最初の3か月は時間の初期投資。“使わされてた人”が「kintone使ったら便利だよ」って言い出すようになる。

「いいから使え」っていう押し付けはしたくなかったんです

2020年、記念すべき第1回は、岐阜県恵那市でケーブルテレビ事業を運営する株式会社アミックスコムの安藤 満秋さんです。
岐阜県恵那市といえば、今年のNHK大河ドラマ「麒麟がくる」の主役、明智光秀のゆかりの地のひとつとしても有名な、長野県と愛知県に隣接する自然豊かな地域です。
「人の気持ちばっかりに目がいってしまいがち。非効率でも平和に業務が回っていればいい」という“人情派”リーダーが、どのようにしてメンバーがみずからkintoneを使って業務改善に取り組む土壌を作ったのか?「ツールを導入したのに、メンバーが使ってくれない」とお悩みの業務リーダーのみなさま、必見です!

安藤 満秋(あんどう・みつあき)さん
株式会社アミックスコム
安藤 満秋(あんどう・みつあき)さん(以下敬略)
営業部 サポート営業チーム リーダー。
3年前に中途採用で営業職として入社後、4名のサポートスタッフをまとめる。
社長からのトップダウンでkintoneの導入を一任され担当者に。

今日はよろしくお願いします!
業務改善リレー初の中部地方進出、楽しみにしておりました!

安藤さん
わざわざお越しいただき、ありがとうございます。わたしも楽しみにしておりました。

業務をきちんとわかっていないチームリーダーが業務改善?!

さっそくですが、安藤さんはお客さまとの窓口業務を行うチームの、リーダーをされてるんですね?

安藤さん
もともと営業の一担当者としてスタートして、2年半ぐらい前に、サポートチームのリーダーになりました。
わたしたちのチームは、お客さまからのケーブルテレビへの入会受付をして、取引先に工事発注をして、工事が完了したらお客さまに請求するという、受付から売り上げを上げるというところまでをやっているんですけど。
それが全部、担当者おのおののやりかたで、属人化されてしまうんですよね。
担当者によっては残業時間も多くて、リーダーになったときは、そこを何とか、変えたいと思ってました。

残業を減らしたい、属人化も何とかしたい。最初は、どんな対策を?

安藤さん
作業の漏れがなくなるように、チェックリスト増やしてみたり。
お客さまからのクレームがきたら、その場しのぎで対策考えてみたり。
結局、業務をしっかりわかっていない業務リーダーが改善しようとしても、小手先だけの対策ばかりで、ますます属人化して、むしろ残業も増えて。

そんなツライ状況で、kintoneの導入担当者にアサインされたんですね。

目的は業務改善であって、kintoneありきじゃないでしょ

安藤さん
はい。社長に「kintoneさっさと契約して、とりあえず使い始めてよ」って言われまして。
Cybozu Daysでkintoneの話を聴いたり見たりして、自分の頭の中では「今の業務をkintoneに寄せてったら、なんかすごく解消されそうだな」って。良い予感はしてました。

どういう形で導入されたんですか?

安藤さん
工事の日々のスケジュール管理を紙でやってたのを、まずはkintoneにしようと考えました。

工事のスケジュールって、工事業者さんと、実際にケーブルテレビに加入していただくお客さまとの調整が必要ですよね。業務としては肝になりそうな。
それが、紙だったんですか?!

安藤さん
紙でやらなくちゃいけない理由もあったんですよね。
お客さまの個人情報を扱う関係で、PマークとかISMSで認証されているのもあって、うちなりのルールの配下でデータを扱わないといけなかった。
それが足かせになって、わけのわからない紙の業務が結構残ってました(笑)

たしかに、個人情報の取り扱いは難しいところですね。

安藤さん
kintoneを使ったら、IPアドレス制限を掛けられるし、Basic認証も用意しているので、そこで認証は掛けられるし、工事業者とも共有できるから解決できるんじゃないかってことで。

メンバーのみなさんの反応はどうだったんですか?

