業務改善で人生が変わった
― アルバイトから始めた僕が「お前には価値がある」と言われるようになったわけ

自分の中のちょっとの改善の連続なんですよね

デイ・ナイト株式会社は、NTTグループの不動産事業会社であるNTT都市開発の100%子会社で、飲食事業、ホールや貸会議室、シェアオフィスなどの運営事業、ドラマや映画の撮影場所の提供を行うロケーションサービス事業などを展開しています。
斉藤さんは、200名の従業員のなかで経理課でもあり、kintoneの管理や保守を行うシステム管理者でもあるという“唯一無二の存在”として活躍されています。
高卒でアルバイトからスタートした斉藤さんが、入社5年を経て、同僚や親会社のかたから「お前の力が必要だ」、「お前には価値がある」とまで言われるようになったわけとは?

斉藤 領(さいとう・りょう)さん
デイ・ナイト株式会社
企画部 経理課 主査 システム管理者
斉藤 領(さいとう・りょう)さん(以下敬略)
高校を卒業し、5年間のフリーターを経て、アルバイトとしてデイ・ナイト株式会社に入社。
入社1か月後に社員として登用され6年め。

頼りになる経理になりたいと思って

今日はよろしくお願いします!
デイ・ナイトさんって、レストラン事業だけじゃなくて、ドラマや映画のロケ地を提供したり、長崎県のアンテナショップを運営したり、幅広く展開されてますよね。
この会社を選ばれたきっかけ教えていただけますか?
採用の面接みたいですね。(笑)

斉藤さん
もともと、経理の仕事をしたくて、就職先を探してて。
経理の経験がまったくない状態だと正社員での就職って難しいんですけど、ここで経理のアルバイトを募集してたので。それでたまたま。ハローワークから紹介されて。って感じです。

kintoneを2017年からお使いいただいていますが、導入したきっかけは、斉藤さんが見つけてくださった?

斉藤さん
そうですね。
元々、請求書とか売上の管理をExcelでやってて。
そこらへんをまずは、Excelの関数を使ってシステムっぽく作ったんですよ。

Excelで関数を入れたりっていうのはご自身で勉強されて?

斉藤さん
そうですね。ここに入ってからですね。
実際に経理の仕事を学んでいくなかで、「なんでこんなに面倒くさいんだろう」って思って。
で、なんかできないかなっていうことで、Excelがやっぱり身近だったので、勉強していって。
VLOOKUP関数とかそういうので簡単に作れるんだって知って、システムっぽく作ったりして。
でもExcelだと、やっぱりミスだったりとか壊れたりだとかが結構多くて。
本当はプログラミングとか自分でできたら良いなって思ったんですけど、そこまでの能力がなかったので。(笑)
何かないのかって探していって、kintoneを見つけました。
自分で作れるっていうところがいいなって。

全部おひとりでやられてたんですか?

斉藤さん
基本的に全部ひとりですね。
Excelの限界を感じたのも、遠隔地との共有の部分で限界を感じたりだとかして。

kintone導入については、上司のかたには相談して?

斉藤さん
「今こういう業務があって、こういう問題がありますよ」っていう話をして。
「これを解決するために、これを入れたらいいと思うんですよ」っていう話をざっくりして。
それでまぁ認めてもらって。

入社して3年ぐらいで、お任せというか、信頼されている感じですよね?

斉藤さん
はい。
1年ぐらいである程度経理の仕事っていうのは覚えて、そこから改善とか、なんかやったほうがいいなっていうのを思い始めて。
ちょうど上司が変わったタイミングだったんですよね。
で、変わった上司が結構任せてくれる人だったので、思っていることを、経理のシステムにExcelを取り入れたりとかっていうのを始めていって、3年後ぐらいのときにkintoneを導入したって感じでしたね。

アプリを作って試してみてっていうところも、斉藤さんがすべておひとりでやられてたんですよね?
不安になったり、プレッシャーになったりはしなかったですか?

