投資家の皆様へ

株主・投資家の皆様には、平素より格別のご支援を賜り、厚く御礼申し上げます。
弊社は引き続き、世界で一番使われるグループウェアメーカーを目指し、日々の活動に取り組んでおります。

まず前期(2015年12月期)の主な取り組みをご紹介いたします。

2015年12月期におけるICT関連市場では、スマートデバイスやクラウドサービスが、様々な産業でイノベーションを促進しているほか、地域振興、農業、医療介護の現場等においても業務効率化に貢献しております。このようなICT活用の広がりを背景として、利用者のニーズに柔軟に対応できる、信頼性の高いネットワーク及びシステムへの需要が高まっております。

当社グループでは2010年からクラウド分野への重点投資を継続しており、適時に製品・サービスを市場に投入してまいりました。その結果、2011年に提供を開始して以来、「cybozu.com」サービスはすでに有料契約社数が12,000社を超え、パートナー数も前年から50社以上増加して230社となるなど、順調に拡大を続けております。また、「cybozu.com」サービスの立ち上げ当初は、中小企業がお客様の多くを占めておりましたが、前連結会計年度からは従業員数1,000名を超える大企業との契約も増加してまいりました。


1. 主な製品・サービスの経過及び成果

中小企業向けグループウェア「サイボウズ Office」

パッケージ製品、クラウドサービスを含めた新規顧客のうち、約90%の方にクラウドサービスを選択いただいております。グループウェアを初めて利用する企業も48 %から 55 %へと増加(購入者アンケートより)いたしました。また、新たな施策にも積極的にチャレンジしており、地方イベントへの参加や、ユーザーとのコミュニケーションを深めるためのコミュニティサイトもオープンいたしました。

エンタープライズグループウェア「Garoon」

パッケージ製品、クラウドサービスともに前連結会計年度を超える売上となり、他社グループウェアからの乗り換えも前年比25%増の受注数を獲得いたしました。また、エンタープライズ向け製品としての認知が広まり、多くの案件を創出したほか、機能強化により、一層大規模顧客向けの訴求が可能となりました。その他、各種イベントへも出展し、定期的に開催した自社セミナーでは年間800名以上を集客いたしました。

業務アプリ構築クラウドサービス「kintone」

新規契約が月200件を超え、販売パートナー間での認知も広がってまいりました。特に、前連結会計年度に比べ、スタンダードコースの販売が好調となったことにより、売上が倍増いたしました。大規模な広告展開により認知度も向上したほか、kintoneエバンジェリストなど影響力のあるファン育成も積極的に行ってまいりました。その他の試みとして、「kintone devCamp」や「kintone hive」などのイベントを通じたコミュニケーションも実施し、多くの集客をあげることができました。

無料グループウェア「サイボウズLive」

累計登録ユーザー数が140万名を突破し、個人向けの無料サービスとして引き続きグループウェアの利用シーン拡大に取り組んでおります。2015年11月にはグループチャット機能を搭載したスマホアプリ「サイボウズLive TIMELINE」をリリースいたしました。今後も、PTAやNPO・サークル活動、ご家庭など様々なグループで便利にお使いいただけるコラボレーションツールを提供してまいります。

信頼性強化への取り組み

引き続き注力した活動の一つが、製品及びサービス、そして当社グループ自体への信頼を高める取り組みであります。「cybozu.com」サービスの信頼性強化に重点を置いて取り組みを進め、セキュリティ向上に対して継続的な投資を行ってまいりました。社内のセキュリティ・エンジニアの育成や第三者機関による定期的な検証に加え、引き続き「脆弱性報奨金制度」を実施いたしました。その結果、報告者数24名、報奨金支払金額は6百万円を超え、メディアにも取り上げられました。

こうした取り組みを進める中、株式会社ノークリサーチ社「2015年版中堅・中小企業のITアプリケーション利用実態と評価レポート」グループウェア部門において、当社は9年連続シェアNo.1を獲得いたしました。また、「日経コンピュータ」誌(発行:株式会社日経BP)が発表した「顧客満足度調査2015-2016」において、グループウェア部門で2年連続、11回目の受賞を獲得したほか、「自治体ITシステム満足度調査 2015-2016 グループウェア部門」でも3年連続で第1位を獲得いたしました。


2. グローバル展開における体制強化

本格的に始動してから2年を迎える米国子会社CYBOZU CORPORATIONでは、現地での人材採用活動を積極的に行い、組織としての体制強化に努め、今後の活動に確かな手応えを感じております。

中国市場においては、当連結会計年度末における導入実績が619社に達するなど、大変好調な結果を残すことができました。また、アジア市場での拡販体制強化に向け、アジア地域におけるパートナープログラム「Cybozu Asia Partnership Program」を制定し、kintoneの本格展開を開始いたしました。

今後も各地域に特化した体制を用意してグローバル展開を加速させてまいります。


3. 自社環境の強化

当社グループは、これまで以上に多くの注目を集め、パートナーを巻き込み、ビジネス環境もより高いステージで展開することが求められる時期となりました。

2015年7月には自社環境の強化のため、東京オフィスを後楽森ビルから東京日本橋タワーへ移転いたしました。「Big Hub for Teamwork」をコンセプトとする新オフィスは、異業種の人々が集い、新しいアイデアを出し、共同で価値を創造する中心拠点になることを目指しております。さらに、仙台、松山には営業拠点を開設し、大阪には営業所と開発拠点を統合した新たな事業拠点を開設いたしました。