安藤さん
「業務改善が目的であって、別にkintone使うのが目的じゃないでしょ」みたいな声はやっぱりありました。
もともと、わたしがこの工事管理の作業を自分の仕事としてやっていたわけではないですし、自分なりに業務をしっかりわかっているわけではないので、引け目もありました。

冷ややかな反応ですね。
今まで業務を担当されてきたかたにそう言われてしまうと、リーダーとはいえ、やりにくいですよね。

「いいから使え」とは言いたくなかった

安藤さん
なので、「kintone使ってみてくれない?」って、お願いをしました。
やっぱりkintoneっていう、
この空気感ゆえに、押し付けたくないっていう気持ちがすごく強かったので。
「いいから使え」みたいなことは言いたくなかったんです。

「使ってみましょう」っていう提案ではなく、お願いしたんですね。

安藤さん
もともとわたしが感じたkintoneの良さって、「チームのメンバーみんなで改善できそうなところにある」と思ってて。
メンバーの納得感が高いなかで、自分たちで能動的に動いてほしいっていう期待が強かったんです。
そこが期待よりはちょっと弱かっただけで、お願したときの反応は「別にいいけど」って(笑)

メンバーがkintoneへの移行作業を始めくれたんですね?

安藤さん
どうしても作業できるのは、窓口業務が終わってからになってしまうので、少し残業しながら。
工事スケジュールのデータをkintoneのアプリに置き換えてってくれました。

最初のアプリは、安藤さんがご自身で作られたんですか?

安藤さん
最初は、ジョイゾーさんが「システム39」で一緒に入ってくださって。
対面開発で作っていただいたものがベースになってます。

スケジュールという表面的なデータの裏に、いろんなデータを追加できるという発見

残業しながらもkintoneへの置き換えは進んでいったんですね。
だんだん、皆さんを巻き込めてきた感じですね。

安藤さん
ケーブルテレビの工事スケジュールは、お客さまの都合によって変わったり、なかなか確定できないケースが、全体の1~2割は出てくるんですよね。
宙ぶらりんなままの工事案件が担当者持ちになって、連絡が漏れたり、クレームの原因になったりする。
それが、kintoneでステータスを持たせることによって、誰が見ても工事の状況がひと目で把握できるようになった。
表面はスケジュールなんだけど、その裏にデータを持たせることができるっていうことに、みんなが気づき始めるんですよ。

紙で管理していたスケジュールでは実現できない。kintoneに移行したからこそ気づけた。
発見ですね。

安藤さん
1個のアプリを巡って「kintoneを使うとすごく便利になる」っていう実感が、みんなに湧き始めたんですよね。
アプリの名前も最初は「スケジュール管理」っていう名称だったんですけど、「工事管理」っていう、より実態に近い名称に変えました。

アプリの名称を変えたのは、メンバー内の話し合いの中で?

毎日使っていくとアプリの形が変わってくる

安藤さん
そうです。
毎日アプリを使っていくと、名前だけじゃなく、形も変わってくるんですよね。
わたしは、もともとシステムとか一切興味がないし、営業しかやってきてませんでしたから、アプリの絵が描けなかったんですよね。
それを現場の人が使うことによって、自分たちの使いやすいようにどんどん変えていってくれる。
わたし自身、それがすごく面白くて。

現場の人からの要望を、安藤さんがアプリに反映していったんですか?

安藤さん
要望は目の前で、すぐにその場で反映するようにしてました。
ちょっと直すだけなのに何日も待たせてしまうと、「どうせ使い勝手よくないからでしょ」ってネガティブな反応をされてしまう。最初でつまずいちゃうのがすごく怖かったんですよね。
「3分、5分で直るよ」って、意見を聞きながらその場で、もう速攻で対応してました(笑)

そこまでやってくれたら、皆さんの反応も変わってきますよね?

安藤さん
やっぱり自分のアイデアが採用されて、毎日の作業負荷も目に見えて減ってくると、意識が変わってくるんですよね。アプリが自分のものになっていくんですね。

kintoneを“使わされてた人”が「それはkintoneで運用した方が便利だよ」って言い始める

kintoneが、安藤さんのものではなく、メンバーみんなのものになっていったんですね。

安藤さん
kintoneを使い始めて、3、4か月たったころだったと思うのですが。
社内で、毎月チームごとの成果発表を共有する会がありまして。
そこで、ほかのチームの発表を聞いていたメンバーが「それはkintoneでやったほうが便利なのに」って言いだしたんです。
わたしのように、kintoneの導入担当者が言っても、「まぁミッションだし。」ってことになりますけど。
kintoneを“使わされてた人”が言うと、すごく説得力があるんですよね。

そうですよね。ほかの人の納得感がぜんぜん違う。

安藤さん
そう。力がありますよね。
それで、社内で「kintoneって便利らしいよ」っていう口コミがちょっとずつ出てきて。
最初にわたしが実感した、メンバーの変化でしたね。

