開発本部
sakito&saku
「やってみたい」と声にしたことから、キャリアは動き始めた。新卒でフロントエンドエンジニアとして入社し、デザインテクノロジストへと職能を広げたsakuさん。新しい役割への挑戦や壁を乗り越える中で、どのようにできることを広げてきたのか。本記事では、sakuさんとマネージャーのsakitoさんとの対話を通じて、挑戦のきっかけや成長のプロセス、それを支える周囲との関わりについて紹介します。(写真左:sakitoさん〔2019年キャリア入社・マネージャー〕、写真右:sakuさん〔2024年新卒入社・デザインテクノロジスト〕)
2026年10月に公開
二人のこれまで
サイボウズでは、周囲との対話を重ねながら、自分自身でキャリアを選び、成長していく文化があります。
実際に働くメンバーは、どのような経験や挑戦を通じて成長してきたのでしょうか。
今回は人事の岡田が、フロントエンドエンジニアからデザインテクノロジストへ職能を変えたsakuさんと、当時マネージャーとしてその挑戦を支えたsakitoさんにインタビュー。キャリアの転機となった出来事や、職能変更後にぶつかった壁、その過程で交わされた対話について振り返ってもらいました。
sakuさん〔2024年新卒入社・デザインテクノロジスト〕
岡田:まずはsakuさんから、入社してから現在までどんな仕事をしてきたのか教えてください。
saku:2024年に新卒で入社して、最初はフロントエンドエンジニアとして働いていました。その後、入社して1年ほど経ったタイミングでデザインテクノロジストに職能を変えて、今はkintoneのデザインシステムをつくったり、デザイナーとエンジニアの間に立ってコミュニケーションしたりする仕事をしています。もともと学生時代からデザインや芸術には興味がありました。
一方で、大学では情報工学を学んでいたので、最初はエンジニアとして働き始めました。入社後にデザインテクノロジストという職能があることを知って、新人研修の中でその仕事を体験する機会があったんです。そこで初めて、「自分がやりたかったことって、こういうことかもしれない」と具体的にイメージできるようになりました。
sakitoさん〔2019年キャリア入社・マネージャー〕
岡田:sakitoさんは、当時どのような立場でsakuさんと関わっていたんですか?
sakito:当時はフロントエンドのマネージャーとして関わっていました。ただ、「この面談で初めてキャリアの話をした」というより、普段のいろいろなコミュニケーションの中で話していた感覚の方が近いです。
sakuさんがデザインに興味を持っていることも、突然知ったわけではありません。デザインに近いテーマで外部発信をしていたり、デザインテクノロジストの人に「どういう働き方をしているんですか」と自分から聞きに行ったりしていたので、「こっちの領域にかなり興味がありそうだな」ということは少しずつ伝わってきていました。
自分はフロントエンドのマネージャーだけではなく、プロダクトデザイン全般に関わるマネージャーでもあったので、他メンバーやマネージャーからもsakuさんの情報が共有されていました。sakuさんの活動から自然と情報を周りが伝え合っていましたね。
「やってみたい」を、日々の会話から育てていく
sakuさんがデザインテクノロジストへの興味を伝えたのは、意を決した特別な相談ではなく、日々の会話の積み重ねの中でした。1on1以外にも話す機会が多く、自らデザインテクノロジストに仕事内容を聞きに行くことで、「本当に力を発揮できるのか」を確かめていったといいます。sakitoさんも、普段の仕事や雑談を通じてメンバーの関心を知り、次のキャリアを一緒に考えていくことを大切にしていました。
岡田:最初に「デザインテクノロジストに興味があります」と伝えたときは、かなり準備して相談したんですか?
