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今回は、サイボウズ代表取締役の青野と人事本部長の中根の2名が登壇します。
グループウェアで「チームワークあふれる社会」を目指す
ITツールがあるからこそ、面白いチームワークが生まれる
武部
人事本部の武部です。本日はサイボウズの理念や事業、組織の背景にある青野さんの想いや考えを改めてお聞きしたいと思います。よろしくお願いします。
青野
はい、よろしくお願いします!
武部
まずは理念について。サイボウズは「チームワークあふれる社会を創る」という理念を掲げています。青野さんはこの「チームワーク」について、ITツール(グループウェア)を使って実現したいという想いが強いと感じます。それはなぜですか?
青野
これは僕も最近やっと言語化できたことなんですが、ITが生まれる以前の社会と以降の社会とでは、チームワークの形が全然変わってしまっているからだと思います。
武部
もっと詳しくお伺いできますか?
青野
たとえば、誰もが等しく情報を得られる手段がない環境では、トップの人に情報を集めて考えてもらって、全体に指示を出してもらう、という組織の動き方が一般的ですよね。これがITが生まれる以前のチームワークです。
ところがITツールを使えば、誰でも簡単に情報の共有や閲覧、発信ができます。一人ひとりが情報に触れて、自分で考えて、動いて、そこから得た結果も全体にすぐシェアできるなら、指示を受けなくても行動できるんです。
武部
組織の統制に支えられたチームワークから、個人の主体的な活動を中心としたチームワークへと変化したんですね。
青野
はい。この変化は良い、悪いで語れるものではありません。でもITツールの誕生によって、変わることができるようになってしまった。
ITツールがあるから、誰でも社長と同じ情報に触れられるようになる。全員に同じ判断材料が与えられる環境があれば、組織の生産性は革新的に向上するし、個人も主体性を発揮しながらいきいきと働けるようになる。僕はこっちのチームワークのほうが、面白いなあと思うんです。
武部
なるほど。サイボウズの掲げる「チームワーク」に共感してくださる方は多いですが、なぜグループウェアでやるのかについては、意外と語られる機会が少なかったように思います。
青野
サイボウズは、グループウェアから生まれるチームワークを楽しむ、新しい組織のモデルです。これを自分たちで実際にやっているから、さらに面白い。そのメリットやノウハウを発信して、お客様に還元していけるのが、最大の強みなのかもしれません。
グループウェアは企業のためのツールではない
武部
「グループウェア=オフィスワーカーが使う」というイメージが強いかもしれませんが、一般の方も使いやすい状況になりましたよね?
青野
そうですね。デバイスや通信環境の進化などを背景に、いろんな人が使いやすい環境になってきました。今は企業のお客様が多いけれど、もっともっと裾野を広げられると思います。僕たちは、その未来をイメージできる想像力を持っていなくてはいけません。
街中の商店とか、地方の自治体とか、リモートで働く人とか。いろんなところでグループウェアが使われるのを想像しながら、どんなプロダクトをどう提供していけばいいのか、これからもみんなと一緒に考えていきたい。
僕は街中を歩いていると、悔しいんですよ。家の近くにカツオ節屋さんがあるんだけど、前を通るたびに「どうすればこのカツオ節屋さんがグループウェアを使ってくれるだろうか?」と考えたりして。いい匂いがするんですよ、また(笑)
日本社会を支える企業から、グローバルでも選ばれる企業へ
事業の成長に伴い上昇する国内でのポジション
武部
次に、事業について。サイボウズはここ数年、順調に売上を伸ばしてきています。青野さんは現状についてどう感じていますか?
