導入製品 サイボウズ Office 6 | かんたんシリーズ

株式会社武蔵野

インターネット事業部課長 斎木 修氏
インターネット事業部 今村 竜也氏
システム部課長 久木野 厚則氏
システム部 田中 光俊氏

カリスマ小山社長経営による最先端のローテク企業として有名な株式会社武蔵野。そこで選ばれた情報伝達ツールはサイボウズだった。グループウェアとアナログなコミュニケーションを併用し、相互に影響しあうユニークでオープンな使い方とは?

地域に根差した活力あふれる企業
株式会社武蔵野は、さまざまな事業を手掛ける多角的な事業を行っている。まず地域密着型の事業として、東京都西部にあたる武蔵野地域を中心に、オフィスや店舗、家庭に対して環境向上を目的としたレンタル商品の取り扱い、クリーニングサービス、コーヒーなどの各種飲料のデリバリーサービスなどを提供している。また広域のサービスとしてインターネットサービスプロバイダ、ボイスメール、節電器の販売、さらにはそれらのノウハウを活かした経営サポート事業まで手掛けている。
同社の一番の特徴はなんといっても有名なカリスマ社長である小山 昇氏のリーダーシップだ。「サイボウズ」のように最先端の IT 技術を導入する一方で、社員同士の精神的なコミュニケーションを高めるためのサンクスカード(礼状)のやりとりなど、アナログな工夫も忘れていない。最先端の技術とアナログなコミュニケーションが相互に影響しあった活力のある企業である。

導入前の状況 〜全社員間の情報共有が求められていた

同社は、サイボウズ導入以前から IT システムには積極的だった。例えば、社員同士の連絡網としてボイスメール(電話を使った伝言システム)、社員のスケジュール管理ツールとしてザウルスを活用していた。
しかしザウルスに入っている個人の情報を、他の社員が共有するのは難しいことだった。週報を提出することで各自の行動を管理してはいたが、実際には変更も多いため、事後のスケジュールしか把握できなかったのである。

「ボイスメールは即時性の高いコミュニケーションの道具です。基本的に一方的な連絡に使うもので、言った・聞いていないといった問題も出ることがありました。それに音声でのやりとりになるので、過去に受け取ったものを検索するのには向いていません。また個人がザウルスで管理しているスケジュールの情報を、全社員で共有したかったのです」(今村氏)

それらの問題を解消し、社内の情報伝達のスピードアップを検討していた同社が決断したのが、グループウェアである「サイボウズ」の導入だった。

インターネット事業部課長 斎木 修氏

インターネット事業部課長 斎木 修氏

導入の決め手 〜マニュアルを見なくてもわかるインターフェイス

2001年 8月、他社のグループウェアも比較検討して、「サイボウズ Office 4」(「サイボウズ Office 6」の旧バージョン)の導入を決定した。そのポイントとなったのは、使いやすさとザウルスとの連携機能だ。

「パソコンに詳しくない社員も多いので、新しいツールを渡してもマニュアルを読むとは限りません。マニュアルを読まなくても使えるわかりやすいインターフェイスがポイントでした。それから以前から社員が使っていたザウルスと連携できるのは、当時、『サイボウズ』ともうひとつくらいしかなかったのです」(久木野氏)

「サイボウズ」にはザウルスとデータを同期するオプション製品として「シンク」がある。それを使えば、ザウルスの情報を「サイボウズ」に取り込む、あるいは「サイボウズ」の情報をザウルスに入れて携帯することができた。ザウルスに慣れた同社の社員にとって、従来のツールを使い続けたまま新しい機能も享受できる「サイボウズ」は魅力的だったのである。

システム部課長 久木野厚則氏

システム部課長 久木野 厚則氏

導入教育 〜給与明細や個人の成績を「サイボウズ」で見る

導入したからには徹底的に使うというのが、同社の方針だ。
全社の集まりで「サイボウズ」の導入と、スケジュール共有を中心に使っていくことを告知してから、次第にザウルスではなく、「サイボウズ」の「スケジュール」に予定を入力していくようになった。
そこには社員が「サイボウズ」を利用したくなるような仕掛けが作られていた。それは、各社員の給与明細が「サイボウズ」のメールで届くことと、各社員のあらゆる成績のデータも実名のまま「掲示板」などで公開されることだ。

給与明細や自分の成績はどうしても気になるものです。そのためパソコンが苦手な人でも『サイボウズ』を使わざるを得ません。当社では情報はオープンにする方針ですから」(今村氏)

成績は気になるので必然的に全員が見るようになる。その結果、使い方がわからない状態でもアクセスして「サイボウズ」の利用方法を覚えていったのである。情報をオープンにする社風は「サイボウズ」と合っているといえるだろう。

同社ではただ使うだけでは満足せずに、もっと効率よく「サイボウズ」を利用するために、IT 情報活用チームで利用に積極的な社員とそうではない社員の意識の差を埋めるための勉強会を定期的に開いている。

