家事も仕事も。改善って楽しい!
― 自分がやらなくてもいいことを増やす「秘策」

ほったらかしで自動でぶんぶん回るのが理想なんです。

家事と業務改善?!
一見、まったく無関係に見える二つですが、実は共通するハックがあったんです。
ITの専門知識がないにもかかわらず、kintone導入の立役者となった渡邉 祐子さん。
家事も業務改善も心の底から楽しんでいるのが伝わってきて、こちらも自然と笑顔になるような、素敵なインタビューとなりました。

渡邉 祐子(わたなべ・ゆうこ)さん
株式会社Fast Fitness Japan
人事部
渡邉 祐子(わたなべ・ゆうこ)さん(以下敬略)
人事部に異動前に、kintone導入の立役者として活躍。
株式会社Fast Fitness Japanは、米国発、24時間利用できるフィットネスクラブ「エニタイムフィットネス」を日本でフランチャイズ展開している。
3児の母。
※インタビューには、IT企画室 室長の星野 幸太郎さんにもご同席いただきました。

今日はよろしくお願いします!
さっそくですが、渡邉さんは、育児休職明けに人事部に異動されたんですね。

渡邉さん
はい。人事部に異動して、採用面接をしたりしています。

星野さんと一緒にお仕事されることもあるんですか?
星野さんからみた、渡邉さんのお仕事ぶりとか、おうかがしてもいいですか?(笑)

星野さん
良いこと言っといたほうがいいかな。(笑)
彼女の良いところっていうと、2つあって。
ひとつは頭の回転がものすごく早い。会話をしていて、気持ちいいというか。
あとは、いつも明るい。
私が入社したときは、ちょうど彼女は育児休職中だったんですよね。
噂で、彼女がkintoneを導入して、色々ルール作り含めて、パソコンのセッティングみたいなことまでやっていたという風に聞いていて。

バックグラウンドがないなかで、よくぞここまで

渡邉さん
kintoneを導入したときは、システムの担当者がいなかったので、総務法務室のわたしともう1名の女性と2人で、手探りでやっていましたね。

星野さんは、kintone導入時にはまだ入社してらっしゃらなかったんですね?

星野さん
そうなんです。
ITの専門知識や経験がない女性が、よくぞここまで、社内で旗振って定着させたなって思ってました。
渡邉さん
経験がないから。怖いもの知らずでいけたっていうのはありますよね。
でも導入当時は、楽しくてしかたがなかったです。
星野さん
またね、この楽しかったって言えるのがすごいですよね。
ほんとは苦労しているはずですよ。こういうことやるのはホント大変ですから。
今までのやり方を大きく変えないといけないので。
渡邉さん
導入前は、あれもこれもほんとにひどくて。
使っているファイルサーバーが部署ごとに別だったりとか。ぜんぜん統一感がなくて、本当に大変だったんです。
で、このサイボウズの製品を入れるだけで、ちょっとまとまった感があって。
各々で持ってたデータベースとかがまとまってきて。
社内がひとつになるような感じがして、導入時はもうほんとにすごく楽しかったですね。

アプリにできないのは、業務フローが整理できていないから

社内がひとつに!
そこまで感じられるのってすごいですよね!
kintoneを導入するにあたって、気を付けていたというか、テクニックみたいなものってあるんでしょうか。

渡邉さん
整理整頓。業務フローの整理整頓。ですかね。
わたしたち、kintoneのアプリを作るときは、いつも白紙から作るんですね。
サンプルアプリとかは使わずに。
で、そのときにどういう機能を使うとか、この業務はこうしたいからここに連携のものを入れたらいいよねって考えながら。
「なぜルックアップを使いたいのか」とか、「どうしてルックアップじゃなくて関連レコード一覧にしたいか」とかは、業務を知っていないとできないことで。
そこで業務を整理できてないとアプリは作れないよねっていうことになるんですよね。

業務が整理されてないってなったらどういうアクションになるんですか?
ヒアリングになるのか?ルール作りになったり?