最初の3か月は時間の初期投資

安藤さん
kintoneを導入する前にも、システム化したいっていう話はもちろんあって、外注してシステム作ろうとなったこともあったんです。
でもそのときに「業務フローが書けないのに、要件定義なんて出せるの?」って言われて。
「それはそうだな、確かに」とそのときはそこで止まってしまった。
kintoneはそれが逆なんですよね。とりあえずアプリという実物を作っていったら、「業務フローってどうだっけ」という思考が出てくる。

kintoneがあったことで業務の分解がしやすかったっていうのがあるんでしょうか?

安藤さん
あります。あります。
自分たちの手で、自分たちの業務をkintoneにすることって、実は業務を分解していくプロセスと似てるなと思ってて。
わたしは、特に業務がよくわからないなかでkintoneを導入する立場になったので。
アプリにどういうフィールドを追加していけば、最後のプロセスまでできるかっていうことを、自分なりに考えて、手を動かしてっていうことをひたすらやってましたから。

その、ひたすら考えてやっていた期間って、どのぐらいでしたか?

安藤さん
3か月ですね。
わたしは、いわゆる時間の初期投資はそこ、その3か月だと思ってるんですよ。
わたしたちの場合は「スタート地点が紙」っていう、すごくアナログな世界だったので。
3か月我慢したら、景色が劇的に変わりました。

その「3か月の我慢」というのは、やっぱり残業が増えたりっていうこともありますよね?

安藤さん
日々の業務は変わらないので、どうしても残業にはなりますよね。
ただその3か月が、「自分たちで変えていける」っていう腹落ちをするまでにかかる時間なんですよね。
それまでは、問題が起きるたびに、取ってつけたような対策を回して、納期に追われる毎日だったのが、今はクレームやトラブルが起きたら、その事象に対して、「kintoneでやったら、どういう風に対策できるか」って言う声が、自然に出るようになってきたんです。
解決できる場所ができたっていうのはすごく大きい。
日常で起きるささいな事故っていうのは、対策を講じるプラットフォームを1つに決めてしまえば、形を変えるだけで解決できるようになる。すごくシンプルになると感じています。

プラットフォームがkintoneで、解決するための形というのが、つまりアプリひとつひとつの形なんですね。

苦労している人が、苦労していることを周りが理解できるようにしたい

最後に、皆さんにおうかがいしているんですけど。
安藤さんにとっての業務改善とは?

安藤さん
わたし自身は、ぜんぜん業務改善気質じゃないんですよね。
人の気持ちとかばっかりに目がいって、非効率でも平和に回っていればいいかみたいな。
あえて言うなら、チームワークを考え直すこと。チームで業務を回すこと、見つめ直すことが業務改善かなと。

作業効率化と業務改善ってイコールだと考えている人が多いと思うんですけど、安藤さんの場合、効率化というより、マインドの部分が大きいのかもしれないですよね。

安藤さん
わたし個人のスタンス、というか思いでもあるんですけど。
やっぱりチームを預かっているという目線でみると、苦労してる人が、苦労してることが、きちんと周りから理解されるようにしたいんですよね。
できれば、それがより短いスパンで理解されてほしい。
時間をかければ、おのずと理解されてくることもあるんですけど。それじゃ遅いっていうのは感じてて。kintoneっていうツールを使って、データになって可視化されると、誰かが苦労してることによって、周りがうまく回っているというところが見えるようになってくる。
そこがkintoneと、わたしが考える業務改善と、すごく相性が良かったのかなと思っています。

“人情派リーダー”が取り組む業務改善、いかがでしたでしょうか?
さっそく取り入れたい、すぐにでもマネしたくなるヒントが満載だったのではないでしょうか?
大事なことなので、まとめておきます(笑)
この3つのポイントだけでも心の片隅に残していただければ、こんなにうれしいことはありません!
1. ツールを導入するときには、まずお願いしてみる。
2. 最初の3か月は初期投資と割り切る。
3. ツールを、導入担当者だけではなく、みんなのものにする。

最後にお知らせです。
今回ご登場いただいた安藤さんが、2月25日(火)kintone hive nagoyaに登壇されます。
さらに臨場感を持った、熱い業務改善への思いが語られるのは間違いありません。
まだ申し込みを受け付けているようなので、ぜひチェックを!