saku:あまり「この場で意を決して言いました」という感じではなかったと思います。1on1や面談もありましたけど、それ以外にも話す機会が結構あったので。
普段の会話の中で興味があることを話したり、実際にデザインテクノロジストの人に仕事について聞きに行ったりしていました。そういうコミュニケーションを重ねる中で、自分が何を考えているのかを周りが知ってくれていたのは大きかったと思います。
sakito:サイボウズでは、マネージャーとの距離がそこまで遠くないと思っています。もちろん1on1のような場もありますが、そこでしかキャリアについて話さないわけではありません。
普段の仕事や雑談の中でも、「こういうことに興味があるんだな」「次はこういうことをやりたいのかな」と知る機会があります。そういうものも含めて、その人が次にどうしていきたいのかを一緒に考えていく感じですね。
saku:1on1というのも社内ではザツダンと呼ばれていてざっくばらんに会話をすることができたり、普段のkintoneでのやりとりも全てオープンなのもお互いの考えを知る材料になっていると思います。
「やりたい」の先にある成長まで、一緒に考える
やりたいことが明確になっても、すぐに異動したわけではありません。sakitoさんは、デザインシステムに携わるにはkintoneを深く知ることが重要だと考え、まずはフロントエンドエンジニアとして1年経験することを提案しました。当時は「早く異動したい」と考えていたsakuさんも、今ではその1年で得た知識や経験がチーム横断の仕事に生きていると振り返ります。本人と周りで見えている景色が違うからこそ、互いの考えを伝え合う対話が欠かせないと、sakitoさんは語ります。
岡田:やりたいことが明確になったなら、すぐに異動、という選択肢もありそうです。でも実際には、まずフロントエンドを1年経験しましたよね。
sakito:そうですね。
デザインシステムやデザインテクノロジストの仕事をするなら、kintoneというプロダクト自体をちゃんと知っていることが重要だと考えていました。だから、まずはフロントエンドエンジニアとして1年くらいはしっかり経験してほしいと話しました。
一度仕事を経験してみたら、考えが変わるかもしれません。それでも気持ちが変わっていなければ、そのときに改めて異動を考えればいい。
本人が「やりたい」と言ったから、その希望をすぐ実現することだけが支援ではないと思っています。その先で活躍するために、今どんな経験をしておいた方がいいのかまで一緒に考えることが必要だと思っていました。
saku:当時の私は、「早ければ早い方がいい」と思っていました(笑)。
「もっと技術的に強くなったら認めてもらえるかな」とか、「もっとデザインを勉強したら早く行けるかな」とか考えていました。でも、今振り返ると全然そんなことはなかったです。
フロントエンドのチームで1年間働いたからこそ、kintoneについて知ることができましたし、一緒に働いているエンジニアがどんなことを考えているのかも分かるようになりました。デザインテクノロジストとして、いろいろなチームを横断して仕事をする中で、この1年間で得た知識や経験がすごく生きています。
sakito:こういうところは、本人から見えている景色と、周りから見えている景色が違うんですよね。
1年目の本人からすると、「早くやった方がいい」と思う。でも、少し経験している側から見ると、「今これをやっておいた方が後で生きる」と思うことがある。だからといって、「こっちの方が分かっているから」と一方的に決めても納得できないと思います。
そういうギャップは、結局会話することでしか埋められないと思っています。こちらも、なぜそう考えているのかをできるだけ伝える。本人もそれを聞いたうえで、自分なりに考える。そのやり取りを続けることが大事なんじゃないかなと思います。
新しい役割で見つけた、次の成長のテーマ
デザインテクノロジストになって最初の半年は、コミュニケーションに苦しんだというsakuさん。自分の考えがうまく伝わらず、相手からも何ができる人なのかが見えにくい状態でした。フロントエンドのチームでは自然にできていた「相手を知る」ことが、新しいチームでは意識しないとできないと気づいたといいます。sakitoさんは、オンラインの打ち合わせだけでなく、食事やイベントなどを通じて相手を知る時間をつくることを提案しました。今ではsakuさん自身も、人を知ることに意識的に時間を使うようになっています。
岡田:実際にデザインテクノロジストになってみて、最初から順調でしたか?
