導入製品 サイボウズ ガルーン 2 | ガルーンシリーズ

シダックス株式会社

システム企画部長 伊達秀雄氏
システム開発部 課長代理 深見英樹氏

SaaS環境で本部・店舗間の情報基盤を大幅コスト削減
シダックス株式会社(以下、シダックス)は社員食堂や病院給食、レストランやカラオケなど国内外約3,500の店舗、施設で一日平均約60万食を提供するフードサービスを中心とした総合サービス企業。“マザーフード”(母なる地球が育んだ豊かな大地と海の恵みを、すべてのお客様に母親のように真心を込めてお届けする)という考え方を、グループ全体で共有し、健康創造産業、社会問題解決型企業として、車の運行管理、施設管理まで総合的なサービスを提供している。
そんな同社が、情報共有システム「サイボウズ ガルーン 2 SaaS版」(以下、「ガルーン SaaS」)を4,000名規模で導入した。食の「安心・安全」を調達から加工、調理、提供まで一環して提供するシダックスにおいて、情報共有基盤はどのような効果をもたらしたのだろうか。今回、管理・情報システム本部システム企画部長の伊達氏、システム開発部課長代理の深見氏に、SaaS環境を選定した経緯、また本社・店舗・施設など複数拠点間での情報共有活用法と効果についてお伺いした。

導入の背景 運用負担軽減のため、Notesマイグレーションを検討

1995年からLotus Notes(現:IBM Lotus Notes)を導入し、本社内では各PC端末にクライアントソフト、店舗用にはWebブラウザーを通じて社内情報を公開する形で運用していたシダックス。本社と店舗をつなぐ通知通達事項や帳票管理等で活用していたが、日々発生する運用負担の高さが大きな課題となっていた。

「例えばOSのメンテナンスやパッチを当てる作業ごとに、システムを止めるため、その度の社内調整が大変でした。弊社はメディカルフードサービス事業をはじめ24時間365日に近い形で業務を行っているため、システムもできるだけ止めたくありません。また、複数台に及ぶサーバーの作業や、その後の動作検証には時間も工数もかかります。利用人数も多いためか、レスポンス悪化も著しくメンテナンスにかける時間も人員も追いつかない状況でした。」(深見氏)

加えて、Notesのメンテナンスについては独自の技術が要求されるため汎用性に乏しく、結果的に人件費用も膨らむ。情報システム部門ではNotesバージョンアップではなく、費用対効果がより高い新しいシステムへの乗り換えが必要だと判断した。

導入の決め手 従来の使い勝手を踏襲するだけでなく、新たな効果が期待できる点を評価

2007年に入り新たなシステム検討を開始した同社は、要件として「内部統制への対応」、「グループ内の情報共有を更に強化する機能性」、そして「SaaS環境での導入」を条件とした。検討当初からSaaS環境にこだわったのは、シダックス情報システム部門としてのポリシーだと伊達氏は語る。

「社内の運用担当者はずっと同じシステムを担当するわけではありません。このため、メンテナンスは外部に任せ、そこでノウハウを蓄積していただくほうが結果としては効率的だと考えています。費用面では、サーバーを社内に置くほうが長期的には安いかもしれません。しかし、弊社としては限られた人的リソースを社内の業務効率化に素早く活かすことのほうが、より重要だと考えています。」(伊達氏)

システム企画部長 伊達秀雄氏

システム企画部長 伊達秀雄氏

要件を固めた同社は、SaaS環境で稼動可能なグループウェアを照準として製品選定を進め、「ガルーン SaaS」を含めた4製品を候補とした。Lotus Notes での業務運用フローが新システムではどう変更されるかを、ユーザー視点で検証するため、合計4回にわたり社内ユーザー向けに説明会を実施した。現状の運用が新システムでどう変わるのか、実際に確認しながら製品検証を進めたという。
これに伴い実施したユーザーアンケートで支持率が最も高かったのが「ガルーン SaaS」であった。最終的には、このユーザー側の賛同と、Lotus Notes の使い勝手を踏襲しながら新しい活用効果も見込まれる点が導入の決め手となったという。

