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営業本部長インタビュー

写真:玉田 一己

プロフィール

玉田 一己

執行役員 営業本部長

1978年、兵庫県たつの市生まれ。神戸大学工学部卒業。2001年にパナソニックのグループ企業(大阪)に入社。ソフトバンクのグループ企業(東京)を経て、2006年にサイボウズ入社。2008年に大阪オフィスへ転勤。パートナー営業、大手・自治体向け営業、新規事業企画、営業本部副本部長 兼 エリア統括を経験したのち、現職に就任。 ※経歴、役職名、インタビュー記事の内容は取材当時のものです。

エコシステムを広げ、ビジネスを最大化させるサイボウズの営業

コロナ禍を経て働き方の見直しが進み、各企業のDX推進に対する姿勢が大きく変わりました。そんな中、これまで成長を続けてきたサイボウズは今後IT業界でどんな立ち位置を目指すのか?そのために営業は何が求められるのか?どんな活躍ができるのか? 2023年7月より営業本部長に就任した玉田一己に聞きました。

目次

IT人材不足に悩む企業の味方として成長するサイボウズ

― 社会変化が激しかったコロナ禍を経て、サイボウズのビジネスにはどんな影響がありましたか?

コロナ以前から、サイボウズは働き方改革の一環として「テレワーク」「リモートワーク」「DX」を軸にブランディングしてきました。そんな中コロナ禍に突入し、社会全体として、出社しなくても働ける仕組みをつくることが企業や組織に求められるようになりました。結果、「テレワーク」「リモートワーク」「DX」といったキーワードへの注目度が上がり、サイボウズ製品の導入数も伸びました。

― 「DX」や「テレワーク」といったキーワードで訴求する製品は数多くあったと思いますが、その中でサイボウズ製品が選ばれたのは何か理由があるのでしょうか?

DXのトレンドの中でも、特に「ノーコード」「ローコード」のニーズが高かったことが大きな理由です。いざDXを推進しようとしても、IT人材が不足していると言われる今、IT人材の採用はそう簡単にはできません。

それに対し、kintoneは専門的なITスキルが無くても直感的に操作しやすい「ノーコード」製品で、導入担当者の9割が非IT部門でもあります。高いITスキルを持つ人を採用しなくても自分たちですぐに使いこなせるので、DX推進の緊急度が上がったコロナ禍でお客様に響きました。

― kintoneはITスキルが無くても自分たちですぐに使いこなせるのですね。IT人材が不足しているというお話がありましたが、DX推進やIT人材の不足を課題としている企業に対して、サイボウズだからこそ提供できる価値は他にありますか?

サイボウズではお客様の課題をヒアリングしたうえで、製品の提案をする営業スタイルをとっています。そのため単なる製品紹介だけではなく、お客様の課題やニーズにあわせていろいろなアプローチができます。

一例にはなりますが、企業のDX人材育成のための「DX人材育成ガイドライン」を作成・無料公開しました。DXの文脈では2020年頃から「内製化」がキーワードとして上がることが多く、kintoneのエンタープライズコミュニティでも「IT人材育成」が話題になっていました。「内製化」のニーズに対応するガイドラインを出す企業は少ない中、ソフトウェアメーカーのサイボウズが対応したのはユニークな点だと考えています。

また、他社ではこういった施策はマーケティング部門が担当することが多いですが、サイボウズではエンタープライズ担当の営業メンバーが中心となり対応しています。日常的にお客様やパートナー企業とコミュニケーションをとり、いち早く課題を認識できる環境があるため、このような動きができます。お客様の課題解決のために営業部門だけでなく他部署を巻き込みつつ、スピード感を持って対応できるのは社内でもコミュニケーションを大切にしているサイボウズらしさであり、サイボウズだからこそお客様に提供できる付加価値だと考えています。

― コロナ禍以降、特にサイボウズ製品の導入が盛んに進んだ業界などはありますか?

