導入製品 サイボウズ Office 6 | かんたんシリーズ

早稲田大学 理工学部 コンピュータ・ネットワーク工学科 山名研究室

助教授 山名 早人氏
修士 仲沢 由香里氏
修士 益子 理絵氏
修士 岩橋 永悟氏

ネットワーク環境があれば、自宅で研究ができてしまう現在の学生生活。ネット時代の大学研究室でサイボウズが活躍しているその使い方とは?

並列・分散処理専門の研究室
山名研究室は、並列・分散処理を専門とする早稲田大学の研究室のひとつだ。研究室には、山名早人助教授ほか、院生、学部生など約 40名が在籍し、PC アーキテクチャ、検索、データマイニング、グリッド(広域分散)、バイオ、ブレイン(脳)の 6 つのチームで最先端の研究を進めている。
2002年度からは「21世紀 COE プログラム」にも参加している。これは、文部科学省が「世界最高水準の研究拠点作り」のために作ったプロジェクトである。 その一環として早稲田大学では「プロダクティブ ICT アカデミア プログラム」という、IT 分野の教育・研究機関における人材不足などの問題を解消するためのプログラムを進めている。
2003年にはマイクロソフトと大学との連携プログラム「University Program」が発表され、同研究室も、マイクロソフトや他の大学と連携して、デジタルデバイドを解消するための情報検索技術の研究を開始した。

導入前の状況/決め手 〜家で研究できる学生との確実な連絡網

山名先生は、2000年に同大学に着任したとき、すぐに自分の研究室にグループウェア「サイボウズ AG」(「サイボウズ Office 6」の前バージョン)を導入した。それは着任以前に、山名先生が勤めていた通産省工業技術院電子技術総合研究所(現・産業技術総合研究所)で「サイボウズ Office 4」(「サイボウズ Office 6」の旧バージョン)使用していたことが大きい。
同研究所では、職員のスケジュール管理や在籍確認のために「サイボウズ Office 4」を活用していた。山名先生自身も使いやすさ、安定性、コストパフォーマンスの面でメリットを実感していたのである。というのもその前は、山名先生が自作した所在一覧表示プログラムを使っていたのだが、メンテナンスに時間が取られ、研究に影響が出ていた。しかし「サイボウズ」によってその苦労から開放されたのである。
導入効果をその身で実感していた山名先生が、同研究室を開いてすぐに「サイボウズ」導入に取り掛かったのもうなずける話だ。

「情報系の研究は、実験器具などを使って研究するわけではないので、昔から学生が研究室に来ない傾向がありました。家でもかなりのことができてしまうのです。特に最近は学生の自宅も ADSL などの常時接続でインターネットとつながっているのがほとんどですので、ネットワークさえあれば研究にはさほど問題はありません。私としては、学生の皆さんに研究室に来てもらって、お互いに顔を合わせてわからないことは相互に補完しあって研究を進めてほしいと思っていますが、ますます研究室に来なくても済む環境になってきています」(山名先生)

しかし、研究室では毎週、打合せと発表をやってもらう。それ以外にも臨時で発表会などもあり、研究室に来なくても学生との連絡は必要になる。ところが、メールだと確実に連絡ができているか不安もあった。そこで、学生が研究室に来なくてもしっかり連絡を取れるツールとして導入したのが「サイボウズ」だったのである。

助教授 山名早人氏

助教授 山名 早人氏

導入教育 〜スケジュールを使って先生との面接を予約

同研究室に所属するとすぐにスケジュール登録するのがルールになっている。所属したら最初に山名先生と面接する必要があるのだが、そのためには「サイボウズ」にアクセスして山名先生のスケジュールを確認し、空いている時間を見て、自分の面接の時間を申し込まなくてはいけないからだ。

「それが『サイボウズ』を最初に触るときですね。でも、難しいことではないので、みんな問題なくできます」(岩橋氏)

