東日本通知」ライブラリについて見てみよう。
デヂエ導入後は、通達の告知内容を全てデヂエに登録し、Office 4 の回覧板にデヂエの特定のレコードへの URL を貼る運用を行っている。
「弊社ではデーター印のあるものをスキャナーで読み込んで、PDF でアップするというビジネスフローが不可避なんです。本来はデーターだけをやりとりしたいのですが、会社がまだデーター印があるのが前提ということなので、現在はまだこのフローを利用しています。」(黒仁田氏)
東日本通知ライブラリ
ライブラリには、以下の項目が登録されている。
- 期のナンバー 通知を登録した時の営業期
- 通知ナンバー 通知文はすべてナンバー管理しているので、そのナンバーをここにも登録するようになっている
- カテゴリ 絞込みの部分、各版の記載 (例えば an 関東版、DODA 北陸版など)
- 提供部署 資料を提供した部署
- タイトル PDF 資料のタイトル
- 適応日程 営業の値引きや、セットキャンペーンの適応日程
- 説明 資料の概要 (PDF 資料を開かなくても、概要がわかるようにしている)
- 参照資料 複合機を使ってスキャニングし PDF にした資料
ユーザーは、Office 4 の回覧板にて通知を確認し、回覧板に貼られているリンクからこのライブラリを閲覧し、通知内容を確認するようになっている。実際の運用フローは以下の通りである。
通達事項の回覧フロー デヂエ + Office 4
- 回覧が必要な書類は、複合機でスキャニングして PDF ファイルに変換
- デヂエに通知の概要を入力し、資料を添付する
- ユーザーは回覧板にて通知を確認し、記載されている URL をクリックする
- リンク先の「東日本通知」ライブラリにて、通知内容を確認
- 資料が必要なユーザーは、添付ファイルをダウンロードする
レコードを登録できるユーザーはログインユーザーを判別し、アクセス権で限定しているが、その他の利用に関してのアクセス権は一切設定していないと言う。
「営業担当者のストレス軽減のため、このライブラリはログインなしでも全ての項目を見られるようにしています。デヂエの URL さえ知っていれば、誰でも見ることが出来る状態です。」(渡辺氏)
もう 1つ頻繁に利用されているライブラリがある。それは、本社ビルの会議室予約管理ライブラリだ。施設予約と言えば、当然 Office 4 にも機能は搭載されている。しかし、Office 4 の施設予約機能は誰でもが登録することが可能となっている。これでは同社のビジネスフローにはマッチしなかったのである。
「当社の社風で、会議室の予約は総務部が確認したものでないとダメというのがあったので、アクセス権の設定が行えるデヂエを利用して会議室予約を行おうと考えたわけです。」(黒仁田氏)
「会議室予約は以前、ロータスノーツで専門のデータベースを作っていたのですが、メンテナンスの出来る人間が社内で 1人ぐらいしかいない状況でしたので、その人間が休んでいるうちにデータベースが落ちたら何も出来なくなってしまうというのが問題でした。」(渡辺氏)
以前の会議室予約フロー
- 部署ごとにあるノーツ用マシンからノーツを立ち上げる
- 会議室の空き状況を調べる総務に電話をして、予約を完了する
●本社ビル 会議室予約ライブラリ
登録されている項目は、以下の項目になる。
日付、予約開始時刻、予約終了時刻、予約会議室、プロジェクタ、予約部署、予約者、利用目的
絞り込みに、[今日の予約状況] [明日の予約状況] [大会議室] [中会議室] [小会議室] [プロジェクタ] を用意し、直近の予定、施設ごとの予定はユーザーが簡単に検索できるようになっている。
デヂエを利用した会議室予約のフロー
- 自分のマシンからデヂエにアクセスし、会議室の空き状況を確認
- 総務に電話をして、予約を完了する
「ユーザーは部署ごとにあった重たいノーツを立ち上げることなく、各自のマシンから会議室の予約状況を閲覧できることでだいぶ楽になったと思います。
このライブラリへは “ 社内IPアドレス / kaigi ” と入力するだけで、アクセスできるようにリフレッシュページを設定しています。この設定により、さらにアクセスしやすくなったと役員の方々からもご好評をいただいてます。」(渡辺氏)
導入の結果と今後の展望
今まで文書管理に格納していた通達事項のファイルをデヂエに格納するようになり、営業担当者からの反響はどうだったのだろうか。
「営業担当者は便利になったと思います。やっぱり簡単に検索できることが一番強いと感じます。今までだったら、分からないことがあったらすぐに各拠点の企画部に電話していましたから。」(黒仁田氏)
「学生援護会東日本の営業担当者は、当然首都圏が主体になります。ただ、各地に拠点を持っているお客様から突然“金沢のほうでも2,3人募集したいんだよね”などと言われることもあるんです。そんなときは、今までだったら紙のファイルを必死にかき集めていました。デヂエだったら[北陸版]で絞り込めば、すぐに最新の資料を集めることが出来ますから。」(渡辺氏)
そして、今までは各営業所に 5部ほどしか提供されず、営業担当者の中でも取り合いになっていた全国拠点のメディアガイドカタログも、各拠点からデヂエにカラーイメージを登録してもらうことで簡単なパンフレットは営業担当者が自分で調達できる状況になっているという。
まさに自社の社風・業務フローに併せながらもデヂエは効率的に営業活動を支援するツールとして活用されているのだ。
また、デヂエのメンテナンスの簡単さにも大きな導入効果を感じているようだ。
「デヂエはライブラリの構築に半日ぐらいかかりましたが、情報をアップするプラットフォームさえ作れば、それ以降は何もする必要がありません。本当に勝手に動いてくれているんです。メンテナンスに手間がかからないのは、システム担当者にとっては嬉しい限りですよね。」(渡辺氏)
営業担当者の業務軽減のために活用されているデヂエだが、現在では社内のノウハウを蓄積・活用する利用法にもチャレンジしているという。それは、システムに良く来る問い合わせの『Q&A』の作成だ。これを『社内 FAQ』として活用し、今度はシステム部の業務の効率化・負担減を考えているという。
「最近では少し減ってきましたが、一時期はひっきりなしに電話が鳴っていました。それも同じような内容の問い合わせが多いんです。電話だけでは解決できないときは、わざわざ事業所まで訪問していました。でも、直接さわると“何だ、こんなことが原因か”と言うことも度々でした。」(黒仁田氏)
そこでこの状況を打破するために、デヂエで『社内 FAQ』の作成を計画していると言うことだ。具体的には、[一般ユーザー向け]と[システム管理者向け]の 2つのライブラリを分けて作成する予定だと言う。
[一般ユーザ向け]の FAQ は今まで通り、ログイン前ユーザーでも閲覧可能にするが、[システム管理者向け]の FAQ は一般ユーザーには知られたくないような情報も載せるため、システム管理者のみが閲覧可能になるようアクセス権を設定する計画である。
主力である営業担当者の活動支援をするためのツールとして活用されているデヂエだが、今後も自社の社風に合わせた活用法で次々にライブラリを作成し、様々な業務の効率を上げていくことだろう。
システム概要
サーバー OS | Windows 2000 Server |
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クライアント | Windows / Mac 各クライアント (Mac は閲覧のみ) |
ネットワーク | 各拠点は IP-VPN で東京本社(市ヶ谷)へとアクセスする。 |
システム概要図

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