青野
びっくりするくらい一定のペースで成長してるよね(笑)
個人的にはもっと加速させたい気持ちもありますが、今の自然なペースから無理にスピードアップしようとは思っていません。
最近だと、数値で見える売上に加えて、サイボウズが社会に与える影響力の高まりも実感しています。
武部
国や自治体の公共案件や、社会問題に関わる機会が増えてきましたよね。
青野
災害対策のIT化を支援する災害支援プログラムが全国をフォローしていたり、児童虐待防止や新型コロナウイルスの対応にkintoneを導入していただいたりも。
サイボウズは着々と社会のインフラになってきています。社会をリードする存在として期待してもらえている実感がありますね。サイボウズの発信に社会が耳を傾けてくれるようになっていますし、力が発揮できる環境になってきたなと。
しかし社会と言っても、規模はまだ日本レベル。それが悔しくもあります。他の国からもどんどん声が掛かるようにならないと。
グローバルでの戦略は「スモールイズビューティフル」
武部
サイボウズでは以前から「グローバル」がキーワードになっています。これから競争相手も世界規模の大企業ばかりになりますが、サイボウズは今後どう戦っていくのでしょうか。
青野
サイボウズの武器になるのは、「スモールイズビューティフル」のような考え方だと思います。
グローバル大手企業の製品は、お客様のニーズをすべて満たそうと、たくさんの製品を用意しています。でも、肝心のお客様にとっては、それらをすべて理解して使いこなすのは簡単じゃない。
武部
たしかに。もっとシンプルに、1つのプロダクトですべて解決できる方が、利用者としてはありがたいかもしれません。
青野
それって、グローバル大手企業には難しいことなんです。これまで増やしてきたラインナップを1つにまとめてしまえば、売上を減らすことになる。製品は1つより、5つ売った方が儲かりますからね。でも僕たちには、1つでもいい強さがある。
それをもっと活かすために、現在は「サイボウズNEXT」というビジョンを構想中です。サイボウズの主要4製品を統合・融合して、製品の区分やデータの場所を気にせず、1つのプロダクトだけで機能をすべて使えるという世界観を実現したいなと。
武部
待ち遠しいです!一方で、製品を1つに絞ることのデメリットもありそうですが、いかがですか?
青野
もちろん、製品を1つに絞るとはグローバル大手企業と売上で競うのを諦めるということです。 サイボウズは売上で他を圧倒して、市場を独占したい訳ではありません。
市場での存在感も大切ですが、私たちは世界の大企業を相手にしても「サイボウズの方が、より多くのお客様のチームワークを支えています!」と言えるようになりたいんです。だから、ユーザー数にこだわってたくさんの人に使っていただけることを目指しています。
今は世の中に情報共有の大切さを説いていくフェーズ
武部
グループウェア市場の今後についてはどう見ていますか?
青野
グループウェアは、21世紀後半の社会インフラを担う存在になると思います。今はまだ序盤戦で、最終的にどの製品が使われるかはまだわからないし、予想も難しい。Microsoftが強い気もするけど、他が出し抜いて行っても全然おかしくない。
でも今はどこを倒すかという話ではなくて、まずは世の中に情報共有の大切さを説いていかないといけないフェーズです。
社会インフラのように広大な市場は、一社で独占できるはずがありません。今後いろんなグループウェアが使われることになるのではないかと思います。サイボウズもその一角を担いたいです。
大切にしているのは、人が幸せに活躍できる組織づくり
売上や事業規模は無理して拡大させない
武部
「チームワークあふれる社会を創る」ためのステップはまだまだ長いです。実現していくために、今のサイボウズには何が必要ですか?
青野
一番は、人と組織ですね。育成という言葉がサイボウズに合うかはわかりませんが、人が育って、幸せに活躍できる環境さえあれば、事業は形を変えながらでも続いていくだろうと思っています。
農業でいう土と作物です。土が人と組織で、作物が事業みたいなイメージ。だからまず土をいい状態にしたいです。
武部
とはいえ青野さんは、サイボウズの急拡大は望んでいないと話されていました。それはなぜでしょうか。
青野
急激な成長の裏には、必ず犠牲になる人がいるからです。どんどん人を採用して、ついて来れない人は辞めてもいい、みたいなやり方だとペースは上がるかもしれませんが、それはやりたくない。
歳をとっていく自分に「急がなきゃ」って焦りもするけどね。
武部
死ぬまでに「チームワークあふれる社会」を見たいとおっしゃっていますもんね。
青野
そう。僕が死んだ後にチームワークあふれる社会が訪れても、僕は楽しくないので。自分の寿命から逆算してばかりです。今の作戦は長生きすることですよ(笑)
人を犠牲にサイボウズを急成長させるくらいなら、僕が長生きします。
サイボウズに関わる人が幸せになってほしい
武部
「犠牲を出したくない、無理に成長させたくない」という言葉には、青野さんのお考えがよく現れていると感じます。どうしてそう思われるんですか?
青野
僕が一番大事にしているのは、サイボウズに関わる人たちが幸せであることです。
みんな、目的や目標があってサイボウズに集まってきているわけじゃないですか。その人たちが、自分のやりたいことをやって幸せになるために組織をつくっているのに、不幸になってしまうなら意味がありません。
武部
なるほど。むしろ幸せになるためにサイボウズを使ってほしいという感じでしょうか。
青野
はい。間違っても、「サイボウズのために」という言葉を使ってほしくないんです。会社なんて実体のない、仮想の法人なのに。そこに生身の人間が犠牲になってはいけません。
サイボウズという組織は、みんなの人生をより充実した、より良いものにするためにあります。やりたいことをやって楽しむ、社会に対してやるべきことも果たす。その幅を広げたり、もっと社会を動かしたりするために、うまく使ってください。
サイボウズでのキャリアのつくり方はあなた次第
20歳そこそこで始めた仕事が40年続くことはない
武部
このインタビューを読む方には就職や転職を考えている方が多いと思います。不透明で将来を読みにくい世の中ですが、キャリアを考える人に青野さんはどんなアドバイスをされますか?
