調査レポート
間違いだらけのDX人材育成
多くの企業がDX推進に向けてDX人材育成に取り組んでおり、従業員に向けた教育・研修などを行っていますが、必ずしもDXの推進や成果に結びついていない現状があります。成果を出しつつある企業の取り組みを分析すると、全従業員を対象にすることや、知識やスキルの習得で終わるのではなく、各人が自ら学び、業務やビジネスに活かすような行動変容を促すこと等が重要であることが見えてきました。本レポートでは、国内企業におけるDX人材育成への取り組みに関する調査結果をもとに、デジタルが前提となる時代に求められるDX人材像と、その育成に向けて企業に求められる方策を提言しています。
本レポートについて
サイボウズ株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:青野慶久、以下サイボウズ)は、国内企業におけるDX人材育成への取り組みに関する調査結果を踏まえ、DX人材のあるべき姿やその育成に向けて企業に求められる方策を提言するレポート「間違いだらけのDX人材育成~企業変革に資する人材の行動変容と組織能力の向上に向けて〜」を無料で公開いたしました。本レポートは、株式会社アイ・ティ・アール(本社:東京都新宿区、代表取締役:三浦元裕、以下ITR)がサイボウズからの依頼に基づき、客観的な調査・分析を行った結果をまとめたものです。
調査概要
- 名称
- 企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)人材育成実態調査
- 調査主体・分析
- 株式会社アイ・ティ・アール
- 調査年月
- 2024年10月
- 調査対象
- ITR顧客企業およびITR保有の独自Webパネルを対象に、従業員数100名以上の企業のDX推進者、IT戦略決定者、IT企画立案者、IT実務者に該当する課長職以上
- 有効回答数
- 660件
主な調査結果
研修受講後に求められるアクション
DX研修・実習の成果を高める方策を探るため、研修後の取り組みと成果の度合いの関係を見ると、研修実施後の取り組みとして、「受講後に期待する各自の職場でのアクションの明確な提示」や、「学んだ事柄を実践できるIT環境の整備」、「学びの実践機会の提供」などが、成果に大きな影響を与えることが明らかになりました。
出典:ITR『DX人材育成実態調査』(2024年10月調査)
環境整備の状況がDX研修・実習の成果を左右する
DXの成否を分ける従業員の行動変容を促すために必要な環境整備を探る調査では、「ローコード/ノーコードを多くの人が利用できるようにする」ことが、最も効果的であることが明らかになりました。これにより、「自らDXを自分事として取り組む姿勢を持つこと」や「デジタル技術を適正かつ有効に活用する能力を身につけること」が大幅に向上しています。また、社外との連携を促進する場やコミュニティの提供も、DX研修の成果を高める重要な要素として挙げられました。
出典:ITR『DX人材育成実態調査』(2024年10月調査)
まとめ
今回の調査から、DXを浸透・定着させていくために、全従業員が自分事としてDXに取り組めるようDX人材育成の成果を上げることが重要であることが明らかになりました。そしてDX人材育成の成果を向上させるには、研修・実習の実施だけでは不十分で、従業員が自発的に学び、それを業務に活かすような行動変容が大きく影響します。この行動変容を促進するためには、学びを業務で活かす機会の提供や、学んだことを実践するために必要なローコード/ノーコードなどITツールの整備が必要であることが見えてきました。 サイボウズは、今後もデジタルが前提となる時代に適応するための具体的な方策を提案し、日本企業の成長とDX推進を支援するコンテンツを順次発信してまいります。