投資家の皆様へ

株主・投資家の皆様には、平素より格別のご支援を賜り、厚く御礼申し上げます。
弊社は引き続き、世界で一番使われるグループウェアメーカーを目指し、日々の活動に取り組んでおります。

まず前期(2016年12月期)の主な取り組みをご紹介いたします。

平成28年は、働き方変革の必要性が今まで以上に認識された年になりました。特に年末にかけて、長時間労働の問題が社会的に大きく取り上げられました。このような社会情勢を背景に、多様な働き方を実現するクラウドサービスや業務効率化に貢献するITツールは幅広い企業、団体で利用されるようになってまいりました。そして、クラウドサービスの活用の広がりにより、利用者のニーズに柔軟に対応できるシステムへの需要が益々高まってきております。

このように、働き方変革は社会的に重要な課題であると捉え、当社グループでは「クラウドの力で日本の働き方変革に貢献する」ことを目指し、製品・サービスの普及に励んでまいりました。クラウドサービスによる働き方変革を進めていくためには当社グループのみならずユーザー、パートナーとのつながりが重要になってまいります。平成28年、当社グループは“Connect”をキーワードに掲げ、パートナーを増やすだけでなく、ユーザーとパートナーあるいはパートナー同士をつなぐことにも注力し、当社グループの理想に共感いただいた企業・団体・個人の皆様と協力しながら事業展開してまいりました。


1. 主な製品・サービスの経過及び成果

平成22年からクラウド分野への重点投資を継続しており、適時に製品・サービスを市場に投入してまいりました。その結果、平成23年に提供を開始して以来、「cybozu.com」は有料契約社数が17,000社を超え、順調に拡大を続けております。また、パートナーの数も平成27年度末時点から40社以上増加して276社になりました。

業務アプリ構築クラウドサービス「kintone」

「kintone」は、業務改善に役立つクラウドサービスとして大規模な広告展開を行い認知度が向上してまいりました。また、セールスパートナーによる取り扱いが増加するとともにスタンダードコースの販売が好調となったことにより、売上が連結ベースで前年比80%増加いたしました。
「kintone」は、幅広いニーズに対応可能なサービスですが、パートナーの強みを活かした多種多様な連携サービスを充実させることにより、さらに活用の幅が拡大し、パートナーとユーザーがつながる機会も増加いたしました。

「kintone」は、地方における医療、農業、地域振興にもご利用いただいております。ユーザーであるNKアグリ株式会社がIoTセンサーを利用した地域共創による農業経営安定化の取り組みで総務省「地域情報化大賞2015」において「地域サービス創生部門賞」を、医療法人ゆうの森が、在宅医療により地域を再生するへき地医療ビジネスで「日本サービス大賞」において「地方創生大臣賞」を受賞しました。これらの取り組みには「kintone」が用いられており、クラウドサービスの力で地方創生にも貢献いたしました。
さらに、当社グループのパートナー以外でも「kintone」を取り扱う開発者の増加と認知度の向上のため、「kintone devCamp」や「kintone hive」等のイベントを全国で行い、多くの参加者を集めることができました。

中小企業向けグループウェア「サイボウズ Office」

創業以来、バージョンアップによる機能強化を繰り返しながら多くのユーザーにご利用いただき、平成28年1月に「サイボウズ Office」シリーズの導入社数は50,000社を突破いたしました。その結果、平成28年度は過去最高の売上高を記録いたしました。
パッケージ製品、クラウドサービスを含めた新規ユーザーのうち、約90%の方にクラウドサービスを選択いただいております。新規ユーザー獲得のための地方イベント参加に加え、既存ユーザーとのコミュニケーションを深めるためにコミュニティサイトの活性化にも注力いたしました。

中堅・大規模組織向けグループウェア「Garoon」

「Garoon」は、エンタープライズ向け製品としての認知が広まり、多くの案件を創出いたしました。機能強化により、一層ユーザーのニーズに柔軟に対応できるようになり、大規模企業、地方自治体や官公庁への幅広い提案が可能になりました。横浜市では、20,000名規模でご利用いただくグループウェアとして「Garoon」が導入されました。
平成28年度末時点でパッケージ製品とクラウドサービスを合わせて導入社数4,000社、ユーザー数は200万名を突破いたしました。特にクラウドサービスの売上は単体で前年比36%増加し、堅調に売上を伸ばしております。

無料グループウェア「サイボウズLive」

平成28年4月に累計登録ユーザー数が150万名を突破し、個人向けの無料サービスとして引き続きグループウェアの利用シーン拡大に取り組んでおります。
平成28年12月にはグループチャット機能を搭載した「サイボウズLiveTIMELINE」アプリ上で、従来の「サイボウズLive」が備えていたグループウェア機能も利用可能にするとともに、「サイボウズLive」に名称変更して旧アプリと一本化し機能強化いたしました。今後も、PTA、NPO、サークル活動、ご家庭等様々なグループで便利にお使いいただけるコラボレーションツールとして提供してまいります。

