
コーポレートエンジニア
K
(2018年 新卒入社)
京都大学大学院の人間・環境学研究科で生物物理学を専攻。卒業後は第一志望のサイボウズに新卒で入社し、情報システム部(現・情報システム本部)に所属。“IT初心者”の状態からスキルアップを重ね、ITシステムやセキュリティ技術に取り組むスペシャリストチームの一員へ。現在システムアドミニストレーターとして、サイボウズ社内で利用する IT 機器や情報システムの設計から構築、運用保守を担う。*ご本人の希望により写真はアイコン表示とさせていただきます。
2025年5月に公開
“チームワーク”がテーマの会社ってなんだか面白い
学生時代に学んだことと全く違う領域の仕事に就かれています。きっかけを教えてください。
学生時代は生物物理学を専攻し、光合成の機構について研究していました。働くことと研究は別と考えていましたから、卒業後は業界に関係なく一般企業への就職を希望していました。就職活動にあたり、将来性を鑑みてIT企業に着目しました。ネットで企業情報を収集する中、目に留まったのがサイボウズでした。
当時サイボウズは、地域活性化にITの視点で取り組んでいて、他のIT企業にないユニークさを感じたのです。また、“チームワーク”が会社のテーマになっていることにも他の企業とは異なる面白さを感じ、サイボウズを第一志望に、まずは企業説明会を受けてみようと動いたことで今に至ります。初めて訪れたサイボウズの大阪オフィスは、35階からの眺めの良さが印象的でした。
“チームワーク”というテーマが気になったのは、どうしてだと思いますか?
「ITを使ってチームワークを育てよう」というのはよくあると思います。でも、サイボウズは、「やりたいことは何?」という問いから“チームワークづくり”というテーマが導き出され、その実現のためにIT技術の利用を提案している。“チームワーク”と“IT”という事柄が置かれる“順番”、目的と手段の捉えかたといった点が他とは違うと感じました。
自社についても、地域活性化の取り組みでも、企業の業務改善という製品作りにおいても“チームワーク”をうたっているなど、IT企業なのにITを前面に押し出していない姿に興味を持ったのです。

IT未経験者も歓迎の環境で、自己成長を目指す
ITのスペシャリストが集まる情報システム部に配属された時、どう思いましたか。
学校でもプライベートでもITにほとんど触れてこなかった私でしたが、情報システム部(現・情報システム本部。以下、情シス)への配属は私自身が望んだことでした。
当時“職種別採用”はなかったため、ビジネス職として入社した私は「どの部署に配属されてもいい」という心構えでいました。
しかし、ビジネス職とエンジニア職が一緒に受ける入社後研修で、研修カリキュラムを経る中で「ITエンジニアとしてのスキルを身に付けたい」と思うようになったのです。
同時に、情報システム部の業務内容にも惹かれました。情シスの「IT未経験者もウェルカム」というスタンスに自己の成長も期待できたので、配属を希望しました。
想像していたとおり、配属後は先輩社員による業務内容や社内システムの説明があるだけではなく、実際のタスク遂行に向けたアテンド・サポートもしてもらえました。こうした手厚いフォロー体制で迎えられたからこそ、未経験からのスタートでも安心して業務に向き合っていくことができました。

