企業のアプリケーション開発、63%が内製化・38%が市民開発に取り組んでいることが判明、サイボウズがアプリケーション開発調査を実施

サイボウズ株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:青野慶久、以下サイボウズ)は、アプリケーション開発に関する調査を実施し、調査結果を踏まえたホワイトペーパー『市民開発のビジネス価値と成果獲得の秘訣 ~推進体制の適性化と「AI × ローコード/ノーコード」の活用~』を公開しました。本ホワイトペーパーは、株式会社アイ・ティ・アール(本社:東京都新宿区、代表取締役:三浦元裕、以下ITR)がサイボウズからの依頼に基づき、客観的な調査・分析を行った結果をまとめたものです。

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調査サマリ

  • 内製化に取り組んでいる企業は63%、市民開発に取り組んでいる企業は38%
  • アプリケーション開発の内製志向は78%に上る
  • 市民開発に利用しているツールで最も多いのは「ChatGPT」
  • 市民開発が対象としているシステムは「業務システム」「基幹システム」が最も多い
  • 市民開発の成果は「いずれの項目も“効果がある”」と半数以上が回答
  • 市民開発の課題は「牽引役を担う人材の不足」「IT部門と業務部門の役割分担の不明確さ」が上位

主な調査結果

1、内製化に取り組んでいる企業は63%、市民開発に取り組んでいる企業は38%

国内企業における「内製/内製化」と「市民開発」の実施状況を見ると、内製化に取り組んでいる企業は63%を占める一方で、市民開発に取り組んでいる企業は38%であった。これは市民開発が、日本企業において“イノベーター段階からアーリーアダプターへと広がり始めた段階”であることを示している。また、「市民開発」という用語については、その意味を理解していない回答者が約3割を占めた。これは「市民開発」がIT部門視点の用語であるため、非IT部門においてアプリケーション開発を推進している担当者は、自身が「市民開発」を実施しているという認識が低いと思われる。

積み上げ横棒グラフ「内製/内製化」と「市民開発」の実施状況(N=6858)。内製/内製化は「全社的に推進」37%、「一部で推進」26%など取り組みが進んでいる割合が高いのに対し、市民開発は「用語の意味がわからない」が31%を占め、認知・浸透の段階に差があることを示す。

2、アプリケーション開発の内製志向は78%に上る

国内企業のアプリケーション開発を担当もしくはマネジメントする方を対象に、アプリケーション開発の基本方針を確認したところ、外製指向(「外部委託優先」と「完全外製」の和)の企業は21%であったのに対し、内製指向(「完全内製」と「内製優先」の和)は78%に上り、企業の内製化意欲が非常に高いことがわかった。これは、企業が外部委託に限界を感じ、内部での開発力を育成し始めていることを顕著に示している。

円グラフ「アプリケーション開発の基本方針」(N=3375)。完全内製26%、内製優先52%、外部委託優先16%、完全外製5%、わからない1%。

3、市民開発に利用しているツールで最も多いのは「ChatGPT」

従業員数100名以上で市民開発を実施している企業(以下、同様)に、市民開発に利用しているフレームワーク/ツール/サービスのうち、自社にとって重要なもの(最大3つ)を尋ねた結果を以下に示している。最多は「ChatGPT」となり、次いで「Azure AI/Azure OpenAI」「kintone」「Google Gemini」「Power Apps」が上位に並んだ。従来、市民開発には「kintone」や「Power Apps」などのローコード/ノーコード・ツールが利用されることが多いが、近年AI技術の急速な進化を反映し、ChatGPTをはじめとするAI系が市民開発の現場でも採用されていることがわかった。

横棒グラフ「市民開発に利用しているフレームワーク/ツール/サービス」の利用率を「現在」の回答率順に示したもの(N=404)。上位はChatGPT、Azure AI/Azure OpenAI、kintone、Google Gemini、PowerAppsの順。以下Xamarin、FUJITSU Software Interdevelop Designer、intra-mart、WebPerformer、ASP.NETなど多数のツールが3%前後で僅差に並ぶ。

※この図では「現在」の回答率順に並べ、回答率3%未満の項目は除外している。

4、市民開発が対象としているシステムは、「業務システム」「基幹システム」が最も多い

市民開発が対象としている業務/システムの重要領域(最大3つ)を尋ねた結果を以下に示している。市民開発が対象とするのは、現在も将来も、「業務システム(受注販売、生産管理、在庫管理、品質管理などの業務部門が利用するシステム)」および「基幹システム(経理、人事、給与などの本社管理部門が利用するシステム)」が最も多い。 市民開発の対象が周辺業務ではなく、企業の「コア業務領域」に及んでいる点は極めて重要である。