次に学生が行うのは掲示板に自己紹介を記載することだ。それを終えると自然に「サイボウズ」に接していく。
利用している学生たちにとっての「サイボウズ」は、「難しい操作はないので、教えられなくてもなんとなく触っていればできてしまう」という感想が主だ。実際に同研究室では、入ってくる学生に対して使い方の講習会などは開いていない。とりあえず使わせて、わからない点があったらそのときに先輩に質問する程度で十分だという。

「てこずった覚えはありません。『サイボウズ』は見れば操作方法が何となく分かります」(仲沢氏)

導入効果 〜学生同士の共同研究もスムーズに

研究室に常駐しない学生が多いので、山名先生から学生へ、あるいは学生同士の連絡は「サイボウズ」が中心になる。学生たちも毎日一度は必ず、どこにいてもアクセスしている。

「サイボウズ」を使うことは連絡の徹底だけでなく、班内での学生同士の共同作業がスムーズに行くようになった。例えば「社内メール」や「ファイル管理」などを使って、同じ班の学生同士が情報や成果を共有しながら研究を進めている。

「2人が共同で研究することがありました。2人でひとつのものを作るので、最初は心配していましたが『社内メール』などを使って、『どこまでやった?そこを改良したほうがいいのではない?』などと相談や質問をしたり、途中までの成果物を公開して、みんなで検討したりするなどして、最後まで順調に進めることができました」(益子氏)

また、オプションの「ワークフロー」を使っての研究の進捗報告も活発に使われている。同研究室では、報告書を提出する際に、先輩のチェックを受けてから山名先生に送るルールだ。通常の研究報告は紙による提出だが、ワークフローを使うことで急ぎの発表会のための研究報告などにも対応できる体制になっている。

学生の利用状況を山名先生に問うと次のような答えが返ってきた。

「結構みなさん使っています。私からの連絡がちゃんと伝わっていますから(笑)。『社内メール』なら相手が読んだか確認するオプションを付けられますが、それを付けなくても『わかりました』と返信してくれます。一日一回はどの学生も見ていると思います。「『サイボウズ』がなければ、学生との連絡は取りにくかったでしょう」(山名先生)

インタビューに答えてくれた修士学生

インタビューに答えてくれた修士学生

活用方法 1「社内メール」 〜フォローを使って議論を深化

山名先生は「社内メール」は複数の学生に情報を送るとき、「メール」は一人の学生情報を送るとき、と使い分けをしている。それは、あとで自分の出したメールの内容を確認するときに探しやすいからという理由だ。

学生にとって「社内メール」は横とのつながり、つまり同じ班内での連絡や質問などによく使われている。例えば、発表会のための連絡や、先輩からのアドバイスを求める質問などだ。相手の時間を気にせずに深夜でも連絡や質問を投げることができるので、「社内メール」は学生間でももっとも活発に使われているツールだ。

「『社内メール』は、話が広がってフォローの欄にどんどん話を書き込むのが多いのです。メールの返信と違って、フォローはその後のやり取りが一連の流れで見えるのが便利です。メールの返信だと追いかけていくのが大変ですから」(岩橋氏)

「通常メールだと返信する時には挨拶等、本筋に入るまでに時間がかかります。それに比べ『社内メール』のフォローなら必要な内容だけ書けばよいので、内容を後から把握するのも楽です。研究だけでなく、呑み会の誘いや連絡にも使っています(笑)」(仲沢氏)

▼社内メール
社内メール

活用方法 2「スケジュール」 〜山名先生に連絡するときは必ず確認してから

学生にはプライベートな時間も多いので、「スケジュール」は人によって積極的にデータを入れる学生とあまり入れたがらない学生に二分されている。しかし、山名先生のスケジュールはすべて公開されており、相談を行くときには学生たちも山名先生の予定を確認 した上で相談を持ち掛けているので、全員が利用していることになる。

「相談を受けるときは、私の空いている時間を見て、いくつかの候補を挙げてもらいます。それを『社内メール』で私に送ってもらえば、スケジュールの調整も簡単です」(山名先生)

