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組織全体として活動するサイボウズのスクラムマスター

写真:天野 祐介

スクラムマスター

天野 祐介

(2009年 新卒入社)

2009年新卒入社後、エンジニアとしてkintoneの開発に参加。チームリーダー経験を経て、2016年にはスクラムマスターとしてサイボウズにスクラムを持ち込み、定着。その後アジャイルコーチとして組織のチームを幅広く支援し、2022年からスクラムマスター職能のマネージャーを担当。現在は週3日勤務で、個人事業主のアジャイルコーチとしてコミュニティ活動にも注力している

2024年8月に公開

スクラムマスターの成り立ち

サイボウズのスクラムマスターの立ち上げについて教えてください。

私がkintone開発のチームリーダーになってから、それまでに行っていたウォーターフォール的な進め方ではうまくいかないことが多く、フラストレーションを感じていました。優秀なメンバーが多いのに、うまくものが作れない現実に直面し、やり方に問題があると感じていました。それがきっかけでアジャイルやスクラムに興味を持ち、本やネットで調べるうちに、自分もやってみたいと思い、私はスクラムマスターになることを決めました。 

 組織全体としては、2019年に部長をなくしたタイミングで、チームがフラットな構造になりました。その後2022年に改めて職能ごとにマネージャーを置くことになり、その時にスクラムマスターも職能になりました。 

・組織のチームワークを最大化するためにスクラムマスター職能を作りました - Cybozu Inside Out | サイボウズエンジニアのブログ 
 https://blog.cybozu.io/entry/2023/02/14/095258

写真:天野 祐介

「サイボウズならでは」のスクラムマスターとしてのやりがい

社外のスクラムマスターの状況について教えてください。

最近は多くの企業でスクラムマスターの募集を見るようになりましたが、正式な職種として認められていることは少ないと感じています。本流のプロダクト開発から切り離された部門で活動していることもあります。アジャイルやスクラムは比較的新しい考え方であり、伝統的な組織構造にうまく組み込むことが難しい場合があるため、スクラムマスターの役割が組織の中で明確に認識されず、キャリアパスが確立されていない状況です。 

サイボウズのスクラムマスターには、どんな環境ややりがいがありますか。

スクラムには「確約、集中、公開、尊敬、勇気」という5つの価値基準があり、これはサイボウズの存在意義(Purpose)の基盤となる5つの文化(Culture)と非常に親和性が高いです。スクラムの価値基準とサイボウズの文化が衝突することがないため、スクラムマスターとして活動するための障壁が少ない環境だと感じます。 

部長やマネージャーに開発チームの現場を経験していたメンバーが多いこともあり、アジャイル開発に対する理解と共感が高い環境です。そのため、スクラムマスターは、チームがより効果的にアジャイルを実践し、ユーザーに価値を届けるための持続的な改善にじっくり取り組むことができます。

 文化的な適合度が高く、価値観が共有されているため、スクラムマスターの活動はより意義深く、やりがいを感じられるものとなっています。 

天野さんが感じるモチベーションや面白さはどんなものですか?

サイボウズのスクラムマスターは、職能化したことで個人による活動ではなく「組織として取り組む活動」になりました。たとえば、10名のスクラムマスターがいれば、連携して多くのチームを支援できるので、「組織全体として」アジャイルを浸透させていけると感じています。 

 自分が担当するチームだけでなく、他のスクラムマスターと協力して他のチームも支援できることが面白いですね。個々のチームの課題やニーズに応じてアプローチを変えることで、それぞれのチームがアジャイル開発を成功させる手助けをすることができます。この連携があるからこそ、組織全体でアジャイルを推進していくことができると思っています。 

 私は今はチームの活動には直接関わらず、スクラムマスター達を支援・コーチングすることが主な業務です。スクラムマスターの成長に貢献することで、新たな気づきを得たメンバーがチームをどんどん変化させる姿を日々目の当たりにしています。みんなで協力することで、自分1人では辿り着けないところを目指せることが何よりも嬉しいです。 

写真:天野 祐介

組織全体で発揮されるリーダーシップ

これまでの仕事で最も印象に残っているものは何ですか?

