ワークスタイル07
株式会社ハーベス

若手社員が部署横断のチームで働き方改革を推進!会社の風土は自分たちで創り上げる

特殊潤滑剤や機能性コーティング剤、天然炭酸水、化粧品など、多彩な製品を送り出している株式会社ハーベス(以下、ハーベス)。

2014年4月から、若手社員を中心とした「チーム・ハーベス」というプロジェクトを始動し、働きやすい環境創出のために社員の声を吸い上げ、それを形にするミッションを担っています。今回は、現在「チーム・ハーベス」で活動している4名の方に、プロジェクト開始の経緯や目的、その効果について伺いました。

有志の活動からスタートした働き方改革への取り組み

篠原克弥さん。チーム・ハーベスのリーダーと製造部 主任を務めている。

本日お集まりいただいた4名のみなさんは「チーム・ハーベス」という部署横断のプロジェクトで、働き方改革に取り組んでいると伺っています。

ワークスタイル百科の読者も、制度づくりや風土づくりに取り組んでいる方が多いのですが、そもそも「チーム・ハーベス」というのはどのようなプロジェクトなのでしょうか?

「チーム・ハーベス」は2014年4月にスタートしましたが、前身となる「働きがいプロジェクト」という活動がありました。

今の4名が「チーム・ハーベス」に入る前のことですので、先輩から聞いた話になりますが、社長が「社員が働き方について考える組織があったらいいな」と考えていたのと同じタイミングで、会社をもっとよくしたいと思っている若手社員が中心となり、有志で集まってできたのが「働きがいプロジェクト」だと聞いています。

トップが考えていたのと同じタイミングで有志のグループができていたのはすごいですね。「働きがいプロジェクト」と「チーム・ハーベス」の違いはどのような点なのでしょうか?

「働きがいプロジェクト」は、あくまでも働きがいにフォーカスをあてたものでしたが、「チーム・ハーベス」では、「働きがい」だけでなく「働きやすさ」に関する要望も吸い上げます。福利厚生を提案することもあるので、カバーする範囲が広くなっています。

みなさまは「チーム・ハーベス」へ、どのような経緯で参加されたのですか?

川田泰孝さん。潤滑剤事業部の営業を行いながら、チーム・ハーベスに携わる。

私は入社1年目の時に、「働きがいプロジェクト」の元メンバーからやらないかと声をかけられて参加しました。新人なのに、上司を巻き込んでの活動ができるのかな…と不安は大きかったのですが、実際に活動を始めてみると、風通しもよく非常に相談しやすい環境でした。

私も「働きがいプロジェクト」に参加していた直属の上司から声をかけられて参加しました。「働きがいプロジェクト」のメンバーが会社を良くする活動を目にしていたため、自分の中でも参加したいという想いがありました。

私も先に活動していた社員からのスカウトです。当時は入社2年目でした。「働きがいプロジェクト」から「チーム・ハーベス」に変わった直後だったこともあり、まだ何をしているのかよくわからないままスカウトされました(笑)。

私は、転職してハーベスに来たのですが、それからしばらくして「チーム・ハーベス」で活動していた社員から誘われて入りました。

みなさん、スカウトで入られているんですね。

「家族に見立てたグループで新入社員をサポート」などユニークな制度を導入

「チーム・ハーベス」の具体的な活動内容を教えていただけますか?

一番大きなものは表彰制度です。年末の納会で、会社に貢献した社員に表彰状とプレゼントを渡す制度を作りました。

表彰制度はどういう目的で制度化したのでしょうか?

営業などの成果がわかりやすい人だけでなく、それを支えているメンバーの努力を掘り起こしたい、という想いから始めました。

どうしても表に出にくい業務もありますよね。表彰する人はどのようにして決めるのですか?

昨年行った表彰では、全従業員に「身近で頑張っていると思う人」をアンケートで回答してもらいました。

一律で票数にしてしまうと人数の多い拠点が有利となるので、その点は考慮しながら、最終的には取締役の方々に確認する方式で表彰者を選定しました。「私の仕事を見てくれているんだ」とモチベーション向上に繋げてもらう意図があります。

どのような賞が設けられているのでしょうか?

昨年は、3つの賞を設けました。まず、営業成績がよかったり仕事の困難を乗り越えたなど、会社としての成果を上げた人を対象としたグッドプレーヤー賞。

次に、「ありがとう」と言いたい人を対象にしたベストサンクス賞と、入社3年目以内の若手を対象に「がんばっている人」を表彰する新人賞です。いずれもみんなにアンケートをとって教えてもらいます。

表彰されなかった人はどうなるのでしょうか?

3つの賞を合わせて約10名が表彰されますが、表彰されなかった人にも「こんな頑張りが書かれていた」ということをフィードバックしています。

なるほど!それなら表彰されなかった人も嬉しいですね。ほかにも何か制度化されている取り組みはありますか?

新入社員をサポートする「ファミリー制度」があります。新入社員を子供に見立て、先輩社員を父、母、兄、姉に見立てた4〜5名の「仮想家族」を作っています。

やはり社歴が長い人が「お父さん」になるのでしょうか?

