調査レポート
「大企業におけるAI活用実態調査」第2弾
AI投資を「増加させる」企業は7割に達するも、AIコストを一元管理している企業は3割未満
サイボウズ株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:青野慶久)は、大企業におけるAI活用の進捗状況や導入時の課題を多角的に把握するため、「大企業におけるAI活用実態調査」を実施しました。
調査実施の背景
昨今AIの普及が急速に進む中で、多くの企業では「個人のアシスタント」としての利用に止まり、業務・組織としての変革にはつながらない現状があります。そこでサイボウズでは、従業員数1,000名以上の企業551社(情報通信業を除く)の経営層およびIT・DX部門に所属する方を対象に、AI戦略の策定状況、AI活用の実態、AIエージェント活用の現在地、そしてAIガバナンス・効果検証・組織耐性といった「使いこなしの構造」を多角的に把握するために、本調査を実施しました。
なお、本調査は3つのテーマに分け、順次公開を予定しております。
- 第1弾:9月30日(水)【AI活用の方針・浸透状況編】
- 第2弾:本日公開の【コスト・ガバナンス・データ活用編】
- 第3弾:10月28日(水)公開予定【AIエージェントの活用実態編】
調査サマリ
- 今後3年間でAI投資を増やす企業は7割にのぼる一方、AIコストを一元的に把握できている企業は3割未満であった。
- AIガバナンスを策定済み・運用中の企業は半数以上であった。
- 社内データを何らかの形でAIに活用できている企業は半数以上にのぼる一方、業務データがExcelや個人PCにも多く蓄積されている企業も半数以上であった。
- 主要な業務システムとAIを連携させている企業は1割にとどまる。
1、今後3年間でAI投資を増やす企業は7割
今後3年間のAI投資の方針・計画について尋ねたところ、「大幅に増加させる予定」23%、「やや増加させる予定」47%を合わせた70%がAI投資を増やすと回答した。一方で、「現状維持」は28%、「縮小見込み」は1%であった。
2、AIコストを一元的に把握できている企業は3割未満
AIツール・AIエージェントにかかるコストの把握・管理状況について尋ねたところ、「部門・プロジェクト単位では把握できているが全社での把握はできていない」が32%で最も多く、全社で一元的に把握できている企業は29%であった。全社横断でのコスト可視化は限定的であることがうかがえる。
3、AIコスト増大への備えについて「予算計画・管理の仕組みを整えている」企業は1割強
今後のAIコスト増大への備えについて尋ねたところ、「対応を検討・準備中」が44%で最も多く、「予算計画・管理の仕組みをすでに整えている」は14%にとどまった。コスト増大への備えが確立している企業はまだ少数派であり、投資の拡大に管理体制の整備が追いついていない実態がうかがえる。

4、AI予算は「IT・DX予算の一部」と位置付ける企業が半数以上で最多
AI活用のための予算の位置づけについて尋ねたところ、「IT予算・DX予算の一部」が53%で最も多く、「事業部門・機能部門予算の一部」が23%、「AI専用予算として独立」が20%で続いた。
5、AIガバナンスを策定済み・運用中の企業は半数以上
AI活用に関するガバナンスの整備状況について尋ねたところ、「策定済み・現在運用中」が51%で最も多く、「策定中・準備中(未策定)」が27%、「おおまかなルールがある(未策定)」が16%、「予定はない(未策定)」は7%であった。
6、社内データを何らかの形でAIに活用できている企業は半数以上
社内業務データのAI活用状況について尋ねたところ、「積極的に活用できている」が12%、「一部の業務データを活用できている」が45%となり、程度の差はあるものの、何らかの形で社内業務データをAI活用できている企業は合わせて57%となった。一方で、「活用したいが整備・連携ができていない」も25%存在した。
7、社内で認められているAIツールは「Microsoft Copilot」が最も高く、次いで「ChatGPT」「Google Gemini」と続く
第1弾 で示したとおり、AIを「全社的に推進・活用している」企業は60%、「一部の部門・業務で活用している」企業は25%、「試験導入・PoC段階」の企業は8%であった。すなわち、9割超の大企業がすでにAI活用に着手している状況である。
では、どのようなAIツールが企業で利用されているのか。社内で利用が認められているAIツールについて尋ねたところ、「Microsoft Copilot」が66%で最も多く、「ChatGPT」が46%、「Google Gemini」が33%、「Claude (Anthropic)」が14%となり、大手AIプロバイダーのツールが選ばれていることがわかった。
8、業務データの蓄積状況について、半数以上の企業で「Excelや個人PCにも多く蓄積」されている
業務データの蓄積状況について尋ねたところ、「共有可能な形で一部蓄積されるが、Excelや個人PCにも多く蓄積」が55%で最も多かった。「業務システムやSaaSなど共有可能な形で蓄積されている」は25%にとどまっており、AIに投入しやすい形でのデータ蓄積は道半ばであることがうかがえる。
9、業務データ活用の課題は「人材・スキル不足」、「社外AIとの接続が困難なセキュリティ課題」、「データの散在」、「データ品質」が上位
AIで業務データを活用する上での課題について尋ねたところ、「人材・スキル不足」と「社外AIとの接続が困難なセキュリティ課題」が35%、「データの散在・未統合」が33%、「データ品質の課題」が31%となり、いずれも3割を超えた。単一の課題ではなく、人材・セキュリティ・データ統合・品質が並立する複合的な課題構造であることが読み取れる。
10、業務データ活用に必要な要素は「セキュリティ・アクセス権限の管理」が最も高く、次いで「業務コンテキストの整備」
業務データをAIで活用するうえで最も重要だと思う要素について尋ねたところ、「セキュリティ・アクセス権限の管理」が52%で最も高く、「業務コンテキストの整備」が45%で続いた。セキュリティと文脈情報の整備が優先課題として認識されている。
11、主要な業務システムとAIを連携させている企業は1割にとどまる
業務系システムとAIの連携状況について尋ねたところ、「一部システムと連携」が31%、「連携を検討中・計画中」が25%であった。一方、「主要な業務システムと連携」はわずか11%にとどまる。
今回の調査では、大企業におけるAIコストの管理、ガバナンスの整備、業務データ活用の状況が明らかになった。AIコストを全社で一元的に把握できている企業は3割未満にとどまる一方、AIガバナンスを策定済み・運用中の企業は半数を超えた。また、社内業務データをAIに何らかの形で活用できている企業は半数を超えるものの、業務データがExcelや個人PCにも多く蓄積されている企業が半数以上を占めるなど、データの蓄積やAIとの連携について課題が残る実態が明らかになった。
調査概要
- 調査主体
- サイボウズ株式会社
- 調査実施機関
- 株式会社インテージ
- 調査方法
- インターネット調査(マイティーモニターよりランダムに抽出)
- 調査実施時期
- 2026年7月6日(月)~7月9日(木)
- 対象者条件
- 従業員数1,000人以上の企業・団体に勤務する人
経営者もしくはIT・情報システム・DXに関する業務に従事する人
※情報通信業を除く - 回収数
- 551社
※本調査を引用いただく際は出所の明示(サイボウズ『大企業におけるAI活用実態調査(2026年)』をお願いいたします。
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