2007年導入した「ガルーン 2」導入はコイケの事業に関わる情報を集約し、情報インフラ基盤として確立されている。ポータル上にあるアイコンは30以上の項目が並び、製品マスタ情報や業務関連のフォーマット、ISO・保税免許等監査資料まで多岐に渡る情報が網羅されている。別サーバーにある情報も「ガルーン 2」ポータル上に集約し、欲しい情報にすぐたどり着くことができる。この仕組みを活用することで、社内メンバーは「ガルーン 2」画面を確認さえすれば、業務を進めることができる状況だ。

特に活用頻度が高い運用は「売上情報」「報告業務」の情報共有である。しかし、情報共有するというだけではない。集約した情報を次の事業戦略に生かすプロセス支援こそ、「ガルーン 2」活用の大きなメリットだ。

コイケでは各事業所の担当者、営業メンバーがExcelファイルを毎日更新し、「社内メール」にファイル添付して進捗報告を共有する。同時に「閲覧確認機能」を承認用途で活用しているという。関係者が更新情報を確認したかどうか可視化するためだ。さらに、全国各拠点と本社間の集約された情報をもとに現状の把握から対策、次の戦略まで「社内メール」のフォロー欄で議論する仕組みだ。情報集約から、次の事業戦略策定までをワンストップ化することにより、事業スピードが迅速化され、システム運用面においてもメリットをもたらしたと岩澤氏は語る。

「「社内メール」は、いわば社内専用のメーリングリストですね。とはいえ、Eメールと比べて使い勝手が格段に良い。取り扱う情報には機密情報も含まれますが、社内ネットワーク内で運用が完結するためセキュリティ面でも安心して運用できます。また1通の「社内メール」を作成すればその中で議論を進めることができるので、情報が分散せず過去履歴の確認も簡単です。社内連絡にはEメールをほとんど使わなくなり、メール容量も大幅に削減されました。」（岩澤氏）

まさに「ガルーン 2」が業務の中心となっているコイケでは、社内イントラに限定された情報資産を外部環境からも有効活用できるよう整備を進めている。中でもスマートフォン端末と「ガルーン 2」データをシンクする「KUNAI」活用を役員、営業部長陣で開始した。社外活動が頻繁な営業部長代理伴氏は、「KUNAI」活用が業務効率化だけでなく、顧客サービス向上にもつながると語る。

「今知りたい情報を移動時間や顧客訪問先からでも把握できるので、社外業務全般がスピードアップしました。手帳と「ガルーン 2」で二重管理している状況だったスケジュール管理も「KUNAI」ひとつでカバーできます。まさに「ガルーン 2」を持ち出している感覚ですね。予定が詰まっている日も多いですが、次の予定までのちょっとした隙間時間の有効活用にも便利です。今使っているスマートフォンのOSはWindows Mobile なのですがOutlookとも親和性が高い。顧客対応全般のスピードもあげることができます。」（伴氏）

勿論、社内で更新される｢売上情報｣「進捗報告」などExcelファイルやパワーポイント形式のファイルも「KUNAI」から手軽に確認できる仕組みだ。このようにPC活用と比べても遜色ない機能性を備える「KUNAI」は、端末にデータを持つ仕組みなので画面遷移時にネットへの接続を必要としない。ゆえに、地下鉄や海外など通信状況の悪いところからでも、業務を中断することはない。海外出張も頻繁なコイケ役員メンバーはこの特性を活かし「KUNAI」の海外活用も検討しているという。

「現地法人を持つ東南アジア圏の出張が多い状況ですが、現地の通信環境は総じて不安定です。移動時間が長いにも関わらず、特定のホテルや事業所でしかネット接続できない。しかし「KUNAI」であれば海外という場を意識せずに、移動時間中にも業務指示や判断ができるので、意思決定スピードが落ちることがありません。」（岩澤氏）