斉藤さん
なかったですね。
ほんと好きでやってるって感じでした
興味本位でどんどん、kintoneの使い方とかも覚えていきましたし。
改善していきたいっていうのも、使命感というよりは、楽しいなって
日々日々ちょっとずつよくなっていくのが楽しくて。
自分の性質として、学ぶとか、考えるとかが好きなんだと思うんですね
こうしたらもっと良くなるかなって思って、それを実現する方法を勉強してっていうのが楽しくて。

kintoneを導入して、一番数字とかで変化があったところっていうとどういうところですかね?
工数とかでいうと。

斉藤さん
そうですね。
請求書の発行っていうのは、時間でいうと半分ぐらいにはなってますね。
今までは送った請求書の控えを見ながら、別の売上報告の表に手入力してたんですけど、そこの作業がまるまるなくなったので、そこはもうかなりですよね。
kintoneに入力するだけで、あらためて表に起こすっていうことが必要なくなったので。

現場の皆さんはもう「kintone便利だね」って。
何の抵抗もなく、斉藤さんの言う通りにやってみようって動かれている感じですよね。
それってなんかテクニックというか、こういうことをしたみたいなのってあったりするんですか?

斉藤さん
うーん。特にこれということはないんですけど。
とにかく寄り添って、物事を考えたんですよね。
経理って、なんていうんですかね。事務的なポジションじゃないですか。
「領収書がないから清算させません」とか

うるさいことを言ってくる人っていうイメージですよね。経理って。(笑)

斉藤さん
それだと、意味ないな。いる意味ないなと思って
であれば柔軟に対応してくれる、頼りになる経理になりたいと思って。

目も合わせてくれなかった店長さんが、当たり前のようにkintoneを使ってくれるように

頼りになる経理になりたいってすごいかっこいいですね!
そうなるために意識されていることってありますか?

斉藤さん
会って話をするってことですかね。
用事もないのにちょっと行ったりとかしたりとか。

社内でやり取りされてるかたって何歳ぐらいのかたが多いんですか?

斉藤さん
最初に担当してたのは、飲食店舗だけだったので、そのときは店長さんとか現場の責任者とやり取りすることが多くて。
40オーバーのかたとかが多かったです。

40オーバーの飲食店の店長さんとかだと、信頼関係作るのって難しくなかったですか?

斉藤さん
最初、ほんとの最初、入社したてとかは、目も合わせてくれないみたいな感じでした。

この若造がみたいな?

斉藤さん
そうです。そうです。
本部に新しい若いのが入ったなみたいな。

その若いのがうるさいこと言ってくるぞって。

斉藤さん
そうそう。
今までって、私がいる本部機能っていうのが、親会社から出向してきた社員で固められてた組織だったんですよね。
その中で社員として、新しく雇うっていうことが今までなくって。
だからよけいに、奇異の目でみられたというか。
「何なんだろうあいつ」みたいな。

奇異の目でみられてて、そんな雰囲気のところに行くのいやだな、とかはなかったですか?

斉藤さん
ほんとの、ほんとの最初はありました。
入社3か月とかはけっこう。やだなっては思ってたんですけど。
今までのアルバイトとか、学生時代のアルバイトとかでも、組織のなかでけっこううまくやれてたんですよね。
たぶんここでも、ちゃんと自分のやることやってればそうなるって信じてました。

そんな、目も合わせてくれなかった店長さんが普通にkintoneにデータを入力するようになるって、すごいことですよね。

斉藤さん
とにかく話を聞くっていうことが大事かなって。何回も何回も足を運んで。
ときにはそのまま「ちょっと飲みに行きませんか?」って誘って飲みに行って、いろんな話をさせてもらったりとか。
自分を知ってもらって。相手のことも知って
で、相手の求めていることをどんどん提供して。
僕が来るまでは、親会社から来た出向社員が本部にいたので、気軽に言える雰囲気じゃなかったみたいなんですよね。
なので、最初は僕に対しても構えられてたんですけど。
そうやって「言ったことをやってくれるんだ」っていう風に思ってもらえて。関係性が作れたのかなって。

できる限りの最善策を提示する

頼られる経理を目指してきて、実際、「頼られてるな」って思われる瞬間ってありますか?

斉藤さん
具体的にあげるのは難しいんですが、だいたい相談ごとの電話は全部僕に集中するので。

どういった相談が多いんですか?

斉藤さん
「こういう数字が出したいんだけど、資料ないかな」とか、「こういう情報ないかな」っていうのもそうですし、「お料理をこぼしちゃって。クリーニング代、どうしよう?」みたいな話とかもそうですし。

「クリーニング代どうしよう」って。結構細かい話ですよね。(笑)

斉藤さん
何でも屋みたいですよね。(笑)
そういうときでも、お客さんの立場とか、今相談している人の立場とかいろいろ考えて、できる限りの最善策を提示します。

めちゃくちゃ頼られてますよね。やっぱり頼られると嬉しいです?

