トヨクモ株式会社、トヨクモクラウドコネクト株式会社にとっての
「kintone認定資格の役割」から「組織的にkintone認定資格を受ける意義」、
「上位資格への考え方」についてお話を伺いました。
トヨクモはサイボウズの100%子会社として設立した会社です。「情報サービスを通して豊かな社会生活の実現に貢献する」という企業理念を掲げています。 トヨクモでは、情報サービスのことを、「必要な知恵や情報を、必要なタイミングで必要な人に届けること」だと考えています。そして、情報サービスは、この先もまだまだ成長するジャンルだと認識しています。 情報サービスを展開するにあたり、kintoneはウェブの業務システムにおいて、スタンダードになってきています。kintoneにどんな情報を入れて活用したら、さらに便利になるのか。ここが重要なポイントです。このポイントに着目しながら、サービスを提供しています。
トヨクモクラウドコネクト(以下、TCCと略称)では、kintoneを主軸としたセミオーダー型のパッケージシステムを作っています。システムの開発だけでなく、そのシステムを使って業務を行うところまで一括して行う、BPaaS(Business Process as a Service )というかたちのサービスを提供しています。 これは、BPO(Business Process Outsourcing:業務の外部委託)に近い考え方です。kintoneがあることで、お客様の求めるシステムだけでなく、周辺業務まで組み立ててスピーディに提供できています。
トヨクモでは、kintoneをあらゆる業務で活用しています。
kintoneが業務の基盤になっているので、kintoneの基本を理解していないと開発作業を進められません。なので、自然と学習せざるを得ない環境になっています。
マーケティングスタッフや受注など、オペレーションを担当するビジネスサイドのメンバーも、ほぼ全員がkintone認定資格を取得しています。これは、kintoneの可能性や利便性を理解するには、まず基本を学ぶ必要があるからです。
新しく入社してくる社員は、新鮮な視点を持っています。社内で当たり前のように使われている仕組みに対しても、「なぜこうなっているのか」「こうした方がもっと便利ではないか」といった率直な意見を出してくれます。そういった意見が出たときに、kintoneの基本的な仕組みを活用して改善案を考え、実際に試してみることを推奨しています。
すべての業務がkintoneをベースに作られているため、kintoneを知らなければ、業務をさらに効率化するための工夫ができません。ある程度の知識を持っていたほうがスムーズに業務ができると考えているので、資格取得を推奨しています。
TCCでは、「お客様の期待を超えなければいけない」と考えています。
お客様から言われる前に不安の種を取り除き、まだ表には出てきていない課題についても、きちんと先回りして回収しなければいけません。
kintoneを使うと、とても簡単にサービスを作ることができます。しかし、だからといってすぐにサービスを展開してよいというわけではありません。公開前に、準備しなければならないものが山ほどあります。そのことを知らずにサービスを展開すると、アクセスの急増でサーバーがダウンしたり、設定ミスにより情報漏洩を起こしてしまったりすることもあります。実際、コロナ禍において、そのようなトラブルが頻発しました。
そのような事態を未然に防ぐためにも、お客様以上に、お客様の業務とkintoneについて知っておく必要があります。お客様に安心をお届けする意味でも、アソシエイトやアプリデザインスペシャリスト、マネジメントエキスパートの知識を社員が確実に身につけていくことを、意識しています。
認定資格の存在は、スキルレベルを判断する分かりやすい基準になります。「基礎レベルの知識を身につけましょう」と言っても、「基礎レベル」の概念は人によって解釈が異なります。しかし、認定資格があることで、求められるスキルレベルが明確になります。また、資格の取得は、保有者がある一定以上のレベルに達していることを示す指標となります。
資格があれば、社内はもちろん、外部のお客様に対しても分かりやすくスキルを示すことができます。知識は目に見えないものですが、資格によってレベルを可視化できるわけです。認定資格は、kintoneについての一定の理解と能力を持っていることを、客観的に証明してくれています。
全員が資格を取得している会社であるというポイントを、信頼の証として持っておかなければいけない。社長は除外などと言っているようでは駄目だ、と思ったからです。
当初は「除外だ」って言っていましたけどね。
一同:(笑)
1週間の学習で資格をとったメンバーが出てきたので、「少し勉強したら取れるかな」という軽い気持ちも当初はありました。「日常業務でkintoneを使っているし、何とかなるだろう」と。しかし、覚えることが多くて、思った以上に難しかったですね。知らないこともたくさんあり、「自分が活用しきれていない機能がこんなにあったのか」と驚きました。今まで知らずに直感的に使っていましたが、もっと運用に使える機能がたくさんあることに、資格の勉強を通して気づくことができました。
動画のコンテンツとテキストがあるので、それらを活用しました。動画を見ながらテキストを読むと、だいたいのイメージがつかめます。テキストには細かな注意点が書いてあるので、動画だけでなく、テキストまでしっかり目を通しておくことが大切です。
最初は概念を理解するために動画を見ます。その後、テキストを読んでから、実際の画面でチェックする。「こんな設計があるんだ」「こうやったらできるんだ」と、実際の画面を通してチェックするとわかりやすいです。テキストを見ながら実際に機能を触ることで、一つひとつ覚えていきました。
私は先日、マネジメントエキスパートを受験しました。この資格は受験できる日が限られているため、2ヶ月くらい前から予定を立てて取り組みました。勉強方法は、サインポストのWebサイトの読み込みです。あとは小論文対策として、サイボウズのサンプル例題に沿って自分で書いてみて、メンバーからフィードバックをもらうということを繰り返し行いました。エキスパートの試験では、選択問題ではなく記述式の問題が出るため、他人の目を入れてフィードバックをもらうと良い練習になります。