saku:いや、最初の半年くらいはかなり苦しかったです。
特にコミュニケーションですね。自分が何を言いたいのか相手にうまく伝わらないし、相手からすると、私が何をできる人なのかもよく分からない。自分では「こうした方がいい」と思っていることがあっても、それを相手やチームが求めていることとうまく結びつけられていませんでした。
フロントエンドのチームにいたときは、一緒にカンファレンスへ行ったり、ご飯に行ったり、自然とオフラインで会う機会が多かったんです。だから、意識しなくてもお互いのことを知ることができていた。
でも新しいチームに入って初めて、「相手のことをよく知らない状態で仕事をするって、こんなに難しいんだ」と気づきました。
岡田:sakuさん以外でも同じ悩みを持つメンバーはいそうですが、横断して仕事をするとよりその点の課題が大きいのかもしれないですね。その状態を見て、sakitoさんはどう関わっていたんでしょう。
sakito:「もっとコミュニケーションする時間を取ろう」という話はしていました。
sakuさんからすると、「自分のことが相手に伝わっていない」という感覚があったと思うんです。でも同時に、sakuさん自身も相手のことをまだ十分に知らない。
だったら、仕事のオンラインミーティングだけではなくて、実際に会って話したり、ご飯に行ったり、デザイン系のイベントに一緒に参加したりしてみようと。相手が普段何を考えているのか、何を大事にしているのかを知る時間をつくっていけば、少しずつ変わっていくんじゃないかという話をしました。
saku:実際、それはすごく大きかったです。チームの理念やミッションはドキュメントにもちゃんと書かれています。
入る前にも読んでいましたし、入ってから悩んでいるときにも何度も読みました。でも、ドキュメントだけでは分からないことがあります。「この人はこういう話し方をするんだな」とか、「こういう伝え方をするとお互いに気持ちよく話せるんだな」とか。
そういう一人ひとりのことを知るようになってから、少しずつ仕事がしやすくなっていきました。今は、人を知ることにかなり意識的に時間を使っています。これは異動してから自分の中で大きく変わったところだと思います。
持っている強みを、相手に届く形へ
苦しかった時期にsakuさんの印象に残っているのは、sakitoさんの「料理」のたとえでした。Web標準などの技術的な知識を強みに持ちながら、正論をそのまま伝えても相手に届かないことに悩んでいたsakuさん。そこで、「いい材料はもう持っている。あとは相手が必要としている形に料理すればいい」とアドバイスを受けました。今では、知識をどう伝えるかを考える前に、「相手は何を必要としているのか」を考えるようになったといいます。
岡田:苦しかった時期に、sakitoさんから言われて印象に残っていることはありますか?
saku:料理の話ですね。
岡田:料理の話、、、?
saku:「いい材料を持っているんだから、それを相手に合わせて料理してあげるといい」という話でした。
私はWeb標準などの技術的な知識を強みにしていたので、「技術的には絶対こうした方がいい」と思うことが結構ありました。それを正論としてそのまま説明するんですけど、相手にはなかなか伝わらない。
自分ではちゃんと説明しているつもりなのに、どうして分かってもらえないんだろう、と悩んでいました。そのときに、「材料自体はもう持っている。あとは相手が何を必要としているのかを考えて、その人が受け取りやすい形に料理した方がいい」と言ってもらいました。
sakito:sakuさんは、もともといい素材をいっぱい持っているんです。でも、いい素材だからといって、そのまま全部出せば相手が喜ぶわけではない。
今その人が何を求めているのかを考えて、出し方を変える必要があります。知っていることを増やすだけではなくて、相手に合わせて届けられるようになる。そこができると、コミュニケーションもかなり変わってくると思います。
saku:この話は、その後のいろいろな経験ともつながっています。フロントエンドの人が何を考えているのか。デザイナーが何を求めているのか。相手のことを知らなければ、どれだけ知識を持っていたとしても、相手が欲しくない形で渡してしまうことがあります。
異動したばかりのころは、「自分が持っている知識をどう伝えるか」を考えていたんですけど、今はその前に「相手は何を必要としているんだろう」と考えるようになりました。
自分で進み、必要なときに周りを頼れるようになる
今後は、相手のニーズに合わせて情報を整理し届ける力をさらに伸ばし、いずれは周りの人にもその伝え方を示せるようになりたいと話すsakuさん。sakitoさんも、提案資料や質問の仕方に成長を感じており、「ここはsakuさんに任せれば大丈夫」と言われる存在になることで、周囲にも良い影響を広げてほしいと期待を寄せます。一方でsakuさんは、成長とは一人で全部できるようになることではなく、誰に、何を、どう頼るのかが分かるようになることだと捉えています。
岡田:今後さらに成長するとしたら、どんな状態を目指していますか?