そうですね。社歴が長い人や役職者などをお父さんやお母さんに配し、新入社員時代に子供を経験した3〜4年目中堅社員がお兄ちゃん、お姉ちゃんになるといった具合です。

毎年、新入社員が入る4月からスタートし、年度が変わるとファミリー構成もガラっと変えています。いろいろな人にこの制度に参加してもらうように工夫していて、家族構成は「チーム・ハーベス」が決めています。

ユニークな制度だと思うのですが、案はどのようにして思いついたのでしょうか。

もともと先輩社員が新入社員をサポートするエルダー制度があったので、その制度を改善した形になります。

エルダー制度だと単に先輩社員だけとの絆になってしまいますし、仮にその先輩社員との相性が悪いと新入社員の行き場所がなくなってしまいます。

違う事業部、部署のメンバーで家族を構成することで、普段はあまり接点のない人のコミュニケーションのきっかけになるので、社内の幅広い人間と交流を持たせる制度へと改善しました。

家族で交流した際に発生したお金などは、会社から支給が出るのでしょうか。

はい。今年度は1人当たり3000円の予算を会社がサポートしています。お金をどう使うかは家族間で話合いをして、簡単なレポートをまとめてもらうことになっています。

ファミリー会を楽しみにする声も寄せられていますね。

竹林義紘さん。情報システム室 システム統括マネージャーとチーム・ハーベスの活動を兼任する。

部署が違う人と関わることで、得られる学びもありそうですね。

はい。私は情報システムを扱うのが本来の業務ですが、業務でITシステムについてのヒアリングをすることがあります。

ファミリー制度で業務が違う人と1年間深く付き合っていく中で、普段の仕事の中で行うヒアリングと、プライベートで仲良くなって話す中でのヒアリングでは、得られるものが全く違うことに気づきました。

例えば、ファミリー制度で工場の社員と仲良くなったときには、原料管理や棚卸しの際に、手書きで情報を管理するのが面倒だという話を聞きました。

そこで、大塚商会のモバイルジャケットスキャナを使って、バーコードを読ませて在庫管理ができる原料管理システムを導入したいと思ったのですが、その稟議を上げるときにも、システム導入の背景にある現場の人の思いを伝えられるようになりました。

ファミリー制度によって、本来の業務にもいい影響が出ているということですね。ほかにも何か、成果としてあがっている活動はありますか?

「ハーベススタンダード」というクレドを制定しました。経営理念や社員の規範が今まではあいまいだったため、きちんと定めたものです。

2016年6月の総会で制定する方針を発表し、経営の基本方針・理念と、社員が守る行動規範を1年かけて話し合いました。最終的に2017年6月に総会で発表し、1枚のカードの形になりました。

クレドには、会社の基本方針とともに、「未来をソウゾウしよう!」「世界に誇れるハーベスクオリティを育てよう!」など行動規範が記載されている。

クレド制定には、どのような方が関わられたのでしょうか?

経営の基本方針は取締役の方々全員に、会社の方向性について考えていただきました。行動規範が、私たちがどんなことを守って会社を動かしていきたいかや、何を大事にしていきたいかを、若手を中心に、5〜6回集まって討論し、最終的に8項目に決めました。

働き方改革にはITも活用

竹吉由佳さん。化粧品事業部で働きながら、チーム・ハーベスの活動に関わる。

働き方改革では、制度以外にITツールを使う手もあるかと思います。ITはどのように活用されていますか?

社員旅行のアンケートなど、会社としてみんなの考えを聞きたい場合は、Googleのアンケートフォームを使っています。

会社全体で、社員の意見を多く取り入れてみんなで会社を良くしようという雰囲気があるので、化粧品やその他新製品開発の際にも、なるべく多くの意見を参考にしてより良い製品づくりをするように努めています。

基本的なスケジュール管理やワークフローはサイボウズ Officeを使っています。ちょうど私がハーベスに転職してきたころ、営業へ支給する端末がガラケーからスマホに変わりました。出先で仕事ができるスマホアプリの評判はいいですね。

私が所属する営業部門では、ワークフローによるペーパレス化が大きな効果だと思います。今まで申請はずっと紙ベースだったのですが、サイボウズ Officeならスマホ上で簡単に申請や承認ができるので、外回りをしている営業にとってはありがたいですね。

履歴も残るのでデータ管理上も安心ですし、進捗状況も確認できることから、大きな業務効率化につながっていると思います。

サイボウズ Officeのワークフロー画面(サンプル)。スマートフォン上で申請と承認ができるようになっている。

基幹システムでいうと、大塚商会のSMILEシリーズを10年以上使っていますが、2017年1月リリースの新バージョンで、今までの製造ソフトと販売・受注のソフトを1つに統合しました。

本社・営業と製造・工場とが一元化したツールなので、本当の意味で統制がとれたツールの構築ができたと考えています。

他社の制度を参考に「ハーベスの風土」にあったカスタマイズ

「チーム・ハーベス」の活動を進める上で、他社の事例なども参考にされていますか?

参考にしていますね。ハーベススタンダードに関しては、クレドカードのリッツカールトン社、ジョンソンアンドジョンソンをはじめとした多くの企業の取り組みを参考にさせていただきました。

本社の1階にはBarスペースを設置したのですが、これも実はサイボウズさんのオフィスを見学に行って参考にしたものなんです。コミュニケーションスペースは1つの働き方につながるものなので、部門横断で情報共有ができるメリットがあると思っています。

もやっとしたイメージに他社の事例のヒントを織り交ぜて、自社に合った方法を模索するといったスタンスで制度化を目指すことが多いですね。

私は中途で入ったので、前の会社の制度と比べてしまうことがあります。社員数や規模が違うため、すべてを参考にすることはできませんが、現在、事業の拡大に伴って人が増えている状況です。

1年前は必要だったが、その後はあまり機能していなかったり、陳腐化することもありますので、制度の枠にとらわれずに、その都度、時流にあった改革や変化に対して、柔軟に取り組んでいける組織でありたいと思っています。

「チーム・ハーベス」の活動をしていると、やはり他の会社の働き方改革は気になります。サイボウズさんの部活動なども興味ありますし、社内に提案してみたいと思っています。

他の会社がどんな取り組みをしているかはなかなか情報が入ってこないので、情報収集の意味でも「ワークスタイル百科」には期待しています。

ご期待にそえるようにがんばります。本日はありがとうございました。