周りのメンバーみんなが取得しているため、資格を取らないでいると「業務のベースができていないのではないか」と感じるのかもしれません。資格を取得して数年経験したメンバーについては、資格取得によってベースを作ったことで、その後の業務に取り組みやすくなった部分があると思います。資格を取る過程で基礎知識を身につけ、業務を効率的に理解していく。このことが自信にもつながります。また、新たに入社してくるメンバーに対しても「資格を取っていたほうが理解がはやい」という教育になっています。「資格取得を目指すのが当たり前」という文化が醸成されてきました。
みんなが楽しんで資格にチャレンジしているような雰囲気があります。kintoneサインポストに「現場主体」という言葉がありますが、それを体現するかのように、「みんなで取ろう」という風潮になってきています。
細かな機能の学習が目の前の仕事に直結しない部署もあります。しかし、業務としてkintoneを使うため、知識を持っていたほうが、当然、業務への理解は深まります。実際に「勉強して良かった」という声も多く、資格取得の輪が自然に広がっています。
資格を取得していくなかで、社員同士がいわゆる切磋琢磨というか、刺激しあっている面もありますね。
TCCもそうです。上位資格を持つ人は、社内でも一目置かれる存在になっています。もともと詳しかった人も、資格を取ることで「やっぱりあの人はよく知っている」と信頼度がさらに上がった感じがします。資格を持つことが、バロメーターになっているところがありますね。
みんながkintoneの基本概念を理解していることで、新たな課題に直面したとき、どのようなアプリケーションを作れば解決できるのか、課題解決の力が向上しています。これにより、管理者側は運用方針を指示するだけで業務を進められるようになり、業務効率も上がってきました。
kintoneに関する共通言語や共通の考え方が浸透したことで、コミュニケーションがより円滑になりました。例えば、不適切な運用方法が見られたときに、kintoneの基本を理解している社員には簡単な説明だけで伝わります。「話がはやい」というのが実感です。
認定資格は、社内外の両面で重要な役割を果たしています。組織内では、共通言語としての機能が特に顕著で、意思の疎通がしやすくなります。また、社内での用語の統一は、議事録などの理解のしやすさにも直結します。
これは、お客様との対話でも言えることです。共通の専門用語や概念を用いることで、より正確で効率的な情報交換が可能になります。もちろんこれは、お客様の知識レベルによっても変わってきますけれど。
企業としてのDXを推進したいと思うなら、kintoneを使いこなす知識は欠かせません。確かに、基本的な利用であれば深い知識がなくても可能です。しかし、DXを本格的に加速させたいなら、kintoneの認定資格を取得しておくことが望ましいでしょう。
資格を取得する際に得られる知識は、単なる理論にとどまりません。実際に業務に活用したくなるものです。資格取得が、さらなる学習意欲や実践的な活用につながって、その結果、DXの加速にもつながっていくと感じています。
kintoneに関する適切な知識がないと、お客様は「あれもこれも」と大きな期待を寄せ、実現できない要求をしてしまう傾向があります。WordやExcelに特有の機能があるように、kintoneにも特有の機能と限界が存在します。基幹システムで行うべき処理とkintoneで行うべき処理の区別など、適切な使い分けを知っておかないといけません。
共通の認識を持つことで、ベンダーとユーザー間のコミュニケーションが円滑になります。kintoneの可能性と限界を双方が理解していて初めて、建設的な対話ができるようになるのです。
kintoneの認定資格を取得し、ベースとなる知識を身につけることで、アイディアが広がっていきます。創造性を活かして、ぜひ自慢のシステムを作ってください。
kintone認定アソシエイトは、社会人になりたての人や、初めて業務システムを組んでみる人に、ぜひチャレンジしてほしい資格です。入門編のようなイメージを持つかもしれませんが、決して簡単な試験ではなく、合格に至らないケースもあります。それでも、資格を取るために学んだ過程を通じて、ノーコード開発の考え方を理解することができるでしょう。
今、DX人材への需要が高まっているなかで、DX人材として力をつけていくためにも、kintone認定資格の取得はとても有効だと思います。
トヨクモ株式会社
kintoneを便利に活用するために、シンプルで分かりやすい連携サービスを提供してまいります。必要最低限のわかりやすいサービスを低価格で!はじめの一歩を踏み出しやすくしていきたいと考えております。
トヨクモクラウドコネクト株式会社
ローコード・ノーコードを活用したSaaSサプライチェーンのパワーにより、ありとあらゆる業務や業界のDXに貢献します。
今回は山本さん、田里さんに全社員がkintone認定資格を受験する意義を中心にkintone認定資格の役割についてインタビューをさせていただきました。
kintone認定資格を全社員が受験し、学習することで、組織的な課題解決能力のアップに貢献しているというお話を伺うことができました。
この記事を読んでkintone認定資格を組織的に受験することに興味を持っていただけると嬉しいです。
改めて山本さん、田里さん、インタビューにご協力いただきありがとうございました!
“kintone認定資格”「聞いたことはあるけれど、チームメンバーが取得してもどんなメリットがあるのかわからない」と、資格取得を積極的に推奨することがなかった、というご担当者様もいらっしゃるかもしれません。資格取得支援制度を用いてチームメンバーのkintone認定資格取得をサポートされている、サイボウズ オフィシャルパートナーである株式会社ニックス様にお話をお伺いしました。