インターネット事業部 今村 竜也氏

インターネット事業部 今村 竜也氏

導入効果 〜ボイスメールと『サイボウズ』が相乗効果を発揮

情報伝達のスピードアップが導入目的だったわけだが、その効果は抜群だった。特に顕著に現れたのが、「ワークフロー」による決裁の時間の短縮だ。通常決裁待ちで 3〜4日かかっていたのが、今では多くの場合 1日で済んでしまう。

また「サイボウズ」でスケジュール管理するようになって、新たなメリットも生まれた。それはザウルスでは事後の報告でしかスケジュールの共有ができなかったが、「サイボウズ」なら進行中、あるいはこれから先の予定まで全社員が見ることができる。その結果、以前よりも計画的に仕事を展開することができるようになった。その上、他の社員の予定も見られるので、自分の上司の予定を確認してからクライアントへの同行を依頼するなど、社員間の連動も深まった。

ユニークなのは「サイボウズ」を導入してから、これまで連絡網として使ってきたボイスメールの利用率が上がったことだ。しかも、ボイスメールの利用率が高いときは売り上げも増えているという。

「以前は何でもボイスメールでしたが、今は文字情報でいいものは『サイボウズ』、ボイスメールは社員間のコミュニケーションのツールとして整理されてきました。『サイボウズ』を入れたらボイスメールが不要になったということはなく、むしろ共有する情報が増えたので、かえってコミュニケーションする内容も多くなったといえます」(久木野氏)

システム部 田中 光俊氏もボイスメールと「サイボウズ」の相乗効果を評価している。

『サイボウズ』はマンガ喫茶や自宅、どこにいたとしても、ボイスメールが鳴ったときインターネットが使えればアクセスできます。確認したいときにいつでも確認できる、それが当たり前になりました。携帯電話と同じで使い始めたら戻れないものです」(田中氏)

システム部 田中光俊氏

システム部 田中 光俊氏

活用方法 1「スケジュール」 〜全社員のスケジュールをチェックし成績に反映

ザウルスを使っていたころは週報を提出させて全社員のスケジュールを管理していたが、「サイボウズ」 では情報共有が進み、他の社員のスケジュールも見られる上、その予定も自由に書き込めるようになった。そのため、スケジュールを入れない人がいると、「サイボウズでその人の予定を確認して、会議の予定を入れたのに…」というトラブルが生じる。だから同社ではスケジュールに関しては徹底的に入れさせ、仮に入力していない社員がいると成績に反映するようにしているほどだ。

全社員のスケジュールがわかるので、予定の変更に対応させやすくなりました。週報のころは事後のスケジュールしかわからなかったのですが、現在では他人のスケジュールも事前にわかります。例え違う事業部の情報であっても自分に関係するものがあれば、見ることもできます」(今村氏)

「上司と同行してほしいというときは、上長のスケジュールを見て、ボイスメールでその旨を連絡すれば、空いているなら予定を入れてもかまわないことになっています。そのためスケジュールの調整が楽になりました。以前は隣の人のスケジュールですらわからなかったのですから全然違いますよね」(久木野氏)

また、社員全員の誕生日もスケジュールに入れていることもおもしろいところだ。誕生日にはサンクスカードやお祝いのボイスメールなどがたくさん届くという。これもアナログなコミュニケーションを大切にする同社らしい逸話だ。

活用方法 2「メール」 〜全員のメールアドレスがわかる

以前からインターネットのメールは利用していたが、ウィルスを心配して、Outlook(R) は利用しないなどの制限を設けていた。現在は「サイボウズ」の「メール」を利用する決まりになっている。メールは外部とのやりとりに使われるほか、給与明細もこれを使って各社員に届けられている。

サイボウズのユーザー情報には全社員のメールアドレスが登録されているので、メール作成時にそのまま『アドレス帳』からメールアドレスを呼び出せます。自分が所属しているチームへのメーリングリストとしても便利に使えます」(今村氏)

同社では所属事業部とは関係なく、IT情報活用チーム・クレーム対応チーム・教育チームなど様々な役割のチームがある。社員は一人当たり 3チームから 8チームくらい所属し、事業部を横断した活動が行われているため、所属グループである事業部とは別にメーリングリストがいくつも必要になってくるわけだ。

活用方法3「社内メール」 〜返信を求める確実な連絡に使用

返信を求める、あるいは受信したものが読んだかの確認をとりたい連絡に使っているのが「社内メール」だ。以前は、同社では返信を求めるような連絡には、別の掲示板システムを使って、連絡を取り合っていた。それが「社内メール」に移行することでスムーズな 連絡ができるようになったのである。

「前に使っていたのは一種のデータベースソフトであり、それを掲示板システムとして使っていました。そのため書き込んだ情報が別の内容に上書きされて消えたり、情報がどこにあるかわからなくなったりするなどさまざまな問題が起こっていました。『サイボウズ』にして、それらの問題がなくなりました」(今村氏)

「社内メール」で確認を求める形で送ると、受信者が「確認していました」と押さないといつまでもトップページに残り続ける。そのため、必ずチェックするので確実に伝えられる。