「新システムとはいえ、ユーザー側の導入障壁はできるだけ低くしたいと考えていました。「ガルーン SaaS」は、Lotus Notes にも近い動きで、従来の業務フローをほとんど変えずに全社展開することができました。何より、マニュアルなしで運用できる手軽さや、感覚的な操作性が大きく評価できるポイントでしたね。弊社は配送や店舗運営など様々な職種が存在するため、働き方も異なり、ITリテラシーにも差があるのが実情です。要件をクリアするだけでなく、実際使われるユーザーに支持されることが重要なのです。」(深見氏)

ユーザー、管理者共に活用効果が見込まれる「ガルーン SaaS」の使い勝手が評価されて導入につながったようだ。

導入効果 SaaS環境で本部・店舗間の情報基盤を大幅コスト削減

全国3,500ヶ所の店舗、施設の情報共有基盤として稼動を開始した「ガルーン SaaS」。導入効果はどのようなものであったのだろうか。


△効率的に情報収集できるよう機能配置されている全社ポータル 拡大表示拡大表示

全社ポータル上では活用頻度の高いスケジュールを始めとし、電話伝言メモ、業務通達事項や帳票管理など日々の事業運営をスムーズにするための情報が集約されている。シダックスが何より重視しているのは、顧客サービスの最前線に立つ店舗メンバーが効率的に情報収集できることだ。

「店舗、施設メンバーの本業はお客様へのサービス提供です。素早く確実な情報が収集できるようシステム側でも工夫しています。」(深見氏)

店舗側の情報はエリアマネージャーから本部に集約され、その後本部から全社向けの通知・通達でフィードバックされていく仕組みだ。「ガルーン SaaS」は、差出人の上長承認後に情報公開するため、誤った情報告知を防ぐ効果があるという。店舗側に余計なコストをかけず、事業運営を支援する仕組みとなっている。

「例えば、本部からは現在の売れ筋傾向やトレンド、食材の単価から入荷量まで店舗運営に関わる情報をスピーディーに公開し、店舗運営を支援しています。エリアマネージャー、店舗メンバー、本部間の情報流通で、顧客サービス向上につながっています。」(伊達氏)

帳票フォーマット管理でも店舗側の負担に配慮した運用を実現している。業務や配送関係などで起こる経費処理、社内の稟議申請など幅広い業務範囲を帳票でカバーし、膨大な申請業務も「ガルーン SaaS」で集約した。PCを見る時間は最小限に留めながら、顧客サービスへ集中できる基盤を整えている。

システム開発部 課長代理 深見英樹氏

システム開発部 課長代理
深見英樹氏

システム管理面でのメリットも大きい。シダックスは情報系システムをわずか4名で担当している。4,000名規模のシステムを効率的に運営する上でメンテナンスコストを大幅に削減したことは大きな成果であると深見氏は語る。

「Lotus Notes で発生していた運用コストそのもの、1〜1.5人月分の運用コスト削減効果がありました。また、店舗ごとにインストールされたノーツクライアントのレスポンス悪化や、それに伴う復旧作業に追われることもなくなり、ストレスなく運用できています。」(深見氏)


△本部から公開される通知通達情報。(1) 拡大表示拡大表示


△本部から公開される通知通達情報。(2) 拡大表示拡大表示

今後の展望 運用効果より活用効果で成果をあげていく

「ガルーン SaaS」導入で全社の情報流通促進と、運用負荷削減を同時に実現したシダックス。今後はグループ会社を含めた情報共有をどのような形で展開すべきか検討しているところだ。シダックスを取り巻く事業環境は日々変化し、ここ数年でグループ会社も増加、アルバイト・パートメンバーを含めると業務に携わる数は4万名にのぼるという。だからこそ、情報共有は一層重要性を増している。

「例えば、企業ビジョンやトップからのメッセージを店舗のアルバイトのメンバーでも意識できる環境になれば、より顧客サービスの向上につながるのではないかと考えています。何をどうやって伝えるか、整理していくかは今後の課題ですね。意識しているのは、システムありきで考えるのではなく、活用効果からシステムの必要性を考えていくこと。このプロセスこそ情報システム部門の本業と捉えています。」(伊達氏)

現在は、店舗ごとに個別に持つクライアント情報や引継ぎ情報、設備情報などを一元管理するシステムとして「サイボウズ デヂエ 8」を検討しているところだという。勿論、メンテナンス業務に追われないSaaS環境が前提だ。導入効果にフォーカスした検証を進める攻めの情報システム部門は、これからもシダックス最前線の顧客サービスを支え、進化させていくことだろう。

サイボウズ ガルーン クラウド / SaaS に関するお問い合わせ

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