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伴走の先に「共創」がある。 課題を解決し、成果を共につくるカスタマーサクセス

林 早織

カスタマーサクセス

林 早織

(2022年 キャリア入社)

早稲田大学出身。2018年に人材業界での営業経験を経て、2022年にサイボウズへ。現在はカスタマーサクセス(CS)として、導入後の顧客との打ち合わせや提案、社外向けの施策企画まで多岐にわたる業務を担う。入社後はチームリーダーとしての役割も担いながら、チームのミッションを描き、事業貢献の可能性を広げ続けている。

2025年11月に公開

「答えを示す」のではなく、「共に考える」カスタマーサクセスの仕事

サイボウズに転職を決めた背景を教えてください。

サイボウズが掲げる、「チームの生産性と、働く人の幸福度を両立する」という想いに共感したからです。前職は人材紹介会社で法人営業を務めており、企業の成長に必要な人材のマッチングを行うという点でやりがいを感じていました。ですが働くうちに、「採用という手段だけではなく、さまざまな人が働きやすい環境や仕組みを整えることも大事なのではないか」と感じるようになったんです。そんななかで、人々のチームワークを支えるグループウェアを展開するサイボウズが目に留まり、「この会社でなら、働く社会をより良くできるのではないか」と思いましたね。

また、前職では活躍している方が多い一方で、自分がこの先、ライフイベントを迎えながら長く働くイメージを持つのが難しいと感じていました。対してサイボウズには職種を越えたキャリアの選択肢や、100人100通りの働き方(現:100人100通りのマッチング)という考え方が根付いており、「自分の可能性を探りながら働けそうだ」と思えたのも決め手になりました。

現在(2025年10月時点)はどのようなお仕事を担当されていますか?

カスタマーサクセスとして、中堅・中小企業のお客様を中心に、kintoneの導入や活用を支援しており、業務課題の整理から運用定着のフォローまで幅広く伴走しています。

大切にしているのは、「お客様が望む成果(CO:カスタマーアウトカム)」と「より良い顧客体験(CX:カスタマーエクスペリエンス)」を両立させること。ツール導入の目的がブレないよう、お客様の課題や理想像を丁寧にヒアリングしつつ、プロダクトの魅力や、業務改善の過程における楽しさも一緒に届けるよう意識しています。たとえば打ち合わせ時間内に実際にkintoneを操作いただき、「やりたかったことができた」と実感してもらえる場面をつくるようにしています。

印象に残っている支援事例があれば教えてください。

会社が合併して間もないお客様の事例です。組織としての文化や業務の進め方がまだ統一されていない状態だったため、まずは情報共有の基盤づくりから着手し、「何から進めていくのが現実的か」を一緒に整理しながら、具体的なステップに落とし込んでいきました。また、現場のメンバーや管理職が同じ方向を向けるよう、kintoneの導入によって得られる具体的な成果や利点を共にとりまとめ、社内で共有できるよう支援しました。ツール導入をきっかけに、部門間での情報共有が活発になり、チームとしての一体感が高まっていく様子を見られたのは印象的でしたね。

個別のお客様への支援に留まらず、社外向けの企画・施策立案にも取り組まれているそうですね。

はい。直接コミュニケーションを取れるお客様以外にも価値を届けたいという思いから、既存の学習コンテンツを補うセミナーや資料づくりも手がけています。たとえば、お客様からの「社内説明会の進め方がわからない」という声をもとにセミナーを企画したり、「kintone導入の進め方がわからない」という悩みに対し、初歩的なプロジェクトマネジメントの考え方を学べるコンテンツを整備したり。ツール導入におけるつまずきを先回りして解消できるよう、日々改善を続けています。

他にも、年に一度開催される大規模社外イベント「Cybozu Days」では、サイボウズ製品ユーザーによる事例発表やパートナーによる展示が行われますが、社員もセッション登壇や企画運営に携わります。私も登壇の機会をいただき、お客様との事例を紹介するなど、普段の支援を通じて得た学びを多くの方と共有できる場になりました。

