【大企業におけるIT部門と事業部門の「部門間連携」実態調査】部門間連携を重視する企業は全体の85%/必要と考えるも実施できていない1位は「データ活用」

サイボウズ株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:青野慶久、以下サイボウズ)は、従業員数1000人以上の大企業560社の情報システム部門に在籍および情報システム業務に関与する係長以上に対し、IT部門と事業部門の「部門間連携」に関する実態調査を実施しました。

調査サマリ

  • 部門間連携を重視する企業は全体の85%で、経営層が関心を寄せる企業も90%である一方、経営層が実際に支援しているのは約半数。
  • 部門間連携の取り組みでは、「セキュリティの強化支援」が最も多い一方、必要と考えるも実施できていないのは「データ活用」が最多。
  • IT部門との連携程度を部門別に見ると、「営業部門」が最も多く、最も少ないのは「法務部門」
  • 部門間連携の課題の上位は「人的リソース不足」「ITリテラシーに差がある点」であったが、これらの課題はCIO・CTOがいる企業ほど低くなる傾向にある。

主な調査結果

1、企業の85%が部門間連携を重視

部門間連携の重視度を調べたところ、回答企業全体の26%が「大いに重視している」、59%が「ある程度重視している」と回答し、両者を合わせて85%に達した。

質問「あなたの会社では、IT戦略の推進において、IT部門と事業部門の連携をどの程度重視していますか。あてはまるものをひとつ選択してください。」回答(n=560)「大いに重視している:26%」「ある程度重視している:59%」「あまり重視していない:12%」「まったく重視していない:2%」「わからない:1%」重視している人の合計は85%に達した。

2、企業の9割において経営層が部門間連携に関心を寄せるも、実際に支援しているのは約半数

部門間連携における経営層の姿勢を見ると、51%が経営層は部門間連携に「関心があり、部門間連携を支援している」とし、「関心はあるが、支援していない」は39%であった。全体の90%において、経営層は部門間連携に関心を寄せる一方、実際に支援するのは半数に留まる結果となった。

質問「部門間連携に関する、経営者層の姿勢はどのようなものであるかあてはまるものをひとつ選択してください。」回答(n=490)「関心があり、部門連携を支援している:51%」「関心はあるが、支援していない:39%」「関心がなく、支援もしていない:10%」

3、部門間連携の取り組み内容としては、セキュリティ強化が最も多く、データ活用は課題として残る

部門間連携の具体的な取り組みとして特にあてはまるものを3つまで選択してもらったところ、「セキュリティの強化支援」と回答した企業が50%と最も多く、次いでシステム間連携が41%であった。「全社・事業部門間のデータ活用」は34%で、システム間連携におけるデータ活用があまり進んでいない状況が示された。

質問「IT部門と事業部門の連携について、あなたの会社で行なっている取り組みであてはまるものを選択してください。(最大3個まで選択できます。)」回答(n=560)「セキュリティの強化支援:49%」「全社・事業部門間のシステム間連携:41%」「ガバナンスに沿った運用ルールの策定:38%」「全社・事業部門間のデータ活用:34%」「事業部門との共同プロジェクトの推進:28%」「事業部門への技術知見の提供:26%」

4、必要と考えるが実施できていないのは「データ活用」が最多

一方で、現状行っていないが特に必要と感じる取り組みを1つだけ選択してもらったところ、最も多かったのは「全社・事業部門間のデータ活用」の15%であった。

質問「IT部門と事業部門との連携状況について、あなたの会社で行なっていない取り組みで、特に必要と感じているものにあてはまるものをひとつだけ選択してください。」回答(n=560)「セキュリティの強化支援:7%」「全社・事業部門間のシステム間連携:11%」「ガバナンスに沿った運用ルールの策定:12%」「全社・事業部門間のデータ活用:15%」「事業部門との共同プロジェクトの推進:12%」「事業部門への技術的知見の提供:10%」

5、データ活用は、経営層の関心と支援によって取り組みの実施が最も左右される

経営層が「部門間連携に関心あり・支援している」と回答した企業では44%が「データ活用に取り組んでいる」と回答。 一方、「関心あり・支援なし」の企業のうち、「データ活用に取り組んでいる」の回答率は30%、「関心なし・支援なし」は15%に留まり、データ活用が経営層の関心と支援によって取り組みの実施が最も左右される結果となった。