信頼性強化への取り組み

より多くのユーザーに、より長く安心してご利用いただくために、製品・サービス及び当社グループ自体への信頼を高める取り組みに注力いたしました。特に「cybozu.com」の信頼性強化に重点を置いて取り組みを進め、セキュリティ向上に対して継続的な投資を行ってまいりました。社内のセキュリティ・エンジニアの育成や第三者機関による定期的な検証に加え、「脆弱性報奨金制度」を実施いたしました。その結果、報告件数195件のうち90件以上が脆弱性と認定され、これらの対策をしていくことでさらなるセキュリティ向上につながりました。「脆弱性報奨金制度」を活用して寄せられる外部の協力者からの情報は、当社グループが持つセキュリティに関する情報と技術的に補完関係にあることが多く、品質の向上に大いに役立ちました。
こうした取り組みを進める中、当社グループのグループウェア(サイボウズ Office、Garoon)は株式会社ノークリサーチ「2016年版中堅・中小企業のITアプリケーション利用実態と評価レポート」グループウェア部門において、10年連続シェアNo.1を獲得いたしました。また、パートナーとの“Connect”に注力したことにより「日経コンピュータ」誌(発行:株式会社日経BP)が平成28年2月4日号で発表した「パートナー満足度調査2016グループウエア部門」において初めて第1位を獲得したほか、「日経BPガバメントテクノロジー」誌(発行:株式会社日経BP)が平成28年秋号で発表した「自治体ITシステム満足度調査 2016-2017 グループウエア部門」でも4年連続で第1位を獲得いたしました。


2. グローバル展開における体制強化

本格的に始動してから3年を迎える米国子会社 kintone Corporationでは、引き続き現地での人材採用活動を積極的に行い、組織としての体制強化に努めました。平成28年度末時点において従業員14名に人員増加し、今後もアメリカでの販売基盤の構築のため、様々な施策にチャレンジしてまいります。
中国市場においては、平成28年度末時点における導入実績が700社、30,000ユーザーに達する等、大変好調な結果を残すことができました。
東南アジア市場においては、平成27年にアジアに特化したパートナープログラム「Cybozu Asia Partnership Program」を制定して以降、徐々に「kintone」の販路を広げ、平成28年には新たにミャンマー、フィリピンにも販路を拡大いたしました。パートナープログラム制定後は、新規導入件数が前年比400%を超え、東南アジア全体で130社以上の企業に「kintone」を中心とした製品・サービスの導入が進みました。
さらに、平成28年9月には、現地企業複数社と共同で、セールスパートナーとなる「kintone Australia Pty Ltd」に出資し、オセアニア市場にも「kintone」の販売網を構築いたしました。
今後も各地域に特化した体制を用意してグローバル展開を加速させてまいります。


3. その他多様な取り組み

当社のミッションは「チームワークあふれる社会を創る」ことです。チームワークを発揮し効率的に活動するチームを増やすことは、日本の働き方変革の実現につながります。
社会の様々なチームのチームワーク向上のため、製品・サービスの普及だけでなく、チームワークに関する当社グループのノウハウを活かした取り組みにも注力してまいりました。その結果、平成28年2月、株式会社ジェイティービーと業務提携し、中高生に「チームワークを教える」新規プログラムを共同で提供開始いたしました。また、平成28年8月には、地域のチームワークづくりと創業支援を通じ地方創生に貢献する「地域クラウド交流会開催支援プログラム」を開始いたしました。
当社グループ自身もさらに多様性のあるチームになるために、株式会社Warisと共同で、ブランクのある就業経験を持つ主婦の再就職を支援するプログラム「キャリアママインターン」を開催し、その後正社員としての採用にいたりました。
また、Great Place to Work®Institute Japan が主催する2016年「働きがいのある会社」ランキング(従業員100-999人の部門)において、第3位を獲得いたしました。当社グループでは、従業員がやりがいを感じながら働くことが、結果として顧客満足の向上や企業価値の向上につながると考えております。今後も社員の能力を最大限に発揮させることができる環境づくりに取り組んでまいります。

このような状況下において、引き続き“Connect”をキーワードに掲げ、クラウドサービス成長のための投資とエコシステムの拡大・強化に努めてまいります。地域、領域、業界など様々な背景を持ったパートナー同士を、それぞれの特色を活かしてネットワーク化し、当社グループ関連ビジネスの最大化を図ってまいります。

平成29年8月に当社は創立20周年を迎えます。大きな節目となる平成29年は、働き方変革だけでなく、チームワーク関連の取り組みもさらに発展させてまいります。

新規顧客の獲得と継続サービスの推進

「cybozu.com」の安定運用を継続して信頼度をさらに高めるとともに、未導入層・地方向けプロモーション強化に努め、新規顧客の開拓を進めてまいります。また、大企業向けの機能強化を図り、大企業の個別ニーズにも対応できるよう、製品やサービスの適合性をさらに高めてまいります。
クラウドサービスにおいては、サービス内容を充実させることにより、継続利用者の拡大を図ります。また、パッケージ製品についても定期的な改善を継続することで顧客満足度を高め、競合製品への乗り換えを防止してまいります。

グローバル展開の促進

中国、アメリカに続き東南アジアやオーストラリアにも構築した販売網のもと、グローバル展開を加速してまいります。その中でも、特にアメリカでの「kintone」の販売に積極的に取り組んでまいります。

社内チームワークの強化

我々自身も、チームワークあふれ、より長期的に生産性が向上するチームとなることを目指します。そのために、積極的な人材採用と育成、個性を重んじ多様性を受容できる風土や制度の発展、システムやオフィス等のハード面を含めた環境整備、自立と議論の文化づくりをより一層強化してまいります。

クラウドサービス事業者として信頼される内部統制体制の整備

クラウドサービス事業を推進するにあたり、情報セキュリティを含む内部統制体制への信頼性確保の重要性が高まっております。
そのような中で、当社グループは、公明正大の考え方のもと、統制の仕組み化(ルール化、見える化、効率化)をより一層推進し、引き続き株主、ユーザー、パートナー、その他ステークホルダーの皆様からの信頼を確保すべく、内部統制体制の整備に注力してまいります。

引き続き、世界一使われるグループウェアメーカーを目指し、社員一同、全力をあげて活動を進めてまいります。
今後ともご支援ご指導のほどよろしくお願い申し上げます。