QAエンジニア
永田 遊希
(2024年 新卒入社)
2024年にサイボウズへ新卒入社。入社後はQAエンジニアとして、主にkintoneのアプリ設定機能の品質保証を担当。QAコミュニケーションチームの運営にも携わり、チーム内外の交流促進にも力を注ぐ。
2025年11月に公開
文系出身からQAエンジニアへ。 開発インターンで感じた「品質を守る重要性」が、今の原点
永田さんは新卒でエンジニアになられていますよね。どんな背景からエンジニアという職種を選びましたか?
大学時代は英文学を学んでおり、情報系の学部出身ではありませんでした。ですが、就職活動にあたって自分は何がしたいのか改めて考えたときに、「専門的な技術を身につけて働きたい」と思ったんです。もともとコツコツ努力をするのが好きなので、いろいろ調べてみて、常に新しい技術のキャッチアップが必要なIT業界は私に向いているかもしれないと感じましたね。そこで、他社で行われていた開発インターンに参加したことが、エンジニアを目指すきっかけになりました。
そのなかでもQA(品質保証)エンジニアを志すようになったきっかけは何でしたか。
当時のインターンでは主にエンジニア業務を経験する目的でコードを書いていましたが、そこで品質の重要性に気づいたことが最初のきっかけです。コードを書く前の段階で違和感を発見できていれば防げた不具合が多く、納期が迫っているなかでの修正対応に苦労することもありました。その対処法などを調べていくうちに、ソフトウェアの品質保証のために、不具合の検出や再発防止、改善提案などを行う「QAエンジニア」という職種を知り、挑戦してみたいと思ったんです。
なかでもサイボウズに入社を決めた理由を教えてください。
サイボウズの文化のひとつである「公明正大」という考え方に共感したことがきっかけです。私自身、他社のインターンのなかで「わかったつもり」「きっと周りも同じ理解しているはず」という気持ちで作業を進めてしまい、後に認識のずれが生じて修正が必要になる経験が何度かありました。そうした出来事を通して、わからないことをそのままにせず、誠実に伝えることの大切さを痛感したんです。サイボウズの「公明正大」という考え方からは、「嘘をつかず、誠実に相手と向き合う姿勢」を大切にしていることが感じられ、私自身の価値観とも重なると思いましたね。
加えて、サイボウズにはエンジニア採用の長い歴史があります。QA部門は2000年に開発部内でグループとして立ち上がって以降、未経験のエンジニアを含め、多様な人材を育成してきた背景もあります。こうした長年の経験のなかで、教育体制やサポートの仕組みが整えられてきたことを知り、「新卒で入社しても、しっかりと成長できる環境がある」という安心感につながりました。
また、面接の段階からQAエンジニア社員の方と直接お話しできたことで、職場の雰囲気や人柄に触れられたことも大きかったです。こちらが言葉に詰まってしまうような場面でも、社員の方がうなずきながらじっくり回答を待ってくださる姿勢に、優しさや丁寧さを感じました。業務内容や他社との違いを質問したときも具体的に答えていただき、入社後のイメージが鮮明に描けたのを覚えています。事業会社であるサイボウズは、開発のプロセス全体を見て品質向上に貢献できることから、広い範囲でQA業務に携われる点が特に魅力的でしたね。
不具合を防ぐだけじゃない。 地道な検証が生み出す、「現場を止めない」確実な安心
2025年10月現在の仕事内容を教えてください。
kintoneのアプリ設定機能を開発するチームで、品質保証を担当しています。ユーザーが使うさまざまな設定項目が正しく動作するよう確認し、不具合を未然に防ぐのが主な役割です。
アプリ設定機能は仕様が複雑になることも多いため、仕様書を丁寧に読み込み、他の機能にも影響が出ないかを確認しながら、必要な確認項目を洗い出してテストを行っています。地道な作業ではありますが、プロダクトの品質を支える重要な工程だと感じています。
最近では、既存機能に影響がないか確認するテストの内容も見直しも担当。長年にわたって積み重ねられてきたテストの、一つひとつの内容を精査するのも重要な役目です。「この項目は、すでに別のテストで十分確認できているのではないか」「そもそもこの確認は必要なのか」といった視点で、チーム内で意見を出し合いながら整理しています。このように定期的にテスト項目の精査・取捨選択を行うことで必要十分なテストに絞り込みつつ、品質と効率の両立の実現を目指しています。
業務を通じて成長を実感できたエピソードはありますか?