質問「IT部門と事業部門との連携について、あなたの会社で行なっている取り組みであてはまるものを選択してください。(最大3個まで選択できます。)」「部門間連携に関する、経営層の姿勢はどのようなものかあてはまるものをひとつ選択してください。」回答「セキュリティの強化支援:(割合は前から「関心があり、部門連携をしている(n=251)」「関心はあるが、支援していない(n=192)」「関心がなく、支援もしていない(n=47)」)55%,53%,34%」「全社・事業部門間のシステム連携:50%,40%,30%」「ガバナンスに沿った運用ルールの策定:45%,38%,28%」「全社・事業部門間のデータ活用:44%,30%,15%」「事業部門との共同プロジェクトの推進:34%,26%,26%」「事業部門への技術的知見の提供:31%,26%,13%」「どれも取り組んでいない:2%,2%,26%」

6、部門別のIT部門との連携程度は「営業部門」が最も多く、最も少ないのは「法務部門」

どの部門と連携ができているかを確認したところ、営業部門と「連携できている」と回答した企業が78%と最も多かった。 逆に最も低かったのが「法務部門」で66%、1つ上が「人事部門」で68%という結果になった。

質問「あなたの会社では、IT部門と他の部門とどの程度連携できていると思いますか。それぞれの部門ごとにあてはまるものをそれぞれひとつずつ選択してください。」回答「営業部門(n=398):(割合は前から「連携できている」「連携できていない」)78%,22%」「経理・財務部門(n=418):76%,24%」「開発・研究部門(n=394):75%,25%」「マーケティング部門(n=390):75%,25%」「購買・調達部門(n=389):75%,25%」「製造部門(n=368):71%,29%」「人事部門(n=418):68%,32%」「」法務部門(n=413):66%,34%

7、IT部門が感じている部門間連携の課題は人的要因が上位

部門間連携における大変さでは、「人的リソースが確保できていない点」が最も多い50%、次いで「ITリテラシ―に差がある点」の44%で、人的課題が上位に並ぶ結果となった。

質問「部門間連携を進めるにあたって、どのような点を「大変」と感じていますか。IT部門の視点からあてはまるものをすべて選択してください。」回答(n=419)「人的リソースが確保できない点:50%」「ITリテラシーに差がある点:44%」「予算が確保できていない:29%」「部門ごとに目標や方針が異なる:29%」「システムやデータのサイロ化:27%」「リスクマネジメントやガバナンスルールに対する認識の違い:27%」「日常的にコミュニケーションできる信頼関係構築:21%」「上層部のサポートが不足している点:20%」「その他:1%」

8、CIO/CTOが在籍する企業では、人的課題の負担が低くなる傾向

CIO/CTOが在籍する企業で、人的課題の負担が低いという傾向が示された。 部門間連携の「大変さ」をCIO・CTOが在籍するか否かで回答率を比べたところ、回答率が高い「ITリテラシーに差がある点」については「CIOがいる企業」のほうが「CIOがいない企業」に比べ10pt低かった。 同様に回答率が高い「人的リソースが確保できていない点」については「CTOがいる企業」のほうが「CTOがいない企業」に比べ10pt低かった。

質問「部門間連携を進めるにあたって、どのような点を「大変」と感じていますか。IT部門の視点からあてはまるものをすべて選択してください。」グラフ1「CIO有無別の部門間連携の大変さと人的課題」回答「人的リソースが確保できない点:(割合は前から「CIOがいる企業(n=354)」「CIOがいない企業(n=65)」)50%,54%」「ITリテラシーに差がある点:42%,52%」グラフ2「CTO有無別の部門間連携の大変さと人的課題」回答「人的リソースが確保できない点:(割合は前から「CTOがいる企業(n=283)」「CTOがいない企業(n=136)」)47%,57%」「ITリテラシーに差がある点:42%,47%」

調査概要

調査主体
サイボウズ株式会社
調査実施機関
株式会社インテージ
調査方法
インターネット調査(マイティーモニターよりランダムに抽出)
調査実施時期
2025年7月4日~7月7日
対象者条件
従業員数1,000人以上の企業に勤務する人
情報システム部門に在籍する人/情報システム業務に関与する人
係長以上の役職の人
※「ソフトウェア・情報サービス業」・「通信キャリア業」以外の業種
回収数
560社

※本調査を引⽤いただく際は出所の明⽰をお願いいたします。

※記載された商品名、各製品名は各社の登録商標または商標です。また、当社製品には他社の著作物が含まれていることがあります。個別の商標・著作物に関する注記については、下記をご参照ください。

https://cybozu.co.jp/logotypes/other-trademark/

調査レポート

資料ダウンロード

詳細データや図表を含む完全版は、以下よりご覧いただけます。

ダウンロードする