横棒グラフ「市民開発が対象としている業務/システム」(重要・主要の2系列、N=404)。基幹システム53%/29%、業務システム54%/23%、情報系システム48%/15%、分析系システム23%/9%、B2B系システム14%/6%、B2C系システム8%/3%、企業用Webサイト4%/1%、ソーシャル系システム4%/2%、エンタテインメント系システム6%/3%、一般消費者用Webサイト4%/2%、組込機器(制御系)6%/2%、組込機器(POSなどの制御系以外の機器)6%/3%。

5、市民開発の成果は「いずれの項目も“効果がある”」と半数以上が回答

市民開発のメリットといわれる項目を提示し、成果について尋ねた結果を以下に示している。いずれの項目も「効果がある」と回答した企業が約半数に上った。この結果は、特に日本企業においては大きな意味をもつ。なぜなら、日本企業のIT投資は一般的に保守的で、ROI(投資対効果)が不明確な取り組みが定着しづらい環境でありながら、市民開発がわずか数年のうちにここまで成果が可視化されていることは特筆に値する。特に、日本企業では「業務の細かい例外処理を吸収するための小規模アプリケーション」が膨大に存在するという特性があるため、市民開発による改善効果は他国以上に大きくなる可能性がある。

積み上げ横棒グラフ「市民開発の成果」(N=404)。予算/予定コストの遵守、スケジュールの遵守、アプリケーション品質の向上など11項目について「十分な成果」「まあまあの成果」「少しは成果があがっているが期待された成果はまだ得られていない」「まったく成果はあがっていない」「わからない」の割合を表示。いずれの項目も「十分な成果」+「まあまあの成果」が5割前後を占める。

6、市民開発の課題は「牽引役を担う人材の不足」「IT部門と業務部門の役割分担の不明確さ」が上位

市民開発の課題を尋ねた結果を以下に示している。市民開発の現在の課題は、「牽引役を担う人材の不足」とする企業が最も多く、次いで「IT専門部門と業務部門の役割分担、責任範囲、承認プロセスの不明確さ」であった。

横棒グラフ「市民開発の課題」(N=404)。牽引役を担う人材の不足12%が最も多い。次いでIT専門部門と業務部門の役割分担・責任範囲・承認プロセスの不明確さ10%、開発物の品質保証/テスト体制が未整備9%、他システムとの連携不足によるシステム分断9%、市民開発者の育成や認定制度の未整備9%など多数の項目が続き、「課題はない」は2%。

調査概要

調査期間
2025年10月16日〜10月24日
調査方法
ITR独自パネルを活用したWebアンケート
調査タイトル
国内企業におけるアプリケーション開発に関する調査
回答者数
404件 (スクリーニング調査は10,442件)
調査対象者 
・従業員数100名以上の企業(ITベンダーを除く) かつ、
・市民開発によるアプリケーション開発を行っている企業

本調査における用語の定義

  • 「アプリケーション」はユーザーが利用するプログラムのことを指します。
  • アプリケーションを構築する手法は、「自社開発」と「ソフトウェア利用」に分けられます。
  • 自社開発には、「内製」と「外部委託」(SIerに開発委託すること)の2つの方法があります。
  • 内製には、IT専門部門が担当する内製と、IT専門部門ではない組織が開発を担当する「市民開発」の2種類があります。

ホワイトペーパーの無料公開

詳細な調査結果を含めたホワイトペーパー『市民開発のビジネス価値と成果獲得の秘訣 ~推進体制の適性化と「AI×ローコード/ノーコード」の活用~』は、以下よりダウンロードいただけます。

ホワイトペーパー「市民開発のビジネス価値と成果獲得の秘訣~推進体制の適性化と「AI×ローコード/ノーコード」の活用~」(株式会社アイ・ティ・アール)の表紙。

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引⽤について

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  • 調査データからの引用の場合:出典:ITR『国内企業におけるアプリケーション開発に関する調査』(2025年10月調査)
  • ホワイトペーパーからの引用の場合:出典:ITR White Paper「市民開発のビジネス価値と成果獲得の秘訣 ~推進体制の適性化と「AI × ローコード/ノーコード」の活用~」C-26010184