導入製品 サイボウズ デヂエ | かんたんシリーズ
企業情報


■会社名:
株式会社インフロー
■ホームページ:
株式会社インフローホームページ
■利用製品:
- サイボウズ デヂエ
- サイボウズ メールワイズ
■利用人数:
7人
■業種:
製造業
■サーバー OS:
Red Hat Linux
株式会社インフロー
代表取締役 田坂 正樹氏
「P板」(ピーバン)。聞きなれない「P板」という言葉、これは‘プリント基板’を指す。‘プリント基板’とは、電化製品の半導体同士をつなげる役割を果たす小さな板のことだ。携帯電話・パソコン・冷蔵庫など、我々の生活に必要不可欠な製品に、なくてはならない部品である。この‘プリント基板’を日本で初めて、ネット上で販売したのが株式会社インフローだ。サイトの名称は「P板.com」(ピーバンドットコム)という。
プリント基板を小ロットで調達する際の最大のネックは、イニシャル費用にあるそうだ。たった一枚のプリント基板製造時でさえ、フィルム費、シルク版代、作画費、ドリルデータ費用など、高額なイニシャル費用がかかる。同社はネット通販を通じ、なんとそのイニシャル費用を無料にしたのだ。画期的なビジネスモデルで、「気軽に」・「手軽に」・「安く」、基盤製造ができるサービスだ。同社の画期的なサービスはこれだけではない。パターン設計 CAD ソフトの無料ダウンロードサービス、新たに始まった海外ながらも発注から 2営業日程度での出荷ができる「スーパークイック製造サービス」など、次々とニーズの高いサービスを実施している。最近では大企業からの引き合いもますます増えているそうだ。
今回は、同社で効率的な業務からスタッフの意識改革まで実現したという「デヂエ」について取材を行った。
導入背景と決め手
そもそも同社では、Excel や Access で情報を管理、更新していたという。
「スタッフそれぞれ得意なソフトで管理していました。ある者は Excel や Access で、ある者はファイルメーカーで。しかしこれでは更新作業にも時間がかかるし、場所がばらばらでした。ブラウザベースで簡単に更新できて、情報を一元化できるものを探していました。」(田坂氏)
また、それまでの情報に加え、品質管理のためのクレーム管理をしたいという想いもあったそうだ。既に「サイボウズ Office」「サイボウズ メールワイズ」を導入していたため、田坂氏はまずサイボウズのホームページを見たという。そこで見つけたのが「デヂエ」である。サイボウズの他製品と同様に、試用することが出来たため早速ダウンロードして使ってみたのだそうだ。
「決め手は使い勝手の良いインターフェイスとコスト面でしたね。」(田坂氏)
こうして、すぐにデヂエの導入が決定した。
クレーム管理ライブラリ
まず導入のきっかけとなったクレーム管理から「デヂエ」の利用法を紹介しよう。同社でのクレーム件数は月に 10件程度。受注の処理ミスや配送のミス、結局はお客様に迷惑のかからなかったものまで、すべてをクレームとしてカウントしているという。
「海外で生産している以上、品質と納期は遵守したい。そのためにも、実際お客様の迷惑になっていない事項でも問題として認識した時点で改善しなくてはいけません。」(田坂氏)
クレーム管理の業務フローは以下の通りだ。
クレーム管理フロー
- クレームの電話やメールを各担当者が受ける
- 対応を行った人が、クレームの内容や対応方法をデヂエに登録する
- レコードが登録されると、管理者にメールで通知される
- クレームのあったお客様に対して、再納品する際、対応についてのアンケートを送付する
- アンケート回収後、結果をデヂエに入力する
- 管理者にメールで通知され、回答内容を元に問題提議から改善活動を行う
「デヂエでクレームを管理するようになって、どんなクレームが多いのかが一目で分かるようになりましたね。以前の Excel の時よりも運用が楽だし、何より情報を一元化することがとても重要だという意識を社員に持たせることができました。」(田坂氏)
活用方法
同社では、実際にお客様対応をする社員からの要望でできたライブラリがいくつかある。本項では、現場の声から生まれたという便利な活用方法を紹介しよう。
引継ぎライブラリ
このライブラリは、ユーザーからの問い合わせで、対応が完了していない案件を蓄積していくためのものだ。どうして対応が途中になっているのか、理由を書くフィールドも設けているため、対応漏れが無くなり、ユーザーが何に困っているのかを理解するのに役立っている。また、受注管理システムとの整合性を図ることができるので、担当者でなければ分からない、といったようなことは無く、スピーディな対応が可能となったそうだ。
工場問い合わせライブラリ
同社では海外に工場を持ち、製造を行っている。工場からミスの報告や、問い合わせが本社に入ると、その案件をライブラリに登録していく。決して見逃してはいけないミスなのか、フローを改善すべきミスなのか、など、どんなミスや問い合わせが多いのかを集計している。ミスが極端に多いものについては、すぐに問題提起し、フロー改善に役立てているのだそうだ。
導入の結果と今後の展望
田坂氏は、それぞれの活用方法から生まれたデヂエ導入の効果を、以下のように語ってくれた。
「大きな効果は、今まで定量化できていなかった問い合わせや、ミスの数字を取るようになって、問題が目に見えるようになったことです。これはすぐに業務改善に繋げていける。社員の意識も変わったことが大きいですね。」(田坂氏)
今、何がボトルネックになっているのか。それを知るためのライブラリが多いという。また、それは実際に現場で業務をこなす担当者からの声で生まれたものなのだ。
もちろん、当初の目的であった情報を一元化して共有できるようになり、業務の効率化をも生んだことになる。
今後は、具体的にどんなライブラリを作る、ということよりも、もっと社員の意識改革をしていきたいと田坂氏は語る。
「業務が効率的になって良かった、というだけではなくて、業務改善をしていくことが大切な仕事だという意識をもっと現場のオペレーターにも根付かせていきたいですね。いくつか社員の要望をもとに作成したライブラリがありますが、それがもっともっと増えていってほしい。」(田坂氏)
あわせて、サイボウズ製品を 3製品同時に使いこなす同社だからこそ、という貴重な要望もいただいた。
「どの製品でもユーザー管理ができますが、一元化できるとさらに良いと思います。ばらばらに登録していても、連携できないと管理が難しいので。」(田坂氏)
9月からは、プリント基板だけでなく、部品の実装サービスもスタートさせる同社。設計から実装まで、P板.com の中での「ワンストップ・ショッピング」を目指しているという。スピーディな事業展開で、さらなる顧客満足度の向上を目指す同社で、デヂエはこれからもますます活躍していくことだろう。
システム概要
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