導入製品 サイボウズ デヂエ | かんたんシリーズ
企業情報

■会社名:
町田ひろ子アカデミー
■ホームページ:
町田ひろ子アカデミーホームページ
■利用製品:
- サイボウズ デヂエ
- サイボウズ Office 6
- サイボウズ Office 6 ケータイ/ポケット
■業種:
政府・公共教育機関
■サーバー OS:
Linux
■管理者レベル:
兼任管理者
町田ひろ子アカデミー
ネットワークソリューショングループ 植木 昇氏
トリトン校事務局 萩原 史子氏
1978年に設立された「町田ひろ子インテリアコーディネーターアカデミー」は、現在、東京・大阪・福岡・小樽他全国に 8校ある。最近のリフォームブームで再び注目を浴びているインテリアコーディネーターだが、このインテリアコーディネーターという職業の名付け親として知られるのが校長の町田ひろ子氏だ。その活躍の幅は住宅関連だけに留まらず、ガーデニング、医療、福祉へと広がっている。
開校して 26年となる「町田ひろ子インテリアコーディネーターアカデミー」は、町田氏をはじめ第一線で活躍する現役の講師のノウハウをおしみなく伝授し即戦力となる人材を育成している、と企業からも高い評価を受けている。今回は、東京都勝どきトリトンスクエアにある「町田ひろ子アカデミートリトン校」に伺い、町田ひろ子アカデミー本部校(東京、横浜、トリトン)で活用されている「サイボウズ デヂエ」の利用方法について取材した。
導入背景と決め手
町田ひろ子アカデミー ネットワークソリューショングループの植木 昇氏は、東京、横浜、トリトンの 3つの本部校のインフラの整備、機器の選定及び総務的な仕事を一手に引き受けている。
「サイボウズ デヂエ」を導入しようとしたきっかけは、資料請求者の管理、いわゆる見込み客の管理と 3校での情報共有を行いたかったからだという。同校への資料請求は 3校併せて年間 2000〜3000、生徒数は約 600名になり、資料請求者から見ると 2〜3割の人が入学している計算になる。つまりこの資料請求者というのはいわゆる『見込み客』であり、その情報の管理と情報共有は重要となるのだ。
同校では資料の送付は 1校が請け負うのではなく、各校からその都度適切な資料を送付している。というのは、各校により開講しているコースが異なるからだ。請求者が望んでいる情報を的確に渡すため、また各校がその時知らせたいことをアピールできるように、資料請求者リストを各校に振り分けている。
まだ請求数が多くなかった頃は、以下のような紙ベースのフローで処理が行われていた。
- FAX、電話で資料請求を受ける
- 受けたスタッフが専用の紙に書き換え、ファイリングする
- 資料請求者から問い合わせがあるとファイルを見て、担当となっているスタッフが対応する
「このときは 1人でも対応できた数でしたが、広告を出した影響もあって請求数が多くなり 1人での対応は難しくなりました。また 3校の内の 1校だけがファイリングを持っているのは良くないとは思いつつ、紙で共有だと膨大な量になってしまいます。なんとか電子的に行えないか、ということで私の前任者が Access を使ったわけです。」(植木氏)
Access での情報管理は、どういった点が問題になっていたのだろうか?そのフローを見てみよう。
- ホームページのフォームから送られてきたメールを、植木氏が各校に仕分けし、転送する
- 各校で Excel に記録しなおし、植木氏に送る
- 送られてきた Excel を元に植木氏が Access にデータを入れる
※全角カナなど、入力する人によって形式が統一されていず、変換が必要な場合もあった。 - 前日からの差分データを各校に配信する
- 各校で未送信のデータを抽出し、資料を送付する
「東京、横浜、トリトンの 3校は専用線でつながっていないこともあり、Access のデータやりとりが重い、というのが問題でした。また、Access に慣れていない人にはソフトが扱いにくいため必要な情報を抽出しにくく、その都度私のほうに問い合わせや依頼が来る、という事態になっていました。それも『資料請求は次の日対応』という決まりがあるため、問い合わせや依頼に対して早急に対応しなくてはならなかったんです。」(植木氏)
同校では、資料請求者への資料送付は他校との差別化のために『次の日対応』を必須としている。これは、資料請求をする人の多くは同時に何校かに資料請求を行っていると考え、分かりやすい『時間』というところで差別化をするようにしているからだという。この『次の日対応』という目標を達成するために、迅速な情報共有が必要となる。
Access を使っての上記のフローでは、必ず植木氏の手を通る作業が発生し、他の業務との片手間で行うには大変だったという。また蓄積されたデータに対して、現場から何らかのアクションを行いたいときに、「○月以降にトリトン校に請求してきて見込み度が高い人」といった情報を抽出してほしいという依頼は、依頼するほうにとっても依頼されるほうにとってもストレスとなっていた。
「Access での運用で困っていたときに、使っていたサイボウズ Office のメールマガジンでデヂエのことを知ったんです。そこで早速ダウンロードして、前任者と 2人で試しました。Access で行っていた資料請求管理のものをデヂエでも作ってみましたが、Access では複雑だったリレーションが簡単にできたのが驚きでしたね。」(植木氏)
テストから導入までの期間は、約 1ヶ月くらいであったという。植木氏がデヂエを導入したいと思った決めてを聞くと、『価格の安さ、データの軽さ、使い勝手の良さ』だと答えてくれた。
「デヂエの価格は安いと思いました。Access のライセンスを全員分買うと高くなりますし、開発を外部に頼むともっと高くなります。デヂエを見つけるまで、基幹系の業務ソフトで何かないかと探したのですが、Access ベースのものでカスタマイズして 1000万円くらいかかるのを見つけました(苦笑)。
デヂエの価格の安さ、データの軽さ、使い勝手の良さが決めて、というのは月並みかもしれませんが、デヂエのユーザーさんは同じ意見じゃないでしょうかね。これくらいのものが自分たちで作れて、この値段であるというのは手軽だと思います。人的なコストもかからないし、兼任管理者であっても使えるというのが魅力です。」(植木氏)
導入の決定は、すんなりといったのだろうか?