saku:相手のニーズに合わせて情報を整理して、届けられる力はもっと伸ばしたいです。
今は自分自身がそういう伝え方をできるようになっている途中ですが、いずれは周りの人にも「こういう伝え方ができるんじゃないか」と示せるようになりたいです。
デザインテクノロジストは、デザイナーとエンジニアだったり、複数のチームだったり、いろいろな人の間をつなぐ立場でもあります。だからこそ、横断的なコミュニケーションを通して、チームや開発の進め方をもっと良くしていきたいと思っています。
sakito:持っている知識を相手にとって分かりやすい形に変換するところは、今まさに伸びていると思います。
提案資料も良くなってきていますし、質問するときも、以前より相手が答えやすい形で持ってこられるようになっている。そこをもっと伸ばして、「ここはsakuさんに任せれば大丈夫だよね」と言われる状態になっていってほしいです。
sakuさんに任せられることが増えれば、今そこを支えている人たちは、また別のことに挑戦できます。そういうふうに、周囲にも影響を広げられるようになってほしいと思っています。
saku:ただ、「成長したら一人で全部できるようになる」ということではないと思っています。
仕事って、一人だけで完結することはほとんどないと思うんです。例えば新しいプロジェクトを始めたいとき、以前だったら最初からマネージャーに「どうすればいいですか」「誰に聞けばいいですか」と相談していたかもしれません。
でも、経験を積むと、「この話ならこのチームと、この人に聞けばいいな」「このミーティングにはこの情報を用意しておこう」と、自分で考えられるようになる。
そのうえで、必要なところではマネージャーや周りの人に相談する。サポートしてもらわなくなるというより、誰に、何を、どう頼るのかが分かるようになっていくんだと思います。自分にとっては、それも一つの成長なのかなと思っています。
「やりたい」を伝え、対話しながらキャリアをつくる
やりたいことも困っていることも、伝えなければ周りには分からない。sakitoさんは、sakuさんが自分から伝えてきたこと、そしてそれを伝えられる関係性があったことの大切さを語ります。sakuさんも、希望がすべてそのまま実現したわけではなく、対話を重ねながら今必要な経験を考え、挑戦し、うまくいかなければまた相談する。その繰り返しの中で、少しずつできることが増えてきたと振り返りました。
岡田:振り返ると、sakuさん自身が「こういうことをやりたい」「ここで困っている」と伝えてきたことも大きかったんですね。
sakito:それは大きいと思います。やりたいことも、困っていることも、伝えてもらわないと周りには分かりません。
「本当はこれをやりたいんだろうな」と全部察することはできないので。sakuさんは、自分がやりたいこともそうですし、うまくいっていないときも「今こういうことで困っている」と伝えてくれていました。まず自分から伝えられるということはすごく大事だと思います。同時に、それを伝えられる関係性になっていることも大事ですよね。
saku:自分が「やりたい」と言ったからといって、全部そのまま実現したわけではありません。
実際、最初は「まず1年間フロントエンドをやろう」と言われました。当時はもっと早く行きたいと思っていたけど、その理由について何度も話すことができました。
異動した後にうまくいかなくなったときも、「じゃあどうしたらいいんだろう」と周りと一緒に考えることができた。今振り返ると、自分一人でキャリアを考えて、一人で成長してきたという感覚はあまりありません。
自分からやりたいことを伝える。それを聞いた人と話しながら、今必要な経験を考える。実際に挑戦して、うまくいかなかったらまた相談する。そういうことを繰り返しながら、少しずつできることが増えてきたんだと思います。
岡田:伝えた上で、ちゃんと行動してきたこととこれからもどんどん行動を重ねて、sakuさんが成長していくんだろうなというのを感じることができました!
サイボウズでの成長のかたちは、一人ひとり異なります。専門性を深める人もいれば、職能を広げる人、チームを支える側に回る人もいます。共通しているのは、自分がどう成長したいかを自ら考え、周囲と対話しながら挑戦を重ねていることです。
働きやすさと成長は、どちらかを選ぶものではありません。サイボウズには、自分が望む成長を選び、その実現に挑戦できる環境があります。