▼「社内メール」トップ画面での通知
「社内メール」トップ画面での通知

活用方法 4「掲示板」 〜勉強会の成果を全社員に公開

「掲示板」は、返信の要らない一方的な告知に使っている。例えばクレーム対応や IT 情報活用などの各チームで行っている勉強会の成果などの発表だ。

「勉強会では、クレーム対応チームならクレームのタイプごとに対応方法を提案しています。それを掲示板で公開し、他の社員にも役立つようにしているのです。以前は、事業部ごとに勉強会を開いていました。そのため出席した人だけで情報を共有していたのですが、『サイボウズ』なら掲示板でログが残るので、全社員が見ることができます。自分の所属している事業所以外の情報も見られます」(今村氏)

そのほかに実名の入った社員の成績やサンクスカードを受け取った数の多い人、総務・経理などからの告知、各チームの勉強会での成果などさまざまな情報が掲示板を使って公開されている。サンクスカードはたくさんもらう人ほど評価されるので、それらの情報を見ることは自分への評価を知ることにもつながる。また 自分が参加していない勉強会の成果も知ることもできる。「サイボウズ」上のデータには社員が自ら成長するための力となる情報に満ちているといえよう。

なお、各チームの活動内容は貼り紙でも掲示されているので、「サイボウズ」を見なくてもどのようなテーマが研究されているのかを知ることはできる。そして興味のある内容であれば「サイボウズ」で確認する。これもアナログとITを組み合わせて使っている好例といえるだろう。

▼壁紙での情報伝達と「掲示板」での情報伝達
壁紙での情報伝達と「掲示板」での情報伝達

活用方法 5「ワークフロー」 〜決裁期間が最短で数分に短縮

同社で「サイボウズ」を導入したもっとも効果の現れたものとして挙げられたのが「ワークフロー」だった。以前は紙を提出して申請していたのだが、現在では決裁や精算、出張、実印の使用許可などすべての申請に「ワークフロー」が使われている。紙ベースで申請していたころは決裁待ちが多く、3〜4 日かかるのが通常だった。決裁するためには上長の承認が必要になるが、上長は出張に出ていることも多く、ときには 1週間も会社を空けることも珍しくなかったのである。その状況は「サイボウズ」導入で一変した。

『サイボウズ』なら、インターネットさえ使えるところならどこからでもアクセスでき、決裁の承認をすることができます。特に急ぐときは、決裁の申請を『サイボウズ』上で行った後に、ボイスメールで『急ぎなので、よろしくお願いします』と伝えておきます。そのために、最短では数分。普通でも一日あれば申請から決済までが完了します」(今村氏)

活用の工夫 〜給与明細や成績も「サイボウズ」で伝達

同社では、どこからでもアクセスできるように同社のサイトのトップページに「サイボウズ」の入り口を用意している。そこをクリックすれば、ログインすることができるのである。外からアクセスするには「サイボウズ」の URL を覚えておく必要があるが、忘れる場合もある。確実にアクセスできるようにそのリンクが用意されているわけだ。

しかもそれらの生の情報は、小山社長の講演会で利用されることもあるそうだ。講演会ではインターネット経由で同社の「サイボウズ」のデータにアクセスし、実際のデータを来場者に見せながら話をするので、リアリティも強い。

「そのため顧客情報はあまり『サイボウズ』には載せません。別の顧客管理ソフトを使って管理していますから。また利用するにあたって禁止事項を設けずに自由に使ってもらうことも大切です」(久木野氏)

▼同社のホームページトップ
同社のホームページトップ

さらに同社では、教育は入社前から始めている。まず、ある程度 IT レベルの高さをそろえるため、採用試験を受けるにはサイト上から Web での試験を受けないと、採用試験の受付ができない仕組みになっている。そして、入社が内定した者にも「サイボウズ」のアカウントを与えている。それは、内定した段階で同社の仕事にアルバイトとして参加することが決まっているからである。入社前から「サイボウズ」の使い方はもちろん、同社の基本的な仕事を覚えることができるわけだ。

今後の展望 〜横系統の情報共有を強化

同社では、現在の利用状況は「上司−部下」という縦系統の情報共有が中心という認識を持っている。自分の所属する事業所での「上司−部下」間の情報共有に比べて、横系統、つまり事業所を超えたチーム活動などにおける情報共有はまだ成長の余地があると今村氏は考えている。

もうひとつの課題は、蓄積された情報をさらに活用していく方策を考えることだ。

「パソコンに詳しくない社員が多いこともありますが、情報を活用しきれていない面が感じられます。例えば『サイボウズ』で目的の情報を探すのに、いくつかの検索方法がありますが、それを知らない人がいます。せっかく蓄積された情報ですから、個人個人がもっと簡単に活かせる方法を考えていきたいと思っています」(今村氏)

システム概要

ネットワーク サーバーセンターと本社、各支店は光ファイバーで接続されている。サーバーセンターにある「サイボウズ」には、本店、各支店だけでなく、インターネットにアクセスしている場所ならどこからでもログイン可能になっている。

システム概要図

システム概要図

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