九州産業交通ホールディングス株式会社

バス事業、観光事業、不動産事業
ご利用規模:1,000ユーザー

会社を超え、所属を超えた円滑な情報共有がもたらしたのは、ひとりの顧客に対する良質なサービスです。


ガルーン活用によってもたらされた複数のグループ会社との情報共有。
さらに顧客サービスの向上

<概要>
九州新幹線全線開業を機に取り組みがはじまった新たなサービスや商品に「ガルーン」を活用。

九州産業交通ホールディングス株式会社(以下、九州産業交通)は、熊本県のバス事業を中心とした7つの会社を傘下にもつ企業だ。1942年に、「熊本の産業振興会社になる」という理念のもと、九州産業交通株式会社を設立。2006 年に、九州産業交通ホールディング株式会社に商号変更すると同時に持株会社へ移行し、新たなスタートをきった。設立から約70年もの長い間、熊本県内の路線バス、高速バス事業、旅行・ホテル事業、テナント運営など、幅広い事業展開で地元の観光産業を牽引してきた。

2011年3月の九州新幹線全線開業を機に、駅から観光地までのバス路線や、県内、その周辺の観光地間のアクセスの利便性を図るため、グループ会社が一丸となって整備を強化してきた。その取り組みのひとつとして、路線バスや、定期観光バス、高速バスを利用した独自のツアープラン「日帰りバス旅」を企画・販売。このツアープランには、複数の事業会社や子会社が関わり、ひとつのサービスを作り上げている。この場合、複数の事業社間での、確実で、円滑な情報共有が必須だが、「サイボウズ ガルーン3」(以下、「ガルーン」)の導入・活用がそのサービスを支えているという。複数の事業会社、子会社のシステムを取りまとめ、情報共有を支援する体制をどのように整え、機能的に運用しているのか。九州産業交通ホールディングスIT推進グループ長の西岡伸一氏、IT推進グループの三池利彦氏、森裕智氏にお話をうかがった。

導入の経緯

慣れ親しんできた「サイボウズOffice」の操作環境と、これまで蓄積してきた情報資産をそのまま使える利点が決め手に。

同社のグループウエアの利用は、2002年の「サイボウズOffice 4」(以下、「Office」)が最初になる。その後バージョンアップ版を利用し、足かけ10年サイボウズ製品を利用していた背景があった。「ガルーン」移行のきっかけとなったのが、300ユーザーを目安とする「Office」に対して、実際は800前後のユーザーが利用していたためだ。

「当然のことですが、使っているうちに書き込みのエラーが発生したり、再読込に時間を要したり、レスポンスが悪化。最初は我慢して使っていましたが、我慢にも限界があります。」(三池氏)

いよいよ、という時にリプレース検討に入った九州産業交通。候補にあがっていたのは、「ガルーン」以外にも数製品あったが使い勝手、機能、容量など、各製品一長一短ある中で、総合的に判断して最終的に3つの製品に絞られた。その中から「ガルーン」を選んだ決め手は、スムーズで、確実なデータ移行にあったという。


IT推進グループ長
西岡伸一氏

「『Office』を10年間使ってきた中で蓄積されたデータを、そのまま『ガルーン』で使えるのは大きな利点でした。また、掲示板やメッセージアプリケーションをストレスなく、これまでと同じように使えるので、日常業務で『Office』を活用していた社員やスタッフにとってもベストだと判断しました。業務の進め方や、環境を変えずにスムーズな移行を可能にするのは『ガルーン』しかありませんでした。」(三池氏)

「ガルーン」TOP画面イメージ
「ガルーン」TOP画面イメージ

顧客サービスの向上

「ガルーン」導入によってもたらされた顧客サービスの向上。複数のグループ会社で、ひとつの情報を共有するメリット。

10年以上、グループウエアを活用してきた同社は、その間に会社の商号変更、事業分社化、子会社新設といった大きな転換期を迎えている。しかし、その間もグループウエアは日常業務に支障をきたさず、機能をしていたという。


IT推進グループ 主任
三池利彦氏


IT推進グループ
森裕智氏

「当たり前のように日常業務にグループウエアが使われており、特に変更や統合などの話は出ませんでした。現在、事業ごとに分社し、グループ会社間の会社を超えたやりとりが多いのですが、。情報共有はスムーズです。その他、ハウステンボスに常駐する弊社のスタッフが、イベント情報などを全社員に伝え、バスガイドへの説明に盛り込むといったことも行っています。グループ間の積極的な情報共有が、顧客に満足のいくサービスを提供することにつながっています。」(三池氏)