また、ゼミなど公的なスケジュールに関しては、山名先生がスケジュールに学生を共有して登録している。

学生同士で共同作業をするときも「スケジュール」は役立っている。通常はメールベース、つまり 1 対 1 で予定調整をしていたので、班で作業するときは予定調整がわずらわしかった。しかし、「社内メール」や「スケジュール」を併用することで、その問題が解決できたという。

活用方法 3「ワークフロー」 〜研究の進捗を報告。急ぎの発表会でも対応可能に

いかにも同研究室らしい使い方といえるのが、「ワークフロー」である。学生の研究の進捗報告にワークフローを使って提出させているのである。それ以外にも購入申請、IPアドレス申請、交通費申請、欠席、実験計画、ネットワークトラブル、PC管理状況、計 画書、報告書などありとあらゆる申請書に「ワークフロー」が活用されている。

「研究の進捗報告については、私に提出する前に、必ず自分の先輩のチェックを受けることになっています。ですが、だれにチェックをしてもらうかはその都度変わります。その点、チェックの流れを自由に決められる『ワークフロー』が向いています」(山名先生)

定期的な進捗報告は紙でも提出しているのだが、「ワークフロー」を使うことで急な発表会のときや、山名先生が外にいるときでも迅速に対応できるようになったそうだ。

提出する側である学生の評判も上々だ。

「報告書の書き方の勉強にもなります。書式が決まっているので、用意されたテンプレートに合わせて書くだけ。紙だと書式からすべて自分で作らなくてはいけません」(仲沢氏)

▼ワークフロー
ワークフロー

活用方法 4「ファイル共有」 〜卒論やネットワーク設定を全員で共有

何人かの学生が共同で研究を進める場合は、「社内メール」と「ファイル管理」を使って、情報を共有している。自宅で研究を進めることの多い同研究室の学生にとって、ひとつの場所に集まらなくても、議論、意思の統一、成果物の公開ができるメリットは大き く、集団での作業効率が著しく向上したという。

「『ファイル管理』は先生に卒論を登録しなくてはと言われて、使い始めました。それ以外にネットワークの管理や設定に関する情報も保存しています。学生がいろいろなネットワークシステムを共同して管理していますが、自分が担当しているところを本人だけが把握していても駄目。他の人が設定したこともわかっていないと全体の管理ができません。他の人の設定を全員が知っておく必要がありました」(益子氏)

活用の工夫 〜大学からの連絡を「サイボウズ」でも提供

同大学では、ホームページを使って学生にさまざまなお知らせなどの情報を連絡している。しかし、自分に関係するそれらの情報を見ていない学生もいるのが現実だ。そこで山名先生が自分で確認したときに重要なものがあれば、それを「サイボウズ」を使って学生に伝達している。

「重要な連絡の場合は、私が『サイボウズ』でその情報を学生に送っています。本来なら大学全体で『サイボウズ』が導入されていれば便利なのですが(笑)」(山名先生)

「サイボウズ」の情報伝達の確実さを知っている山名先生にとっては、単なるホームページを使った情報提供のシステムは不満なようだ。

今後の展望 〜共有リンク集で学生個人が持っている情報を共有

山名先生がこれから導入しようと考えているのは、学生たちの情報を持ちよった共有リンク集だ。学生たちが自分の研究のために探した、あるいは作ったホームページの情報を持ちよって、ひとつの大きな共有リンク集を作れば、今各学生のところに個別に管理され ている情報が共有されることになる。

「『サイボウズ』ではみんなの共有リンク集が作れるので、そこに関連リンクを作ると、研究室のリンク集ができる」(山名先生)

それができあがれば、これから新しい研究を始めるときや、新しく入ってきた学生にとって役立つ情報になるだろう。

山名先生

システム概要

ネットワーク 大学の回線のバックボーンは高速なギガレベル。同研究室でも約 100 Mbps の回線が引かれている。21世紀 COE プログラムのための新研究室からは専用線接続で学内 LAN と直結して、同研究室内の「サイボウズ」にアクセスしている。サーバーには Solaris 8 を使っている。

システム概要図

システム概要図

関連リンク

製品情報

サイボウズ Office

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