渡邉さん
見直しですね。わたしたちがやってたのは。
「この業務には、なんでこのルールがいるのか?」とか、「なんでこの手順でやんなきゃいけないのか?」とか。
根本的な見直しをしてました。

ただアプリ作るんじゃなくて、業務フローの見直しまでを見越してっていうのがすばらしいですよね。
そこの「改善の肝」みたいなところのセンスとかってどうやって磨かれたんですか?

渡邉さん
えー。(笑)
センス?あります。そんなの?(笑)
たとえば何かのアプリを作るとき。「じゃあ、店舗マスターを作ります。」っていうときに、「その店舗の契約期間はどうなってるんだ」とか、「駐車場の契約はあるのか」とか、「管理会社はどこなのか」とか、いろいろ載せなくちゃいけない情報があって、どんどん煩雑になっていくんですけど。
そこで、「そのアプリでは何がみえなきゃだめなの?」を考えて、金額が重要だったら金額を載せるようにとか。
そういう、業務の何が重要で、何が見えてなきゃいけないとか、ここは見えてなくてもいいとか。
そうやってアプリを作っていくなかで、かなり自分の中でも整理されて。
アプリを作りながら業務フローを整理するっていうのもあったかもです。

アプリで、何でもかんでも見えればいいわけじゃなくて、このアプリは何が目的で、何が見たいからこのアプリを作ったみたいなものを整理して。

渡邉さん
そうですね。目的とか。何を見るためにとか。
何にこだわってじゃないけど、「このアプリで何がしたいか」っていうところを重視して。

たとえるなら、家を建てるのと一緒

星野さん
たとえるなら、家を建てるのと一緒なんでしょうね。
どういう家に住みたいか、3LDKでどっちの方角向いていて、二階建てなのか三階建てなのか。
建てたい家のイメージが付いたら、建築士さんに頼んで、図面を書いてもらって。
で、内装屋さんが壁紙決めて、家具を買ってきてとかってやりますよね。
そこがアプリを作る工程なんでしょうね。
そこに人が出入りしていく。
星野さん
当社の場合は成長の過渡期というか、日々感じかたがかわるというか。
昨日まで役に立っていたと思ってたものが、今日はまったく見向きもされないみたいなぐらいの変化が早いところなので。
設計した運用だって変わってくることもあるかもしれないし、そこにどうアジャストしていくかっていうのも大事なんだと思いますね。

今回のケースってけっこう珍しくて。
だいたい情報システム室のかたとかが「導入するぞ!」っていって始めたけど、現場のかたは全然使えなくってっていうパターンが多い中で、現場のかたがアプリを作るとかツールを作るのを楽しんでやってるのって、すごくすばらしい企業さんだなって。

渡邉さん
おほめいただきました。(笑)

全員で一丸となってやっている感じが素敵だなって。

星野さん
そう。大事ですよね。
だいたい失敗するシステムって情報システム部の思いだけでやって。

現場に浸透しない。

星野さん
現場感のないものですね。
住めない家を建てちゃうっていうのは、失敗する典型例ですよね。

アプリが乱立してしまう課題

渡邉さん
kintoneを導入するにあたって、気を付けていたことでいうと、作ったアプリの管理ですかね。
アプリが乱立してしまうっていう課題があって。

誰が作ったんだかわからなくなっちゃったりすることってありますよね。
誰がアプリの管理者なのかがわからない。

渡邉さん
そうなんですよね。
なので、アプリを作るときのルールとして、問い合わせ先を載せるようにしてました。

なるほど。それは渡邉さんが考えられたルールなんですか?

渡邉さん
そうです。そうです。総務で考えて。
あとは、ポータルの「お知らせ」のところを使って、アプリの入力ルールだったり、よく使うアプリや申請アプリはこういうの使ってくださいっていうのを載せたり。
アプリを使う側じゃなくて、作る側のルールっていうのが大切なんじゃないかって。
実は前からお聞きしたいと思ってたんですけど、アプリって作った順に表示されるじゃないですか。使用頻度の高いアプリを優先的に、上のほうに表示したいって思うんですけど、アプリを表示する順番は変えられないんですよね?