まさに、グループ会社という強みを、「ガルーン」を活用することによって強化し、顧客満足につなげている。さらに特筆すべきなのは、正社員、契約社員、アルバイト、現場スタッフなど、幅広い職種のメンバーが、グループウエアを活用している点である。これは、前述した「日帰りバス旅」のツアープランに活かされている。この独自のツアープランは、九州産交バスの路線バスと、高速バス、フェリーを組み合わせ、熊本県内、九州各県の観光地を日帰りで、しかも安価で楽しめるもの。季節ごとに100コース程度のプランがあり、人気が高まっている。

「路線バス、高速バスを利用した『日帰りバス旅」を企画しているのは、バス事業を展開する九州産交バスです。もし、阿蘇方面に行って阿蘇山のロープウェーを使うプランであれば、ここに九州産交ツーリズムが関わってきます。ひとつのプランに関わるスタッフは、会社を超えて多い時で数十名人規模にのぼります。メールや電話などの手段であれば、これだけの人数のスタッフに、しかも会社を超えてやりとりするとなれば、煩雑になりがちな連絡業務でも、『ガルーン』のメッセージを活用すれば、非常に効率的に、かつ迅速に情報共有が行えます。」(三池氏)

導入効果

社内での連絡事項はメッセージ。プロジェクト遂行にはスペース。E-メールを使わないスタイルで業務効率化を推進、会社の利益に。

「ガルーン」の中でも特に利用頻度が高い機能は、メッセージだという。案件ごとに関係するメンバーに送り、そのメッセージに補足として書き込みフォローする機能が重宝しているという。このため、社内連絡はEメールを利用せず、すべてメッセージ機能を活用し、グループウエアでほぼ完結していることが特徴的だ。情報共有の遅れを防止し、スムーズなコミュニケーションに一役買っている。


グループ内の活用状況イメージ


ホテル事業部では当日の予約状況をメッセージで共有し、立ち仕事の合間にも確認もれを防ぐ。

「たとえば、中途入社の社員でも、メッセージや掲示板の履歴を見ればそのプロジェクトの進み方や、経過を、ひと目で理解することができます。また、途中からプロジェクトに参加するメンバーを簡単にグループ追加ができる点も便利です。日常業務を確実に遂行するためには、なくてはならない機能です。」(森氏)

また、ひとつのプロジェクトや案件に対して、所属を超えた意見交換ややりとりには、スペースを活用している。「ガルーン」による情報の共有化は、関係者への連絡のタイムラグを無くすメリットに加え、各人のフィードバックの内容を関係者全員で共有することで、業務の効率化にもつながっているという。さらに、出張申請や通勤手当などの申請関係の一部を、ワークフローで電子化。従来の紙ベースで決裁が行われていたケースが、ペーパーレスで行えるようになったという。


旅行センターの朝礼/終礼に掲示板を活用し、業務の進捗メンバー全員が把握することができる。


バスサービスセンター内の業務告知は掲示板アプリケーションを活用している。
フォロー欄を活用することで、1スレッド内に情報を集約し、効率的に情報を確認することができる。

「ペーパーレスによる経費削減の効果は実感としてあります。また、申請承認のスピード化はもちろん、『ガルーン』を活用することで、業務に専念できる"時間"を生みだし、結果的に会社の"利益"につながっています。」(西岡氏)

今後の展望

グループウエアは、日常業務になくてはならない存在。今後も顧客サービスに活かした取り組みに活用していく。


ホテルやバス事業など365日稼動のPHPポートレットを作成し、祝日は緊急問い合わせ先を表示している。

このほか、「ガルーン」導入後に好評なことは、メールの添付ファイルが複数ファイル可能になったこと。一方で使い慣れていた「Office」の機能を「ガルーン」に復活して欲しい、という声も聞かれた。
「使い慣れた社員は、個人でポータルサイトをつくるなど、自分なりに使いやすいように工夫しています。『ガルーン』に移行した後1、2ヶ月は社内からの問い合わせがありましたが、今ではほとんどありません。今後は、ポータルで会社の売上げ速報を行えれば、と検討しているところです」(三池氏)


オフィス内風景。ワンフロア内に複数企業が入居しており、業務の意見交換の機会も多いという。

現在、外まわりが多い旅行事業会社の営業マンには、一人一台ipadを支給し、出先での情報確認・管理や、営業日報に利用している。外出先で日報が書けることが好評だという。とはいえ、ほとんどのユーザーの利用環境はデスクトップ。今後は、タブレット端末に移行することも視野に入れているという。同社の導入事例は、社内でのやりとりはもちろん、グループ会社との会社を超えた円滑なコミュニケーションを支援し、その結果、良質な顧客サービスに結びついている好例である。

<ガルーンサーバ>
【用途】 ガルーンサーバ
【機器名】 IBM System x3630 M4 モデル G2J
【サーバOS】 Red Hat Enterprise Linux Server release 6.3
【CPU】 Intel(R) Xeon(R) CPU E5-2450 0 @ 2.10GHz
【メモリ】 16GB
【HDD】 600GB 6本
3.5型 SAS 15krpm

掲載日 2013年6月26日