「はじめはデヂエって何なの?という声もありましたが、サイボウズ Office シリーズを使っていて使い易かったこと、そのサイボウズが作っている製品だ、というところで信用がありました。私自身も、会議の際にサンプルで作ったものを見せて説明し、私達の業務を軽減して欲しいということで切実にお願いしました。
何よりも決めてとなったのは、現場からの声でした。テスト中に使っていたスタッフから、Access よりも自分たちである程度のことができるのがいい、と上に言ってもらえたのが大きかったと思っています。おかげさまでデヂエの導入が決まるまでは、Access とデヂエを併用していたため大変でしたけどね(苦笑)。」(植木氏)
活用方法
資料請求者の管理は、4つのライブラリからなる。Access で作っていたものを元に、ライブラリは作成された。
住所などを入れる「顧客 DB 基本情報」ライブラリ、資料請求の履歴を入れる「資料請求履歴」ライブラリ、資料請求者とコンタクトをとった履歴を入れる「コンタクト」ライブラリ、願書の提出を管理する「願書提出履歴」ライブラリだ。デヂエを使った現在のフローは、以下のように変化している。
- ホームページ、FAX、電話などきた資料請求を、資料請求ライブラリと顧客 DB 基本情報ライブラリに登録する
- 資料未提供のものを絞り込み、CSV ファイルで書き出し
→ラベル印刷して、資料を送付する - 電話をかける、カウンセリングをするといったコンタクトを取った場合には、コンタクト履歴に登録する
- 願書が提出されたら願書提出履歴ライブラリに登録する
Access 時代のフローの1〜4までがすっぽり無くなったと言える。デヂエを使うことにより、更新ファイルを送ったり、SQL 文を作ったり、そういった作業が不要になったのだ。
詳細な運用について
- 資料請求のデータを、顧客 DB 基本情報ライブラリ、資料請求履歴ライブラリに転記する
それぞれ 1人 1レコード形式で情報を保存している。 - その後、資料請求者とコンタクトを取ったら、コンタクトライブラリに登録する
1アクションにつき、1レコードの登録となっている。 - 入学が決まった資料請求者が必要な書類を提出しているか、願書提出履歴ライブラリに記入する
それぞれのライブラリは 「顧客 ID」 をキーにしてリレーションで結ばれ、自動ルックアップでデータを参照している。
それぞれのライブラリに蓄積した情報を自動ルックアップで参照することにより、さまざまな分析も可能となる。例えば資料請求履歴ライブラリを見れば、請求者数から何% の人が入学したか(願書を提出したか)がわかるし、願書提出履歴ライブラリを見れば入学のきっかけとなった広告媒体を知ることもできる。
また各ライブラリでも集計機能を使い、どれだけ資料が請求されているか、どの広告媒体からの資料請求が多いか、どれだけの願書が提出されているかなど、簡単に見ることができる。
日々使う『資料を未だ送っていない人』という検索条件も各校毎に用意し、1クリックで各校の『未提供』の情報を出せるように工夫している。
その他の活用方法は、以下のようなものがある。
アンケート情報の管理
このアンケートは、東京ビックサイトで開催された「インテリアトレンドショー 2003」での来場者アンケートのデータが保存されている。インテリアトレンドショー 2003は、来場者数 35,000人を超え大盛況だったという。
このアンケートは、桐の家具についてのものだ。会津桐の産地、福島県大沼郡三島町とのコラボレートで“みしま桐”を使って作った家具(ホームシアターや、ゆりかごからソファに変化する家具など)のリサーチ情報にするため、『桐のイメージはどんなものか?三島町を知っているか?』などを来場者に聞いた結果である。
アンケートは 160ほど集まった。デヂエなら簡単に回答が集計して見れるので好評だったという。
住所録
求人をくれた企業、関連企業のリスト。
移転しました、担当が変わりましたといった情報を更新している。年賀状や、生徒のプレゼンテーションへの招待などもこのライブラリを元に出している。
