ワークスタイル
多様な働き方へのチャレンジ

性別や国籍などとは関係なく、そもそも人は多様であり誰一人として全く同じ価値観を持っている人はいません。サイボウズでは、「100人いたら100通りの働き方」があってよいと考え、メンバーそれぞれが望む働き方を実現できるようにしています。
かつては人材の採用・定着に悩んでいましたが、メンバーの声を聞き、多様な働き方ができる会社にしたところ、離職率は下がり、採用・教育のコストがおさえられるようになりました。
“チームワークあふれる「社会」を創る”という理想に共感する多様な個性の組み合わせが、サイボウズのチームワークをつくり、イノベーションを生み、楽しいことが起こり続けています。
サイボウズ株式会社 執行役員
中根 弓佳
ワークスタイル変革のきっかけ-離職率が28%から3%前後に-
離職率が28%と過去最高を記録した2005年以降、組織や評価制度を見直し、ワークライフバランスに配慮した制度や、社内コミュニケーションを活性化する施策を実施。その結果、現在の離職率は3-5%程度となっています。

ワークスタイル変革に必要な3つの要件
制度もツールも使いこなせるかどうかはヒト、そしてそのチーム次第。多様な個性を重視する、公明正大である、議論を大事にする、そんな風土があってこそ、多様な働き方が実現できると考えています。
- 制度
- 在宅勤務、人事評価と給与、育児休暇、採用・退職、副(複)業など
- ツール
- 情報共有クラウド、セキュリティ、リアルオフィス/バーチャルオフィス、ビデオ会議など
- 風土
- 理想への共感、多様な個性の重視、公明正大、自立と議論の文化など
制度ー多様な働き方を可能にー
サイボウズは、社員が自分らしく働くことができるような制度策定に取り組んでいます。多様性を受け入れる制度は、優秀な人材の採用・定着、個人・チーム両方の生産性の向上に貢献しています。
結婚休暇や忌引休暇などの特別休暇や育児・介護休暇制度、介護・育児のための短時間勤務制度、慶弔金などは、事実婚、同性婚、法律婚の区別なく、利用・取得が可能です。
育児・介護休暇制度(2006年~)
最長6年間の育児・介護休暇制度。妊娠判明時から取得可能な「産前休暇」、「育児・介護短時間勤務制度」とともに採り入れました。

働き方宣言制度(2018年~)
2007年から、ライフステージの変化に合わせて働き方を選択できる人事制度をスタートしました。育児、介護に限らず、通学や副(複)業など個人の事情に応じて、勤務時間や場所を決めることができます。2018年4月より、時間と場所で区切られた9分類から選ぶ、従来の選択型人事制度は廃止し、新たな人事制度「働き方宣言制度」の運用を開始しました。新しい制度のもとでは、一人ひとりが「自身の働き方」を自由に記述するスタイルで宣言し、実行しています。

参考記事
- 自由すぎる……! サイボウズが最近はじめた新しい「働き方制度」について聞いてみた|サイボウズ式
- 初公開!サイボウズの自由すぎる働き方はこんなやり方で管理されていた
- 「理想の働き方」を見つけたいインターン生が、サイボウズ社員約500人を徹底的に調べてみた
ウルトラワーク(在宅勤務制度)
2010年より在宅勤務制度をスタートしましたが、2012年より、さらに進化させたウルトラワーク制度を開始。「働き方宣言制度」で宣言した働き方と異なる働き方を“単発で”することをウルトラワークと定義しています。従来の在宅勤務、時差出勤を含みます。「チーム」「個人」両方の「生産性向上」を目的に実施しています。
- 「単発」の定義は、総労働時間のうち10%程度としています。おおむね1ヶ月を超えて、ウルトラワークが頻発する場合は、基本となる働き方を変更します。

育自分休暇制度(2012年~)
サイボウズを退職する人に「またチームに戻れる」という安心感をもってチャレンジしてもらうことが目的の制度です。利用希望者は、最長6年間はサイボウズへの復帰が可能です。

参考記事
副(複)業許可(2012年~)
社員が自分らしく働き、経済的にも精神的にも自立できるようにという観点から、副(複)業を可能としています。会社資産と関係ないものは、上司の承認の必要も報告する義務もなく、自由に行うことができます。

