自動化が進んでもわたしたちの仕事はなくならない!? ―バックオフィスチームを率いるリーダーに聞いてみた

現場が成功を体験したら改善のアイデアが芋づる式に出てくる

1981年創業、IT業界で長い歴史を持つNDIソリューションズ株式会社。
15名のメンバーとバックオフィス業務の業務改善に取り組んだリーダーが、今回ご登場いただく西村 美保さんです。
西村さんは、業務の自動化や効率化につきものの、現場メンバーからの不安とどう向き合ったのか?その心構えを聞いてみました。

西村 美保(にしむら・みほ)さん
NDIソリューションズ株式会社
BPA推進部BPA推進課課長
西村 美保(にしむら・みほ)さん(以下敬略)
2001年に中途採用で入社。
営業アシスタントやインサイドセールスなど、社内で営業をサポートする15名のメンバーを率いる。

このままのやり方でいいのか?という危機感

まず、バックオフィス業務を自動化しようと思い立ったきっかけをお伺いしたいのですが。
いつごろから着手されたんですか?

西村さん
2016年から2017年にかけてです。
当時から営業事務のリーダー的な役割をしていたのですが、チームのメンバーで産休や育休を取る人が続出しまして。組織変更もあって、どうしても人手が足りない状況になってしまったんです。
しかも、業務マニュアルとか、引き継ぎの手続きも整備されていなくて。

人手も足りない、引継ぎもうまくいかない。リーダーとしては大ピンチですね。

西村さん
当時は、会社の戦略が大きく変化した時期でもあったんですよね。
扱う商材が増えたことで、対応する業務フローも多様化せざるを得ない状況で。

お話を聞いているだけで、現場の混乱が容易に想像できます。

西村さん
結果的に、バックオフィス業務のサービスの品質が低下してしまって。
さすがに、このままのやり方ではまずいなという危機感を持ちました。
メンバーも疲弊していきますし、ちょっとでも手が空かないか、業務に余裕を持たせられないかということでRPA化(自動化)に挑戦しました。
手始めに、トランザクション量がものすごい、手作業のものを自動化したんです。

自動化に着手するのって、すごく大きなチャレンジですね。
どなたか相談できるかたはいらっしゃったんですか?

西村さん
弊社の開発部門ですね。

開発部門とうまく連携されて。
自動化してどのぐらいの効果が出たんですか?

西村さん
ピーク時では派遣社員も合わせて16人のメンバーで運用していましたが、現在は11人で業務をこなせるようになりました。

効果が実感できると、改善のアイデアが芋づる式に出てくる

16人が11人に!劇的な変化ですね。
現場のみなさんにも変化が出てくるのではないでしょうか?

西村さん
はい。目に見えた効果が出ると、チームのメンバーがやる気になってくれて。
そこからは、けっこう芋づる式に、ここ自動化したらどうですか?
ここはどうでしょう。みたいな感じで、改善のアイデアがどんどん出てくる
ようになりました。

出てきたアイデアの活用は、どのように進めていかれたんですか?

西村さん
自動化で空いた時間をどうするかという検討のなかで、「わたしたちの社内の問題ってどこだろうね?」っていうディスカッションに発展しまして。
自分たちのなかで不足しているのは、やっぱり情報連携とか、情報の一元化じゃないかっていう話がでてきたんですよね。
それで、kintoneを使い始めたんですけれども。
今では、受発注業務の各部門のデータのやり取りやコミュニケーションを、全部kintoneで統一しています。

kintoneがうまく業務改善に一役買っているというか。
ツールとしてうまく使ってくださっているっていう感じなんですかね。

西村さん
そうですね。
チームのメンバーもなにか問題があったときに、「じゃkintoneでやってみよう」っていうアイデアが自然と出てきますね。

ここはシステム化したいなとか、ペーパーレス化したいなとなったら、「kintoneのアプリ作ってみましょう」みたいな意見が、メンバーから自然と出る?

西村さん
そうです。そうです。
自分でアプリを作ったりする人もたくさんいますし。
「とりあえずアプリ作ってみよう」とか、やってますね。
テストで作ったアプリとか含めると、もう数十個ぐらいは作っていて、実際に動いてるのは10数個とかですかね。
ほかの部門もあわせたら、もっとずっと多いですけど。
kintoneを導入して、他部門との情報共有がスムーズにできるようになったので、自部門だけではなくほかの部門を含めた業務フローを見直そうという発想が生まれやすくなったと感じています。
kintoneがあることで、全社のビジネスプロセスを見える化できるようになりました。

kintoneの操作とかはそんなに抵抗なく、みなさんやられているんですね。

コードが書けなくてもカスタマイズに挑戦

西村さん
ただやっぱり、JavaScriptとか書かなきゃいけないような、ちょっと込み入ったものになるとだいぶ難しくなりますよね。
なので最近、gusuku Customineっていう、JavaScriptを書かずにメニューで操作できるっていうのも、導入を進めたりしています。
ちょっとしたカスタマイズに挑戦するだけで、すごく便利になりますし。

kintoneの標準機能だけでは足りないところは、カスタマイズで実現されているんですね。

西村さん
今は、クラウドサインを使いたくて。
契約に同意するとアプリに貼り付けられる。「これいけるな!」と思ったんですけど。
ハードルが高い部分もあって、苦戦しています。

それも西村さんのチームのメンバーが?