仕事において、やりがいを感じるのはどんなときですか。

お客様の社内で、少しずつ変化が生まれていく瞬間に立ち会えたときです。kintoneの導入を通じて、単に業務が効率化されるだけでなく、現場の方々が主体的に意見を出したり、「こうしてみよう」と新しいアイデアを生み出したりする。まだ道半ばではありますが、「現場主導の業務改善」が根づいていく過程を間近で見られるのは本当に嬉しいですね。

前職では営業職として目の前の予算達成に向き合う毎日でしたが、今は「1to1での支援」と「マス向けへの発信」の両面から顧客の成功に向き合っていける環境にやりがいを感じています。

写真: 林 早織

お客様の未来も、チームの成長も。共にゴールを描くリーダーへ

転職後、成長を実感したエピソードはありますか。

カスタマーサクセス部では、顧客対応力を段階的に評価する制度があり、入社半年ほどで独り立ちを目指す「レベル1」、より高い問題解決力やコンサルティングスキルが求められる「レベル2」の判定会があります。レベル1では、型を身につければ一定の成果を出すことができますが、レベル2では「お客様の課題をどう捉え、どう導くか」という本質的な思考が求められます。

そんな私がレベル2に向き合ったのは入社3年目の頃です。最初は難しさを感じることも多く、先輩に何度もロールプレイングをしてもらい、フィードバックを受けながら、自身の課題とじっくり向き合う時間を過ごしました。最初はこのフィードバックを受けることにも緊張や不安を感じていましたが、先輩たちが真摯に向き合ってくださったことでだいぶ考え方が変わりました。「人前で自分をよく見せよう」ではなく、「せっかくもらえた気づきやアドバイスを、自分の成長のためにしっかり受け取ろう」と思えるようになったのは大きな変化でした。マインドが切り替わったことで、お客様に対する支援の質もぐっと向上したと感じています。

カスタマーサクセスとして、どんな姿勢を大切にしていますか。

お客様の言葉の奥にある「本当の課題」や「理想の状態」を一緒に探ることを大切にしています。kintoneは業種や用途を問わず幅広く使われるため、求められる支援内容も多岐にわたります。だからこそ、表面的な要望をそのまま受け取るのではなく、背景にある思いや業務の構造を理解したうえで、仮説を立てながら対話を重ねるようにしています。

そうしたプロセスを経て取り組んだ仕事がお客様に評価してもらえるのは嬉しいですね。支援終了後に実施する顧客満足度のアンケートでも、「私たちの業務を、ここまで理解して提案してくれるとは思わなかった」といった声をいただくこともあります。

サイボウズCSではお客様とともに考え、中長期的な変化を見据えながら伴走する姿勢が求められます。お客様自身も明確な正解を持たないなかで、一緒にゴールを描いていく。その過程に、この仕事ならではのやりがいを感じています。そうした経験を通じて、「相手の立場に立ち、全体を見て提案する力」が磨かれたように思います。

現在はチームリーダーとして活躍されていますよね。どのようなことを心がけていますか。

チームの全員が同じゴールを見据え、自律的に考え行動できるようにする。そのための後押しをすることを心がけています。私たちのチームでは、「ファーストサクセスの実現」をミッションに掲げています。kintoneは汎用性が高い製品だからこそ、導入してくれたお客様の「最初の成功体験」をどうつくるかが、その後の利用拡大に大きく関わってくるんです。

私はチームリーダーとして、「どんな状態をファーストサクセスと呼ぶのか」という投げかけを改めてチームメンバーに行い、自分たちの目線を揃えることから始めました。お客様の業種や規模、導入背景によって最適なステップは異なるため、「このお客様ならどんな進め方が近道か」「どの段階で効果を感じてもらえそうか」といった対話を重ね、ミッション達成に向けた再現性を高めるよう努めています。また最近では、「カスタマーサクセスチームの価値を、どのように広く届けていけるか」という観点も意識しています。