青野
昔と大きく変わってきているのは、20歳そこそこで始めた仕事が40年続くことはないということでしょうか。社会が変化する中で消えていく職種もあるし、1つの会社に就職から定年までという社会ではなくなっていく。
これからキャリアを積んでいく人には、変わり続ける勇気と心構えが必要ではないかと思います。引き出しが1つだと変われないので、常に引き出しを開拓して組み合わせながら働くとかね。
武部
サイボウズだと、引き出しの開拓はやりやすいですよね。
青野
そう、仕事の兼務も部門をまたいでできるし、複業もできる。大人の体験入部を使えば他の部門を経験することもできる。自分でキャリアを主体的に切り開いていける環境は、サイボウズで働くメリットの1つだと思います。
僕も実は、運用本部に入ってみたいんです。昔はコンピューターエンジニアになりたかったので。何百台、何千台というサーバーが動いていて、夜間のトラブルにもすぐ駆けつけて解決するのはかっこいい!
やってみたいと伝えたことはあるんですが、一向にお声がかからないです(笑)
サイボウズは一人ひとりに自立を求める環境
武部
青野さんから見て、サイボウズで働く面白さと難しさはどこにあると思いますか?
青野
まず面白いところは、サイボウズは昔と比べると人も増えて企業規模が大きくなりましたが、その割に自由度が高い会社なのでやれることも多いです。ただ、やりたいことをやるためには周囲から共感と理解を得なければいけません。これがサイボウズで働く難しさです。
僕なんか、事業戦略を立てても誰もやってくれないですからね。社長が事業戦略立ててるのに、2年間放置されて……。サイボウズでは周囲の共感を得られない限り、本当に何事も進まないんです。
武部
2年も(笑) 周りから共感を得るために必要なことはなんでしょうか。
青野
特別な力はいりませんが、自立心を持っていることが重要だと思います。
「この人を説得すれば上手くいく」みたいなセオリーがない環境なので、どうすれば実現できるのかを自分で考えて、自分で行動しないといけません。そう考えると、サイボウズは方法やフローがすべてきっちり決まっていてほしい人には大変な会社かもしれない。
応募者へのメッセージ
武部
最後に、青野さんから応募者の方に向けて一言お願いします。
青野
最近のサイボウズはいい会社に見えるかもしれませんが、実はもっと無茶苦茶したくて。
暴れる余地はいっぱいあります。やりたいことがあって、力が有り余ってしょうがない人、大募集です。僕の言うことに従わなくていいので(笑)
今のサイボウズは理想を実現するためなら何でもできる環境です。事業だってこれからグローバルを目指して、GoogleやMicrosoftと競い合える存在になりたいと思っていますからね。
あなたならサイボウズでどんな活躍ができるか、想像を膨らませてもらえると嬉しいです。
サイボウズ青野から、会社の話をもっと聞きたい
サイボウズ社長の青野が、皆様からのご質問にお答えするイベント、 『Cybozu Top Seminar 2024』の動画です。
「サイボウズの目指す世界とは」「大切にしている理念はどのようにつくられたのか」「社長の雰囲気とは」についてお話ししています。
サイボウズに少しでも興味を持ってくださった方はぜひご覧ください!
プロフィール
青野 慶久
代表取締役社長
1971年生まれ。愛媛県今治市出身。大阪大学工学部情報システム工学科卒業後、松下電工(現 パナソニック)を経て、1997年8月愛媛県松山市でサイボウズを設立。2005年4月代表取締役社長に就任(現任)。
社内のワークスタイル変革を推進し離職率を6分の1に低減するとともに、3児の父として3度の育児休暇を取得。
総務省、厚労省、経産省、内閣府、内閣官房の働き方変革プロジェクトの外部アドバイザーやSAJ(一般社団法人ソフトウェア協会)副会長などを歴任。
著書に『ちょいデキ!』(文春新書)、『チームのことだけ、考えた。』(ダイヤモンド社)、『会社というモンスターが、僕たちを不幸にしているのかもしれない。』(PHP研究所)がある。
武部 美紀
人事本部 Recruiting部
2016年キャリア入社。人事本部 Recruiting部所属。
キャリア採用を中心に、入社される方のオンボーディング施策、成長支援施策など人事施策に広く携わる。