西村さん
はい。チームのメンバーが、わたしの席の隣で、「うーん」ってなりながら。悪戦苦闘してます(笑)

クラウドサインは契約書の管理が目的ですか?

西村さん
弊社に常駐いただいているSEのかたの契約の管理とかですね。
今までは担当者の個人任せという感じになってまして。
個人のPCの個人フォルダの中に、前回の契約書データとか、更新状況を管理したExcelが入っているという状況でした。
契約は3か月更新だったりするんですけど、やっぱり忘れちゃうんですよね。
なので、kintoneのアプリで管理して、アラート機能を使って、更新日の2か月前に「そろそろ更新だよ」っていう連絡がいくように通知を飛ばしてます。

なるほど。リマインダー使って。

西村さん
そうそう。リマインダー。
保守の更新とかも1年に1回だったりするとやっぱり忘れちゃうんで、リマインダーがすごく便利なんですよね。

業務改善をすると仕事が奪われてしまうという誤解

業務改善の効果が実感できたことで、現場のみなさんが自ら手を動かす、アイデアを出すというモードに切り替わったんですね。
それまでは、みなさんはどういう感じでお仕事されてたんですか?

西村さん
ちょっときつい表現になるかもしれませんが、「旧型ロボット」とわたしは呼んでいます。
言われたことだけをコツコツと理由も考えずにやるっていう。

そこを変えていこうと。

西村さん
そうですね。
「旧型ロボットはもうやめて、考えて行動できる人間になろうよ」って、言ってます。
業務改善すると、自分の仕事が奪われてしまうんじゃないかって、誤解している人がいるんですけど。
そうじゃない。将来の自分のためにやるものだよっていうのをちゃんと伝えたいと思っています。

将来の自分のため、というと具体的にどんなことをイメージされてますか?

西村さん
たとえば、kintoneでアプリを1個作るにしても知識が足りなくて、「こうやりたいのにできない」とか、まだまだあるんですよね。
時間が取れれば、セミナーに行くなり、資格を取るなりして、みんながもっと知識を深めていけば、もっと業務が勝手に回ってくれるようになりますし。
この先、自動化なりで業務が少なくなった時に、「業務以外の何か」ができるようになっておかなきゃいけないっていうのを伝えていきたいです。

自動化で人間がやるところは減るけれども、そこで空いた時間で何をするかっていうところをもうちょっと考えていきましょうと。

西村さん
そうですね。
わたしたちにしかできないことって絶対あると思うので。

会社の価値を高めていくための活動に

ところで、西村さんのチームが挑戦した、バックオフィス業務の自動化大作戦がきっかけとなって、新しい部署ができたとうかがったのです。

西村さん
はい。業務改革推進室ですね。
今は、そこの部署がBPA推進部という名前に変わりました。

BPAは、Business Process Automationの略ですか?

西村さん
そうです。そうです。
「BPA」っていう言葉が部署名についたのが、実はけっこう大きな変化でして。
弊社は「変化の一歩先を。お客様と共に・・・」をビジョンとしているのですが、AIなどの新しい技術を活用した製品やサービスを開発し、お客様の業務改善をご提案するというミッションがあります。
そのミッションをまず、社内での業務から考え、発掘していき、そこから何か製品化できないかっていうところで。
わたしたちのチームが取り組んだ、この一連の活動を、社内の業務改善だけに終わらせるのではなく、会社の価値を高めていくための活動につなげていけないかという。

バックオフィス的な部門って、一般的に日の目を浴びにくいところだと思うんですけど。
西村さんのチームは、そんなこと全然なくて、今後どんどんスポットライトが当たっていきそうな勢いを感じますね。

パワーのみなもと

最後にみなさんにお聞きしているんですけど。
西村さんにとっての業務改善とは?

西村さん
パワーのみなもと、ですかね。
業務改善をしたくてたまらないっていう(笑)
本当に無駄なことが嫌いなんですよね。
自動化って、いわゆる業務の洗い出しをしてスリム化することもできるので。
「なんでもかんでも自動化っていうよりも、まず業務フローを見直しましょうよ」っていうことも含めてやるので。無駄を排除できる。
もう本当に無駄だらけだったんだっていうのが、やっぱり進めれば進めるほど発覚してくるので。

無駄を見つけると、黙っていられない?

西村さん
無駄はストレスになりますから(笑)
つい、「なんでそれやってるの?」って眉をしかめちゃうんですけど。
もう、それいけないなって思って(笑)

「業務改善は仕事を奪うものではなく、将来の自分たちのためにやるものなんだ」っていう言葉、ぐっときますね。
もしかしたら、この「誤解」が現場での業務改善が進まないことの要因のひとつになっているとしたら。
日々の業務をこなすだけで精いっぱい、今までのやり方を変えることにも不安がある。
忙しい年末だからこそ、少し立ち止まって、チームの少し先の「未来」に向けたディスカッションをしてみるのはいかがでしょうか。
あなたのチームは、空いた時間ができたら何をしますか?