特に2つの切り口で導入が増えていて、1つ目が自治体での導入です。自治体でのkintoneの導入数は、コロナ前1桁だったのがコロナ禍で300件近くまで増加しました。コロナ禍で保健所からの報告・集計など、システムが急に必要になる場面が増えたんですよね。

もともとは自治体でのクラウドサービスの導入は進んでいませんでした。しかし、自治体で働く職員の方をサイボウズ社内に出向で受け入れてDX推進人材育成のお手伝いをしたり、自治体間のつながりをサポートしたりすることでコミュニティができました。その結果、「kintoneは早く安くシステムを作れる」と口コミが広がり、自治体での導入が格段に増えました。

2つ目が大手企業での導入です。これまでは中小企業や大手企業の中でも、kintoneは部署内で利用するイメージが強くありました。しかし、最近では部署単位・部門単位で柔軟に権限を設定でき、複数部門を跨いで導入しやすい点を評価していただくことが増え、大手企業の導入も増えてきています。

写真:玉田 一己

パートナー企業とのチームワークが「チームワークあふれる社会」の実現につながる

― これまでお話を伺い、DXのトレンドとサイボウズ製品の相性がよかったことがわかりました。製品以外にも何かサイボウズ営業の特徴はありますか?

プロダクトの使いやすさという強みにプラスして、売り方にも特徴があります。サイボウズには、パートナー企業を通したパートナー営業(間接販売)とソリューション営業(直接販売)の2つの売り方があり、パートナー営業での売り上げが約6割(2022年12月時点)を占めます。

一口にパートナーといっても、提案や構築を行うコンサルティングパートナーや、プラグインと呼ばれる拡張機能を開発するプロダクトパートナーなど、さまざまなパートナー企業の輪が広がっており、現在では約400社(2022年12月時点)がサイボウズのパートナーとなりました。

また、営業手法としてパートナー営業だけでなく、ソリューション営業もあることで、ケースに応じて最適なチャネルを選択できる点も強みだと思います。

― 同業他社でもソリューション営業とパートナー営業の両チャネルを持っている会社はあると思いますが、他社との違いはどこにあるのでしょうか?

サイボウズのパートナー営業は、パッケージ製品しかなかった2000年頃に始まった仕組みで、すでに20年以上の歴史があります。これは他のクラウドベンダーと比較しても長い歴史があり、一朝一夕で築き上げられるものではありません。

 今では多様な規模、地域、業界のパートナー企業とのエコシステムができているため、売り方の多様性も高くなってきました。今後もいろいろなパートナー企業と連携することで、さらに広がりを作っていければと考えています。

― そんなに長い歴史があるのですね。長く関係を続けられる秘訣が何かあるのでしょうか?

パートナー制度は、時代にあわせてパートナー企業にとってのメリットが大きくなるようにアップデートを続けています。サイボウズだけにメリットがあるようなパートナー制度では、長く関係は続けられません。

具体的には、パートナー制度自体の見直しをしたり、パートナー企業同士のマッチングを企画してビジネス創出をしたり、地域の企業のつながりを作るようなイベントを企画したりしています。このような活動の積み重ねの結果、サイボウズのパートナー制度への参加をメリットと捉えてくださるパートナーが増えています。

― 自社だけでなく、パートナー企業のメリットも大事にしているんですね。今後SaaS業界・IT業界の中でどんなポジションを目指すのか気になります。

今のサイボウズは、パートナー企業とエコシステムを築いてきたおかげで、IT業界でもユニークなポジションにいると思います。同じ業界の中にいても、競合として戦うのではなく「サイボウズと連携したい」と言ってくださる企業がどんどん増えています。
 
今後も自社だけの成長を求める姿勢ではなく 、他社との連携をリードしたり、拡散したりしながら、みんなで協力して「チームワークあふれる社会を創る」ことを目指したいと考えています。

写真:玉田 一己

ソリューション営業・エンタープライズ市場・地域市場のさらなる強化を目指す

― 先程、サイボウズの強みとしてパートナー営業を挙げられましたが、一方で今後さらに力を入れていきたいことはありますか?