そのために、社内外ではどのような取り組みをしているのでしょうか。

社内では、既存顧客向けのマーケティングチームや営業チームと連携し、アップセル(※)につながる施策を企画しています。加えて、日々の顧客接点から得た気づきを開発チームにフィードバックするのも大事な取り組みだと感じています。たとえば「お客様がどこで迷いやすいのか」「どの操作でつまずきやすいのか」といった使用感は、普段お客様と接する機会が多い私たちだからこそ見える部分。現場からのリアルな声を届けることで、プロダクトのブラッシュアップにも貢献できると思いますね。

(※)...すでに契約しているお客様に、より価値の高い商品・サービスを提案し、利用の幅を広げ、単価を高めてもらうこと

さらに今では、kintoneを販売してくれるパートナー企業から「自社でもカスタマーサクセスの部署を立ち上げたい」という相談を受ける機会も増えました。現在は直販のお客様を中心に支援していますが、今後はパートナー企業とも連携し、私たちのノウハウを広く共有していけたらと思っています。

写真: 林 早織

必要なのは、お客様に寄り添う姿勢と「製品愛」

どんな方がサイボウズでカスタマーサクセスとして活躍できますか。

営業経験の有無にかかわらず、「お客様の課題に本気で向き合える人」だと思います。カスタマーサクセスは、ただツールを導入してもらう仕事ではありません。お客様の声を丁寧に聞き、その背景にある課題や理想を一緒に整理しながら、kintoneを通じて解決の道筋を描いていく仕事です。だからこそ、目の前の課題に寄り添い、相手の立場で考えながら伴走できる方が活躍できるのではないでしょうか。

コミュニケーション力は必要ですが、それは「話す力」よりも「聞く力」や「共に考える力」に近いかもしれません。たとえば、これまでにチームで課題解決に取り組んだり、誰かの相談に乗って問題を整理してきたりした経験がある方なら、その素養を十分に活かせるはずです。

また、サイボウズのカスタマーサクセスでは、製品知識以上に「製品への愛」や「理念への共感」が大切になります。お客様のなかには、kintoneを導入していただいたものの、「使いこなせなかった」と悩む方も少なくありません。そんなときに「どうすればこのツールの価値を実感してもらえるか」と粘り強く考え、お客様の課題解決に向けて提案を続けるには、製品に対する信念が欠かせないんです。お客様の業務を支えたいという気持ちと、製品を信じる気持ち。その両方を持っている人は、きっとこの仕事を楽しめると思います。

今後の目標を教えてください。

私たちのチームは、サイボウズから直接ご契約いただいているお客様のうち、導入初期フェーズの支援を中心に活動しています。一方で、導入後の活用に苦戦している企業や、さらにkintoneを使いこなして新しい業務改善に挑戦したいお客様も多くいらっしゃいます。そうしたお客様にも価値を届けられるよう、個別での支援領域を広げ、さまざまなフェーズの顧客理解の質を高めていき、私たちカスタマーサクセスが持つ「顧客解像度の高さ」という強みを伸ばしていきたいです。その挑戦の先に、サイボウズ全体の事業成長に貢献できると考えています。

将来的には、個別での支援を軸にしながらも、パートナー企業や他部署と連携し、サイボウズ全体のエコシステムを広げていける存在になりたいです。お客様の「最初の成功体験」を支えるのはもちろん、その先の成長も共に描ける。そんなチームづくりを目指していきたいですね。

写真: 林 早織

私のオフタイム

ワインや日本酒が好きで、旅行先ではよく醸造所を巡っています。土地の雰囲気やオーナーさんの想いを感じながら飲み比べるのが楽しくて、先日は山梨の勝沼でたくさんのワイナリーをまわり、とてもいい思い出になりました。

写真: 林 早織
  • インタビュー内容は取材時点のものです。ご了承ください。

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