アプリの表示順の順番変更できたらいいのにっていうご要望はたしかに多くいただきます。
実現できていないのが、心苦しいのですが。
解決策としては、アプリを管理するためのアプリみたいなのを作って、探しやすくしたりっていう工夫をされているお客さまはけっこういらっしゃいます。

星野さん
アプリを管理するアプリ。それ面白いな。(笑)
アプリ乱立の対策として、何か月か前に、アプリを新規で作るのを申請制にしたんですよ。
アプリを作る権限をわたしだけにして、いったん止血はした感じですね。
ここから治療に入っていこうと考えているんですけど、アプリを管理するアプリって、ちょっといいアイデアもらったかもしれない。(笑)
渡邉さん
整理整頓は基本ですからね。(笑)

自分がやらなくてもいい業務を増やしたい

日々お仕事しているなかで、改善したいって思うようなことってありますか?
業務改善とか、そんな大げさな話じゃなくてもいいんですけど。

渡邉さん
改善したいこと、たくさんあります。(笑)
今は、自分にしかできない業務をいかになくすかっていうところですかね。
星野さん
なるほど。自分じゃなくてもできるようにする。
いわゆる標準化っていうところだと思いますけどね。

標準化、っていう意味でも業務フローの整理整頓が重要になりますよね。

渡邉さん
理想をいえば、自分でやらなくても、業務が自動で勝手にぶんぶん回るような。
そんな感じになっていけばいいなと。

自分で抱え込まずに、ほかの人にやってもらったり、システムが自動的に結果を返してくれたり。

渡邉さん
そうですね。
自分の中で抱え込んじゃうといろいろ進むものも進まなくなるので。
限られた時間をいかに効率よく仕事するか。

お子さんもいて、子育てとかもあるので、会社に自分がいなくてもできることを増やしたいっていうのがあるんですかね。

渡邉さん
それはめちゃくちゃあります。
限られた時間しか働けないので。
限られた時間のなかで自分がやらなくていいことを探す。自分がやらなくていい業務を増やしていく。
勝手に結果が来るとか、ほったらかしで。
ほんとにそれは大事ですね。

お子さんができて、その辺の意識も変わってきた感じですか。

渡邉さん
もうだいぶ変わりましたね。
家事にしても、自分がやらなくてもほったらかしで、勝手に回るようにしてます。(笑)
家の中にしても、家電はタイマーだらけですよ。(笑)
お風呂も自動で湧く。食洗器も回ってる。
全部タイマーで自動で。(笑)

会社の業務も、家事も、自分がやらなくていいことをどんどん作って、自分の時間を作っていく。

渡邉さん
そうそう。あとはやっぱり、整理整頓ですね。
業務にしても、なんかこの業務ごたついてるなって思ったら、意外ときちんと整理すればできることってありません?(笑)
星野さん
あるよ。あるある。(笑)
渡邉さん
ただファイルを並び変えれば済む話だったとか。
どうですか?
星野さん
大変すばらしい。(笑)

終始愉快なお二人の掛け合いで、あっという間に取材の時間が過ぎてしまいました。
仕事においても家事においても「自分でやらなくてもいいこと」を増やしたり、作業を自動化したりすることで、「やりたいこと」を実現するための時間に回す。家事だったら家族と過ごす時間だったり、仕事だったら新しいアイデアを生み出すための投資のための時間だったり。
自然と周りの人を巻き込める渡邉さんの人柄や、一人で抱え込まないことで大きな成果を生み出せた成功体験があるからこそ、自信をもって言えることなのかもしれません。
今年から、作業時間の10%を新しいことにチャレンジする時間に回しましょう~という話をプロジェクトチーム内でしていたことを思い出しました。ってできてないってことですね (汗)