斉藤さん
はい。頼られるのが嬉しい。たしかに、嬉しいですね。
斉藤さん
存在価値があるというか。
フリーター時代って、あんまり存在意義ってないんですよ。社会的に。
ないと思い込んでたところもあるんですけど。
まぁそこがあったからこそ、なんか別に働くっていうのが苦じゃないというか。

頼られるのがうれしいからがんばれる。

斉藤さん
そこに自分がいる。

「お前には価値がある」って、最近言われるようになってきた

誰でも良いわけじゃないですもんね。斉藤さんに聞きたいって、みんな思ってるんですもんね。

斉藤さん
なんかそういう話が、ここにきてけっこう具現化されてきてはいるんですよね。
「お前には価値がある」って言っていただけるようになってきた。

どういう方面から聞くことが多いですか?
斉藤さんの価値。みたいなのが評価されるのって。

斉藤さん
身近な人間からですかね。同じ部署もそうですし。
各事業部の責任者と結構密に話をさせてもらってるんですけど。
そういう人たちから、今までだと困ったときに相談されるだけだったんですけど。
その人たちが「何かしたい」っていうときに、「最初から力を貸してほしい」、「お前の力が必要だ」って言ってもらえるように、今はなってきたかなって。

改善できることを見つけたら、自分がやるべきことがまたできたという風に思える

斉藤さんのお話を聞いていると、すごく前向きにこつこつと、信頼を得るための努力をして、結果を出されてるなって思うんですけど。 そんなに理想的なことってある?って。(笑)

斉藤さん
まぁ、でもやっぱり、マイナスのスタートだったからっていうのはありますね。
高卒でフリーターが5年間って、周りの同世代よりは、はるかにマイナスなわけですよね。
なので、仕事があることが喜びというか。ありがたいっていうか。
改善できることを見つけたら、自分がやるべきことがまたできたという風に思えるので

kintone使って他社のコンサルとかやったらどう?って言われるんです

今、全然知らない人に自分の仕事を説明するとしたら、どんな風に説明します?
「斉藤さんのご職業はなんですか?」って言われたら。
「経理です」っていうのもちょっと違うじゃないですか。

斉藤さん
難しいですね。(笑)
「経理です」って最近はもう言ってないですね。
対外的に紹介されるときは、やっぱり今結構kintone使ってることもあって、「システム担当です」って言われたり。
が、そこでもなくなってきてるんですよね。
なので「なんて説明したらいいんでしょう」と思うんですけど。(笑)

経理として売上とか数字を見て、アプリ作ってシステム管理者みたいなこともやられて、いろんな範囲の質問や相談にも答えられてて。

斉藤さん
うちの上から言われているのは、「kintone使って他社のコンサルとかやったらどう?」って。
「それを商売にしたらどう?」とかっていう風に言ってもらったりしていて。

コンサル?!めちゃくちゃ評価高い。

斉藤さん
ほんと、ありがたいことなんですが。
この数か月というか、ほんとにこの7、8、9月ぐらいでぐっと評価が上がったというか。

この夏から。
ますます仕事が楽しくなっちゃいますね。

斉藤さん
楽しくてしょうがないっていうところはありますね。
何かやることなすこと、どんどん評価してもらってて。
今までは本当に、日陰というか、裏かたでずっと来てたと思うんですよね。
もちろん表に立ったりとかもしないですし、外部のかたとの打ち合わせも参加することってほとんどなかった。社内でカタカタ事務作業しているってことがほとんどだったんですけど。
だんだんだんだん外に出ていくことによって、自分の価値みたいなものが明確になってきたというか。
今まで隠れていたのが、表に出たことによって「やっぱり価値あるじゃん」ってここにきて思ってもらっている感じですかね。

自分で特にアピールしたわけでもなく、スポットライトが急に当たり始めた。

斉藤さん
急に。ですかね。
フリーターでくすぶってたところから、段階をへて今ここにきてますけど。それも自分のなかのちょっとの改善の連続なんですよね。
もともと改善が好きだっていうところもあると思うんですけどね。
それが結果的に、どんどんどんどん影響の輪が広がってきて、「他社のコンサルやったらどう?」とまで言ってもらえるようになってきて、本当に自分でもびっくりするぐらいです。

まさにサクセスストーリという言葉にふさわしいお話でした。
その成功には驚くような秘密はなく、運がいいだけというのでもなく、誰でもその気になったら始められそうなことばかり。
でも“その気”が大切なんですよね。いつやるか、今でしょう(笑)