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デザイナーとエンジニアをつなぐ架け橋になる

写真:白鳥亜美

デザインテクノロジスト

白鳥 亜美

(2020年 新卒入社)

愛知県生まれ。上智大学理工学部卒業。2020年に新卒でサイボウズに入社し、Webアプリケーションエンジニアとしてkintoneの新機能開発チームに配属される。その後はkintone開発チームのフロントエンド刷新プロジェクトに参加し、kintoneDesignSystemsチームを立ち上げる。現在はkintone Design Systemsチームのリーダーとして、デザイナー・エンジニア間のコラボレーション支援とデザインシステムの構築を推進している。

2023年2月に公開

デザイナーになるか、エンジニアになるか

サイボウズとの出会いについて教えてもらえますか?

大学時代にイベントの会場として日本橋オフィスをお借りして「なんだこの動物園みたいな不思議なオフィスは!」と思ったのがサイボウズの第一印象です(笑)。その後にサマーインターンの応募企業を探しているときに、ふと「あの不思議なオフィスの会社、そういえばIT企業だったな」と思い出して、サイボウズのインターン募集を調べたら締切の1時間前だったんですよ。「これも何かの縁だ」と感じて、急いでエントリーシートを書き上げて応募しました。

インターンで印象的だったことはありますか?

サイボウズのインターンは、選考のときから印象的でした。私は大学時代にデザイナーとエンジニアのバイトをやっていて、どっちも好きだし得意だったんですよね。個人開発や友達との小規模開発では自分が両方やって上手くいっていたので、デザイナーとエンジニアの間に壁をつくる開発の仕方は非効率なんじゃないかと感じていたんです。きっぱり溝のある分業じゃなくて、グラデーションのような形でコラボレーションができたら本当は良いのにな、と当時から思っていました。それでインターンもデザイナーとエンジニアの両方に応募してたんですけど、やっぱり書類選考の段階でどちらかに決めてくださいという企業が多くて。

でもサイボウズだけは、面接のときに「面白いですね、じゃあ両方の社員を呼ぶのでデザイナーコースとエンジニアコース合同でやりましょうか」と言ってくれて、選考の合格後も好きなほうのコースを選ばせてくれました。他社のインターンとの兼ね合いとか、体験できる内容などを考えてエンジニアコースを選んだのですが、インターン中もデザイナーの社員さんと話す機会を作ってくれたりして、ずっと私の意思を尊重してくれたのがとても印象的でしたね。

写真:白鳥亜美

開発とデザインをつなげる道へ

そのあとサイボウズには、エンジニアとして入社したんですよね?

エンジニアインターンの流れで選考の案内を受けて、そのまま入社しました。ただ面接では一貫して「エンジニアとして入社してもデザインはやりたいです」みたいなことは言っていましたね。それで最初の1年くらいはkintoneの開発チームで新機能開発のエンジニアをやりつつ、先輩に相談してUIの変更が入るタスクを多めに振ってもらったり、デザイナーさんの壁打ち相手になるみたいなこともしてました。

デザインとエンジニアリングをつなぐような仕事を始めたのは、どういった経緯ですか?

今のチームに入る前に、半年間アクセシビリティチームに体験入部してるんですよ。大型の新機能開発に携わったときに、これからの時代はアクセシビリティを理解してないとデザインとエンジニアリングのコラボレーションも上手くできないなと感じまして。そのあと半年間の体験入部が終わって開発チームに戻るときに、ちょうど新しく立ち上げられたkintoneのフロントエンド刷新プロジェクトに配属されることになりました。

すると、たまたま私と同じようにデザインとエンジニアリングのコラボレーションを進めていきたいと考えている方が、もうひとりプロジェクトにいたんです。さらにプロジェクトリーダーの方も、それに投資すべきだと考えてくださっていたのもあって、私たちを中心にチームが作られることになりました。自分がやりたいことを実現するには入社して5~10年くらいかかる覚悟でいたんですけど、周囲の方に恵まれて幸いにも入社3年目で叶ってしまい、正直ちょっと驚いてます(笑)。

ユーザー価値を高めるためのデザインシステム

現在の仕事について教えてください

DesignTechnologistとして、デザイナーとエンジニアの連携をサポートする仕事を3割くらい、kintoneのデザインシステムを作る仕事を7割くらいの比率でやっています。

たとえば新機能開発を担当するデザイナーさんに実装やアクセシビリティの観点から助言したり、一緒に話しながらプロトタイプを作ったりしているんですが、おかげで作業が早くなったとか、やりとりが楽になったと言ってもらえることが多くて、それは嬉しいですね。私のやりたいと思っていたことが、ちゃんと価値として感じてもらえているということなので。

kintoneデザインシステムの構築にも大きな可能性を感じています。もともとkintoneは余白や色のルールが明文化されていなくて、たとえばエンジニアが細かいUIの修正をするのにもデザイナーとウェブ会議をつないで一緒に作業していたりしたんです。あとは現在の余白や色を誰がどうやって決めたのかわからないので、新しく変えてもいいんじゃないか?となったときに、当時と同じ議論を繰り返してしまう可能性もありました。

デザインシステムが整備されれば、こうしたムダがなくなっていって、デザイナーもエンジニアも本質的なユーザー価値を高める活動にもっと時間を投資できるようになるはずです。そんな世界をつくっていきたいですね。

仕事をしている中で、大きな壁にぶつかったことはありますか?