また、Great Place to Work® Institute Japan が主催する2015年「働きがいのある会社」ランキング(従業員100-999人の部門)において、当社は第3位を獲得いたしました。当社グループでは、従業員がやりがいを感じながら働くことが、結果として顧客満足の向上や企業価値の向上につながると考えております。今後も社員の能力を最大限に発揮させることができる環境作りに取り組んでまいります。


4. 「働き方変革」への取り組み

多様性のある働き方の推進

当社グループは、100人いれば100通りの働き方ができる「多様性」のある会社を目指しております。
時代の移り変わりに伴い、働き方も変化しております。これからの社会で求められる働き方、それは「多様性」のある働き方であると我々は考え、実践してまいりました。「多様性」のある働き方を可能にするためには、それを支える「制度」「風土」「ツール」が必要不可欠となります。100人いれば100通りの働き方があり、100社あれば100通りの企業の「制度」や「風土」があります。

当社グループでは、「多様性」を生み出す「制度」「風土」の重要性を社会に訴えかけ、それを支える「クラウドサービス」=「ツール」の品質向上に邁進しております。2015年もクラウドビジネスを発展・進化させながら、「働き方変革」に取り組む企業姿勢を、他社に先駆け、広く浸透させた1年となりました。

企業活動の幅を拡大

2014年に公開し、youtubeでの再生回数が140万回を記録して大きな話題となった「働くママ」を主人公にしたムービーに引き続き、2015年には「働くパパ」を主人公にしたムービーを制作いたしました。全6話の連続ドラマ形式で展開し、世の中に問題提起を行っております。

「働き方変革」に関する当社グループの活動は世間のニーズとも相まって、TV番組を初めとする多くのメディアで取り上げられるなど、広く世の中に発信されました。これら一連の活動が世間の注目を集めたこともあり、代表取締役社長の青野は総務省のワークスタイル変革プロジェクトの外部アドバイザーを務めるにいたりました。

「多様性」のある働き方の実現のためには、チームワークを発揮するための知識や経験が必要となります。

当社グループは、社会の様々なチームのチームワーク向上に向け、ビジネスパーソンだけでなく、中高大学生向けのチームワーク講習や、中高校生向けイベントなどを積極的に展開し、活動の幅をより一層広げました。

また、社会を支える存在であるNPO法人向けの支援プログラムを開始し、2015年末の段階で83団体に導入いただいております。

上記活動に加え、これまでの試行錯誤の集大成として、代表取締役社長の青野が当社グループの組織についての考え方をまとめた書籍である『チームのことだけ、考えた。』(株式会社ダイヤモンド社)を出版いたしました。


このような状況のもと、今期(2016年12月期)は更なる拡大・強化のため、“Connect”をキーワードとして展開いたします。

キーワードは“Connect”

Connectには「連結する」、「接続する」、「繋げる」という意味があります。クラウドサービスの普及とkintoneによって、事業環境は大きく変化しました。kintoneでは、更なるエコシステム拡大を図るべく、首都圏における熱量を地方に広げていく活動を展開しながら、kintoneエコシステムを「つなぐ」活動を強化いたします。

また、当社グループは現在、パートナーの数を増やす段階から、シナジーを生み出す段階へと進む重要な時期を迎えております。地域、領域、業界など様々な背景を持ったパートナー同士を、それぞれの特色を生かしてネットワーク化すること。それが、“Connect”の一つの取り組みであり、これを通して当社関連ビジネスの最大化を図ってまいります。

プロモーションにおいても新たな展開を計画しております。年次プライベートイベント「cybozu.com conference」も更なる進化のため、会場を都内のホテルから幕張メッセへと移し、kintone開発系イベントや地域クラウド交流会とあわせて、“Connect”の集大成として開催いたします。

新規顧客の獲得

「cybozu.com」サービスの安定運用を継続し信頼度をさらに高めるとともに、未導入層・地方向けのプロモーション強化に努め、新規顧客の開拓を進めてまいります。また、大企業向けの機能強化を図り、大企業の個別ニーズにも対応できるよう、製品やサービスの適合性をさらに高めてまいります。海外市場に関しては、強化した体制のもと、本格的にアメリカや中国での「cybozu.com」サービスの販売を推進してまいります。

継続サービスの推進

クラウドサービスにおいてはサービス内容を充実させることにより、継続利用者の拡大を図ってまいります。また、パッケージ製品ついても定期的な改善を継続することで、顧客満足度を高め、競合製品への乗り換えを防止してまいります。

クラウドサービス事業者としての信頼される内部統制体制の整備

クラウドサービス事業を推進するにあたり、情報セキュリティを含む内部統制体制への信頼性確保の重要性が高まっております。そのような中で、当社グループは、公明正大の考え方の下、統制の仕組み化(ルール化、見える化、効率化)をより一層推進し、引き続き株主、顧客、パートナー、その他ステークホルダーの皆様からの信頼を確保すべく、内部統制体制の整備に注力してまいります。

社内のチームワークインフラの整備

我々自身も、よりチームワーク溢れ、より長期的に生産性が向上するチームとなることを目指しております。そのために、オフィス環境の有効活用、個性を重んじ多様性を許容できる風土や制度の発展、自立と議論の文化づくりをより一層強化してまいります。

引き続き、世界一使われるグループウェアメーカーを目指し、社員一同、全力をあげて活動を進めてまいります。

今後ともご支援ご指導のほどよろしくお願い申し上げます。