大きく3つ、「ソリューション営業の強化」「エンタープライズ市場」「地域市場」により力を入れていきたいです。

まずソリューション営業に関してですが、ソリューション営業とパートナー営業はどちらかが0か100かではなく、双方が連動しているものだと考えています。現在はパートナー営業の比率が大きいですが、どちらも両立させながら伸ばしていくためにソリューション営業を強化したいと思っています。

― 両立させるという考え方はおもしろいですね。ソリューション営業とパートナー営業、両方あることによるメリットをもう少し詳しく教えてください。

ビジネス面においても、営業個人のスキル面においてもメリットがあると思います。

ビジネス面では、ソリューション営業ではトライアンドエラーを繰り返すことで、社内にノウハウを貯めていくことができるメリットがあります。 パートナー企業に「売り方を教えてください」とか「この業界にはどんなコンテンツが刺さりますか」と聞かれることもありますが、私たち自身がその答えを知らなければ、答えられません。その引き出しが社内にあることは強みになるんです。 

 一方で、サイボウズだけではアプローチしきれないお客様がいることも事実です。パートナー営業では、パートナー企業のノウハウやつながりを活かして潜在的なニーズをお持ちのお客様にもアプローチできます。ソリューション営業とパートナー営業、互いの良さを生かしあうことで、より「チームワークあふれる社会」の実現に近づけると確信しています。

また、営業個人としては、ソリューション営業とパートナー営業では得られるスキルが異なります。ソリューション営業では商談をしっかりコントロールし、時には開発パートナー企業を巻き込みながら主体となってクロージングまで推進するスキルが身に付きます。パートナー営業では自分1人で達成できないところをパートナー企業と協力してどう達成していくか、どのように組織や人の心を動かし、共感していただくかといったマーケティング力や人間力が必要になる場面も多くあります。 

このように双方のチャネルがあることはビジネス・個人、両方の幅を広げることにつながっています。

― 大手企業での導入も増えているとのことでしたが、エンタープライズ市場はどのように強化していくのでしょうか?

売り上げという観点から、エンタープライズ企業へのアプローチの増加は重要だと考えています。すでに国内にある大企業3000社ほどをリストアップしてアプローチを始めました。

エンタープライズ企業にアプローチするにあたっては、ソリューション営業においても更なる営業力強化を目指しています。そのため、人間力を成長させて顧客との関係性を構築したり、コンサルティング力や提案力を生かしてお客様の成長を支援していくようなスキルを伸ばしたい方にもぴったりです。

― 玉田さんは以前エリア統括をされていましたが、そんな玉田さんから見て、地域市場の現状はどう見えていますか?

コロナ禍を経て、お客様とのやりとりもオンラインですることが増えました。しかし、対面で行うことに意味がある仕事や、地域に拠点がないとできない仕事もまだまだ多くあると感じています。

たとえば、対面で話した方が伝わりやすい場面もありますし、コロナ禍では東京と地方でコロナへの温度感が大きく異なるなんてこともありました。そういった生の感覚を理解できる・感じ取れることは、営業においてとても大切です。

そのため、オフラインももっとうまく使って営業したいと考えています。サイボウズは同業他社に比べると地域拠点が多い会社です。すでに持っている地域の拠点を生かして、オンライン・オフラインそれぞれのよさを柔軟に使い分けて活動できれば、さらに強みが増えます。

写真:玉田 一己

「営業はこうあるべき」にとらわれないキャリアパスを選択できる

― これまでのお話を聞いていると、営業職といっても単一のキャリアでなく、選択肢がたくさんありそうだと思いました。

よく驚かれるのですが、サイボウズでは強制的に転勤・異動させられることはありません。だからといって、ずっと同じ仕事をやり続けるだけで、経験やスキルの幅を広げられないわけではありません。

先ほどもお話しした通り、いまのサイボウズの営業なら、パートナー営業・ソリューション営業といった選択肢があり、アプローチ力や提案力など、幅広く営業力を伸ばせます。また、営業というと数字をつくる役割のイメージが強いかもしれませんが、サイボウズの営業ではマーケティング力や企画力も求められるので、そういったスキルも伸ばしていけます。