数年前に新しいプロジェクトが立ち上がった際、チームの環境整備に注力したことです。ハイパフォーマンスなチームを作るためには、チームの立ち上げ時にできる限り条件を整えることが大切です。当時は良いリーダーが素晴らしいビジョンをもってプロジェクトを立ち上げたタイミングだったので、自分も入って完璧な条件を整えてチームの活動をスタートさせました。スクラムマスターとして、チームの目的や目標を決め、信頼関係を築きながら役割分担を進めました。メンバーが初めてスクラムを行う中で、環境整備に注力し、繰り返し改善を行った結果、スプリント開始時にスムーズに動けるようになりました。数ヶ月ほど経つ頃には、チームの雰囲気も良好で、作業速度もかなり高い水準を達成できました。 

将来的にはどんなことに挑戦していきたいですか?

より多くの価値を提供し、メンバーの幸福と開発生産性を高い次元で両立させることに挑戦したいです。 そのためには、より多くのメンバーがそれぞれの立場・役割からリーダーシップを発揮することが重要です。 

 伝統的なマネジメントやリーダーシップの枠組みに囚われない新しい組織文化を作りたいと考えています。 

個人的には、組織の目標を達成するために必要な「実行する」リーダーシップと、それを支える「サポートする」リーダーシップの両方が重要だと考えています。私が目指すのは、これらのリーダーシップが組織全体で発揮される環境を作ることです。伝統的な上司部下のような関係にもとづくリーダーシップではなく、もっと多様な形のリーダーシップが認められ、育まれる組織を築きたいと思っています。 

人々が実践しながら学び、成長できる場を提供することで、それぞれのリーダーシップの視点から活動しやすい組織を目指しています。 

写真:天野 祐介

今後の展望

社内外のスクラムマスターの皆さんへ伝えたいことはありますか。

今まで私は、カンファレンス参加やコミュニティ活動を通じて、多くの実践者のみなさんとコミュニケーションを取ってきました。 

日々それぞれの現場に向き合い、組織や文化を改善しようと全力を尽くしているみなさんに感銘を受けています。 広い視点では、社内の実践者も社外の実践者も同じ理想を目指している仲間です。私自身も1人のスクラムマスターとして、スクラムマスターの活動をさらに応援していきたいです。 

 共に学び、成長し、より良い組織文化を築いていくために、私もできる限りの支援を続けていきたいと思っています。 

サイボウズの課題は何だと考えていますか。

サイボウズには、実現したいと共感できる理念や、素晴らしい同僚たちが多くいますが、 

具体的にどんな仕組みを作ってどう実現していけば良いかという実行力の弱さが課題としてあると個人的には考えています。現在ある力を活かして、より良い成果を出すためには、実行力を強化していく必要があります。この実行力を支える存在として、スクラムマスターは重要な役割です。 

 私はスクラムマスターをリーダーの一種として位置づけていますが、目標を実現するために実行するリーダーがいるのと同時に、実行するリーダーを支える役割としてスクラムマスターが責任を果たせるようにしたいです。 

今後もサイボウズにおいて、実行力を高めるための検討や改善を進めていきたいと考えています。 

どんな人と一緒に働きたいですか。

スクラムマスターはチームの成長を牽引する存在なので、実際にチームの成長や改善に貢献できるスキルや専門知識を持っていることが求められます。サイボウズは複数のスクラムマスターがいる環境なので、スクラムマスター同士で協力して複雑なプロダクトチームの改善を推進する力が必要です。サイボウズの理念やビジョンに共感し、チームをより良くしていく意欲があり、積極的に取り組んでいける方とぜひ一緒に働きたいです。 

私のオフタイム

2021年に東京から仙台に移住し、犬を飼い始めました。週末は家族で東北の山や景勝地を訪れることが多く、最近では犬連れキャンプに夢中です。自然の中でご飯を食べたり焚火を眺めて過ごす時間はリフレッシュのひとときで、家族と一緒に新しい冒険を楽しんでいます。

写真:天野 祐介
  • インタビュー内容は取材時点のものです。ご了承ください。

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