参考記事
- 複業を禁止されていたら、会社を辞めていたと思う──サイボウズの若手社員たちが複業する理由|サイボウズ式
- 複業は全然特別じゃない、勝手に世間から「すごいものだ」と思われているだけ──サイボウズの若手社員が複業について思うこと|サイボウズ式
大人の体験入部(2016年~)
本人のキャリア検討や現在の業務へ生かすことを目的に、他部署に体験入部することができます。すべての部署へ希望を出すことができ、海外を含む他拠点への体験入部も可能です。
子連れ出勤制度(2014年~)
「学童保育に行きたがらない」「子どもの預け先が無い」といった問題解決のために開始した制度です。チームの生産性を下げないなどのルールのもと運用。緊急時の受け皿として機能しています。

人事制度策定プロセス
社員が気兼ねなく問題提起できる風土のもと、社員同士で議論を重ねて人事制度をつくっています。
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「説明責任・質問責任」の考え方の浸透
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社員からの意見・提案
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ワークショップを繰り返し、草案を策定
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本部長会において社長が意思決定
給与評価
サイボウズにおける給与評価の理想は、「個人の幸福度」 と 「チームの生産性」のバランスが取れていることです。
社員は自分が希望する条件とその優先順位を伝え、会社は社員の社外的価値と社内的価値を加味し、給与を決定します。

参考記事
- ここまで見せていいの?ーサイボウズの「給与評価」と「キャリアパス」の裏側を、人事が赤裸々に語る
- 「私の年収、低すぎ?」で終わらせない──給与交渉を隠さず公開、14%給与が上がったエンジニアの話|サイボウズ式
社内コミュニケーション活性化のための取り組み
社員同士の交流を促進し、チーム力を高めています。
サイボウズオブザイヤー(2005年~)
その年お世話になった人に感謝を伝えるイベントです。社内で「ありがとう」の投票を行い、上位者を表彰しています。

部活動支援(2005年~)
部署をまたぐ5人以上で部活動をつくることができます。部員一人当たり年間10,000円を補助します。

誕生日会(2008年~)
誕生月の社員が集まって開催する食事会に、一人あたり3,000円を補助します。

仕事Bar(2009年~)
リラックスした雰囲気の中、真面目に仕事の話をする「場(Bar)」に、飲食費を支援する制度です。5人以上の会が対象。一人あたり1,500円を補助します。

部内イベント支援(2010年~)
各部署での飲み会等に一人あたり年間10,000円を補助します。
感動課の設置(2011年~)
日々の業務を感動的にするための専任担当者を人事本部に配置。「職場に感動を!」をスローガンに社内に感動の種を見つけ、感動の華を咲かせることをミッションとしています。年間を通して、さまざまな行事・イベントを企画しています。
イベン10(2012年~)
部署をまたぐ10人以上で、業務時間外に行う単発のイベントに対し、費用の半額を一人あたり上限2,000円まで補助します。
風土ー働きやすい環境づくりの基盤ー
文化
制度を設けても活用しやすい雰囲気がないと意味がありません。サイボウズでは、「理想への共感」、「多様な個性の重視」や、以下の文化を重んじ、「説明責任・質問責任」の考え方を浸透させ、社員の意見を受け入れながら働きやすい環境づくりに取り組んでいます。
「公明正大」の文化
「公の場で明るみに出ても、正しいと大きな声で言えること」。多様な人材が同じチームで働くために、サイボウズにおいて基本となる行動規範と定義しています。
「自立と議論」の文化
多様性を重視すれば、答えは一つとは限らないため、社員同士が建設的に議論して問題を解決するための手段が必要です。「問題解決の手法」を繰り返し社内研修したり、「説明責任・質問責任」の考え方を周知しています。
「ルールより目的」の文化
どのような制度であっても、目的を理解せずに使うと、期待する効果を得るのは難しいです。また、厳密に制度をつくり、運用していくには大きなコストがかかるため目的を共有・共感することが大事です。
参考書籍・記事
- 『チームのことだけ、考えた』(青野 慶久 著)
- なぜサイボウズは働く「時間」と「場所」の制約をなくせたのか?(前編)
- なぜサイボウズは働く「時間」と「場所」の制約をなくせたのか?(後編) −変革のカギは社員の自立−
ツール ー多様な働き方を支えるー
サイボウズが提供するグループウェアは、インターネット環境さえあれば、いつでも、どこでも利用できるクラウドサービスに進化し、多様な働き方を支えています。

社外からの評価
サイボウズは、働き方の柔軟性などを評価され、多くのワークスタイル関連の賞を受賞しています。
サイボウズの書籍
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