― 強制的な転勤・異動がないということは、自分で選択する必要があるということですね。

サイボウズ全体として、覚悟をもってチャレンジする人を応援する文化があり、個人の選択に沿ってさまざまな経験を積める機会を作ろうとしています。たとえば、パートナー営業からソリューション営業の担当になる、東京から地域拠点の営業に移るといった選択肢も今後はもっと広げていきたいですね。私自身もソリューション営業とパートナー営業を両方経験したり、地域の部署を立ち上げたりといろいろな角度から営業に携わってきたことが自分の中で大きな糧になっています。 

さまざまな経験を持つ人を増やすことは、組織の可能性を広げ、営業組織全体の力を上げることにもつながります。「営業はこうあるべき」という一辺倒なキャリアではなく、個性を大事にしていきたいですね。ただ、選択肢が多い分、迷う人もいるかと思います。キャリアについてアドバイスがほしいという人には、こちらから提案する機会も増やしていきたいと思っています。

― キャリアの積み方も本当に多様ですね。多様性というと、サイボウズの営業にはノルマがないというお話も聞いたことがあります。営業経験者からすると何で評価されるかがわかりづらく、不安という声はありませんか?

そうですね、最近はホワイトすぎて人が辞めていく企業があることも話題になっていますよね。サイボウズも働きやすさで話題を集めることはあるのですが、決して“ゆるい”わけではありません。

「ノルマがない」というのは少し誤解があって、実際には数字の目標はあり、定量的な目標設定はしています。ただ、一般的な営業のイメージと大きく違うのは、無理な目標設定や現場への押し付けはない点や結果だけでなくプロセスも重視している点です。

数字目標に関しては、全社で現実的な状況を鑑みた数値と、モチベーションを高められるようなストレッチ目標の2つを置き、それに紐づくチーム目標や、個人目標は各自で設定します。個人目標は所属したチームの中で役割・ミッションがあるので、 その中で何をすれば組織に貢献できるか、自分の成長になるかを大事にしていますね。

目標は人によって柔軟にカスタマイズ設定しているので、数値目標がないと達成感を感じにくいという人であれば、個人目標として数値を設定するなど、それぞれのメンバーに合う形をとることができます。このように、目標の設定のしかたにも多様性があるところはサイボウズらしいと思いますね。

― お話を伺っていて個性を大事にされていると感じたのですが、営業の組織として大事にしていることも聞いてみたいです。

サイボウズは「チームワークあふれる社会を創る」ことをミッションとしています。そのため社内においてもチームワークを非常に大切にしています。

営業本部でも、自分1人だけの営業力を高めたり、数値目標を追い求めたりすることよりも、目標に向かってチームでサポートし合って、全員のパフォーマンスが最大化されることを大事にしています。自分だけではなく、チーム全体を成長させていくために自分は何をすべきかを考え、自律的に行動できるメンバーが多い組織を目指しています。

― 最後に、営業職に興味を持っている方に伝えたいことはありますか?

これからのサイボウズの営業は、「ゆるくはないけれど、ワクワクする」組織にしたいと思っています。ただ、変な緊張感がある組織にしたいわけではありません。意識的に対話を増やして、誰でも意見を言いやすい環境作りを目指しています。これは、各営業メンバーが一方的に意見を出すのではなく、社内外の関係者の心を動かすようなコミュニケーションを行えるようになることも含んでいます。

こういったコミュニケーション能力は、営業にも生きます。営業は人と関わる中で得られた情報を製品開発部門やマーケティング部門にフィードバックし、サイボウズのビジネスを最大化していく役割も担っていると考えています。他部署やパートナー企業など多くの人と協力し、共感を得ながら進めていく場面も多くあります。日々の積み重ねの中で、営業としても、一個人としても市場価値が上がったと感じられるような経験につながると思っています。
 
サイボウズはまだまだ完璧ではなく、営業部内においても課題があり、その分、可能性もあります。これまでの経験やスキルをもとに、サイボウズの環境や機会を最大限に生かし、ビジネスと自分を成長させたいと考えている方、チームで継続的に成果を作り出すことに興味がある方はぜひ一緒に働きましょう。

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