kintoneのプロセス管理機能(※)のアップデートを担当したときのことです。同機能は、ユーザーの利用パターンが多岐にわたるため、ありとあらゆるケースを想定して検証するのがとても大変でした。加えて、仕様が途中で変更になることもあり、そのたびに検証すべき内容を見直す必要がありました。タスクの領域が他チーム領域と重なる部分もあり、連携時のコミュニケーションにも苦労しましたね。
(※)...申請・承認・対応完了など、業務の流れを可視化・自動化できる機能
配属後、初めて自分がメインで試験を担当することになり、試行錯誤の連続でしたが、そのたびにQAチームの先輩がテキストチャットやZoomなどのオンラインツールを通じ、リモートでも丁寧に相談に乗ってくださいました。こまめにアドバイスをいただきながら、数ヶ月かけて少しずつ前に進むことができたと思います。こうして新機能が無事にリリースできたときは、大きな達成感がありました。リリース直後にSNSやブログで「早速、こんな風に試してみました」と投稿してくださるユーザーの声も見かけ、日々の仕事の積み重ねが、多くの方々の役に立つことを実感できましたね。
業務において意識していることはありますか。
「自分の仕事が、ユーザーの業務を支えている」という意識を常に持つようにしています。kintoneは、業界や企業規模を問わず、多くの現場で使われているプロダクトです。そのため、私たちが日々行っている検証作業一つひとつが、多くのユーザーに影響を与える可能性があります。たとえば、もし検証の過程で不具合に気付けなければ、ユーザーが日々使っているデータの自動更新が止まり、業務全体に支障が出てしまうこともあります。だからこそ、目の前の小さな不具合を見落とさず、ユーザーに安心してkintoneを利用いただけるよう、責任感を持って丁寧に取り組むことを大切にしています。
サイボウズでQAエンジニアとして働く醍醐味を教えてください。
サイボウズでは、関わるプロダクトの幅が広く、プロダクトの基盤や社内システムを担うチームもあれば、ユーザーが直接使う機能を担当するチームもあり、プロダクトごとに求められる品質や検証内容が異なります。その分、さまざまな領域の知識や開発手法に触れられるのが魅力です。バックエンド寄りの検証を行うこともあれば、ユーザー目線で操作性を確認することもあり、常に新しい気づきが得られます。ひとつの視点にとどまらず、幅広い視野で品質を考えられるのが、サイボウズのQAエンジニアとして働くおもしろさだと思います。
また、単に不具合を見つけて終わりではなく、「その不具合が本当に修正すべきものなのか」を判断する視点も求められます。影響範囲や利用頻度、開発全体の優先順位を踏まえて、他チームと連携しながら最適な対応を考える必要があるんです。こうした判断力や調整力も含めて、自分で考え、行動できるのがサイボウズのQAエンジニアらしさでもあると思います。
学び合い、支え合う。それがサイボウズらしさ
働く環境や風土について教えてください。
サイボウズには、「助け合いの文化」が根づいています。疑問点があれば、誰に聞いても丁寧に教えてくださいますし、QAエンジニア同士はもちろん、他職種の方々ともフラットにやり取りができています。チームの垣根を超えて自然に協力できる雰囲気があると思いますね。
安心して学べる環境も整っています。入社時には、新人QAエンジニア向けの研修が実施されたり、知見がまとまったドキュメントを共有していただいたりしました。それだけでなく、「こういうことを勉強してみたい」「もっと知識を深めたい」と思ったときに、それを自然に応援してくれる雰囲気があります。私自身、テストに関する技術書や動画教材を購入して学習に役立てています。
自分で勉強会を企画したり、外部の勉強会に参加して知見を共有したりする人も多いです。最近はAIの機能開発といった新しいテーマについてシェアしていただき、学ぶ機会がありました。私の同期にも情報系以外の出身者や業界未経験のメンバーがいますが、みんなそれぞれの方法で学びを深めています。そんな姿を見て、「自分も頑張ろう」と刺激を受けています。
業務外では、QAコミュニケーションチームの活動も行っているそうですね。
はい、QAコミュニケーションチームは、「プロダクトを超えてQA同士がつながり、知見を共有できる文化を育てる」という目的で設立されたチームです。 私はそのなかで、メンバーが数分の自己紹介を行う「LT(ライトニングトーク)」を企画しました。これまでも社内でLTの機会はありましたが、技術や業務に関するナレッジ共有が中心でした。もう少しメンバーの人となりにも触れられる場をつくりたいと思ったんです。趣味や特技など、業務とは直接関係のないテーマを通して話すことで、より自然にコミュニケーションを深められると感じました。
実際、LTをきっかけに「コミュニケーションのハードルが下がった」という声をいただき、とても嬉しかったです。リモート勤務が主体の環境においても、こうした企画を通じて、互いの距離を感じさせない温かい関係が生まれていると思います。
判断力、思考力、コミュニケーション。 日々の信頼の積み重ねが、自分とチームを成長させる。
サイボウズのQAエンジニアに向いているのは、どんな人ですか。
改善に向けて自分から声を上げられる人です。日々の業務に慣れてくると見落としてしまいがちですが、どんな開発プロセスにおいても、何かしら改善の余地はあると思っています。小さな気づきがあれば発信し、行動に移せる人がいると、チーム全体の仕事の品質も高まります。
そうした場面においては、周囲とのコミュニケーションも欠かせません。QAエンジニアだけでなく、開発を担うプロダクトエンジニアなど、他職種と協力しながら進める場面も多いので、相手の立場を理解しながら働きかけられる人は強いと思います。
入社して間もない頃は、他チームにヘルプを求める際、戸惑うことがありました。ですが今では「このタスクにはこのチームの協力が必要だな」と気づいたらすぐに声をかけられるようになったんです。サイボウズに入社して、こういったコミュニケーション能力や判断力、思考力といった普遍的なビジネススキルが身につけられたと思います。
将来的には尊敬している先輩のように、幅広い領域で人を助けられるQAエンジニアになりたいと思っています。
求職者の方へ、メッセージをお願いします。
学生の頃は、正直「社会人として働くこと」にあまりポジティブな印象を持っていませんでした。周りの大人を見て、「大変そうだな」と感じていたんです。ですが実際にサイボウズで働いてみると、理念に共感できる仲間と信頼関係を築きながら仕事ができ、想像以上に充実した日々を送っています。
サイボウズには、誰かが困っていれば自然と手を差し伸べる雰囲気があります。自分から積極的に動く姿勢を持っている人や、仲間との協働を大切にできる人は、きっとこの環境でのびのびと働けると思います。
私のオフタイム
食べることが大好きです。週末はお気に入りのカフェでのんびり過ごしたり、友人と美味しいお店を探したりしています。
年に数回は自分へのご褒美にホテルビュッフェへ行きます。美味しいものを食べてリフレッシュするのが最高の時間です。
- インタビュー内容は取材時点のものです。ご了承ください。