これまでkintoneデザインシステムは、フロントエンド刷新プロジェクトの中で私たちがサポートしながら整備を進めていたこともあって、特に大きな問題は発生していませんでした。ただ現在はkintoneの開発全体に広げていくフェーズに移っていて、私たちが現場に直接関与しきれなくなっているんです。そうすると、デザインシステムを活用してもらえなかったり、想定外の使われ方をされたりする可能性も出てきます。

極論を言うと、デザインシステムは直接ユーザー価値につながるものではないので、ただ作っただけで使われなければ投資する意味がなくなってしまうんですよ。だからこそ、私たちがやろうとしていることに対して社内の共感を得る、というのは今の大きな課題だし、もっと力を入れていきたいと考えています。

全員が専門分野じゃない仕事もやれるチーム

どんなチームで仕事を進めているんですか?

デザイナー、エンジニア、アクセシビリティ、QA(品質保証)など、チームには多種多様なバックグラウンドを持ったメンバーが所属しています。すべての種類のタスクを全員が担当できるようにしていて、たとえばエンジニアがデザインもするし、デザイナーがコードも書くし、といった仕事の進め方をしているのが特徴です。もちろん各自でスキルの長短はあるので、「なんでも聞こう、いつでも聞こう、いつでも呼び出そう」という言葉を掲げて、困ったらチームの詳しい人にすぐ相談できるようにしています。

チームの大きな方向性はどのように決めていますか?

クォーター(四半期)ごとに丸1日くらい全員で集まって話す時間を取って、チームの大目標を立てています。そこから開発・デザイン・アクセシビリティ・QA(品質保証)・ドキュメントという5つの領域に分けて、各領域の責任者が具体的なゴールとアクションに落とし込むという流れです。日常的なコミュニケーションとしては、週に1回は業務の振り返りと雑談をする1時間半の会議をやっていて、そこで直近の課題や未来について話しています。あとは職能を超えて持つべき前提知識を身につけるために、毎週金曜日にはチームの勉強会もやっています。

写真:白鳥亜美

迷ったとしても、自分の選んだ道を信じていい

サイボウズには、どんな人に入社してほしいですか?

やりたいことを持っている人と一緒に働きたいです。ただ「私はこれがやりたいから他の人の意見は聞きません」ということではなくて。自分のやりたいことに共感してくれる人と、他の人のやりたいことに共感する自分のコラボレーションで、自分の想像よりも大きなことを実現していこうと考えられる人がいいですね。そういうタイプの人がサイボウズには多いと思います。

デザイナーとエンジニアで就職先を迷っている方へ伝えたいことはありますか?

実を言うと、私もずっと自分のキャリアについて悩んでいました。デザイナーとしてもエンジニアとしても第一線のスキルがない、器用貧乏なんじゃないかと感じてしまうことがあるんですよ。でも、同じチームの先輩から「それってゼネラリストだよね」と言ってもらったことがあって。幅広くバランスの取れた知識があるから、どんな質問が来ても最初の一打は返せるという価値があると。さらに「そのバランスのまま各分野のレベルを深めていけば、第一線のスペシャリストも勝てなくなるよ」と言ってくださって、私のキャリアは間違いじゃなかったと思えるようになりました。就活でデザイナーになるかエンジニアになるか迷っていた私にも、この話をして「自分の道を信じていいんだ」と伝えてあげたいです。

写真:白鳥亜美

私のオフタイム

メイク、ネイル、K-POPが趣味で、休日にはライブに行ったりセルフネイルを楽しんだりしています。特にネイルは仕事中に目に入るとテンションが上がるので、頻繁に塗り替えています。最近はクラフトビールにもはまっていて、ビアバー巡りをしています!

写真:白鳥亜美

白鳥さんとやりとりが多いチーム

kintoneデザインチーム

新機能開発を担当しているデザイナーさんとやりとりすることが特に多いです。デザイン段階から実装の実現性や難易度を検討できていたほうが手戻りが少なくて効率的なので、そうした観点で一緒にデザインを検討したり、制作物をレビューしたりしています。

kintone開発チーム

PMの方から機能の要件を受けてデザイナーさんと一緒に検討したり、逆にデザイナーさんの意図がエンジニアさんに上手く伝わるようサポートすることもあります。デザインシステムを開発チームに浸透させて、一緒に整備していけるようにしていくのも私の役割です。

  • インタビュー内容は取材時点のものです。ご了承ください。

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