「今までは、どの人が持っている情報が最新のもので、どれが正しいのか、わかりませんでした。初めは Excel でやっていたのですが、3000件のデータとか、見る気がしないじゃないですか。デヂエだと、連絡を受けた誰でもが更新することができるし、案内を出したとかださなかったとか 2004年度の求人案内を出したとか、履歴も簡単に管理できるのがいいですね。」(植木氏)
導入の結果と今後の展望
資料請求者の管理をデヂエ化したことによって、『次の日対応』が無理せずにできるようになり、日ごとに担当を持ち回りして対応することができるようになった。
「今までだと誰かが休んだらできない、誰かに頼むとしても説明するのが大変でした。デヂエなら絞り込んで CSV ファイルで出すだけなので、持ち回って担当ということができるようになったんです。」(植木氏)
「ひと 1人分楽になりましたね」と言ったのは、トリトン校事務局の萩原史子氏だ。
「一番よかったのは、すぐに各校の様子が見れ、状況がわかるというところです。例えばトリトン校で申込みした方が横浜校の説明会にも参加されていた場合、実際にお会いしたときに、『横浜校にもいらしてましたよね』という一言が言えるのが嬉しいんです。」
ただ難点となっていたのは、初めて来校した人が資料請求もした時など、同時に 3つのライブラリに登録しなくてはならない時だ、と萩原氏は教えてくれた。募集時期にはこういったパターンが多いため、入力専門の担当者をつくって対応をしているという。
離れた拠点間での情報共有がスムーズに、スピーディにできるようになり、紙での情報共有も大幅に減少した。さらに蓄積した情報を活用することも、よりスピーディにより簡単になったのだ、と萩原氏は語る。
「募集時期になるといろいろなことをやってみるんです。4月の募集時期に、前の 10月の資料請求者はどうなっているのか、など、調べるんですね。『何月から何月まで○○校で』といった検索が、デヂエを使うことでとても簡単になりました。絞り込んだターゲットに何かお知らせするということが、すごく楽になったんです。」(萩原氏)
「使う人たちが簡単にできるというのは、本当に助かります。もともとサイボウズ Office の使い方もままならなかった人たちが、簡単に使えるというのがいいですね。それも『ID 番号何番の人ですか?』という感じにデータベースで管理するという考え方が、知らず知らずの内に定着してきたから驚きです。今までは対応していた人だけが知っていればいい、と思っていた意識が変わってきました。」(植木氏)
デヂエで蓄積した情報は、月次の報告にも役立っている。植木氏は月次報告の際に、デヂエの集計画面を CSV ファイルに出力し、各校別の資料請求状況、受付方法別の状況、媒体別の状況などレポートに役立てている。デヂエの中でこういったレポートが作れればいいのに、と植木氏は要望を語ってくれた。
まだまだいろんなことにデヂエを活用していきたい、と植木氏は語る。
「元々 Access で作っていたものをデヂエ化したら、このように変化してきたんです。運用中に一つ一つの問題を解決していったら絞り込みを作りましょうとか、いろいろと改善できてきました。今はまだこれをやりたい、という具体的なイメージはないんですが、何かアップデートされることの多い共有のデータを扱うのにデヂエは向いていると思います。ネット広告の管理などもやってみたいですね。
デヂエはこういう使い方なんだよ、というのが全然ないんですよね。逆にそれがいいと思うんです。事例やサンプルを見て、使う側にとっては『あ、こんなこともできるんだ』とわかるのが面白いですね。ここまでインターフェースが完成されたものを自分たちが作れるんだ、ということに使っているユーザーは気付いてないと思います(笑)。1人に 1個のライブラリを提供できるくらいになりたいですね。」(植木氏)
萩原氏は使っているライブラリが植木氏によって作られたということを認識されていなかったのだが、デヂエの説明をし何か今後 デヂエ化したいことがあるか、と尋ねたところ、すぐさま『入学事務手続きの管理がしたい』という返事が来た。今は Excel で管理しており、横スクロールが 3m くらい発生しているという。
このように現場が望んでいる業務改善の要望は多そうだ。今後、ここ町田ひろ子アカデミーでさまざまな活用がされることが非常に楽しみである。
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