情報システム部の業務のどんなところにひかれたのでしょうか。
まずは情シス全体の業務を紹介させてください。サイボウズの企業理念は「チームワークあふれる社会を創る」ことですが、情シスはその企業理念を実現するための社内環境づくり、つまり「チームワークあふれる“会社”を創る」ために「いつでも、どこでも、誰とでも、最高の仕事ができる IT を提供する」をミッションとしています。
サイボウズで活躍する社員は国内外に千人以上。リモートワークの人、出社が多い人、子育て中の人と働き方はさまざまで、情シスは”100人100通りのマッチング”をサポートするともうたっています。言語も日本語、英語、中国語、ベトナム語と多様。kintoneなどのサイボウズ製品をハードユースしながら、利便性やセキュリティ向上のために社外製品も導入しています。さらにはITを用いた社内の業務改善、従業員に向けたITサポートのためのヘルプデスクも情シスで受け持っており、仕事の幅が広く、他部署へのサポートや連携も多いです。
こういった業務を、本部内の4つの部で分担しています。私はCorporate Engineering部のシステムアドミニストレータ―(シスアド)というチームで、社内で利用する IT 機器や情報システムの設計から構築、運用保守を担っています。
このチームは、自社製品はもちろん、オンプレミス仮想基盤やAzure、AWSといったクラウド基盤を扱うことも多いです。社外ベンダーへの依頼を最小限にして、自社内で責任を持ってシステムの導入から社内展開、運用保守までを行っていることが特徴です。 そのためサイボウズ製品以外のシステムにも、他部署とは異なり「システムを管理する側の目線」で触れることができます。この点が私にとっての情シスの魅力でした。
トレンドを常にキャッチアップできる環境
これまでに取り組んだ中で印象的なお仕事を教えてください。
2020年、サイボウズ製品のインフラ基盤にアクセスするための環境を物理PCから仮想化基盤に移し替えるプロジェクトが起こり、私が担当しました。3年目だったのでそれほど経験値が多くなかった頃に、鍛えられた業務だと思うのでよく覚えています。
業務内容はVMware製品(現Broadcom製品)を導入して仮想化基盤を構築し、それを従業員が利用できるシステムを作るというものでした。仮想化の知見が少ない上に、データセンターへの物理機材設置やデプロイがあり、それまでサーバを導入した物理作業など実機を扱う機会がなかったこともあって、ノウハウを身に付けるまではずいぶん苦労しました。
サイボウズには自主自律というカルチャーがあります。情シスもそのカルチャーのもと、大きな案件でも基本的にはすべてを任せてもらえる環境です。それは主体的に動き、そこで起きたことの責任を引き受ける覚悟を養うためでもあります。分からないことがあれば、まずは自分で調べる。調べては手を動かして、とにかくやってみるということを繰り返し、それでも困ることが起きたら周囲にアドバイスを求めつつ進めます。もちろん、質問すればみんながしっかりと教えてくれますが、この前段階が重要です。
私自身、「まずは自分で調べて、試してみよう」という想いが強いため、仮想化基盤構築についてとにかくネットで情報を集めながら試行錯誤しました。一段一段階段を上がることで問題を解決していく中で、成果が上がり、スキルが増すのを体感しました。コロナウイルス感染拡大が始まった頃にも関わらず実機を触るために出社が多かったこともあり、印象的な案件でした。
情シスでの仕事はどんなところにやりがいがありますか。
変化の早いITトレンドをいち早くキャッチアップできる環境で働けている。情シスにいること自体が私のやりがいやモチベーションにつながっています。
例えばPCです。新しいCPUやOSバージョン、機能を搭載したモデルが次々と発表されていきますが、サイボウズではそういった新機種を早期に購入し、情シスでさまざまな検証を行います。またPCのOSや業務システムのアップデート時も、全社に先駆けて検証します。
セキュリティ的な視点や、トラブル時の復旧を念頭にした検証も行うので、新しいシステムに触れるワクワク感だけでなく、深く入り込む苦労とひきかえに、身に付く知見の多さが成長につながる実感があります。入社当初は未経験からのスタートで、一から勉強しなければいけないことがとても多く、ハードルが高いと感じることもありましたが、今では「ITに相当強くなった」と断言できます。これまでオンプレミスベースのインフラ基盤を扱うことが多かったので、これからはAzureやAWSといったクラウドベースのインフラ基盤に挑戦してみたい。いずれ任せてもらえるように現在知見を蓄え中です。

サイボウズの情シスにはどんな人が合うと思いますか。
まずは、ITに対する興味がある人ですね。ハードウェアでもソフトウェアでもいい、興味を持って自分で学ぶ姿勢があることが大切だと思います。知識はあったほうがいいですが、未経験者には数カ月間メンターが付いて指導してくれますし、外部の研修などでのスキルアップも推奨しています。
費用のサポートもあるので、本人の努力次第で知識はどんどん後でついてきます。 それから、サイボウズ社内はkintoneなどでのテキストコミュニケーションが多いので、そういったことに抵抗がない、「むしろ得意だ」という人は職場に馴染みやすいのではないかと思います。仲間と共に仕事をするうえで丁寧な情報共有を心がけたり、しっかりとした準備の下で質問・相談ができたりと、チームワークを重視して働ける方には最適な環境です。
私のオフタイム
学生時代からバイオリンを弾いており、今でも続けている数少ない趣味の一つになりますね。音楽を聴くのも好きなので、休日はアーティストのライブを観に行ったり、趣味の合うレコードが掛かっているカフェを探したりしています。

- インタビュー内容は取材時点のものです。ご了承ください。